異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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短いですがセイレーン側視点の話です。


幕間 水精の秘事

 

[海上要塞ヴァルハラ 指揮官私室]

 

Sideピュリファイアー

 

ふん♪ふふん♪ふ〜ん♪

ここ最近は”外”での仕事ばかりだったからこっちに帰ってくるのも久しぶりねぇ。

いや〜、やっとカグヤに会えるなぁ!

 

「オイースッ!おはようカグヤ………」

 

グチュクチャズルリヌチョ!

 

「ふふ♡カグヤ気持ちいい?」

「ーー!〜〜!?」(口を塞がれて喋れない)

「ああ、もっと欲しい?」

「ーーー!!!」(ぶんぶん!)

「もう、欲しがりやさんね〜♡」

「〜〜!!!」(半泣き)

 

全身を触手に絡められて寝間着がはだけたカグヤが

オブザーバーのマッサージ(触手)によりあられもない姿を披露していた。

………いや、なにやってんの!?

 

「オブザーバー!?何やってんの!?」

「え?親子のスキンシップ?」

「嘘こけ!?カグヤ嫌がってんでしょうが!」

「最初にお願いしてきたのカグヤよ?」

「ええぇ!?」

 

カグヤ!?そ、そんなに、ご無沙汰だった、の?

私が顔を赤くしてカグヤを見つめていると口元の触手を外していた。

 

「ぷは!私は整体しか頼んでないよ!?」

「ええ、だからマッサージ(意味深)よ?」

「普通のをお願いしたよ!?」

「いいじゃない、普通のスキンシップよ♡」

「こんな普通は私は知りません!」

 

はぁ〜、オブザーバーの奴もはめ外しすぎよ……。

しかしこんなことしてればローンか大鳳あたりがすっ飛んできそうなものだが……?

 

「いつもの二人はどうしたのよ?」

「あの二人なら今回のマッサージシーンの写真と映像で手をうったわよ」(・ω<) テヘペロ

「つまり確信犯じゃない……」

「あの二人、自分の欲望に忠実すぎるでしょ……」

 

顔を真っ赤にして寝間着を治しているが濡れて透けているためあまり隠せてない。

 

「もうグチョグチョ……、シャワー浴びてくる」

「いってらっしゃ~い」

「気をつけてねぇ〜」

「………ねぇピュリファイアー、オブザーバー」

 

カグヤの髪が白くなり、セイレーン化しながらクルリとこちらに振り向く。

 

裏で何かしてる?(・・・・・・・・)

 

先程の顔を赤めていた雰囲気は一切無く、金色の瞳がこちらを妖しげに見つめてくる。

 

うん、してるよ?(・・ ・・・・・)

してるわよ?(・・・・・・)

「し、してるんだ」(汗)

 

カグヤの髪色と瞳が元に戻る、別に隠すことじゃないしね〜。

 

「………内容は教えてくれないよね?」

「それは無理、ごめんね〜?」

「レッドアクシズにとって不利益になるようなことではないことは約束するわ♡」

 

うわ、すごい据わった目で見られてる……。

 

「あんまり無茶をしないでね?」

「「はぁ〜い!」」

「はぁ……」

 

オブザーバーとともに元気よく返事をしたのに何故か溜息をつかれた、何故に?

そのままシャワー室に入っていくカグヤ。

 

「………で、進捗は?」

「あんまり芳しくない、正直雲をつかむような話だし」

「はぁ、仕方ないわね」

 

オブザーバーが溜息をつく、こっちも完全に手探りなのが痛いよねぇ。

 

「でも有力そうな情報を手に入れたよ」

「へぇ〜?どんなの?」

「昔、天罰から逃げた連中の生き残りが南にいるらしいわ」

「へぇ〜、それは有力な情報ね」

 

オブザーバーが妖しげな笑みを浮かべるのを見て、私も自然と口元が吊り上がる。

これで私達の最重要目標への足掛かりが得られるかもしれないのだから、しょうがないよね?

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

[鏡面海域 セイレーン中枢]

 

Sideコンパイラー

 

META勢力への対応を進めるにあたり、観測世界の再選定完了。

到達レベルが一定以下の観測世界への介入を停止、

これによりMETA勢力がこちら側(カグヤの世界線)に来る可能性を削除。

………まだカグヤとMETA達を合わせるわけにはいかない。

 

「………これで一段落ね」

 

連中には鏡面海域内をある程度操作し自由に行き交いする方法はあるが鏡面海域を生成する術はまだない。

ならばこちら側に来るための鏡面海域をほぼ無くし、

唯一繋がる鏡面海域に削減した防衛戦力を全て集めれば連中も手出しをしてはこまい。

 

「………カグヤへのプレゼントも完成したし、喜んでくれるかな?」

 

空間投影のモニターを開く、そこには最終稼働試験中のヴァンツァーが映し出される。

今までの観測世界にはなかった独自の進化を経て開発された人型陸戦兵器。

とある観測世界で別世界の人型兵器(マーシィドッグ)を紛れ込ませたことはあったが、結局そのまま少数が量産されただけで独自の進化はしなかった。

海上での戦闘が主流であったことも原因だが、

オーバーテクノロジー部分を解析しきれなかったのも原因だろう。

ゆえにこのヴァンツァーの登場はセイレーン側にも陸戦兵器の可能性を再認識をさせるのには十分なものであった。

 

「ハイスペックモデルを目指したとはいえ、色々詰め込みすぎた感があるけど……」

 

フレーム周りは通常ヴァンツァーと同様のサイズ。

動力部にはメンタルキューブを使用、搭乗者を選ぶ代わりに大出力を実現。

足回りは通常の足裏ローラーとは別に脚部に折りたたみ式の補助ローラーを搭載。

これにより高機動中の安定性と急制動が可能になった。

有り余る出力により、バックパックには超電磁砲(レールガン)パックを搭載。

チャージ時間のある長射程高威力型とチャージ時間ほぼ無しの短射程速射型のモード変換が可能。

レールガンパック搭載にあたり肩部兵装ラックを廃止、

代わりに肩部に可動式装甲を採用。

これにより防御力向上とレールガン展開時の干渉を抑制。

腕部は通常ヴァンツァー規格のものを全て装備可能。

今回はカグヤ搭乗を想定してメンタルキューブからの弾薬生成で直接給弾できる専用マシンガンを二丁用意した。

 

「セイレーン製ヴァンツァー【VOLK(ヴォルク)】。

良好なら無人機化してそのまま量産してもいいわね」

 

なんなら海上でも使える改良型を考えてみよう。

………カグヤの反応が楽しみね。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[新世界 衛星軌道上 ???]

 

Sideアビータ・EmpressⅢ

 

ーーー建造作業の進捗を確認。

 

ーーー推進モジュールの完成率、メインスラスター100%・サブスラスター50%完成。

 

ーーー機関モジュールの完成率、メインジェネレーター100% サブジェネレーター40%、2基が完成。

 

ーーー外部装甲完成率、30%

 

ーーー砲撃モジュール完成率、メインユニット60% 砲身部分15 %

 

ーーー当機の完成予定時間、1026時間後と推定。

 

ーーー我らの”報復”を、必ずや成し遂げん………!

 

「全ては”我が君(カグヤ)”のため、一切の妥協はしない」

 

ーーーシステム同期にエラー、建造作業に54秒の遅延発生。

 

ーーー余剰思考を停止。

 

ーーー建造作業続行。

 

 




セイレーン側の状況

・カグヤに隠れて新世界で”とある”情報を収集中

・セイレーン製ヴァンツァー開発完了

・衛星軌道上で密かに建造中

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