異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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総合演習二日目午前

更新が遅れ気味で申し訳ない(´・ω・`)


砲声鳴り響く海

 

[ロデニウス大陸北東 クワ・トイネ外洋]

 

【重桜 機動打撃演習艦隊】

 

巡洋戦艦 金剛(艦隊旗艦)

     比叡 榛名 霧島

 

重巡洋艦 古鷹 加古

 

軽巡洋艦 川内 神通 那珂

 

駆逐艦  吹雪 白雪 浦波 綾波 

     白露 夕立 時雨 海風 山風

 

 

Side金剛

 

本日は快晴、絶好の砲撃日和なり。

ムーの使節団方と共に艦橋内で優雅にティータイムと洒落込んでおります。

約1名、艦橋の硝子に顔を貼り付けてお顔が大変なことになっている方がいますが……。

 

「おい、マイラス。気持ちはわかるが取り敢えずこっちに座れ、な?」

「もう少し!もう少し待ってくれ!」

 

メモを片手にすでにかなりの量の文字や図を記入されている。

マイラス氏はとても勤勉な方のようだ、指揮官様が特に気にかけていた御仁なだけはありますね。

 

「あとで艦の案内もする時間はあります。

どうぞおかけくださいな?」

「も、申し訳ないです……」

 

ようやく席に着いたマイラス氏がカップの中身を見て首を傾げる。

 

「これは……、緑色の紅茶ですか?」

「重桜特産の緑茶です。製法が違うだけで茶葉を使ったものなのでご安心を」

「なんか落ち着く味なんだよな〜」

「私は紅茶よりもこっちのが好きかもですね」

「自分はこちらの紅茶のが好きですかな」

「そちらはロイヤル産の紅茶ですわ、私のオススメですの」

 

思い思いに雑談をする様子に内心ホッとする。

艦橋に来るまでガチガチに緊張なされていた皆様もいい感じに緊張が解れたようです何よりです。

 

「しかし本当に貴女様一人でこの巨艦を動かしているのですな………」

「以前ローン殿の艦を見せてもらった時にも聞いてましたが、いやさすがとしか………」

「補助要員として相当数のオフニャや饅頭が配置されてはいますけどね」

 

それを差し引いても搭乗人数は本来必要な人数の半分以下でしょうけど。

 

「てかあの謎生物、なんなんです?いや、そもそも生き物なんですか?」

「あんな見た目と肌触りですが分類としては非生物ですわ。

生体金属などで構成された”自律人形”といったほうが正しいですわね」

 

使節団の方々が頭に大量のハテナを浮かべているのを理解するが、これ以上は明石などに説明してもらわないと難しい。

一様我々KAN-SENもオフニャや饅頭同様、生体金属などで構成された存在なので実は近い技術形態ではある。

明確に違うのはオフニャや饅頭はメンタルキューブから複数精製でき構造が単純。

KAN-SENはメンタルキューブを核に体が構成されているため構造が複雑かつ高性能。

人工皮膚の肌触りや人工血液が赤いため人間と大差ない見た目だが、骨格は金属フレームで出来ている。

また内蔵も人間のそれとは大きくことなる。

経口摂取したものは全て分解されて栄養素になるように出来ているし、人間であれば致死量の猛毒を摂取しても何ともない。(味の良し悪しはある)

逆に、人間のような愛の営みは意味を成さない。

夜のお相手ぐらいなら出来るが、それだけである。

現在使われている義手、義足もこの技術の応用であり、

強化外骨格のインナー部分にも採用されている。

 

「詳しくは後ほど資料をお渡ししますのでご容赦を」

「………機密とかには引っかからないのですか?」

「心配いりません、機密であるならそもそもの説明を黙秘していますわ」

 

オフニャと饅頭の製造方法を知ろうと、そもそもメンタルキューブがないと話にならない。

作り方は解っても材料はありませんということだ。

それに、本当の機密といえるセイレーン技術については一切掲示する気はない。

掲示されても持て余すだけでしょうし。

他にも雑談をしていると予定ポイントに到達したのを検知する。

他の姉妹達と思考リンク開始、状況を報告せよ。

 

〘こちら比叡、問題ありません〙

〘榛名も問題無し!〙

〘霧島も異常無し、いけるよ!〙

 

さて、では優雅に華麗に大胆にいくとしましょう。

 

「皆様方、目的地に到着しました。

これより艦隊砲撃演習を始めさせてもらいます」

 

