異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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第三章開始します。

とある原作人物が酷い目にあってます、閲覧注意


第三章 フィルアデス大戦
後悔は先に立たず


 

《近隣諸国に対しての租借地提供要請について》

 

現在レッドアクシズではロデニウス大陸3国の経済支援とグラメウス大陸の開拓を行う一方、近隣国との関係強化を進める方針である。

しかしながら大陸近隣、通称【大東洋諸国】と呼ばれる国々から未だに懐疑的又は危険視されているのが現状である。

その原因として【第三文明列強国】であるパーパルディア皇国からの長年の圧力、不当な扱いを受けていたことも少なからず影響している。

この問題を解決するには地道な外交努力と侵攻・支配の意図がないことを理解してもらう必要がある。

そのため現在、経済・技術支援を見返りとした短期間の租借地の要請を各国へ行っている。

租借地の期間は相手国からの要請次第ではあるが、5年前後を基準としている。

また対等であることを強調するために、事前に契約した内容に不履行があれば双方どちらからでも廃棄は可能であるとする。

この知らせを受け、直ぐに要請を受けたいと返信した国はトーパ王国、フェン王国、マオ王国の三国。

一時保留となっていたのがアワン王国とシオス王国など他大東洋諸国。

アルタラス王国のみ諸事情の問題が解決するまで延期。

また大東洋諸国以外で租借地提供の検討を秘密裏にしたいと打診があったのがガハラ神国とリーム王国となる。

 

そんな中で第二列強国であるムーのロデニウス大陸訪問により、レッドアクシズとの技術交流を結ぶ可能性が高くなった。

この流れを見たシオス王国は租借地の要請を租借相手がサディア帝国であることを条件に承認。

これをサディア側も承諾、戦艦KAN-SENリットリオを代表として派遣することになった。

 

 

恐らくはパーパルディアとの直接会談をするという情報が漏れた可能性あり。

パーパルディア側から漏れた可能性が高いが、情報漏洩対策の強化とシオス王国の内情調査が必要と判断される。

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[アルタラス王国 王都ル・ブリアス]

 

Sideリットリオ

 

ふむ、ここがアルタラス王国か。

シオス王国での仕事も落ち着いてきたから気晴らしにきてみたがなかなかよい景観だな、

一度指揮官やヴェネトらと共に来てみたいものだな。

 

「久しぶりだな、チェシャー!」

「お久しぶりにゃ!リットリオ!」ヾ(〃^∇^)ノ

 

チェシャーを始めたとしたロイヤルの計画艦達にルミエス王女殿下、様子見に寄っただけだというのに熱烈な歓迎だな。

 

「ようこそアルタラス王国へ、”サディアの剣”リットリオ様」

「………チェシャー、そこまで話したのか?」

「私じゃないよ!?」∑(ºロºlll)

「あ、それ私!口が滑った!めんご!」(・ω<)

 

ネプチューンがテヘペロと自らの頭を小突く、戦艦パワーの鉄拳を叩き込んでやろうか?#

元世界ではともかく、新世界ではまだ見せてない手札なのだからあまり公言しないでもらいたいな……。

 

「ルミエス王女殿下、その"二つ名"ではあまり呼ばないでいただけると有り難い」

「え?何故お隠しになるのですか?単純に”サディア一の剣の腕”という意味ですよね?」

 

首を傾げる王女殿下に思わず頭が痛くなる。

ネプチューンの奴、なんて中途半端(・・・・)な説明をしたのだ……!

