本にする妖怪   作:覚め

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今回。第二ラウンド、開始。


第7話

 

紅魔館前

 

「…第二ラウンドなんて始まんねーよ」

 

「いだだだだだだ」

 

「美鈴、何で仕事サボって戦おうとしているのか聞いても良いかしら?」

 

「キブ!ギブです!咲夜さ」ボギッ

 

「あら」

 

「…あんた鬼畜だな」

 

全く、あまり行きたくないところに来てしまった。俺の本に人里に飛ぶとか書いておけばよかった。ほんと、何でここなんだか。まだ風見幽香の方が良かった。敵意がないことを知らせれば許してくれそうじゃない?え?戦闘狂はそんなんじゃ引き下がらない?

 

「はーもう、こいつのせいで無茶苦茶よ」

 

「貴方のせいで私のお給料下がったんだけど」

 

「それは知らない」

 

「は?」

 

紅魔館

 

「とにかく、お嬢様が『紅魔館に来て主人に挨拶もなしだなんて』と仰っていましたので…」

 

「わがまますぎるな。まあ、俺が言えたことではないか」

 

「それは分かりかねますが…では」ガチャッ

 

「たのもー」

 

「おや、ようやく来たの。遅かったわね。館を訪ねる身としては、先に主人と顔を合わせるのが」

 

「お嬢様っつーかガキじゃん、メイドさんこれが?」

 

「…そう言うのであれば、お帰りください」

 

「いや、違うよ。そうじゃないよ。要はこいつ何歳って聞きたいんですよ」

 

「レディーに年齢を聞くのは」

 

「吸血鬼であることを考えて500くらいか?」

 

…少しの沈黙が流れた。え、嘘、合ってた?少し俺も黙る。こう言う時に空気を読める俺はやはり妖怪の中でも強い方に分類されるだろう。というより吸血鬼の奴らは我々が妖怪最強クラスだって言ってるけど、九尾の狐も最高級だし、ヤマタノオロチとか俺自身見たことねーくらいだし。吸血鬼って本当に強いのか?個体によって差がありすぎるのかな?

 

「…どうやら私が主人であることに不満があるようね?」

 

「少なくともここにいる魔女よりは格下に見えるぞ。」

 

「本音で話すのは良いけど、お世辞というものを入れないと、こうなるわよ?」

 

「失敬な、ナイフ一本でどうするってんだ。首飛ばして飾り台か?俺あれだから。首から上がなくても何も見えないだけで身体が本体だから。ほら、あれだから。ほんと、ほんと」

 

「必死ですね。そんなに離れると不味いのでしょうか?」

 

「テメーこちとら何年生きてるって思ってんだ。20億年前から生きてるんだぞ」

 

「嘘ね。それにしては妖力が弱いもの」

 

「…」

 

待った、待った。うん。待った。待ってください。嘘〜こんなに早くバレるだなんて〜。俺なんか悪いことしたかな?何した?え、マジで俺何した?いや、レディーに変なこと言ったからか。レディー(笑)に。こんなこと思って口にするから嫌われるんだよな。弱み握るぞお前っていつも思ってるけど。俺はあれですよ。勿論あれですよ。生まれたのは876年と23日前ですよ。

 

「首元にナイフは危ないな。ガッコウで習わなかったのか?」

 

「学校?幻想郷に学校があるのか?」

 

「少し外の知識があるだけだ。お前が自己犠牲を尊く思っているのならポリス出身かな?」

 

「…いや、そもそも学んでないんだが」

 

「なぁ今の俺ってクッソダサいよなもう」

 

「今更ですか…あと私は学校に行けるほど裕福ではありませんでした」

 

「そんなこと言うな、いつしか明らかになるかもしれんのだぞ」

 

「…一体何を?」

 

「いや、良い。これ言っちゃったらダメな奴だし」

 

「???」

 

「と言うよりも、異変起こした奴と同じ空間に居たくないんだが…」

 

「ここに残ることを選んだのは貴方でしょう?」

 

「紅魔館にいるのは良いがな。少し気になることもあるし」

 

「少し?」

 

「それはつまり…こう言うこと」スーッ

 

「!?」

 

「美鈴が言っていたものですか」

 

「あいつの話はやめてくれよ」

 

さて、どうしたものか。図書館に行った時に見つけたあの謎の階段。地下に行く階段だったんだが、小悪魔っつー司書に止められてそのまんまだ。二度目だし完全制覇したい気持ちも勿論あるんだが、ただ純粋に気になる。こんなの初めて♡なんて思いたいが結局のところ俺がやばい目に遭った時に逃げる用の盾が欲しい。囮でもかまわんぞ。むしろ囮がいい。

 

「…フランのことね」

 

「フラン?フランっつーのは知らんが、なー」

 

「あそこは元フランの部屋よ。フランについては…私の妹、ってことくらいで良いかしら?」

 

「良いぞ。まあそれならもう用がないし、俺は帰るけど」

 

「そんなことは言わずともわかる、フランに会いたいのでしょう?それじゃあこっちに」

 

「俺は今日1日だけ強いんだけど、何お前、怖っつーか力強くね。痛いんだけど、握力で痕ができるんだけど」

 

「…お姉様」

 

「フラン?」

 

「君がフランか!頼むこいつどうにかして剥がして。頼む。腕痛い。」

 

「良いよ!腕を離せば良いんだよね」

 

「おう、頼む」

 

「お客様、今すぐやめさせることをお勧め致しますわ」

 

「は?」ブチィッ

 

…は?いや、えぇ…?普通、そう来るとは思わないじゃん?後で永遠亭のところ持って行くのは少し嫌だし食って生やしとくか。あーあ、自宅に俺の腕が自生してくれれば…気持ち悪いな。やっぱやめとこ。周り俺の手だらけとか怖すぎる。怖いと言うよりも気持ちが悪いな。衛生概念的に無理だし、フツーに無理。腕食うとかやってるけど無理。きつい。

 

「…そう来るんだな」

 

「?」

 

「天然かよ…まあ良いや。食えば生えるし」

 

「生える?」

 

「いくらでも離し放題だね!」

 

「腕不味いから食いたくねえんだよ。知ってっか?人間の旨いところはな。太ももと肝臓だ」

 

「頭は?」

 

「脳細胞があるだけで俺は栄養がある肝臓のほうがいいかな」

 

「…ちょっと待って、何の話をしてるの?何を吹き込んでいるの??」

 

「人間がいるところでする話ではありませんね」

 

「それは、すまん」

 

 

 

 




人間がいるところで人間の食レポって、なんかもうすごいな。色々と。
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