私は席を立ち軽く手を翳す。

それを合図に艦隊がゆっくりと一糸乱れずに進路を変更し始めた。

 

「すげぇ、他の艦の動きも全く乱れてない……」

「通信もせずにどうやって合わせてるだ……?」

 

使節団の方々が疑問に思うのも仕方ないことだ、実際声を出して指示をしているわけではない。

通信や情報のやり取りはKAN-SEN同士の思考リンクを使って指示をしている。

要するに、私が思考した艦隊の動きを他のKAN-SENがリアルタイムに同期して各々の艦を動かしているのだ。

ただし通常のKAN-SEN同士の思考リンクは目視可能距離でないといけないため、

同じ艦隊内でも水平線の向こう側とかになるとリンクが切れてしまうことがある。

そのため旗艦を担当する艦が軌道上の衛星とリンクすることで範囲の問題をある程度カバーできる。

 

「演習目標確認、2時方向にあるあちらの孤島です。

今回は巡洋戦艦4隻による対陣地攻撃を想定したものになります」

「あれか、まだ結構距離あるな」

「……え?ここから届くのか!?」

「いやいや、まさか……?」

「待て待て距離いくつよ?」

 

こちらを凝視する使節団方におおよその距離を報告する。

 

「現在の島と艦隊の距離は20km前後になりますね。

ではこれより砲撃を開始します」

「ハハハ、マジかよ………」

「まぁこれだけデカい砲ならそれぐらい余裕なのか……」

 

実際のスペックであれば30kmオーバーが射程なのですが、榛名と霧島には三式弾を撃ってもらうためにこの距離になった。

今回の演習では地上攻撃での三式弾の有用性の再評価も行うことが折り込まれていた。

これまでにもセイレーン基地への攻撃に使用されてきたが、改めてということである。

孤島には仮設された簡易の飛行場も作られており、そこを攻撃目標として設定する。

 

「では使節団の皆様方、これより演習を開始します。

艦橋にいれば問題ないですが、安全のためガラスからは少しお離れになってご覧ください」

(比叡、榛名、霧島へ、全砲塔回頭。目標飛行場施設)

〘〘〘全砲塔回頭、諸元入力〙〙〙

 

姉妹達からの返事が来ると同時に砲塔が一斉に側面へと回頭を始める。

目標である飛行場が艦隊の3時方向に見え始める。

 

〘〘〘準備完了、号令を〙〙〙

「全砲門一斉射!放てぇー!」

 

ドドドーーーン!!!!

 

ほぼ同一のタイミングでの一斉射、砲声が艦橋に響き渡る。

 

「おお!」「きゃっ!」「腹に響く音だ!」

「すごい!4隻ほぼズレなく一斉射したぞ!」

「やっぱほぼ一人で動かすのって反則だな……」

 

ムーの使節団の反応を聞きながら弾頭の現在コースを確認する。

ほぼ予測値の範囲内、弾着もそろそろ………

 

「弾着、今」

 

榴弾の弾着箇所からは大きな土煙が上がり、三式弾の焼夷弾子によって滑走路と近隣の森林が燃え始める。

ふむ、施設そのものを破壊という点では榴弾のが確実だが施設の機能を(・・・)破壊するという点では三式弾のが効率が良いか?

セイレーンと違って相手が人間であれば火災の中で正常な機能を維持するのは不可能だろう。

………人間を焼くなんてことにならなければそれに越したことはないけど、ね。

 

「主砲の着弾を確認しました。

これより島に近づき艦隊全艦による一斉砲撃を開始します」

 

(各艦へ、攻撃目標に艦隊を接近させます。

水深の浅くなっている箇所には注意せよ)

〘〘〘〘了解!〙〙〙〘〘〘わかりました!〙〙〙〘〘〘待ってました!〙〙〙

 

さて、次は駆逐艦達の対地新兵装試験ね。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[演習目標孤島近海 演習艦隊先頭]

 

Side夕立

 

金剛からの号令を聞いて寝転んでいた体を跳ね上げる。

 

「やっと出番だ!待ちくたびれたぜ!」

〘時雨様の新装備が火を吹くよ!〙

〘えっと、姉妹の皆で頑張るよ!………あれ?”コレ”の使い方のメモどこだっけ?)〙

 

白露の姉貴、締まらなくなるからまずは思考通信を切ってよ………。

てか使い方もなにも饅頭達に指示を飛ばすだけだから問題ないぞ〜!?

