トレセン学園に行け
ーーー夢を見ていた。
(寒いな……それに焦げ臭い。ここはどこなの……?)
雪と灰が降り積もる中、私の体は地面に身を横たえており、しんしんと降る雪が体に付着していくのがわかる。
(とりあえず起き上がらなくちゃ……ーッ痛い!!!)
自身と周りの状況を確認するために体を起こそうとするが、下半身に走る痛みと疲労で体が動かせない。それどころかどんどん力が抜けていき動かすこともままならなくなっていく。
(どうして……?私ここで死んじゃうの……?誰か助けて!)
そんな状況を打破する為に、大声を出し助けを呼ぼうとするが声が出ない。
(なんで!どうして声が出ないの!死にたくないよぉ!!)
自身の体が動かず、声も出せない。もう目の前も暗くなってきている。そんな状況に絶望していると近くに誰かがおり、座り込む気配がする。
ーーー守りきれずすまなかった……ーーー
(えっ……?)
その気配から放たれた言葉は自身がもう助からないことを思い知らせる。だが声色からして大人の男であろうその声に不思議と安らぎを感じ、死ぬことへの恐怖は和らいでいた。
なんとかその気配の顔を見ようと、見えなくなってきている目を動かすと、無精髭を生やした男がそこにいた。
(貴方は……誰……?)
記憶に無い男が自身の体に手を当てる。男の手はとてもゴツゴツしており、触れられただけでこの男は只者ではない事が手から読み取れた。
(なんだろう……。この人の手、とても暖かい……。)
男の手から伝わってくる温もりは冷えきった自身の体に染み渡り、先程まで感じていた痛みや恐怖は微塵も感じなくなっていた。
それを認識した途端、目の前が真っ暗になり、意識が落ちていく感覚がする。
(あぁ……死ぬってなんか寂しいな……)
先程まで感じていた男の温もりが感じられないことに寂しさを感じつつも眠るように意識を手放したーーー
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……リリリン……
ジリリリリン……ジリリリリン!
「ウゥーーン……。」
なにか音が聞こえる……。その音は規則的に、けれど徐々に大きくなり暗闇に身を委ねている自分を叩き起こすかのように鳴り続ける。
ジリリリリン!ジリリリリン!
「……ウゥーーーンなんだようるさいなあ!」
あまりのけたたましさに堪らず体を起こし、その音の位置を特定しようと自身の耳と手、そして完全に開いてない目を使い辺りを探る。そしてあいも変わらず鳴り続ける音の正体にたどり着く。
「なんだスマホのアラームかぁ……。」
自身の眠りを妨げた原因を排除し、やっと空間に静けさが取り戻される。
「あれ?私の部屋……。さっきのは夢……?」
ようやく開いた眼で周りを見ると、先程の身動きが取れなかった場所とは違い、見慣れた自分の部屋に居ることに気づく。
「変にリアルな夢だったなあ……。痛かったし、死ぬってあんな感じなのかな?」
ガチャ
先程までの見ていた夢を振り返っていると、突然扉が開き、扉の奥から見慣れた人物が顔が覗いてくる。
「あんた何してるの!今日からトレセン学園に行くんでしょ!早く出ないと遅刻するわよ!」
「うわあ!お母さん!入る時はノックしてよ!!!え、今何時!?」
その人物、母が私を起こしにきた。父は数年海外におり、母はここ数年父の支援があるとはいえ、1人で私を育て上げてくれた人だ。
私は何度言ってもノックしない母に内心舌打ちするも、遅刻という単語に反応し時間を確認するためにスマホを見る。
「げ!もうこんな時間!やべやべやべ!」
ギリギリな時間を示している時計を見て、私は呆れている母を横目に大慌てで準備を始める。
「あーちょっとちょっと!待ちなさい」
なんとか準備を終わらせ、家から出ようとすると母が私に声をかける。
「なに?急いでるんだけど!」
「ほんとそそっかしい子ね……。これ、持っていきなさい」
そういうと母は私が昔よく吹いていた尺八を渡してきた。
「えぇーこれ別にいらないよぉ」
「あんた昔はよくこれ吹いてたじゃない。上手だしお母さんは好きだったのよ〜?お友達できるかもしれないし皆に見せてあげなさい!」
確かに昔はよく吹いていたし、自分でも上手に吹けてたと思う。だけど最近は吹いてなかったし、走りに通うのに必要ないと思って家に置いていこうとしていたのに母は目敏く取り出してきたのだ。
「いや、でも……。あーもうわかったよ〜。じゃあ持っていくよ……」
家を出て寮生活になるため、これから家で1人になる母のキラキラした目を見ると断りたくても断れず仕方なく持っていくことにした。
「じゃあ、行ってきます。お母さん、体には気をつけてね」
「ふふっ。それこっちのセリフじゃない?……いってらっしゃい」
母との会話を終わらせ、実家から離れることに僅かな寂しさを感じつつ、私はトレセン学園に向かうため歩きだした。
ーーーしばらくして私はトレセン学園の校門前に着いた。そこには緑の帽子に緑の制服を纏った女性が立っており、私を見つけると「あっ」という顔をし、足早に近づいてきた。
「新入生の方ですよね!もうすぐ入学式が始まってしまいますよ!こっちです急いでください!」
「ああ遅れてすいません!助かります!」
ギリギリに着いてしまったが為に要らぬ世話をかけてしまった面目なさに自分を恥じつつ、緑の職員に着いていくのだったーーー
ただただ自分が見たいと言う気持ちから見切り発車で書いてみたものの、初めて文章を書いているので拙い部分が多い感じになってしまってると思います。その点は徐々に慣れていこうと思います。
とりあえず主人公の名前やその他の設定が全然決まってないんで、皆様の反応見て需要ありそうだなと判断したら設定煮詰めきって連載しようと思います。主人公の名前思いつかないンゴ……。