オレカバトル終了の知らせを最近知って当時のお気に入りだった『ドラキュラ』を供養するために最近書いている『ありふれ』とクロスさせました。
一発ネタですのでご了承ください
――【
その名を知らない者はトータスにはいないと言われるほどの存在
灰のように真っ白な髪と死人のような肌の色をしており、体にはまるで血のような深紅のマントを羽織り、暗闇と月のような金色の装飾が施された衣装を着こなすその姿は、彼と敵対する者だけでなく同族からも恐れられていた。
その存在が【吸血皇】と足らしめているのは、何よりもその圧倒的な力であった。
【吸血皇】は
【吸血皇】は吸血鬼であるからそれは殆どの吸血鬼に当てはまるのである。しかし【吸血皇】は違った
まず【吸血皇】はその回復速度が尋常では無かった。つけられた傷がつけられた瞬間には既にまるで何事も無かったかのように綺麗な白色の肌が見えるだけなのだ
更に【吸血皇】はその戦闘能力が異常であった。
【吸血皇】は古くより存在しており、常に強者との闘いに飢えている。だが、【吸血皇】はいずれも完全なる圧勝であった。
その力の強大さを語る上で欠かせない伝説があった
――遥か昔のトータス全域を巻き込むエヒトの軍勢と解放者との戦争において【吸血皇】は君臨した
君臨するや否やその戦場に立ち並んでいた全ての存在が恐怖した。突然周囲が暗闇に包まれ空には紅く輝く満月だけが見えていた
『百年振りのこの世界、楽しませて頂こう……』
戦場の中心に玉座と共に表れた【吸血皇】の異質さに狂信者たちもその敵対者たちも躊躇いを見せたが、先陣を切ったのはエヒトに洗脳された狂信者たちだった。
『ふむ、喉が渇いたな……貴様らの血を頂くとしよう』
【吸血皇】はそう言い放つと玉座に座ったまま手を翳した
周囲が蝙蝠のような何かに包まれたかと思いきや
ギャアァアアアあ……あ、あ……
すると【吸血皇】に立ち向かっていた筈の数千の狂信者断末魔と共に突如一斉に干からびた。彼らの体には一滴の血さえも無かった。
そして一度に数千人の命を吸いつくした【吸血皇】は玉座からゆっくりと、立ち上がると
『エヒトとか言ったか……光栄に思え、その命私が吸い尽くしてくれる』
微笑を浮かばせながら戦争の原因である狂った存在に対する殺害予告をした【吸血皇】に対してエヒトルジュエは、
『何をしている!?早くその蝙蝠を殺せ!!』
怒り心頭といった様子で自身の信者たちに【吸血皇】を殺せと命じた。信者たちは再び正気を失い、【吸血皇】に向かって行った
『まだわからぬか……私との力の差が』
おもむろに右手を天に掲げると……その手を中心に膨大な魔力が集中した。その桁違いの魔力の量と質にこの場にいる全ての存在は絶望した
やがてその魔力が掌に収まり一つの紫に輝く球が構成されたかと思うと
『恐怖せよ!これが私の力だ!』
解放者たちは絶句した
先程までいた筈の大勢の敵軍が突如現れた【吸血皇】の放った一撃で軒並み殲滅されたからだ
『あれは【吸血皇】?!……百年前に封印されていた筈!?』
『魔力をただデタラメに集めただけなのに……!あの破壊力!』
【吸血皇】からすれば今の一撃は単に魔力を集めて固めただけだが、その威力は他の者からすればたまったものではない
『な、な……な、一撃で、信者たちが……』
エヒトルジュエからすれば突然現れた蝙蝠風情の存在に喧嘩を売られ、挙句自分が支配した信者が蹴散らされたのである。おまけにその存在が持つ強大な力に『到達者』である筈のエヒトですら『化け物』と呼ぶほどの存在であった。
『……興ざめだ、つまらん。だが、代わりに餞別を置いておこう』
自身が求める強者が居ないことにがっかりした様子の【吸血皇】は再び自ら封印されようとしていた。だが、【吸血皇】の魔力がその手に集まりつつあった。
