本にする妖怪   作:覚め

22 / 70
前書きを見るなんて!いやん、失礼しちゃうわ。
…字面だけなら女の子、なんですがねぇ。


第22話

人里

 

「おい、変な記事が出てるぞ」

 

「自業自得だろう」

 

『冥界にて4回死んだ妖怪、現れし!』号外も良いところだろう。ばっちり俺が写ってる。文々はそろそろ山ごと消し飛ばしても良いのではないだろうか?…良いな。後で大木持たせてぶん殴るか。腹を貫いて決めセリフも良いな

 

「まったく、あの新聞は酷いこと書くよね」

 

「あやや、失礼でしたか?」

 

「人里で会うとは良い判断だね。外で会ってれば低級妖怪に餌として与えてたよ」

 

「それはそれは…ですが、最速の私を捕らえることが出来ますかね?」

 

「鬼ごっこか。良いよ。遊ぶぞ。数人面白い奴連れてな」

 

「1対1でも盛り上がりますよ?」

 

「鬼がいた方が盛り上がる」

 

「えっ」

 

「狐も入れるか。亡霊もいいな…魔法使いも入れよう。命蓮寺の住職も良いかもしれない」

 

「ちょちょ、待ってください!」

 

「自業自得だろう」

 

「さっき同じこと言ってましたよね!?」

 

「スキマ妖怪は呼ばない。安心しろ」

 

「出来ませんって!?鬼ですよ!?鬼!!」

 

お前、鬼神とか呼ばれた俺の前でそれ言ってさ。首切られる覚悟出来てるの?鬼には酒、狐は油揚げ…魔法使いには図書館の本。住職は…何をするべきか。お祈り、仏像、なんでもござれと言った俺だがそこは悩む。

 

「メイドもいいな」

 

「殺す気ですか!?」

 

「無論だ」

 

「ぇえ!?」

 

「うるさいぞ。ここは一応寺子屋だ。授業が終わったとは言え、騒がしくされると」

 

「ショートアッパァァァアァァ!!!」ズガァンッ

 

「ぃぃあ!?」

 

「頭突きぃ!」ゴンッ

 

「背骨に当てるはないでしょうよ先生。きついですよ先生。背骨折れるどころかですよ先生」

 

「だからなんだ?次は冥界でやられた技でもやるか?」

 

「…やめときます」

 

「顎、顎飛ぶかと思いましたよ…!」

 

「飛べばいいのに」

 

「同感だ。デマを流して得をするなどあってはいけない」

 

「おや、時には噂が事実となることも多いのですよ。訂正記事を出せばよろしいですか?」

 

「突然服が爆発する」

 

「えっ」

 

「お前の本だからな。お前に返すよ」

 

「ちょ、待━」ドカンッ

 

「…ブラボー」パチパチ

 

「辱めですよ…!」

 

「良い教訓となったな。帰れ」

 

「誰がこの状態で帰れますか!可愛い乙女が裸で帰ったら何されるか…!」

 

「紫〜」グワッ

 

「あら、私を頼るの?嬉しいわ」

 

こいつ、今まで何を見ていたんだろうか。少し気になる。けど、とりあえずこいつを妖怪の山直送便に乗らせて俺は関係ありませんよ、天魔さん。こじつけるつもりですか?山ごと消してあげましょうか?と脅しも兼ねてね。

 

「こいつ送ってくんね?」

 

「嫌よ、この空間が廃れる」

 

「すた…っ!私の体ってそんなに汚いですか!?」

 

「少なくとも、お風呂に入った方がいいんじゃない?」

 

「外の酒依存の奴らでもここまでひどくはねーぞ」

 

「二人とも言うな。我慢してたのに」

 

「ひ、酷くないですか!?これでも毎日欠かさずお風呂には…あ!書きましたね!?私の本に臭くなるって!」

 

「さあ?なんのことやら。臭いが移るからあまり寄らないでくれ」

 

「…むぅ。頭突きをすることさえも躊躇うな…」

 

「ほんっと、臭いわねぇ。隙間の中に入れたりなんかしたら一瞬で臭いが充満するわね。殺す気で」

 

「そ、そんな…」スンスン

 

「おい、吐くなよ。ここで吐くなよ?」

 

「ぅっ…なんでこんなに臭うんですかね…」

 

「早く帰りなさい。自慢のスピードで帰れば見つかる事なく、臭いを撒き散らすこともなく進めるでしょう?」

 

「酷いですね」

 

「ちょっと、早く帰ってくれるか?」

 

「わかりましたよ!もう!」ビュンッ

 

「…ゲホッケホッ!ゔぇ!胃が掻き乱されたわ!」

 

キツかったー!いや、自分でもここまで臭くなるとは思わなかったわ!くっさ!!後で消臭剤ばら撒こ。とりあえず水で洗い流して置けばある程度マシになるかな…なるかな…?期限は1時間だからあんまり長続きはしないけど…臭いにも効果って出るのかな?

 

「て言うか、私はなんで呼ばれたの?」

 

「藍ちゃん呼んで」

 

「嫌よ。相手に塩を送るようなものじゃない」

 

「じゃあ良い。自分で呼ぶ。」グワッ

 

「その怪力って便利だな」

 

「便利と言いますか、余計と言いますか…」ジロッ

 

「な、なんですか?」

 

「藍ちゃん…すき焼き食べてるの?」

 

「ひ、一人分しかありませんから!あげれませんよ!」

 

「当たり前だろ。俺すき焼き嫌いだし」

 

「ん?昨日食べてなかったか?」

 

「昨日は絶食週間だったからな」

 

「週間??昨日??」

 

「一昨日は違うぞ」

 

「今日も絶食週間か?」

 

「何言ってんだお前…俺を殺す気か?」

 

「は?」

 

「あの…食べられてる所をまじまじと見られるのは少し恥ずかしいのですが」

 

「あ、そうだった?ごめんね、んじゃねー」

 

「はい。また」

 

「…迷惑だったじゃない」

 

「お前が昼飯時だって教えてくれたらこんなことには」

 

「私のせいにするの?」

 

実際その通りではございますがね。その通りなんですけどね!!お前の責任なんですけどね!!!まったく、あのクソ記者は適当にコブラツイストでも仕掛けておいてだ。紫も返したいのだが、呼んだ手前返しづらい。寺子屋なこともあって酒は飲めない。俺の家に行くか。

 

「俺の家に行って酒飲もーぜ」

 

「あら、珍しいお誘いね。喜んで参加しますわ」

 

「…昼間から酒か?」

 

「あ、慧音先生はお仕事があるもんね。ごめんね」

 

「ごめんなさいね〜」

 

「なんで謝られているのだ」

 

「さ、早く飲みに行きましょう!」

 

「ゴーゴー!」




最後のゴーゴーはムカついた慧音先生が急かす意味合いで言ってます。ゴーゴー!ってね。
ちなみに変化の能力がある奴にプロレス技は決まらない。ヒトデに化けられたら抜けられるから。
アッハッハ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。