とある海軍の火山活動   作:グランド・アニマル

7 / 10
7、大噴火

心陽は人知れずに涙を流した。

 

実はサカズキはさっき、

美琴を助けるずっと前から来ていた。

 

ここにたどり着いて、

状況を把握しようとした瞬間に

美琴は男たちに脅迫され始めた。

 

内容はわしを世にも珍しい

原石と呼ばれる能力者に勘違いされたこと。

 

この世界は元の世界とは

かなり違い。

 

超能力と言った、

脳を弄り、悪魔の実の能力者のように

異能の力を手に入れることができる。

 

中には、原石と呼ばれる

生まれながらの能力者もいるようだ。

 

元々の原因はサカズキのとった動画が原因だ。

アップしたのは先生だが、後先も考えずに

渡したのが間違っていたのだ。

 

故に、美琴には責任がない。

 

全部、悪いのは心陽だから。

 

男が心陽を呼び出そうとしたときも、

心陽も美琴が男たちの言う通りにするだろうと思った。

 

実際に心陽は美琴にはいつも、

冷たくしていたのだ。

 

理由は簡単、裏切られたときに

失望しなくて済むから。

 

期待されて、裏切られるより

期待されないで、裏切られる方が

まし、と考えたのだ。

 

そして、今度も裏切られる。

そもそも、わかっている結末だから。

怒るよりも、あきれるだろう。

 

電話をかけてきたら、

すぐに、答えよう。

 

ここに来いと呼ばれたら、

もう、そっちにいるよ。

と答えて美琴を救出し、敵を皆殺しにしようと考えた

瞬間に美琴は男の言うことを拒絶した。

 

美琴は言った。

自分はかっこいいと

 

美琴は言った

自分は唯一のお姉ちゃん

 

美琴は言った

私の最高のお姉ちゃんと

 

心陽は美琴に嫌われていると思っているが、

美琴はそんなことはなかった。

 

いつでも、自分のことを守ってくれると言ってくれた。

気が付けば、自分も涙を流した。

 

だって、仕方がないじゃん、

そんなことは言われたら誰だって泣くに決まっている。

 

 

それから、わしは美琴を救って、

美琴と一緒に入口に立っていた。

 

美琴は涙によって顔をぐちゃぐちゃになって、

恐らくは泣き疲れたせいで、寝てしまっただろう。

 

「貴様はまさか、御坂心陽か。

すごいな、どうやって、ここを見つけたのだ。

まさか、貴様の能力か。」

 

「そがいな、お前らはあのドローンで

わしを観察したんじゃげなが、潰さしてもろうた。

じろじろ見やがって、それを見て、

わしを誘拐しようとしたせいで

お前らの運命は決定した。

死のみだ。」

 

「死のみ、は、笑わせるな。

こっちには、拳銃をつけている男は六人もいる。

この状態でよくそこまで言えることを褒めてやる、

全員でかかればこんなガキ一人は余裕で潰せる。」

 

男たちは拳銃を持ち、心陽に向ける。

 

しかし、当人は慣れている。

以前から、銃やらミサイルやら、

地震を起こせる爺やら天候を操る婆やら

龍になれる世界最強の生物やらと戦ってきた

心陽にとっては目の前にいる男たちは

虫にしか見えなかった。

 

いや、失礼した。

虫に例えられると虫に失礼だから。

 

「そっか、

それが、お前らの答えか。」

 

すると、サカズキの周りは

沢山の虫が集まった。

 

一匹一匹、

通常の虫とは比較にならないほどの大きさである。

 

すると、虫は美琴を連れて

どこかに行った。

 

美琴を連れていく様子を確認すると、

心陽の右腕は煙を出し赤く染まり、

すると、赤い液体が出てきた。

 

赤い液体は黒い煙を出しながら、

心陽に巻き付いた。

 

「何なんだ、あれ。」

 

「構わん、撃って。」

 

バンバンと男たちは銃を撃つ。

しかし、心陽には通じない。

 

銃弾は心陽に当たった瞬間に、

すり抜けたから。

 

「く、くそ、

拳銃が通じない。

おかしいじゃないか。

なんで、銃が通じないのだ。

話が違うよ、やってられるか。」

 

男の一人が銃を捨てて逃げた。

 

それに、続いて、

ほかの男も銃を置いて逃げていた。

 

「何だ、何なんだお前は。」

 

誘拐犯のリーダー格、小林一郎は叫んだ。

 

「言ったはずだ、お前たちに残されているのは死のみだと。」

 

あふれた赤い液体、いや、マグマはやがて一つの形にまとまる。

 

「大噴火」

 

マグマに変化させた腕を巨大化させ、

十メートルを超える、灼熱の正拳突きを放つ。

 

その熱量は心陽の身長を超える、

何百倍もあろうかという氷塊を

一瞬のうちに溶かし尽くしてしまうほどの火力を保有する。

 

「うわああああ。」

 

灼熱のマグマは倉庫の中にいる男たちを一緒に

燃えるのでもなく、熱量で溶かすこともなく

蒸発し、なくなった。

 

 

 

 

その後、わしは美琴を連れていき家に帰った。

事情聴取され、妹はどこで見つけたと言ったら、

火礫蟲を見せた。

 

いずれ、ばれるからと思い、

自分の能力を見せた。

 

その時は警察も母も妹もびっくりした。

あの時の顔を忘れない、

 

そして、わしと美琴は

学園都市に入学した。

 

入学したときに

統括理事会からは超能力者(レベル5)に認定された。

 

また、妹も能力開発し

12歳で同じく超能力者(レベル5)に認定されるようになったら、

美琴は喜んだ。

 

わしと美琴の関係は

わしは美琴と呼び、美琴は心陽姉と呼ばれるようになった。

 

 

 

わしの能力を披露させた後、

わしは自らの能力に新たな名前を付けた。

 

マグマグの実というのはあまりにも簡単だから

火山と海軍のネーミングを合わせて名付けた。

 

名は火山活動(ヴォルカン・ネイヴィー)

 

 




評価もよろしくお願いします。
そうすれば、創作意欲も出てくると思います。

これからも、
とある海軍の火山活動をお楽しみください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。