異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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北方連合の陸戦兵器紹介のためのオマケ回です


幕間 グラメウス大陸の楽しいピクニック風景

 

[グラメウス大陸 上陸予定ポイント]

 

寒冷地であるグラメウス大陸では弱い種は数を増やすことで生き残り、その大量の弱い種を餌に大型の魔物が腹を満たしていた。

だが弱い種もただではやられない。

群れで大型の魔物に襲いかかり、自分達の糧としていた。

そんな自然の一部となっていた大陸の日常は終わりを迎えた。

大型の魔物を囲みいざ群がろうとしていたゴブリン達は、次の瞬間爆炎に包まれて共に消え去った。

 

『こちら爆撃機編隊指揮機、上陸ポイントの掃除を完了した』

『了解した、設営資材を搭載した輸送船団を接舷させろ』

 

大型の輸送船3隻が等間隔になりながらゆっくりと砂浜に乗り上げていく。

そして少し離れたところには揚陸艦が乗り上げ、中のWAWや作業車両、工兵部隊を展開して簡易港の設営を開始する。

5隻の大型船は回収する予定はなく建設する港の一部となる。

同様の光景が南東側の海岸線4箇所で行われており、この4ポイントを基点に上陸艦隊は運用されていくのであった。

 

 

 

[グラメウス大陸 中央部]

 

大陸中央には幾つかの大きな部族が簡易な住居を作りくらしていた。

突然変異種であるゴブリンキングやゴブリンロードに統制されたゴブリンの集落。

圧倒的な体格に武器を行使するハイオークの群れ。

他にも魔法を使用する知能の高い魔物達の種族の群れ。

生態系の頂点に立つ飛竜の群れ。

群雄割拠の世界、剣や魔法を行使する程度の人類では瞬く間に飲まれて消えるだけの魔境が広がっていた。

………今日、この日までは。

 

空を埋め尽くす勢いで次々に轟音を轟かせながら飛ぶ巨大な鉄の塊。

音に敏感な種族はそれだけで怒り狂って魔法を放つ。

空を縄張りにする竜種は不届き者を蹴散らそうと飛び立つ。

だが誰も届かない、もっとも空を高く飛べる飛竜種でさえ届かない遥か上空にそれらはいたのだ。

 

『うへぇ、ウヨウヨといやがる!』

『無駄口叩くな、全ヴァンツァー部隊に通達!予定ポイント上空についた!降下準備に入れ!』

『無人空挺戦車大隊は準備爆撃の後に投下開始!』

『爆弾倉開け!降下部隊の花道を作れ!』

先行してを飛んでいた大型爆撃機10機から大量のクラスター爆弾、ナパーム弾が次々に投下されていく。

雪に彩られた草原地帯と森林地帯が火の海になり、

たまたま下を飛んでいた飛竜種が巻き添えを食らって爆殺されていく。

 

『全弾薬の投下完了、帰投する!あとは頼んだぞ!』

『全車両降下!降下!』

『ヴァンツァー部隊降下開始!降下開始!』

 

ypaaaa!!!!!!!

 

次々と遠隔操作型の空挺戦車が投下されパラシュートが開いていく。

そして低高度を飛行していた輸送機6機が無人戦車部隊指揮用に特別改装された4足歩行戦車【ジウーク指揮車仕様】をそれぞれLAPES投下して離脱していった。

降下したヴァンツァー部隊も肩部または背部の逆噴射ユニットを展開して減速、無事に着地していく。

中には降下しながら飛竜をマシンガンやスナイパーライフルで撃ち抜く猛者がいたほどだ。

そしてやや遅れて3機の全翼型輸送機が降下態勢に入る。

それぞれから投下された巨大な逆関節大型ヴァンツァー【スヴィーニッツ】は降下先にいた逃げ惑う魔物の群れを踏み潰しながら着地した。

各機異常や欠員がいないことを済ませると鋼鉄の軍団は進軍を開始する。

目標は害獣指定危険生物の駆除。

全ては新たなる祖国のために!!!

そして人類の未来のために!!!

