紫の星を紡ぐ銀糸S   作:烊々

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 プラネテューヌには『女神補佐官』という役職が存在する。
 国政を司る『教祖』と対をなす、女神に代わって軍事を司る役職であり、女神や教祖ほど前面には出てこないため、人によってはその役職自体知らないことも多い。
 その女神補佐官である人工生命体の男『ギンガ』は、これまで守護女神が世界を守ってきた際に陰ながら様々なサポートをしてきた。
 そんな守護女神たちや彼の前に、更なる困難が立ち塞がることを、今はまだ誰も知らない。



プロローグ

 

 

 

「やめろ……っ、私は……こんなことはしたくなど……っ!」

『この身体はもう私の身体だ。私がこの次元に降臨し、世界に破滅を齎すためのな』

「黙……れ……っ!」

『抵抗など無駄だ。さて、我が復讐と破壊のため、暫し眠りにつくとしよう……』

「……っ、はぁ……はぁ……収まったか……! ……これでは、私はもう……この世界の敵……いや、最初からそうだったはずだ。それなのに、女神どもに……そしてあの男に絆され……だがもう、戦わねばならない……か」

 

 

 

 

「ネプテューヌ様……」

「つーん」

「ネプテューヌ様、機嫌をお直しください……」

「知らないもーん。わたしに構わないで行っちゃえばいいじゃーん。ぴーしー大陸の女神様に会いにさー。わたしを放ってー」

 

 『ぴーしー大陸』とは、ゲイムギョウ界四大国よりも昔から存在しながら、長い間諸外国とあまり関わろうとしてこなかった国家である。

 しかし、ここ最近になって、ぴーしー大陸の女神候補生が四大国との交流を図るようになった。国家間の交流を開始にするにあたって、いきなり守護女神を向かわせるわけにいかないというのが国際的なルールであり、だからこそその先遣隊としてギンガがぴーしー大陸へ出張することになったのだ。

 そして、ネプテューヌにとってはギンガが他の女神の元に行くのが好ましくなかった。そんな二人の様子を見たイストワールが呆れた表情で口を開く。

 

「放っておけばいいんですよ、ギンガさん」

「しかし……私は……ネプテューヌ様には笑っていてほしいのです。ネプテューヌ様にそのような表情をさせたままプラネテューヌを離れたくはありません。それに、遠くに行っても、私の心はいつもあなたにお側にあります、ネプテューヌ様」

「そんなこと言って、向こうの女神に鼻の下伸ばすんでしょー?」

「うぐ、それは……」

 

(はぁ……どうしてそこで『いいえ』と言わないのですかギンガさんは……ネプテューヌさんが少し可哀想に思えてしまいますね……)

 

「まー冗談は置いておいて、気をつけてね、ギンガ」

 

 気が済んだのか、ネプテューヌはニコリと笑ってギンガを送り出す。

 

「ええ、行って参ります。ネプテューヌ様、イストワール」

「はい。行ってらっしゃいギンガさん。何もないとは思いますが、お気をつけて」

「お土産はプリンね」

「かしこまりました」

「ネプギアも仕事が入らなきゃ見送れたのにねー」

「機械系のモンスター討伐クエストなので、目を輝かせながら出発していきましたものね」

 

 ギンガは身支度を済ませ、プラネテューヌ教会を後にする…………前に。

 

「ネプテューヌ様ネプテューヌ様」

「ん? どったのギン……ねぷっ⁉︎」

 

 ギンガはネプテューヌを呼び寄せて軽く抱きしめた。

 イストワールはネプテューヌとギンガに気を遣ったのか、いつの間にか姿を消していた。

 

「……もー、いきなりびっくりするじゃん。わたしのことが好きすぎるのは構わないけどさ」

 

(はぁぁぁぁぁ〜……至福‼︎ これでしばらくネプテューヌ様のお姿を見ることができなくてもなんとかなりそうです)

 

「ギンガ……ギンガ? なんか喋ってよ。ねえ」

「すぅぅぅぅぅぅ……!」

「え、ちょっと待って⁉︎ 何を吸ってるの⁉︎ なんかキモいし怖い! 一旦離れて!」

「……え?」

「そんな絶望した表情しないでよ! わたしが変なこと言ってるみたいじゃん‼︎」

「では、気を取り直してもう一度」

「いいよもう! さっさと行ってらっしゃい‼︎」

 

