本にする妖怪   作:覚め

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まあ、僕は不老不死大好きなんですけどね。
曲のお話です。


第26話

 地底

 

「ヘカーティア」

 

「何?」

 

「月行きたい」

 

「良いけど、私もついて行くわよ」

 

「私も行こう」

 

「純狐」

 

「じゃ、早速出発しましょ!」

 

月面

 

「おー、高いたかーい」

 

「子供の様だな」

 

うるせー、あんた達からしたら実際子供でしょーが。さて、前を見よう。前を向く。刀がこちらへ近づいてる。えっ嘘でしょ?ちょっと言葉が漏れる。頭の半分から上が吹き飛ぶ。意味わかりませんね。とりあえずスキマ開けて戻って来ますか

 

「一体誰が投げて来たのやら」

 

「おや、そこの死体は分身でしたか?」

 

「分身?バカを言え。俺自身だ」

 

「おや、では簡単ですね。しかし純狐と一緒にいるのを見るに、我々の敵なのは違いありません。殺させていただきます」

 

「出来るかよ。俺の本体は地球だバーカ」

 

「ちょ、ちょっとー?」

 

「私も加勢しよう」

 

「2対1はきついですね。姉さんが来ればマシなんですが…」

 

「ちょっとちょっと!今日は戦争をしに来たんじゃないのよ!分かってるの!?」

 

「…だって、なぁ。純狐?」

 

「そっちが先に仕掛けて来たからな。反撃をするのは当たり前…だな」

 

さも当然の様に返すと、ヘカーティアは項垂れた。文句は月のやつに言え。俺達は被害者だ。そんな目で訴えてみるがまるで効果なし。相手はなんだこいつ?と思って見ている。出来ればこいつを自分の方に入れれば、とでも考えているのだろうか?

 

「止めたければ私ではなくあちらを」

 

「遅い」スッ

 

「!?」

 

「あら本当。遅いわね」スッ

 

「本ゲット〜♪お前ら月面の人間は穢れを嫌うんだってな?」

 

「なんだ…貴様その本をどこから」

 

「お前の本だからな。お前の本のページを一枚破ればその一枚に書かれたこと全ての記憶が消える」

 

「…ならばやりやすい。記憶なんぞいらな」

 

「本を切られたら、お前もその分ダメージを喰らう。まあ、そんなことは出来ねえがな」

 

「何を!」ブンッ

 

「ハズレ」

 

「ぬんっ!」ブンッ

 

「ハズレ」

 

「便利だな。あいつの能力」

 

「さて、そろそろ月の軍が来るわよ。と言っても、バレる様なことしてないんだけど」

 

「私か?私がそんな下手を打つだなんて、冗談は…」

 

「冗談は?」

 

「よしこちゃん」

 

「よしっ!」

 

「宝くじ並みにハズレが多いな。ちゃんと狙えよ。やっぱり記憶を失うのは怖いか?」

 

「っ…せいっ!」スカッ

 

またハズレだ。仕方ないだろう。干酢都への攻撃は全て無意識に外してしまうって書いたんだからな。他人から見れば、外してるのはむしろ切ってる自分。それに気が付いたからと言っても、どうにもならんがな。俺の能力強すぎんだろ。天才か??

 

「いやん、外れちゃう」

 

「…ならばこれぇ!」ゲシィッ

 

「うわ、岩蹴りやがったよこいつ」

 

「目隠しだ!」ブンッ

 

「ハズレ」

 

「…〜!何故だ!何故外す!」

 

「いやぁ、ちゃんと心の目で見なきゃ。左の胸の中にある奴でな」

 

「嫌な性格もしてるぞ」

 

「私たちの中で一番弱いくせにね」

 

「でも書かれたら私達でも敵わないからな」

 

「私は敵うわよ」

 

「…そうか。そうだったな」

 

「…この、破廉恥が!」スカッ

 

「またスカ。本気でやれよってうぉっ」ダンッダンッダンッ

 

「有象無象が来たぞ」

 

「ピースちゃん!」

 

「はい!ご主人様!」

 

「…これで当分は大丈夫よ」

 

「さて、次は私ね」

 

「新手か」

 

「この扇子は森を一瞬で素粒子レベルで浄化する風を起こす。そんな月の最新」

 

「もらい。お前にも書いとくぜ」

 

「…やっぱり、問答無用でやるべきだったわね。それっ!」ブワッ

 

「スカートがめくれちゃーう」

 

「スカートなんか履いてない癖に!」ブワッ

 

「危ないあぶなーい」

 

やっぱり俺の能力は素晴らしい。相手が武器を使って来てもそれさえ相手が自分から当てるのを避けてしまう。依姫とやらは気が付いただろう。俺は大事そうに本を二冊持っているだけ。しっかしこいつら長生きしすぎだろ。文字がくっそ小せえ。

 

「いやん、しんじゃーう」

 

「お姉様、何故自分から外しているのです!?」

 

「え!?いや、真剣に当てようと」

 

「ではなぜ、その扇子で放った風が奴の頭上を通るのですか!?」

 

「!?」

 

「…バレちゃった。俺の能力は相手の記憶、つまり今までの人生を抜き取る能力。避けているのは、自分が殺されるのは嫌だから。生き返るとしても、死ぬのは嫌だからな」

 

「嘘をつかないでくれる?」

 

「そんな訳なかろう、穢れを取った我々に」ブンッ

 

「残念、スカ」

 

「っ!」ブンッ

 

「刀でも拳でもダメだってば」

 

「それなら…」シュンッ

 

「はや」

 

「これでどうかしら!」ゴンッ

 

「うお、無茶苦茶飛んだな!?」

 

「性格が悪いどころかアレだな。自分の息子を平気で踏み潰しそうな奴だ」

 

「的確ねそれ。ピースちゃん、加勢して良い?」

 

「ありがとうございます!」

 

「手応えはあったんだけどねぇ…」

 

「どうも、手を避けた先に妹さんがいたらしくって?俺もそこまで薄情な奴が相手だとは思わなかったよ」

 

「あら、あの子と私がいつ姉妹だなんて言ったのかしら?」

 

「お姉さまって、さっきあの子言ってたじゃん」

 

なんでそこを聞き逃すと思ったのかね。しっかし妹さん、重力外れてどっか飛んでったんじゃない?このまま行ったらいつしか太陽…なんてね。どーせ帰ってくるんだ。面倒だし、少し細工をしよう。奴らの本に少し書き加えよう。

 

「さて、第二ラウンドだ。妹さんも戻ってくるしな」

 

「厄介ねぇ。貴方は避けてるのに、私たちが避けてる様に聞かせるのは得意分野でしょう?」

 

「あ、バレた?風なら風で弾けると思ってな」

 

「タネが分かればマジックも驚くことにはならないわ。終わりね」

 

「終わり?まさか。後ろから、音も無く接近すれば切れるとでも?」

 

「!?」スカッ

 

「バレてたのね」

 

「…痛いのは嫌だもん。」




ちなみに、最後に書き加えたのは、『干酢都がお酒を飲もうと言ったらこの戦いは終わる』です。
やったね。お酒飲めば解決だよ。
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