 

「ネプチューン、あとでゆっくりとお話をしよう、な?」( º言º)ゴゴゴゴ

「ひぇ、誰か助けて!」

「自業自得だな」

「そうだにゃ」

「丁度いいお灸だろう」

「う〜ん……ごめんなさいね♡」

「速攻で見捨てられた!」(|||O⌓O;)ヒーン‼

 

ふん、日頃から弄ったりして面白がっているからだ、愚か者め。

 

「それにしても、パーパルディアからの返事はまだ来ないのか?」

「一様遅れた謝罪の文書は来たな、どうやらトラブルでレミールの下まで届いたなかったようだ。

近日中に正式な会談への招待を送るそうだ」

「やっとかにゃ、これで捕虜達もお家に帰せるにゃ!」

 

うむ、連中の処遇は地味に困っているからな。

捕虜といってもまだ戦争状態ではないので、名目としては他国の犯罪者なのだ。

かと言って彼らも国から命令を受けた軍人、敬意ある対応はせねばならない。

レッドアクシズとしても現場の独断で戦闘をした後ろめたさもあり、あまり強気に出れないという事情もある

武力で解決できるなら簡単だが、間違いなく修復不可の遺恨が残る。

そしてつい最近まで侵略される側であったため、

こちらから武力侵攻なんて始めようなものならよほどの理由が無ければ軍全体の士気と世論に悪影響が及ぶ。

………そういう意味ではセイレーン大戦中がいかに都合が良かったのかを痛感する。

 

「拡大政策を推し進めるルディアスは確かに好戦的だが、同時に狡猾で頭の切れる男だ。

かの国は歪に大きくなり勝ち過ぎたが故に、一度の敗北が重い足枷になった」

「そういうものか?寧ろ積極的に白星を上げて帳消しにしようとしないか?」

「モナークの意見も十分可能性としてはある。

しかしだからこそ、次こそは必勝するために入念な準備をせねばならない」

「なるほど……、勝つためにも結局は動きが鈍化せざる負えない、つまり"足枷"になったのですね!」

 

ルミエスが納得したように手を叩く。

ルディアスが短絡な博打気質であれば違っただろうが、そんな人間は軍人ならともかく大国のトップは務まらない。

結果、軍事衝突は発生せずに多少のトラブルはあったが会談までこぎ着けることができた。

 

「オマケにこちらはレミールというハートのエースがある。

他の人間からの意見であれば無視できても、同じ皇室それも恋慕する相手であれば無視は出来まい」

「………かつてかなり強引な方法で属国化を推し進めたと聞いたが?」

 

王女の護衛、リルセイドという騎士が不機嫌そうに口を挟む。

ルミエスや他のアルタラス王国の軍人も知っていることなのか表情が強張っている。

 

「王族連座処刑のことだな、それに関しては私も知っているよ。

言い方は悪いが、彼女なりに犠牲を減らすために最善を尽くした結果さ。

当時の彼女にとって、パーパルディアこそが世界の理であり中心だったのだ。

自国の消耗や属国の労働力を落とさないために"頭を替える"のは合理的ではあるよ。

しかし彼女は”外の世界”を知った。視野の狭さと過ちに気付けた。

………罪の意識に押し潰されなければ大成するさ」

 

ここだけは私ではどうしようもない、レミールの精神力に期待するしかない。

 

「………リットリオ殿がそこまで言うのでしたらコチラからは特に意見はありません」

「気を悪くしたのなら謝るぞ?」

「貴女のような人に弄ばれるレミールに同情しただけです」

「リルセイド!なんてこと言うの!?申し訳ありません、リットリオ様!」

「いやいいさ、彼女の意見ももっともだ」

 

やれやれ、愚直な騎士様には嫌われたな。

彼女のような人間には人心掌握のようなやり方はお気に召さないだろな。

剣を交えるような戦場であれば彼女の在り方は美点になり得る。

しかし悲しいかな政治や"戦争"では狡猾な捕食者に目を付けられる憐れな獲物でしかない。

見通す視点がまったく違うのだから受け入れられるはずがないのだ。

その点、現在サディアに租借地を提供しているシオス王国の国王達は上手だ。

パーパルディア皇国にも特に近い国であり、アルタラス王国のような独自の輸出資源もない。

にも関わらずシオス王国が独立を維持しているのは外交戦略の賜物と言える。

実際に会ってみたが、国王に大臣連中含めて中々の狸爺揃いだ。

パーパルディアとの関係を上手く利用しながら他の文明圏外国に優位な外交をし、それでいて自国への悪影響は最小限にしている。

所謂コウモリ外交だがあそこまで傲慢かつ高圧的な国を相手に破綻せずにやれてるなら称賛ものだ。

我らが"女帝"陛下もそんな強かな在り方を気に入っているようで認めている。

そして以前から要請していた租借地の件も最高のタイミングで承認したいとの申し入れがあった。

マルコ・ポーロの奴は『足元を見られた』と不満気だが、

向こうもそれなりのリスクを負っての申し入れだ、それぐらいは仕方ない。

 

