本にする妖怪   作:覚め

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唐突なお話ですが


第23話

人里

 

「慧音先生」

 

「なんだ」

 

「俺、弱体化してます」

 

「そうか…え、そうなの!?」

 

「全盛期の10分の一もあるかどうか…」

 

「え、嘘!?うっそだぁ!」

 

嘘だと思うなら試してみろ。そう言った瞬間、俺の頭は地面に沈んだ。ちなみにだが、スキマは開けるように本に書いてあるので力は必要ない。やったね。いざとなったら藍ちゃんに縋りつこう。へカーティアには何を言われるかわからん。こわい

 

「私は私と、はぐれるわけには」

 

「と言うか、もうお前人じゃないか?」

 

「…ま、まっさかぁ!」

 

永遠亭

 

「完全に人間ね。妖怪に見られる特徴全てがない代わりに人間の特徴が盛りだくさんよ」

 

「本に書き加えて置くか」カキカキ

 

「妖怪が人間に…後天的に半妖になることもあるんだし、あり得るのか」

 

「バカ言わないで。種族を変えるのなんて、難しいのよ。蓬莱の薬だって、ベースは人間。人間が死ななくなっただけ。大元は人間なの」

 

「いや、それは知らんが」

 

「先生…!人が…食いたいです…!」

 

「てゐ」

 

「はい。世界が」

 

「終わってたまるか!」バシンッ

 

危ない危ない。あと少しで変な方向に飛ぶところだったぜ。俺もそこんとこ気をつけなきゃな。しかし、昨日の今日でそんな、人種が変わることなんてあるだろうか?本に書き加えて置くと言っても今は紅魔館に…ん?あ、あれ…?

 

「紅魔館に本体置いて来ちゃってる…!?」

 

「紅魔館にぃ!?お前何度やらかせば済むんだ!」

 

「…なぁ。私っているか?」

 

「妹紅。貴女は彼を紅魔館に連れて行ってあげて」

 

「なんで?」

 

「道中に面倒な妖怪がいたらどうするの?それこそ、皆んな死ぬわよ」

 

「っ!それだ!」

 

「え?何?死ぬの?」

 

「とりあえず紫呼ぼうか」グワッ

 

「弱体化の気分はどう?」スッ

 

「…永林先生」

 

「殴らないわよ」

 

「…じゃあ、慧音先生」

 

「なんでだ?」

 

「もー!俺はスキマ開くだけなんだから!!今はただの通行人なんだよ畜生!」

 

「じゃあ、紅魔館に行きましょうか」

 

紅魔館

 

「クラァパチュリーはんよぁ!」

 

「えっ!?何!?カチコミ!?」

 

「干酢都さんですよ〜。実質下着泥棒の」

 

「ああ。なら良いわね」

 

「本返せやこのっ」ポフッ

 

「クスッ…本気?」

 

「だめだ、このままじゃ俺は生体機能を維持できずに死んでしまうぞ…!」

 

「急に押し入ってなんだけど、彼の本を返してくれる?」

 

「うわ、八雲紫」

 

おお、俺のこの手に本が…!早く書き加えなければ。俺は人として死んでしまう!早く、早く!!弱体化の原因が書かれてるページから先を剥ぎ取って弱体化しない体にしなければ!完全に終わりだぞおい、この物語どうなるんだよ!あった!でぇい!

 

「あっ」バタンッ

 

「これで弱体化はなくなった訳ね。それじゃあ書き加えておきましょう」スラスラ

 

「何々…『干酢都は八雲紫の部下である』…貴女、結構性悪ね」

 

「あら、そう?」

 

「勝手に書き加えてるんじゃないよ…!」

 

「貴方の本は私が親切丁寧に扱ってあげるわね。じゃあ、さようなら!」

 

「あっ待て!」スカッ

 

「可哀想ね。慈悲を恵んであげようかしら」

 

「最近こんなことばっかりで嫌になる…ヘカーティアに見られたら笑われるよー。」

 

「…小悪魔に笑われてるけど」

 

「クスクス…クク…スス…」

 

「変な笑い方してんじゃねーよお前」

 

「まあ、良いんじゃない?用が済んだのならもう帰って」

 

「言われずとも帰りますよええ」グワッ

 

「スキマ開いて帰りましたね」

 

「始まりと終わりは同じと言うことよ」

 

「はぁ?」

 

地獄

 

「ヘカーティア〜」

 

「うわっ!?…なんだい、お前か…ん?」

 

うわ、鬼だ。昔々のお話では人が大量の鬼を猿とキジと犬で退治したっていう偉業を成し遂げた奴がいたなぁ。とか思ってると右ストレートを喰らった。勿論スキマは閉じてあるのでそれはそれは、かなり吹っ飛んだ。地霊殿にもお邪魔したな。

 

「ごがっ」

 

「さぁ、二発目だ!」ブンッ

 

「いだっ」

 

「どうした?前はそんなのじゃなかっただろ!」

 

「んー…うわっ!骨が外側に出ちゃってる!?…俺の真の能力を見せてやろう…!」

 

「は?」

 

「これはハッタリではない…俺の骨は剣と化すのだ。どんな豪鉄でも切れてしまう、素晴らしい剣にな…」

 

「ほー?萃香と同格に語られた妖怪の力、見せてもらおうか!」ゴギィッ

 

「あいたぁ!?」

 

「なんだ、何も変わらないじゃないか」

 

「ヘカーティアよ。お呼ばれしたもの」

 

「俺の鎖骨は…ヘカーティアを呼ぶ…!」

 

「ぃっ!?」

 

「私の友人に何してくれてるのかしら?詳しく聞きたいわね〜♪」

 

「あ、いや、すいませんでした!」

 

「謝る必要はないのよ?ここで消え失せるんだから」パァンッ

 

「…相変わらず強いね」

 

「ええ。私のお友達だもの。出来るだけ守って…へー?」

 

「ヘカーティア…聞いてくれよ。今日さ、弱体化しちまってね」

 

「そんなことより、貴方」

 

「ん?」

 

まさか、八雲紫の部下になったのが立場的に悪かったのか!?お土産の一つでも持ってくるべきだったか。こりゃ失敬☆友達関係だと思ってたから、そんなにいらないと思ってたんだよなぁ。まあ強いし、美しいし。お供えしなきゃ悪いし、機嫌を損ねられたら終わりか。

 

「…ヘカーティア?」

 

「誰の部下になったのかしら?」

 

「ん?あー、八雲紫って言うクソアマにな。俺の能力で出した俺の本に書きやがったんだよ。ほんっと迷惑なやつで」

 

「そう。じゃあ、その子の元へ連れて行ってくれる?」

 

「…良いけどさ。九尾の狐ちゃんには何もしないでよ?お願いだから。あと本は帰ってきたらお前に渡すから」グワッ

 

「ありがとねん♪」スタスタ

 

…さて、紫は一体どうなって帰ってくるか…。




次回へ続く(キートン)
今回はなんか変な方向に走りましたね。すいません
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