 半ば追い出される感じで、ギンガはプラネテューヌ教会から出発したのであった。

 

「交流のある三大国とは違い、空から行けないのが少し面倒ですね」

 

 ぴーしー大陸行きの船に乗りながら、暇そうに呟くギンガ。

 すると少しずつ、ぴーしー大陸が見えてくる。

 

「ぴーしー大陸……行くのは久しぶりですね。遠い昔、ゲハバーンの所在を掴もうとゲイムギョウ界中を駆け回った時以来、でしょうか。ま、そんなものはこの次元にはなかったのですが」

 

 どんどん近くなっていくぴーしー大陸の大地に、ギンガは少しだけ心浮かせていた。

 

「さて、ぴーしー大陸の女神候補生様は、どんな方なのでしょうね。お会いするのが楽しみです」

 

 

 

 

 

 

 

      『紫の星を紡ぐ銀糸S』

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、あんりー。プラネテューヌの女神補佐官ってどんな人なのかなー? 女神や候補生、教祖は調べてすぐにヒットしたんだけど、女神補佐官だけは見つかんなくてさー」

「私も知らないわよ。もうすぐ着くらしいから、その時になれば分かるでしょうね。それよりも、この国、ぴーしー大陸の女神候補生として、失礼のないようにちゃんとしなさいよ、マホ」

「はーい。もーあんりーってば、あーしのお母さんみたい」

「誰がお母さんよ……もう」

 

 

 

 

 

 

 






簡単なキャラクター紹介

・ギンガ
 『紫の星を紡ぐ銀糸』シリーズの主人公。
 初代から代々プラネテューヌの女神に仕え続けている女神補佐官であり、女神に及ばずともその実力はかなり高い。
 身長は182㎝、外見年齢は二十歳程度。イストワールの金髪の真逆のような銀色の髪と星空のような青紫の瞳が特徴で、ネプテューヌ曰く「無駄に良い顔」な容姿。
 同じ人工生命体であるイストワールと思考をリンクすることによりギンガの身体でイストワールのスペックをフルに使用できる『ギンガイストワール』や、ネプテューヌの加護が強く込められた指輪『ネプテューヌリング』を用いて変身する『ギンガネプテューヌ』などの強化形態がある。
 守護女神のことを心から崇拝している。
 しかし、ネプテューヌだけには崇拝だけではない好意を抱いている。


・ネプテューヌ
 前作と前前作における原作主人公。
 プラネテューヌの守護女神。
 ギンガのことが好きで、ギンガも自分のことが好きだと知ったが、その思いを真に通じ合わせるのは自分が女神をやめた時だとお互い決めているため、今はまだあまりそう振る舞うことはしない。
 多分今作は割と影が薄くなると思う。


・ネプギア
 今作における原作主人公。
 プラネテューヌの女神候補生。
 「お姉ちゃんとギンガさんがくっつけばギンガさんをお兄ちゃんって呼べるのになぁ」とか思ってる。
 最近メキメキと実力をつけてきており、ネプテューヌにはまだ届かずともギンガには届きつつある。
 多分今作は前作以上に活躍してもらうことになる。


・イストワール
 いーすん。プラネテューヌの教祖。
 ギンガとはお互い恋愛感情は皆無だが、家族をも超えた信頼関係を持ち合ういわば『相棒』。
 割とお互いに対する当たりが強い。


・ノワール、ブラン、ベール
 他の国の女神たち。
 ギンガの女神補佐官としての手腕は評価しているが、性格がアレなのでプラマイ0なのは相変わらず。
 今作はネプテューヌ同様影が薄くなると思う。


・天王星うずめ
 プラネテューヌの過去の女神。
 ある事件を境に、一旦超次元ゲイムギョウ界から去ることになる。


・ユニ、ロム、ラム
 他の国の女神候補生たち。
 姉たちとは違ってギンガを慕ってるのはこちらも相変わらず。
 今作は活躍することになる。


・アイエフ
 プラネテューヌ教会の諜報員で、自他ともに認めるギンガの愛弟子。


・コンパ
 プラネテューヌのナース。度々死にかけるギンガをいつも看病するのがコンパ。だからギンガはコンパに頭が上がらない。


・マジェコンヌ
 原作では敵であったが、銀糸シリーズでは世界を守るために何度も共に戦った仲。
 ギンガとは互いに嫌いあってはいるものの、実力は認め合っている。
 しかし、今作では……
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