「ふふふ、会談次第では色々と”楽しいこと”になるなぁ」

「リ、リットリオの笑顔が怖いにゃ……」

「やっぱり腹黒い……」

「リルセイド……、いや、これは……」

「幇助できんな」

「楽しそう〜」

 

失礼な、私ほど正々堂々とした策謀家はいないぞ?

どのみちパーパルディア皇国は国家規模の縮小か基盤の再編をしなければ必ず破綻する。

ならばこそルディアスに対抗できる皇室のレミールが必須であり、不可欠だ。

何も後ろ暗いところは無い、パーパルディアはパーパルディアの人間により修整される。

その結果、何故か(・・・)サディアと友好になるが誰も損はしていない。

…………私を慕うレミールの姿を見たルディアスの反応は少々楽しみだ。

そんな意地の悪いことを考えてる姿に周りが引き気味なのも気にせず観光を始めようとして、

懐に入れていた通信端末から呼出音が鳴る。

 

「リットリオ、誰から?」

「シオスの外務大臣からだな、何事だ?」

 

通話をオンにしてすぐに慌てた様子の大臣の声が響く。

 

『リットリオ殿!緊急事態です!』

「どうした?またシオス王が勝手に観光アピール生放送でもはじめたか?」

 

〘わし、動画配信者やる!〙といって自撮り機材を使って自国のPR動画を上げたのだ。

なお再生数はそこそこでサディアから観光に行きたい国ランキング5位に名を連ねさせた伝説動画である。

特に本来の仕事をサボってるのがバレたことで怒り狂った大臣や騎士団に追いかけられる姿にユーモアを感じたと人気であった。

 

『いえ、あの馬鹿陛下の撮影機材は没収しているので大丈……、ではなく!

本当に一大事なんです!』

「だからどうしたんだ?貴殿らしくも……」

『パーパルディア皇国はレッドアクシズへ宣戦布告をする方針に決定したのですよ!』

「ーーーーーは?」

 

大声の通話音は外に漏れており、それを聞いたロイヤル組が驚愕し、ルミエス達は顔を青褪めさせている。

その一方、私は大臣が言っている意味が分からず混乱する。

 

「そんな馬鹿な、何故そんな……」

『レミール様が何者かに襲撃されたのです!かなりの重症を負ったらしく現在のところ生死不明!』

「な、あぁ……!」クラッ

「リットリオ!しっかりしろ!」

 

立ち眩みをしたところをモナークに支えられる。

レミールが、生死不明の重体?一体どこの馬鹿が……!?

 

『襲撃者がレッドアクシズの名を叫んでいたことと、現場の遺留品からレッドアクシズによる犯行と断定したそうなんです!』

「ふざけるな、そんなことをして我々にどんなメリットがあるというんだ……!」

『こちら側にメリットがないならあちら側に何かしらの……?』

「…………ルディアスは違う、あいつはこういった回りくどい裏工作は死ぬ程嫌いなタイプだ。

ということは敵対派閥?だめだ、情報が足りん!」

 

焦りで考えが上手く纏まらない。今は冷静になれ。

おかしい、パーパルディアでは皇室の国民人気は相当高い。

故にかなり無茶な収税でも結果を出してくれるからと反発は極端に少ないくらいだ。

つまり皇室を襲うということはパーパルディアの全国民からの怒りを買うに等しい。

そこまでしての目的は?どう収める気だ?