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[グラメウス大陸 中央部外れ]

 

Sideアニーツカ・イワノヴナ・アレクサンドロフ

・部隊編成

ヴィーザフ・ローク×2

(アニーツカ 隊長機 Sライフル、ジェットパック)

(マキシム 副長機 大型ロッド2本、長距離通信パック)

ヴィーザフ(前衛装備型)×6

ヴィーザフ(バズーカ装備)×4

アバローナ(グレネード砲又はロケット砲装備)×4

ジラーニ(フレイムガン、レーダーパック)×3

ジラーニ(前衛装備型、長距離通信パック)×1

遠隔操作型無人空挺戦車×6

ジウーク(指揮車仕様型)×1

 

作戦を開始して早3日、現在は周辺の安全確保のために偵察兼見回りをしているがそろそろ飽きてきた……。

故郷の凍土地帯より遥かに過ごしやすいが代わり映えのしない景色に嫌気が差してきた。

最初こそ派手に暴れれたがそれも初日だけだ。

2日目の午後からはもはや遭遇することさえ殆ど無くなっていた。

 

「マキシム、なんか暇潰せるものない?」

『あるわけないでしょ大佐!しっかりしてください!』

 

小うるさいマキシムに聞いたのが間違いだった!

 

「お〜い、あんたらは?」

『エロ本百冊分のデータならありますよ?』

「女の私によこすな!次!」

『魔獣の戦闘記録を復読してます』

「真面目ちゃんめ!次!」

『北方連合KAN-SEN特集最新号』

「……同志ソユーズは?」

『むしろ表紙ですよ、データ送ります』

「うひゃ〜、あんがと!」

 

送られてきたデータをディスプレイに映すと凛々しい佇まいのソユーズ様の御姿が!!!

 

「マキシム、私はジウークの上で休んでるからあと頼んだ」

『………解りました、戦闘になったらお願いしますよ?』

「ハイハイ、よっ!」

 

背中のジェットパックを起動させて機体を浮かすと、

ガンッ!と甲高い音を響かせてジウークの平らな部分に着地する。

ジウークの搭乗員からは苦言の通信がきたが無視して特集を読み始める。

ソユーズ様が兵達を激励をする場面や他のKAN-SEN達と会議をしてる様子の写真が多くあった。

ああ、ソユーズ様……!

 

『隊長ご機嫌ですね』

『隊長のKAN-SEN好き、特に同志ソユーズへの愛は凄いですよ』

『はぁ、腕と判断能力は文句無しなのに……!』

 

マキシムが小言を言ってるようだが気にしない。

私が軍に入ったのも、そもそも北方連合KAN-SENの間近にいたいと思ったからだ。

まだ成人していなかった頃に見た建国記念パレードで私は彼女達に、ソユーズ様に直接握手とお言葉をいただいたときの衝撃は一生忘れないだろう。

感慨に更けている場合ではない、もっと同志達の勇姿を拝まなければ……

 

『レーダーに感!二時の方向より飛翔ぶ……』

 

ドンッ!

 

………、おお!同志ガングートのオススメのウィスキーなんてあるんだ!

今度買ってみよ!

 

『………あの、異常なくなりました』

『あの状態から当てれるのかよ……』

『腕は優秀なんですよ………腕は!』

 

 

 

[グラメウス大陸 中央部 大陸解放本部(仮設)]

 

Sideロルフ・ヴァグナー

 

『同志ヴァグナー、申し訳ありません至急お見せしたいものがあります。

情報統括室までご足労いただけないでしょうか?』

「……解った、10分以内に向かう」

『了解、お待ちしております』

 

私は通信機を置くと自身の機体へと向かおうとする。

すると副官であるドランツが苦言を放つ。

 

「ヴァグナー総指揮、このヴァンツァー師団のトップである貴方がわざわざ出向かなくても……、」

「ルイーコフは堅実な性格の人物だ、そんな奴が意味もなく私を名指しせん。

それに所詮は肩書だ、椅子にふんぞり返っているのは性に合わん」

 

そう素直にいうとドランツは感服したように納得していて着いてくる。

相変わらず大げさなやつだ。

この副官とはレッドアクシズへの潜入任務からの古い付き合いだ。

私は今回の新大陸解放作戦には元々反対派であった。

未開の調査も不十分な場所よりも鉄血領やサディア帝国領のほうが確実な戦果を出せる。

………何よりあの女指揮官の思惑どおりなのが気に食わん。

あの夢想家は我々がスパイと発覚してからも何かと庇い、最終的には本国への強制送還に収まった。

祖国も切り捨てればよかったものを馬鹿正直に受け入れてしまうのものだから頭が痛いことだった。

別れ際、何故庇ったのかと聞いたら失笑ものの答えであった。

 

