本にする妖怪   作:覚め

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うおおお!おお!おお!おおおおおお!
…おおおお!!


第65話

神霊廟

 

「かなりの門下生って言う奴がいるみたいね」

 

「今日は信者の中でも武術に目を着けた者達の集まりさ」

 

「要するに戦闘集団ってこと…?」

 

「言い方が悪いね」

 

と言って、神子は演説を始めた。無論、俺は武術とは程遠く。奴らが正拳突きやっていようが回し蹴りだろうが、それが効かない程度には鍛える脳筋戦法でいる。大嶽丸を抜いた今、それほどの強さはない…いや、なくはない。多分。

 

「それでは、今日も武芸に励むよう!」

 

「屠自古、この飴玉どこで買ったの?」

 

「どこ…さあ?青娥が買ってきたからな」

 

「青娥に聞くのか…癪だな。自力で見つける」

 

「あいつに頼ると対価が面倒だからな。気持ちはわかる」

 

「…ところで屠自古よ、太子様の演説に我らは行かなくても良いのか?」

 

「良いんだ。どーせ太子様に変な欲向けるような奴は弾かれてるしな」

 

「そうか…」

 

「後単純に、剣持ってる奴に大勢で挑むなんて幻想郷の中じゃ刀の切れ味試してくださいってのと同義だからかな」

 

「そうなのか!?」

 

まあ、どこぞの時代は死体を何人切り抜けるかで刀の切れ味試してたらしいが。最もその死体は囚人のものだからな。倫理的にも大丈夫だ。多分。で、幻想郷なんかでは、妖怪が作った刀は生きたやつを切ってたと。八雲紫が言うにはだが。

 

「んっ」

 

「どうした?」

 

「太子様、どうでした?」

 

「何人か私に挑んできたので、返り討ちにしたまでです」

 

「アホの筆頭か、そいつは」

 

「毎年1人はいますよ。なんで勝てると思うのか」

 

「イキがるから」

 

「まるで阿呆のようじゃな」

 

「お前が言えたことかよ」

 

「なんじゃと屠自古ぉ!」

 

「持てる力全て使って勝てよ布都!」

 

「なんでそっち側に着くんだよ!?」

 

「…賭け事つまんね」

 

「なんなんだよお前!」

 

「布都と組み手でもやるか」

 

「お!…お!?やじゃ!逃げる!」

 

「遊ぼ〜よ〜」

 

「側から見たら足元が無限軌道みたいな動き方してるな…」

 

「太ってるみたい」

 

「太子様?」

 

「やろ〜ぜ〜」

 

「嫌じゃ!人外!どんな身体してるのじゃ!太ってるのか!?」

 

「そりゃあ特殊な身体してんだよ。太ってねえよ」

 

「ちょ、速くするな!追いついてしまうじゃろ!」

 

「追いつくために速くしてんだよ」

 

「転けろ!転べ!」

 

「これで転ぶのはお前くらいだよ」

 

冗談のつもりが、これ言ったら皿飛んできた。鳩尾に入った。咳き込んで倒れた。ゴフッ、ゴフッ!と言うよりも、ぉおっ!?のほうが正しいのかもしれない。布都のやつ、2枚同時に投げてきやがった。どんな隠し芸だよ。あーもう、きつい。

 

「だ、大丈夫かの…?」

 

「死にかけたわ」ガシッ

 

「ひゃわっ!?ま、待て、ここは門下生の目が」

 

「知るか」ズルズル

 

「み、見るなーぁ…見られた!」

 

「ああそう。よかったな」

 

「良くないわ!恥ずかしい!」

 

「知らん」

 

「…布都」

 

「た、太子様!どうにかしてくだされ!」

 

「鳩尾にお皿はちょっと…」

 

「情状酌量の余地すらねえんだとよ」

 

「なっ!?」

 

「…吊るしとくか」

 

「だ、だめじゃそれ!やっちゃだめじゃぞ!ここでやる気か!?ま、待つのじゃ!正気を」

 

翌日 人里

 

「慧音、なんか変な手紙きたんだけど」

 

「どうした?…なんで女児が吊るされているんだ…?亀甲縛りで…」

 

「訳わかんねーよな」

 

「お前がどうせ何かやらかした結果なんだろ。心当たりは?」

 

「最近はおろか、ここ1ヶ月くらいは神霊廟に通いすらしてない」

 

「…うそつけ」

 

「バレたか」テヘッ

 

数分後

 

「笑えよ、小鈴」

 

「何したらこうなるんですかね」

 

「女の子吊るした」

 

「はー…えー…んー…人里追放してもらえるように進言しますね」

 

「しないで」

 

まあ、仕方ないかなーとは思うがね。次の住処は…神霊廟にしよう!そう思った矢先、上から何者かによって引き抜かれた。誰だテメェと振り返ってみるとそこには我が母親…とは言っても通じない純狐母さんがいた。目が笑っていない。何かしただろうか?

 

「誰が貴方をここに埋めたのかしら?」

 

「…天」

 

「天…天ね。天を滅ぼせば良いのね」

 

「ごめん、嘘。自分の趣味でちょっと」

 

「あら、そうなの…?」

 

「女の子吊るして埋まってたとか言ってませんでしたっけ」

 

「ごめんね、お母さんちょっと理解できない」

 

「知ってた」

 

「で、今日は何用?」

 

「ああ、今日は仕送りがあるのよ♪」

 

「仕送りぃ…?変ですね、干酢都さんには」

 

「うるさいっ。このチョコは…重ぉっ!?」グンッ

 

「月の技術を使ったの。体積に対して質量が変わるのよ♪」

 

「ほ、他の方には…?」

 

「そうねぇ…うどんちゃんはわかる?その子にもあげたわよ」

 

「うどんげか…南無」

 

「どれくらい重いんですか?」

 

「お前くらい」

 

「え」ピシッ

 

「ちょっと、女の子にそう言う話は禁句よ」

 

「…私って体重40kgくらいで止まってるんですけど…」

 

「密度は40kgはあるから」

 

「密度の話ですか!?良かった〜!」

 

うどんげさん。後日、純狐母さんについて話し合いましょう。心の中でそう思い、チョコを食ってみる。甘い。苦い。重い。うどんげさん、顎外れるんじゃなかろうか。いや、まあ良いか。丁度良い柔らかさで、重いのは愛だけだったと再認識できるチョコだった。

 

後日 永遠亭

 

「あれほんと重かったですよ…師匠に顎支えてもらいながら食べました」

 

「手で?」

 

「手で」

 

「…お前顎鍛えるか?」

 

「どうやって鍛えるんですか?」

 

「こう、外骨格つけたり、筋繊維増やしたり」

 

「鍛えるって言うかそれ改造じゃないですか!」

 

「…俺はそんな感じで強くなったよ」

 

「知りませんよそんなのぉ!」




純狐さんの愛は月よりも重力放ってそう。
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