本にする妖怪   作:覚め

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月面って面倒ですよね。僕もそう思います。
前澤さん、どうします?


第51話

綿月宅

 

「はーったくマジでどうなってんだよこの月はさー」

 

「フフ、素晴らしい都だろう?玉兎も良く働いてくれているし、月人も悠々と暮らせている」

 

「これじゃほぼ拉致だよ。さっきスキマで帰ろうとしたらなんかこっちに戻されたし」

 

「姉様の能力だな」

 

「クソが〜」

 

どこをどーしたらスキマの移動先変えれるんだよ。化学か。化学の力だな。化学の力ってすげー!だよ本当。あ〜、藍ちゃんの尻尾に埋まりて〜。スキマが使えないなら多分八雲紫も来れねえだろうし、俺がジャンプで地球に向かったところで何千年かかる事やら。

 

「相対性理論というのがあってな。その理論で行けば質量があるものは光の速度に近づくほど減速するらしい」

 

「色々と違う気がするが、とにかく月蹴って帰るのは無理だということはわかった」

 

「むぅ…違くないと思うが」

 

「で、依姫さん。俺はこれからどこで暮らせばいいわけで?」

 

「ここだ」

 

「…ここ。」

 

「私たちの家だ。とは言っても、姉様はいるけどな」

 

「勘弁してくれよもー」

 

ウッソだろお前〜…もう無理寝る。少し寝るか。目覚まし時計は…数字がおかしいな。まあ月だからか…依姫ちゃん、30分後に起こして!とテレパシーで送って布団に篭る。依姫は何を悟ったのか、膝枕をしてくれた。痺れて使えなくなるぞと思いつつふて寝する

 

翌日

 

「月に日なんて概念があるのかね」

 

「…驚かないのだな」

 

「俺の身長が下がってて助かった」

 

「何がだ?」

 

「色々とだ」

 

「ちょっと待て」

 

「昨夜はお楽しみでしたね」クス

 

「どういう事だ貴様ぁ!何した!?私に何した!?」

 

「何もしてねえって。なぁ豊姫さん」

 

「ええ、そうよ。でも分からないわよ。意外と何でも出来る能力かも…ね」

 

「すまない、2m離れてくれないか?」

 

「お前が近寄って来たよな?」

 

「し、知らないなそんなのは。大体月の賢者であるこの私が貴様のようなやつと」

 

「照れ隠しよ」

 

「姉である豊姫さんはこれをずっと見てたんですねぇ」

 

「ええ。私の胸を凝視していた時も、『な、何も胸が欲しいわけではなくて、それだけ大きければ心臓への距離が相手に分かりづらくなるのではと思っていたのですよ本当に』なんて言ってたのよ」

 

「嫉妬だな」

 

「嫉妬ね」

 

「お姉様!?な、何を言ってらっしゃいすか!私がそんな、胸を凝視したなんて」

 

「あの熱い視線は嘘だったのね…」

 

お前の演技も中々だよと思い、とりあえず羽交締めからの天元突破。月の地面に深く突き刺さったのであった。俺が。やはり月の賢者、謎の能力によって立ち位置を変えるなんて赤子の首を捻るように簡単ということか。逆立ちのようになってしまった。

 

「で、今度は何だ?」

 

「俺が月の都歩いてると変に注目を集めるんだが」

 

「私のせいだな」

 

「…そうじゃねーよ、わかんねえかな」

 

「え、じゃあ何だ?」

 

「あのへんな高い建物で流れてる変なのだよ。何勝手に会見開いて『彼は私の正式な夫です』とか言っちゃってんの?」

 

「そりゃあ、月の賢者なんだからはっきりさせねばな」

 

「はっきりさせすぎだよ!俺もう地上いけねえじゃん!」

 

「だから地上探索隊用の装備があると」

 

「お前あれだろ!国家予算の1割くらいに私欲的に使う金入れるだろ!そういうタイプだろ!」

 

「…そんな、妄想だけで物を言うのはよしてください」

 

「何で敬語なんだよお前ぇ!」

 

「良いではないか、結局夫婦なんだし。それに隠してたら何を言われるか」

 

「俺が知ったことじゃねーよ、何で俺に責任があるみたいな言い方するんだよ」

 

「…?」

 

なんだ、何でこいつが『何言ってるんだろう…?』って顔してこっち見てるんだ?それはこっちのセリフなんだが??どうすれば良いんだろうか、玉兎を操って下剋上させるべきだろうか。いや多分、俺に対してやったあの扇子で制圧されるな。

 

「夫婦なのだから、連帯責任だぞ?」

 

「何でだよ!!」

 

「なんでって…それが夫婦だから?」

 

「頼むからまともに答えてくれ…」

 

「まともに?まともに答えているだろう」

 

「呆れ果てた」

 

「呆れる?ああ、私が会見を開いたらテレビが全てその話題で持ちきりになってしまったからな」

 

「何でそこにサグメって奴と豊姫いるんだよ…何で永林先生もいるんだよ…!?」

 

「何でって…永林先生は私がお前を知るよりも前からお前のことを知っていたんだから、当たり前だろう」

 

「地方の結婚式か!?挙式じゃねーかこれがもう!」

 

「挙式…ああ、してないが?」

 

「永林せんせぇぇ!!」

 

「んー…いまいち何を言いたいのかが分からないな」

 

「何でわかんねーのよ」

 

「文化の違いか?」

 

「概ね合ってんのがなぁ」

 

「こんにちは!」

 

「おや、レイセン」

 

「鈴仙?」

 

「レイセン、良い子にしていたか?」

 

「結婚なされたんですね!」

 

「ああ、そうだが」

 

「やっぱり依姫様を信じて正解でした!」

 

「え?」

 

聞けば玉兎の奴ら、依姫と豊姫でどっちが先に結婚するかを賭けていたらしい。ほぼ満場一致、という感じで豊姫だったらしく、このレイセンって子だけが依姫に賭けてしまったらしい。運のいい奴だ。レイセンは信じていたと言っていたが、押し付けられたの間違いではないだろうな?

 

「…ほう…」

 

「レイセンちゃん」

 

「何でしょう?」

 

「その賭けてた奴、全員呼んできた方がいいよ」

 

「いや、気にしてないぞ」

 

「俺が気にしてる」

 

「っ…」ドキンッ

 

「俺も賭けの対象になってたのが気に食わん」

 

「何だ、それだけか…」

 

「お前が賭けになってたって良いんだよ。それだけ人望ない証だし」

 

「…」ガックシ




レイセンちゃんは結構天真爛漫…な感じにしたい。
調子のいい時はかなり明るくしたい。
したいのだー
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