大自然日記帳   作:強烈ミントのキセル

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大自然に助けてもらえる程度の力

第三話 大自然に助けてもらえる程度の力

森を侵入不可能にし、必要とされた時のみ姿を消しつつ人の子を助けるようになってから数日。

人の子が入ってこなくなったため格段に仕事は減り、ゆっくり長いこと眠る事ができるようになった。

土や木々、風の愚痴を聞いたり、森の中を散歩したりと…それなりに遣いとしての生活を楽しんでいた。

楽しんでいたのだが……

 

 

 

「空が…濁っている……?」

 

こんなことは初めてだし、物の怪の様子も何かがおかしい……。

いつも以上に狂暴化している上に遠くに住み着いていた物の怪までもが集結しつつある。

 

「何を企んでいる……」

 

物の怪に知能はあまりないが、この現状が人の子にとってあまり良いモノでないことはわかる。

 

「仕方ないな……」

 

人の子に害が及ぶなら、どんな相手だろうが倒さなければならない…それが狂暴化した物の怪だろうがね。

大自然に頼んで物の怪退治を付き合ってもらう…何だか嫌な予感もしてきた。

 

 

 

風に頼んで私の背中に追い風突風を吹かせてもらい、木々の間を走り抜ける。

物の位置を移動させることはできても、まだ飛べないし自分の位置を移動させることはできないので走るしかない。

 

「あ…何だ?」

 

人里へと走る物の怪を次々と滅しながら人里へと向かっていると

 

「人里は…こんなにも進化していたのか……」

 

木造ではない石の様なもので造られた高い建物…そして、

 

「物の怪は彼処を目指しているのか……?」

 

鉄で造られており、人の子が集まっている大量の建造物……

 

「人の子…守らないと……」

 

辺りに蔓延る物の怪共の足下の土地を槍の様に突出させ、串刺しにする。

 

「人の子、ここは私に任せて早く計画を進めろ……」

 

近くで棒立ちしていた人の子を建造物に向かわせる。

 

「何をするのか知らないが…早く行け……」

 

私は物の怪をどうにかしなければ……。

 

 

 

巨大な竜巻で物の怪共を吹き上げ、剣山の様に変形させた地面に叩き落として仕留め、又は雹を勢いよく降らせ物の怪共の動きを封じ、雷で仕留める。

勿論これらは全てあの鉄の建造物や人の子に害が及ばないようにしているし、私も自然の力にばかりに頼らずに自分の力で滅している。

だがどんなに滅しても一向に物の怪の数が減らない…それどころか勢いが増している気がするし、大分ギリギリな戦況になってきた。

 

「まだか…人の子……っ!」

 

人の子達は一向に何をしようということもなく鉄の建造物に慌ただしく乗り込んでいる。

だが、成程…私はあの人の子達が全員乗り込むまで物の怪共の進行を止めれば良いのだな?

 

「やってやろうじゃないか……」

 

こんなやり方は好ましくないし、やりたくなかったが……もう良い。

一匹の物の怪をまた別の物の怪の体内に移動させる…物の怪二匹はパンッと弾ける……うへぇ。

だがやるからには徹底的に。次々と視界に入る物の怪を弾け散らせ、辺りを臓物や血で汚す。

だが、これじゃ力不足……次はっ

 

「溶岩よっ!!!」

 

地面が割れ、灼熱の業火が吹き出る。

土地を傷付けてしまうのでこんなことはしたくなかったのだが……。

 

「御願い致します…私に力を……」

 

溶岩はそれに応えるように物の怪共を飲み込んでゆく。

 

「ありがとう……」

 

大自然の全てが物の怪を滅するのに助力してくれている……。

そうしている間に人の子は全て鉄の建造物に乗り込んだ様子で、突然轟音と共に鉄の建造物が空へと舞い上がった。

 

「何とかなったか……?」

 

物の怪はまだ絶えず沸き続けているが、これで一息といったところ………か?

 

「何だ…あれ……」

 

瞬間、私は地面に取り込まれ、そして先程とは比べモノにならない程の轟音と共に凄まじい揺れが襲ってきた。

膨大な熱や鋭い痛み…それら諸々を含めた謎の感覚に襲われた私は気が遠のき、そして目を閉ざしてしまった。




流石にアレを喰らってタダですむのは完全チートなキャラクターだけだと思います。

今のところの主人公の能力は
大自然に助けてもらえる程度の力(程度の能力)と、物の位置を変える力(成長した結果の能力)です。
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