ミカヤ「さぁ、今日も講義を始めていくわよ!」
アイク「宜しく頼む」
ミカヤ「今日のお題はコレよ!」
【実効命中率】
アイク「実効……? 普通の命中率とは違うのか?」
ミカヤ「と言うか普通の命中率が普通じゃないわ」
アイク「どういう意味だ?」
ミカヤ「あなた達が普段戦っている中で攻撃に対する命中率が表示されるわよね?」
アイク「ああ。80%とか、40%とか。
敵の山賊はやたらと命中率が低いイメージがあるな」
ミカヤ「アイク、その表現は間違っているわ!」
アイク「え? どこがだ?」
ミカヤ「山賊の命中率が低いのは良いわ。でも具体的な数字を挙げるならこう答えるべきよ。
80とか40とか、と」
アイク「……? 何が違うんだ?」
ミカヤ「結論を言ってしまうと、80とか40と表示されているその命中率は80%や40%ではないわ」
アイク「…………はぁっ!?」
ミカヤ「GBA三部作辺りからのFEシリーズは命中率の判定にちょっと変わった方法を採用しているのよ。
具体的には、乱数を1つで判定するのではなく2つの乱数の平均値で判定しているわ」
アイク「2つの……つまりどういう事になるんだ?」
ミカヤ「分かりやすく極端な例を挙げてみるわ。
命中率が99と表示されている場合、それを回避する為には2つの乱数の平均値(端数切捨て)が99以上になっている必要があるわ」
アイク「……それ、実質99が2回連続で来てないとアウトじゃないか?」
ミカヤ「その通り。本当の回避率は実に0.01%という訳ね。
命中率は99.99%になるわ」
アイク「有り得ないくらいの高確率になったな……」
ミカヤ「100%ではないから油断は禁物だけど、『ほぼ当たる』と思って間違いないでしょうね」
アイク「なるほどな。他の数字だとどうなるんだ?」
ミカヤ「10刻みで調べるとこんな感じよ」
表示:確率
100:100
90:98.1
80:92.2
70:82.3
60:68.4
50:50.5
40:32.4
30:18.3
20:8.2
10:2.1
0:0
ミカヤ「0、50、100が大体表示通り。
50近辺の変動は極端に現れる。
0か100付近の変動はゆるやか。
そんな感じね」
アイク「しっかし、何でわざわざこんな処理になっているんだ?
ミカヤ「体感の確率と実際の確率を補正する為らしいわ。
70とか80の『大体当たるかな』っていう攻撃は大体当たるように、
逆に20とか30の『大体外れる』っていう攻撃は大体外れるようにね。
命中回避は結局は運に左右されるわけで、例えばこちらの80%命中する攻撃が外れて50%の敵の攻撃が当たるなんて事はそれなりにあるわ。
そういうプレイヤースキルではどうにもならない嫌な事はできれば減らしたいでしょう?」
アイク「まぁ、確かに嫌だな。
こんな単純な工夫で減らす事が可能なのか……」
ミカヤ「その通りよ。
では続いて、戦闘時の乱数ズレについて話すわ!」
アイク「今日の講義は実効命中率じゃなかったのか!?」
ミカヤ「実効命中率を踏まえた話になるから今までできなかったのよ。
本当は第1回で語っておきたかったわ」
アイク「随分と詰め込んだスケジュールだったんだな……」
ミカヤ「そもそもこの講義の時間って主に乱数調整の講義だし。
話を戻して結論から言うと、戦闘時は殴る度に乱数が基本的には3つずつ使用されていくわ。
攻撃で3つ、敵の反撃で3つ、こちらから、あるいは敵からの追撃で3つ、という具合ね」
アイク「3つ……2つは命中率の判定に使って、残りは……ああそうか、必殺の判定か」
ミカヤ「その通りよ。
そういう訳で、敵を1撃で殴り倒せる状況であればレベルアップ時に欲しい乱数の3つ手前で撃破。
反撃を受けてからの追撃でようやく倒せるのであれば9つ手前で挑むべきね」
アイク「なるほどな。だが、さっき『基本的には3つ』と言っていたよな?」
ミカヤ「そう、例外が2つ程あるわ。
1つは攻撃を回避した場合。この場合は必殺判定自体が行われないから命中判定に使った2つしか使用されないわ。
もう1つがスキルが使用された場合よ」
アイク「スキル?」
ミカヤ「今のあなたたちだと……ティアマトさんが先天的に持っている『カウンター』が該当するわね。
このスキルは攻撃を受けた時に確率で反射ダメージを与えるというものよ。
そう、確率で」
アイク「……乱数消費するのか」
ミカヤ「うp主はコレの存在を忘れて泣く泣くリセットした事があるらしいわ。
数十回分の乱数調整をした後だったのに」
アイク「一体どんな状況だったんだ……?」
ミカヤ「……スキルはこれ以外にも色々あるわ。
攻撃開始時に判定が発生する『連続』『流星』『天空』
命中時、必殺判定の後に判定が発生する『キャンセル』『武器破壊』『月光』など
逆に条件さえ満たせば確実に発動する『一発屋』『怒り』『勇将』など
この辺も後の講義でまとめる事にするわ。今言ってもしょうがないし」
アイク「何か聞いたことあるスキルがあるような無いような……」
ミカヤ「とりあえず今日の講義はこれで終わりよ。
では、また次回!」