そして地面に巨大な大きさの魔法陣が現れると【吸血皇】が拳を魔法陣に振り下ろしながら何かを召喚した
『我が闇に包まれるがよい!』
『な……何が出るんだ……?』
『……!何よ……あれ……』
魔法陣からは戦場を埋め尽くすほどの膨大な数の【吸血蝙蝠】があちこちに飛び回り、まだ生きている生命のある限りを吸い尽くさんとしていた。
さらに一際大きな存在が魔法陣から顕現しようとしていた
『あれは……竜……?!』
『あんなの……初めて見る!』
エヒト側の陣地に降り立ったのは……【吸血竜 ヴァンプスドラゴン】と呼ばれる竜であった。
その体色は紫を基調とし、羽や爪は血を彷彿とさせるような深紅の色をしていた。
『うっ、うわぁああああああ!!』
『助けてください!エヒトさまぁああ!!!!』
既にこの戦場から去っていた【吸血皇】の召喚した眷属たちがある限りの命を奪い取らんとしていた。
蝙蝠の使い魔は、まるで蝗の群れのように周囲を埋め尽くし、血を一滴残らず吸い取っていた。
【吸血竜】はその顎と鋭いかぎ爪を以て、血を啜り、死肉を喰らっていた。
――これが【吸血皇】の伝説であった
一方その頃とある場所にて
「……暇すぎる」
【吸血皇】……ドラキュラという名前のその男は、退屈していた
――嘗てこの世界に転生してから自分の名前が『ドラキュラ・ヴラド・ツェペシュ』というあからさまに吸血鬼を名乗れと言っているような名前と、自身の姿を見て
『まんま……ドラキュラじゃん……しかも……これ『悪魔城』の方か……?』
一人懐かしさと驚愕にふけっていた時彼は決意した。前世で割と好きなキャラであったドラキュラの似姿と吸血鬼として生まれたからには彼は、あのカリスマ溢れる『ドラキュラ』になろうとしていた
『よし……!やってやるぞー!!』
彼の旅路は永く険しい物だった
まず彼は必死に前世の記憶を頼りにあの服を作っていた。そして試行錯誤の果てに作ったのは
『よっしゃあぁああ!!できた!!……待てよなんか違うような……?』
『ってこれ『悪魔城』の方じゃなくて『オレカバトル』の方じゃねぇか!!』
『うーん……まぁ、作っちゃった物は仕方ない……着るか……』
『次は『HELLSING』のやつを作るか!』
また彼は必死に『暗黒魔法』と『錬金術』、そして『宝具』を習得しようとしたこともあった。
『えーっと……ここをこうすれば……あっやべ』
ドッカーン!!
『……吸血鬼じゃなかったら死んでたな』
ある時も
『これに……これを合わせれば……あっやべ』
ドッカーン!!!!
『……また服を作らなきゃな』
『よし……血の操作には大分慣れたな……』
『試しに……【
ブシャアァアア!!(血の槍が出る音と服が弾ける音)
『……練習が必要か』
またある時には
『……キィ、キィ……』
『ん?怪我してるのか?ちょっと待ってな……』
夜中の作業中にふと何かが聞こえたかと思い、家のドアを開けるとそこには弱々しい声で鳴く一羽の蝙蝠の魔物がいたのだった
彼はそんな蝙蝠を家に入れて、何日か掛けて治療した。
『キキィ♪』
『おーよしよし……すっかり元気になったな』
彼がその蝙蝠を撫でようとすると蝙蝠が彼の手に嚙みついた
『キキッ♪』
『おわっ?!血を吸っている!?……って待て待て待て!俺の血を吸ったら……!』
その蝙蝠の体に彼の魔力が満ちると、蝙蝠の羽に眷属の証がついた
『あぁ……やっちまった……』
『キキィ』
それから彼はその蝙蝠を眷属とした。
さらにとある事情で家を空けた際にある卵を見つけた
その卵はまるで血を被ったかのような模様がある紫色の卵だった
『うん?これは……卵か……?』
『キキィ?』
『……何か見たことあるんだよなぁ……うん?罅が……』
ぱきっ!
