本にする妖怪   作:覚め

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結婚を祝うと言う名目で宴会を開けることに気がついた霧雨魔理沙
VS
宴会が嫌いな本人たち


第38話

博麗神社

 

「っつーわけで!」

 

「何がどう言うわけなんだか」

 

「干酢都と依姫の結婚を祝ってー!」

 

「かんぱーい。クソが」

 

「祝ってもらえるだけ良いだろう」

 

てめえは地上の酒とこいつらの組み合わせは最悪だと言うことを知らんからそんなことが言えるのだ。クソ共め。さっさと逃げてさっさと寝たい。が、どーもお隣さんがそれを許さない。道を譲るわけでもないのに酒を差し出すなんて、この女。ちょーっと調子に乗ってるんじゃなくって?

 

「しっかし、異変のの時もだけどお前はこの幻想郷でも変な奴だよな!」

 

「…よせやい」

 

「異変?私にも教えてくれ」

 

「お、来るか?あれは永林たちが起こした異変…」

 

永夜異変時

 

「…誰?」

 

「綺麗なお月様に横槍刺したのお前だろ」

 

「簡単に来られるような場所じゃないのよ?」

 

「俺は干酢都。永林先生、変な名前の俺が発音できないお名前もあるが、これは何処ぞの言葉でしょう?」

 

「恐らくは…昔の名前よ」

 

「弓を構えるな、俺もまだ死にたくない」

 

「じゃあ何しに来たのよ」

 

戻って現在

 

「とか言われて、その後攻撃しようとしたら鼻に指突っ込まれて、頭蓋骨まで指でビュンッと切り抜かれたのよ」

 

「うるせー処女」

 

「な、それは関係ないでしょう!?」

 

「容姿からかすごいモテたけど知識優先させて、気が付けば周りに誰もおらず」

 

「やめて!!」

 

隣の依姫は『まさか永林先生が…』と驚いている。お前もだろと言おうとしたが、何を察したのか俺の後頭部に矢が迫っていた。貫かれても死なないのでなんともないのだが、なんともないからこそちょっと腹立つ。危うく死ぬところだったぜ。

 

「おめでとうございます〜、我々命蓮寺一同もお祝いの言葉を」

 

「お酒だ〜!」

 

「…私個人からもお祝いの言葉を送らせていただきます」

 

「住職さんも大変だね」

 

「まあ、はい…」

 

「仏教のくせして酒呑んでるのかよ」

 

「ちょっと止めてきますね」

 

「あいつら死んだわ」

 

「直球すぎないか」

 

「俺もそろそろ本命出さないとな」

 

「本命?まさか浮気か?」

 

「バカ、ちげーよ。賢者サマ。霧雨魔理沙は後ろ向けい!」

 

「え?」パカッ

 

「ふんっ!」ガシッグイッ

 

「あ、え、あ、何?」

 

「隠岐奈。お前が飲め」

 

「え?えっぅぁっがががが」

 

「何!?私の後ろで何が起こってるんだ!?」

 

「大体俺自身、異変なんぞ気に入らねえんだよ。吸血鬼異変だとか、紅霧異変だとか。春夏秋冬じゃねえっつの」

 

「どっちも吸血鬼が起こしてるじゃない!」

 

「なんだ、つまりお前か」

 

妹紅がまたやってると呆れながらも落書きをしている。吸血鬼だし死なないだろ。小傘は…多分今も永遠亭。まあ心臓とか肺とかは避けたし、脳みそは入ってないし良いだろ。竹でレミリア嬢を生かす、まさに生花のよう…風見幽香が聞いたら殴ってきそうだな

 

「お嬢様…」

 

「ざぐや゛ぁぁぁぁ!!!」

 

「大体そもそも宴会なんか好きじゃねーんだよ。萃香、次から宴会はお前が起こせ」

 

「それでしばかれたから嫌だ」

 

「髪の毛一本一本抜いて行ってやろう」

 

「やるよ!やれば」

 

「異変を起こすつもり?」

 

「…ほら」

 

「里には幼女に欲情する奴がいてな」

 

「どうすれば良いんだよ!?」

 

「起こしてシバかれる。これで良いだろ」

 

「良くない!!」

 

「俺は良いから大丈夫」

 

「そ、んなぁ…」

 

「私の背中のこいつどうにかしてくれよ!」

 

「…紫」

 

「え、私?」

 

「お前もこうなりたいか?」

 

「…分かったわよ」

 

「人使いが荒いな」

 

「勝手に来て勝手に酔い潰れたんだから仕方ないだろう」

 

「もしかしてもう酔ってるか?」

 

「…多分」

 

翌日

 

「早めに酔い潰れて良かったと言えるな。おい起きろ依姫」

 

「ん…ぁ…頭がギンギンと痛む…」

 

「永遠亭組はもう帰ってるか。水飲みながら帰るぞ」

 

「わ、わかった…」

 

目が覚めたら右を見て左を見て深呼吸をして、目の前が現実であることを確認したのは秘密だ。皆が床を布団に寝ている。何をしているのだろうか、見るからに滑稽なのだが近くにある酒樽がその滑稽さにブレーキをかける。ブレーキどころか逆行する。足が。

 

人里

 

「橙ちゃんは偉いなぁ」

 

「えへへ〜」

 

「依姫は…姉様に対し…て…」

 

「苦しいだろ、飲め」

 

「すまん…」

 

「後お前もう月に帰れ」

 

「それは嫌だ」

 

「クソが」

 

「ところで」

 

「なんだ?」

 

「お月しゃまってどんな場所ですか!?」

 

「殺風景だったな。眺めるに限る」

 

「山のようにな」

 

「そーなんですか…」

 

「失望したか?ただな。お前、妖怪の山だって眺めたら綺麗だけど近くに行ったら汚いだろ。動物のアレコレで」

 

「ああ、分かります」

 

「想像したらちょっと気持ち悪くなってきた」

 

「依姫、吐くならスキマに吐け」

 

「良いんですか!?」

 

「言葉に甘えさせて…せめて路地裏で」

 

「分かってる分かってる。後紫は永夜異変で俺に借りがある。幻想郷についてのな?」

 

「成程…」

 

「うー…」

 

「こりゃスキマと永遠にこんにちはだな」

 

そうして2時間が経った時、依姫が顔を上げてさあ行こうと俺の背中にしがみついて歩き出した。まるで自分の顔に嘔吐物がありますよと言っているような…待て、ないよな。ないよね橙ちゃん。何そのうわぁって顔。え、何?想像通り?

 

「顔色悪っ…」

 

「そっちか。なんだ良かった。もう家だから顔出しても良いぞ」

 

「すまん…」

 

「良いよ良いよ、あいつら動く酒樽だし」

 

「そうか。ならありがたい」

 

「今日はもう寝ろ」

 

「そうさせてもらう」

 

「橙ちゃんはアイス舐めてなさい」

 

「本当!?」

 

「玉ねぎ味な」

 

「ダメです!!!」

 

「ダメか…」




玉ねぎはダメだったか…
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