FE蒼炎の軌跡 最強クリミア軍育成録   作:天星

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 シリアス注意報

 あと、今回の話で出てくる人の強さは『蒼炎の軌跡』内で参照できるパラメータを参照してます。ご了承願います。


第七章Ex 超えられない壁

 俺は、この日思い知る事になる。

 

 乱数調整の……『限界』を……

 

 

 

 

 

 

 四天王最弱のプラハ将軍をアッサリとげふんげふん……辛くも撃退した俺たちはガリア国内の砦で休息を取る事になった。

 流れ者の傭兵を王宮に直接案内する事はできないらしい。そりゃそうだな。

 

 夜、眠れなかった俺はふと窓の外を見る。

 すると……親父がたった1人でどこかへ出かけようとしていた。

 

「…………」

 

 何故だか、胸騒ぎがした。

 今、追いかけなければ一生後悔する。そんな気がした。

 

 急いで装備を整えて砦を飛び出す。

 親父の姿は見当たらないが、どちらへ向かったかは大体分かる。

 親父が消えていった方向に向けて全速力で駆けだした。

 

 

 

 

 やがて、何か金属が激しくぶつかり合うような音が微かに響いてきた。

 これは……戦闘音? 親父が戦っているのか?

 

 そんな疑問はすぐに確信に変わる。

 段々と激しくなっていく戦闘音、その先には2つの人影があった。

 

 片方は言うまでもなく親父の姿。

 

 そしてもう片方は……闇そのもののような漆黒の鎧を纏った騎士。

 その手に持つ金色の剣と深紅のマントは闇のような鎧を一層際立たせている。

 

 2人は互いの武器をぶつけあっている。勝負は互角のようだ。

 

「この剣を使われよ」

 

 漆黒の騎士が突然武器を放り投げた。まるで施しを与えるかのように親父に向かって剣を放り投げたのだ。

 

「貴殿との戦いを楽しみにしていた。

 まともな武器で、全力を尽くしていただこう。

 神騎将、ガウェイン殿」

 

 そう言って腰に差していたもう1つの剣、白銀に輝く剣を抜き放った。

 

「フッ、昔そんな名で呼ばれた事もあったな。

 だが、とうにその名と剣を捨てた。今の相棒はコイツだ」

 

 親父は剣を投げ返し、再び自分の獲物である巨大な斧を構える。

 

「……死ぬ気ですか?」

「驕るなよ若造。たった十数年で師である俺を追い抜いたつもりか?

 これでも、喰らうがいい!!」

 

 次の勝負は、一瞬だった。

 親父は斧を振り抜き……完全に空振っていた。

 そして、親父の背中からは、月光に照らされた白銀の剣が、伸びていた。

 

「親父ぃぃぃぃぃっっっっ!!!!」

 

 考える前に、身体が動いていた。親父を助けなければという一心で。

 

「アイク……逃げろ……」

「そんな事ができる訳が無いだろ!!」

「団長、命令だ。逃げろ……ゲホゲホッ、お前に……敵う相手では無い……!」

「そんなの……やってみなきゃ分からないだろ!!」

 

 親父を助ける為には、この漆黒の騎士を倒さなければならない。

 大丈夫だ。俺には親父から教わった剣技が、親父から貰った剣が、そして乱数調整がある!!

 

「愚かな。私に敵うと思っているのか?」

「うおぉぉぉぉぉおおおお!!!!」

 

 裂帛の気合を込めて剣を放つ。しかし、当たらない。

 こいつ……見かけの割にとんでもなく、速い!

 

「その程度の剣技が当たるとでも……」

「まだだ! おらぁっ!!」

「むっ!?」

 

 今度は乱数を調整した。確実に、当たっ

 

キィィン

 

「ぐっ!? 硬い!?」

 

 腕に伝わってくるのはまるで岩でも殴りつけたかのような固い衝撃。

 俺の攻撃が、まるで伝わっていない!

 いや、まだ打つ手はある。急所を突くような鋭い攻撃を……乱数調整して放つ!

 

「そこだぁぁぁっっっっ!!!!」

 

 理想的な動きができた。これで今度こそ!!

 

パキィッ

 

「なっ……剣が……折れた!?」

「……なるほど。その年齢にしては、かなり、やる。血は争えないという訳か。

 腕は決して悪くない。だが……」

 

 相手が硬過ぎて全然通用しない。何か、何か武器は無いのか!? 使える武器は……っ!!

 見つけた! これならどうだ!!

 

「ほぅ……」

「この剣なら……あんたが持っていたこの剣、まるで女神の加護でも受けたみたいなオーラを放っている、この剣なら!!」

 

 親父が投げ返し、地面に突き刺さっていた金色の剣。

 見た目通り、恐ろしく重い。だけど、決して扱えないほど重いわけじゃない。

 

「おおおおぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!」

「っ!」

 

 今度は、手ごたえがあった! かすり傷程度かもしれないけど、確かにダメージを与えた!!

 

「よし!!」

「喜んでいるようだが、私は訓練用のカカシではない。

 今度はこちらから行かせてもらうぞ」

 

 漆黒の騎士の鋭い剣が迫ってくる。だが俺には乱数調整がある。

 僅かでも可能性があるのなら、全て躱してやる!

 

「おあああああっっっっっ!!」

「何だと? 全て躱しただと?」

「喰らえっ!!」

 

 全て躱して、少しずつ削る。これを繰り返していけば、絶対に勝てる!!

 

「……なるほど。面白い。

 だが、無駄だ」

「何だと?」

「どうやらお前はとても……運が良いようだな。

 単純な運では無いようだが、ひとまずはそう言わせてもらおう。

 私の攻撃の全てを強運で躱し、お前の攻撃を全て当てきる。そんな事もできるようだが、無駄だ」

「ふん、そんなハッタリに騙されるとでも思ったか?」

「ハッタリではない。まずは称えよう。神剣ラグネルを手にしても先ほどまでと遜色ない動きができるその膂力。その年にしては実に素晴らしい。

 だが、まだ足りない。その程度では1撃毎に私の体力を5分ほど削るのがせいぜいだろう」

「5分……1/20か。だったら20回繰り返すだけだ!」

「しかし、お前が攻撃を2回当てる度に私は独自の呼吸法により体力を1割ほど回復させる」

「なっ……!?」

「差し引きは、ゼロだ。何日、何か月、何年経とうとも私を倒す事は不可能だ」

「そんな……くっ!」

「……時間を掛け過ぎたか。この勝負は1度預けておくとしよう。

 せいぜい強くなって私を楽しませろ」

 

 そう言い放って漆黒の騎士は去って行った。

 

 俺は……思い知らされたんだ。

 乱数調整は、絶対に勝てない相手には通用しないんだって事を……








漆黒さんの発言でどっかの黒の剣士を思い出したのはうp主だけで良い。
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