『キューン……』
『Oh……』
後の【吸血竜 ヴァンプスドラゴン】の幼体が眷属に加わった瞬間である
そしてその後は『悪魔城』での副官の役割を担っていた『死神』と同じような存在のアンデットを眷属にしたり、例の二丁拳銃を再現したり、各地を回って『俺より強い奴に会いに行く』を行い、次々と猛者たちの血を吸っている。なんてことを繰り返していると
『ドラキュラ!貴様は危険な存在だ!!』
『いくらお前が同族であろうと、その力は危険すぎる!!』
……同族の吸血鬼が群れを成して自分の屋敷に押し入り、あまつさえ自分が作っていた『メデューサ』や『フランケンシュタイン』などを殺していた光景を目の当たりにした彼は、
『痴れ者めが!!!!私が何をした!?私が貴様らに何をした!!?』
『私はただ、己を研磨していただけにすぎん!!』
普段の優し気な表情を浮かべていた彼は消え激情が彼を支配していた。
『黙れ!悪魔め!!お前がいると俺が王になれんのだ!!』
『……は?』
『周りの者どもは言っていた!『ドラキュラこそ真の王に相応しい』と!!』
『は?』
ドラキュラは心底、目の前の屑が何を言っているのか理解できなかった。
たったそれだけの為に、自分の眷属を殺したのか。名誉の為だけに俺の屋敷に火を放ち、自分と親しかった奴らまで殺したのか
『ふん!だが寛大な俺からの手向けだ!貴様にも選ばしてやる!!俺に血と眷属を献上するか、死か!』
『……』
『さぁ!選べ!!』
『……答えは一つだ』
『ふん!さっさと寄越せ!屑が!!』
『貴様ら全員の死だ』
ドラキュラの意識が戻ると、辺りは死屍累々といった様子だった。もはや誰が誰なのかが分からない位に原型を留めていなかった死体や何かに貫かれた死体、何かにすり潰された死体……
そして己の底から湧いてくる力を感じた彼は自分が奴らを残らず殲滅し、その血を全て吸い尽くしたのだと悟った
『……俺は……』
『キキィ……』
『グルルルル……』
『ドラキュラ様……』
死体の山に崩れ落ちたドラキュラを心配するかのように残された彼の眷属が駆け寄った。
ふと彼の口から笑いがこみ上げた
『ククククククククッ……フハハハハハハ!!』
『いいだろう!これが『ドラキュラ』の宿命ならば、俺はいや、私は待ち続けよう!』
『私を倒せる存在……『ベルモンド』の一族が来るのを待ち続けてやろうじゃないか!!』
『そう、私こそ『ドラキュラ』!!闇の王なり!!』
後に彼は【吸血皇】と呼ばれることになり彼の居城【悪魔城】は彼の名と共に畏れられるようになったのである
それから数百年が経過したころ……
「……なぜ一向に『ベルモンド』や『ヘルシング』の一族が現れないのだ……?」
「人間の中には、確かにあの一族のような強い人間もいたが……」
「はぁ……あのエヒトとかいう奴を殺せばよかったか……?」
実際彼が封印を破ってでもあの場にいたのは、もしかしたら『ベルモンド』や『ヘルシング』の一族がいるのではないかとの期待していたからだ。
結果として確かに強い力を持つ存在は幾つかいたが……自分には遠く及ばなかった
だがある時彼はとある魔力の流れを感知した
「これは……!あのエヒトの神域からか……!!」
「そしてこの感じは……異世界人か!!」
「クククククククク……漸く待ちわびたぞ!……『死神』!!」
「ここに」
傍に鎌を持った骸骨の異形の存在が現れた
「これからこの封印を破り、【悪魔城】を顕現させる」
「……!畏まりました!!」
「漸くだ……!漸く私に届きうる存在が……!!」
「待っているぞ……異世界人よ!!」
玉座に腰かけた彼の笑い声が暗闇に響き渡る。そして彼の眷属は主の高まりを受けて感激した
尚、今作の主人公はユエとは認識がありませんが、ユエは主人公が封印から解放された時にそのヤバさを何となく感じてました
主人公を襲った吸血鬼は後のユエ達とは違う派閥でした。その規模は割と大きかったのですが主人公が周りから注目されてると知り、襲った結果、その派閥もそれに関わった奴らも軒並み全滅したのでこれはやばいとして他の吸血鬼が力を合わせて主人公を全力で封印しました
この後は主人公が神代魔法を習得する為に迷宮に向かうと、そこでハジメ達と遭遇して一悶着ある感じです