 

「外務大臣、租借地契約は最悪破り捨ててくれて構わん。

撤収は自力で行う、自国の保全を最優先にしろ」

『ありがとうございます……!』

「こちらこそ厄介事を持ち込んですまん、何か続報があれば連絡頼む」

『解りました、どうかお気をつけて!』

 

通信端末を終えて、衛星にリンクして租借地にいるカラビニエーレに通信を繋ぐ。

 

『リットリオか?パーパルディアの話はさっき直接聞いた。

どうする?撤収?』

「急ぎ撤収させろ、シオス王国側とは口裏を合わせろ」

『了解、ロウリア共和国に向かうね』

 

通信を切って溜息をつく。失態だ、レミールに申し訳が立たない。

頼むから生きていてくれ………!

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[皇都エストシラント 皇宮パラディス城]

 

Sideレミール

 

…………ここは、どこ?

頭の中が酷く朦朧として思考が回らない。

何故か片目しか開かない、動こうにも全く動けない。

なんで?状況が理解できずに困惑する。

 

「レミール!余だ!ルディアスだ!解るか!?」

 

声が聞こえた左を向こうとするが、なんとかルディアス様のお顔が視界の端に写るので限界だった。

声を出そうにも何故か掠れた音しかせずに酷く痛む。

 

「陛下駄目です!レミール様は全身だけでなく気管も火傷してるのです!

無理に喋らせては最悪呼吸ができなくなります!」

「それなら治癒魔法に霊薬全てを使ってでもさっさと治さぬか!」

「普通なら問題ありませんが損傷が酷すぎるのです!

無理に治そうとすると体力を使い切って衰弱死してしまいます!」

 

そういえば聞いたことがある、魔法などによる治癒には本人の体力を浪費するのであったか。

 

「そ、そうなのか?ではいつ治せるのだ!?」

「ゆっくりと治すのが最善です、どうかご理解を……!」

「くっ!仕方ないか、治せなければ命は無いと思え!」

 

駄目ですよルディアス様。

そのような乱暴な言い方では怯えてしまいますよ?

 

「ああ!なんと痛々しい姿……!おのれレッドアクシズ……!!!!」

 

…………え?ルディアス様?

何故、そんな怒りに満ちたお顔でその名を?

 

「レミール、例えどんな困難に直面しようとも!余は必ず憎き蛮族どもの誅伐を執行してみせる!

だからこそ、どうか我らの勝利を願っていてくれ」

 

………まさか、まさか!

駄目!駄目なんです、ルディアス様!

レッドアクシズと戦うのだけは!どうか!

必死に手を伸ばそうとしたが、肩が僅かに動いただけで終わってしまう。

 

「………治療を頼む」

「最善を、全力を尽くします」

 

ああ!行かないで!気づいて!ルディアス様!

しかし現実は虚しく、遠くで扉が開閉する音がして、

ルディアス様はそのまま退席してしまった。

その後、治癒魔術師と思わしき人物から自身の状態を聞かされる。

 

みぎ頬から首下全身を軽度、重度の火傷。

これは着ていたドレスに延焼したことが原因らしい。

右目、全身の至るところに馬車の破片が突き刺さり裂傷、右目の回復は絶望的。

 

淡々と説明する魔術師が治療の仕方を説明していたが頭には入らなかった。

顔に治療不可の傷…………もう、女とし、愛してもらえない。

他の傷も完全には癒えず傷跡は残る、らしい。

きっと、ルディアス様も、こんな見窄らしい女、いらないだろう。

なんで?これが、私の罪の償い、なの?

ううう、うわぁぁ……!

ただ静かに、泣くことしか出来なかった。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

[皇宮パラディス城内 とある一室]

 

「まったく、しぶとい女だ。まさか生還するとは……」

「しかしもう表舞台には立てまい」

「取り敢えず専属の治療師はこちら側に抱き込んだ。

下手な情報を出させないように1番強力な痛み止めを過剰投与させている。

全身が麻痺して話したり書いたりは出来ぬさ」

「それは、もう駄目ですな。治っても十中八九廃人だ」

「くくく、ルディアスには不細工なお人形がお似合いだ」

 

悪意が笑う、どこまでも醜悪に。

 




傲慢悪役令嬢(王族)虐めは楽しいかって?
…………楽しいよ!(外道スマイル)
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