本にする妖怪   作:覚め

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少女漫画で言うなれば気まずい方へと拗れちゃう感じの展開に行っちゃったわよー!


第16話

 

人里

 

「全く、俺も月に行けばよかったよ。ほんと。」

 

「あら、ほんと?私と一緒に行く?」

 

「お前と一緒に行くとなったら、そのバケモン妖精も一緒に来るんだろ。はっきり言って争いごとになる。」

 

「what!?決めつけは良くないぞ!?」

 

「決めつけじゃないね。少なくともお前はやってる。」

 

「…ちぇっ」

 

ちぇっで済むほどの被害ではないように思う。考えてもみろ。こいつ一人…とは言わないが、ほぼ主犯か。この主犯のせいで妖怪を退けた奴らが二百人も葬られている。信じられるか?聞き取れるか?否だ。俺が行っても、そこまでは行かずに終わるだろうな。

 

「全く。このバケモンが。俺以上じゃねえか。」

 

「あら?妖精に勝つ自信も失くしたのかしら?」

 

「たった一人に疲れるようになっちまったし、そろそろ死ぬ頃合いかね?」

 

「…そう。そうなったら、私が看取ってあげるわよ。」

 

「死んだ後も看取って来そうだな。」

 

「当たり。」

 

「おや、こいつは?」

 

「うおっ、また女か。」

 

「友人様!」

 

「…不思議だな。お前、何者だ?」

 

「妖怪だ。」スッ

 

「…神様に恋しちゃったイケナイ妖怪よ♪」

 

あ、言いやがったこいつ。まあ恋したのは違くはない。今の一言で拳が突き出たが、へカーティアにとっては軽いスキンシップだったろう。現に、俺からしたらいい音、へカーティアとその仲間達は丁度良いスキンシップだなと言う顔をしている。俺も本気ではないが、結構強くやった気ではある。

 

「お前らほんとどんな環境で生きてんだよ。周りの大人全員の接し方が殴るか蹴るの世界か?」

 

「まあ、一時期はそうだったかしらね?」

 

「月の奴らがそうだったしな」

 

「…?」

 

「おい妖精、何もないなら理解しなくていいぞ。」

 

「!」

 

「んで、あんたは誰?」

 

「私か?私は純狐…とは言ってもわからないだろうが。」

 

「俺の名前は干酢都。しかしじゅんこって読むのかこれ?いききつねとかじゃなくて?」

 

「何を言ってるんだお前は?」

 

「まあ。とにかくだ。とりあえず俺は死にたくないから書いとくか。」カキカキ

 

「…?何それ?」

 

「へカーティアは知ってるだろ。この本は、純狐だ。ここに書き込めば、お前の髪型もロングヘアーからショートにもなる。」

 

「Hoo!じゃあ書いとこ!」スラスラッ

 

「ばっ」

 

「?」

 

…不味いぞ。俺に友好的と書いた後、クラウンピースが変なこと書いた。文字が乱雑で読めんが、とにかく変なこと書いた。悪戯小僧の顔してたからだな。とりあえず、特別変なことになってないよう願う。流石にへカーティアも殺しにくるだろうし。やめて!お願い!俺の本!!

 

「…なんだ、なんだ?」

 

「へ?」

 

「服が青くなってる…」

 

「お似合いですよ御友人様!」

 

「…赤い服の方が気に入ってたのだけれど」

 

「お前ら何やってんだ?」

 

「やべっ」

 

「三十六計逃げるに如かず!」ダッ

 

「あっへカーティア!?」

 

「ご主人様〜!」トテトテ

 

「走れよ!?」

 

「そう言うことだから、じゃあまた。」

 

「…」

 

「里の中では能力を使わず、ただただひっそりと人間として暮らす。そう言った気がするが?」

 

「そうでございます。」

 

「ふざけるなよ。あまり。」

 

「ごめんなさい。」

 

「後処理は誰がやってると思っているんだ?」

 

「慧音先生です。」

 

「そうだ。分かっているなら少しは負担を減らしてくれ。」

 

「ごめんなさい。」

 

「待て今なんで謝った?」

 

「いや、なんか、これからやるだろうなって」

 

「お前人里から永久追放な。」

 

「そ、そんな殺生な!?」

 

「当たり前だろう。」

 

「いいんですか!?」

 

「何がだ?」

 

「ずっと博麗神社に居座りますよ!」

 

「霊夢が許したらな。」

 

「先生の本に『ずっと耳元で干酢都の声がする』って書いておきますよ!」

 

「だから?」

 

「だ、だからって…ねえ…!」

 

「全く。馬鹿にするのも大概にしろ。今度やったら追放だ。いいな?」

 

「わかりましたよ。」

 

やばい…人里入れなくなったら完全に妖怪として生きていくしかない…いや、妖怪だけどね。命蓮寺?も良いけど、そこにいたら色々と面倒臭そうだし。じゃあ他には…紅魔館?嫌われてるリストに一番に入る紅魔館?ないな。ない、ない。

 

「…そうだ、人形劇のねーちゃんとこに泊めさせてもらうか。」

 

「やる前提で物事を考えるじゃない!」

 

「いや、意外と妹紅のところでも…冥界は…紫も…だめだ、まともなのがおらん。へカーティアに頼むか。」

 

「この怠け者が!!」

 

「貴方ならヒモにしても良いわよ?」シュンッ

 

「泣くぞ。後この二つ、本人に返しといて。」

 

「分かったわ。」

 

「さて、人形劇のねーちゃんいるかな〜?」

 

「人形劇!?」

 

「嘘だろ」

 

「人形劇…久しぶりに見るわね。それも異性と一緒だなんて」

 

「穢れてるのはお前の方だこの淫乱狐が」シュッ

 

「やっぱり地上の知的生命体は信頼ならないわね。消えてもらったけど、良かった?」

 

「…純狐。貴方でもそれはやりすぎよ。」

 

「そう、ごめんなさい。」

 

「そーだそーだ、謝っても済むことじゃねーぞ」

 

「そう、私の大切な友人が消えてしまったら、いくら友人でも嫌うのよ。」

 

「そーだそーだ、ちゃんと考えて行動しろ!」

 

「?…?」

 

「Why!?なんで!?なんで生きてる!?」

 

「そりゃ、お前、あれだよ。俺が最も」

 

「それはもう飽きたから良いよ」

 

「アメリカンなピエロから冷静に言われるのってきついんだよ。分かってる?」

 

…うん、きつい。どれくらいきついかって言うと、腹を切られた時並みにきつい。さて、俺が純狐の変な存在を消させる?的な能力を回避したカラクリを教えよう!消える前に本を出しておく!それだけだ。妖怪の体はあってもないようなものなので、中身さえ無事であれば生きていられる。俺の持論だ。後本返せ命蓮寺。

 

「はぁ…疲れた。」

 

「でしょうねぇ。」

 

 

 

 




早く本を返してあげなさい命蓮寺。
さもなくば鐘溶かすぞ。
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