 

〘もう!白露姉!予定距離になったら饅頭に指示するだけで撃ってくれるよ!〙

〘そうなの?ありがとね時雨ちゃん〙

〘べ、べつにお礼言われるほどのことでもないし!〙

 

白露のほうも問題なさそうだな!それじゃあ!一番槍はいただくぜ!

 

「よし!オレと綾波から順番に撃っていくぞ!綾波も合わせろよ!」

〘了解です、あと口に出さなくても聞こえてるですよ?〙

 

む〜、口に出しながらのが違和感ないから楽なんだよ!

考えるだけってのがまどろっこしい!

口出したほうがやりやすいんだ!

 

「この”お荷物”がどれほどのものか、試してやるぜ!

【10連装対地噴進砲】全弾発射!」

〘派手にいくです、ゴー!〙

 

本来魚雷発射管がある場所には複数の筒状の金属カバーとフレームだけで構成された”お荷物”。

【10連装対地噴進砲】、艦船顕現状態で装備する使い捨ての対地ロケットの発射装置だ。

白煙を上げながら次々と打ち上げられるロケット弾が山なりの弾道を描きながら目標地点の……、手前やら奥などバラバラな場所に着弾、爆発を起こす。

あれ!?なんか全然違う所に落ちてる!?

 

「なんで!?半分以上外れてるんだけど!?」

〘こっちもです、7割は明後日の方向に飛んでったです〙

 

後続の白露や時雨達も順次撃ち上げていくがあまり予定の着弾地点に当たってない。

 

〘は、外れちゃった……!〙

〘嘘でしょ!?半分しか飛行場に当たってないんだけどー!?〙

〘こっちもです、ほとんど外れてる〙

〘私のなんて途中で失速して墜落したのが2発もあったんだけど!?〙

 

あまりの結果に愕然としていると、後続の巡洋艦の主砲や戦艦の副砲による砲撃が開始される。

 

「あ〜!もう!いいや!連装砲撃て撃て!憂さ晴らしだ!」

 

見た目派手で好きだけどなんかイマイチだな、この新兵装。

でも魚雷だとそもそも地上攻撃できないし、どうせ使い捨て前提の装備ならこんなものなのかな?

…………考えてもよくわからんし!指揮官にちゃんと聞いてみよ!

取り敢えず考え事を放棄して連装砲を撃ちまくる夕立なのであった。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

使節団来訪二日目午前のスケジュールを終了。

 

戦艦主砲による地上攻撃試験は榴弾による攻撃よりも広範囲に火災を起こせる三式弾が有用な可能性あり、要検討案件。

駆逐艦による無誘導弾頭搭載兵装の試験結果、命中率は40%〜45%と十分な命中率を記録。

今後改修を経て正式装備になるように調整中。

ただし命中率に関しては駆逐艦KAN-SENからは若干不満が上がってるため弾頭の安定性を重視して改修する予定。

 

演習艦隊はクワ・トイネのマイハーク港に帰還、クワ・トイネにてムー使節団の昼食会場へと案内。

昼食はクワ・トイネ産の食材を使用した重桜KAN-SEN鳳翔による懐石料理を提供。

午後よりクワ・トイネ、クイラ、ロウリアの代表達とともに、

グラメウス大陸での北方連合の大規模演習を中継にて閲覧予定。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[グラメウス大陸 南部演習予定地]

 

Sideセイ・ザメンホフ

 

おお!おおお!素晴らしい!まさに夢の光景だ!

興奮も絶好調な私に対して、同行したサフィーネ君とジャスティード君、他同行者達は啞然とした表情で”眼の前”の光景を見ていた。

 

「………この世の終わりか?」

「…………(白目)」

「「「(絶句)」」」

ポポポポポ( ゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)ポカーン

 

眼の前に広がる鋼鉄の軍勢!巨人の群れ!鋼鉄の魔獣達!

そして、何よりも……!

超巨大な体躯を四肢で支える2体の白銀の魔獣、否!守護獣(・・・)を見上げる。

 

ソビエツカヤ・ロシア

 

ソビエツカヤ・ベラルーシア

 

この二人による陸戦特化型ビーストモード、陸戦機動砦”氷砦”2体が悠然と聳え立っていた。

 

 





因みに見た目はポケモンのクレベースの背中に砲塔や艦橋などが乗っかってる感じ。
ベラルーシアが原種、ロシアがヒスイ種
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