「だって、一緒に戦った仲間じゃないですか」

 

そう言った本人の笑顔に裏はなかった。

……………悪くないと少しでも思った私も毒されたものだ。

それにレッドアクシズに加入した利点も多かったのは事実だ。

まさか一国で我が国の食糧問題を解決できるよな農業国家があるとは……。

あとはエネルギー問題だがこちらも"M.I.D.A.S"システムの解析が進めば解決するだろう。

そしてこの広大な大陸を開拓すれば大きな国益になる。

確かに雪深い地域が多いが、永久凍土が広がる北方連合

に比べれば遥かにマシだ。

そんなことを考えていると情報統括室の前につき、部屋に入る。

 

「お待ちしてました、同志ヴァグナー」

「挨拶はいらん、見せたいものとは?」

「こちらです」

 

そういってルイーコフが差し出したのは数枚の航空写真であった。

 

「これは?」

「我々を投下した輸送機編隊が夜に撮った航空写真です。

場所はここから西の大陸端のあたりになります」

「……?何故ここだけ黒くなっている?」

 

写真には1箇所だけ不自然に暗くなっている場所があった。

 

「原因は不明ですが機材の異常ではありませんでした。そして更に問題なのはこちらです」

「………灯り、人工のものですね」

「それなりの規模の集落があるということか?」

 

まさか、国か?

 

「………連合委員会に報告する、資料をできる限りまとめろ」

「了解です」

 

場合によっては解放計画に変更が生じかねんな……。

まったく、面倒なことだ。

………退屈するよりかはマシか。

そう考える私の口端は僅かにつり上がっていた。

 

 

《グラメウス大陸解放派遣軍より緊急報告》

 

グラメウス大陸東に一定の文明を持つ国ないし集落がある可能性アリ。

事実確認のため調査許可を願う。

 

 

 

【北方連合投入兵器紹介】

 

【ヴィーザフ】

・北方連合製

北方連合が開発した最新鋭汎用型ヴァンツァー。

高い出力に高精度の腕部、計算された装甲配置、強靭な足回りからくる高い機動性。

全てに置いて最高クラスの水準を維持し、ワンオフモデルを除けば最強と呼べる傑作量産型機。

スナイパーライフルを標準装備としているが近接兵装での運用も十分に可能。

この機体の性能を知った各国では、後に【ヴィーザフショック】と呼ばれるヴァンツァー開発ラッシュが発生した。

また出力と機動力をさらに強化した【ヴィーザフ・ローク】というバリエーションが存在する。

 

 

【アバローナ】

・北方連合製

ヴィーザフの前身にあたる重装型ヴァンツァー。

重装甲ながらも大出力エンジンと脚部のアクチュエーターにより機動性も高く突撃機としての運用も可能。

基本的には高い積載量から後方支援機として運用されている。

 

 

【ジラーニ】

・北方連合製

ヴィーザフ、アバローナとの連携を目的に開発された軽量型ヴァンツァー。

胴体と腕部の軽量化、逆関節脚部の採用により運動性が高く前衛支援機として運用されている。

出力も高く、各種バックパック兵装を装備可能。

 

 

【ジウーク】

・北方連合製

拠点攻略用に開発された4足の大型多脚戦車。

旋回砲塔の大型キャノン一門とガトリング砲を標準装備しており、背面部には使用用途に合わせて連装ミサイル、多連装ロケット砲、グレネード砲などを装備可能。

今回の作戦に置いては無人車両を遠隔操作するための【指揮車型】、歩兵部隊や物資を運搬する【輸送型】が背面部に増設する形で設計された。

 

【スヴィーニッツ】

・北方連合製

拠点攻略用に開発された逆関節型大型ヴァンツァー。

全長15m超えの巨大兵器で両腕部には300mm艦砲とVLS連装ミサイルユニットを搭載している。

陸上戦艦と呼ぶに相応しい火力と重装甲を持つが機動性は劣悪なため基本的には複数の護衛機を伴う運用がなされる。

また設計段階で空挺投下が想定されており、降下減速用噴射機を標準装備している。

 

 




フロントミッションにおけるロシア、ザーフトラ共和国の兵器はどれも見た目がドツボなので是非画像検索してみてください。

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