異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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大鳳の専用装備キター!┌⁠|⁠o⁠^⁠▽⁠^⁠o⁠|⁠┘⁠♪



軍靴の足音

 

[皇都エストシラント 皇宮パラディス城]

 

大会議室

 

・皇帝 ルディアス

・皇国軍最高司令官 アルデ

・第1外務局長 エルト

・第2外務局長 リウス

・第3外務局長 カイオス

・統治機構長 パーラス

 

・その他、各局幹部複数。

 

Sideエルト

 

突然ですが会議室の空気が最悪です。

もはや隠しもしない怒気をまき散らすルディアス陛下。

軍部はそんな陛下からどんな無理難題を吹っかけられるのかと戦々恐々。

財務、生産大臣など内政部門は急増した決済書類の処理に連日徹夜で目元に隈がある者もいる。

隠れ講和派である我々外務局一同はレミール様欠員のため非常に肩身が狭い。

 

「これより決議を始める!アルデ、現在の軍の状況は!?」

「は!陸軍は皇軍・監査軍・地方軍を統合し再編が完了、しかし装備の更新と連携訓練が若干間に合っていない状態です。

ですがご安心を!その分海軍の装備更新を優先しております!

建造中だった2隻の超フィシャヌス級戦列艦を改装した大型装甲竜母【デュナス】【クーロイ】が竣工、現在近海にて訓練をさせています!

搭乗させる飛竜も我が国が威信を掛けて改良した最新種【ワイバーン・オーバーロード】で統一!

戦列艦に関しても既存の魔導砲を改良し射程距離と火力を強化、更新は全体の6割以上が完了しております!」

 

アルデが自信満々に言う姿に他の参席者らは「おお!」と驚嘆の声を上げ、ルディアス陛下も満足そうだ。

なお魔導砲の改良にレッドアクシズからの知識が流用されているのは一部の人間だけが知っていることである。

………ただ知識を流した張本人はこんなことを望んでないのだけど。

 

「軍としては一週間以内に海軍の総出撃ができる状態です!

ただ1番の問題は、レッドアクシズ本拠地の所在が未だに不明なことなのですが……」

「おい外務局、貴様ら仕事もできんのか!?」

 

パーラスが机を殴りながら激昂する。

 

「申し訳ありません、残念ながら我々も全力を尽くしたのですが……。

ロデニウス大陸よりも更に辺境方面であるらしいことくらいしか解りませんでした」

 

カイオスが謝罪しながらいうと、パーラスは「無能め!」と悪態をつきルディアス陛下からは無言の圧力が向く。

これに関しては隠している訳では無く、レミール様をからも教えてもらっていないのだ。

気まずい雰囲気を察したのかアデルが咳払いをする。

 

「オホン、本拠地が解らぬなら仕方ありません。

現在解っている場所を攻撃目標とし、そこから情報を得ましょう。

まずはレッドアクシズと関係深いと思われるロデニウス大陸のロウリア、クワ・トイネ、クイラの3カ国、

そして世界ニュースで放送されたグラメウス大陸の北方連合となります。

グラメウス大陸方面は海魔の脅威と距離的にも航路上の安全を確保できないため外すとして、

ロデニウス大陸で最も我が国に近いロウリアとクワ・トイネを目標とする予定です。

また後々の侵攻計画のことを踏まえますと、橋頭堡としてシオス王国とフェン王国を占領下に置くことができれば盤石かと」

「ちっ!本来であれば北方連合とやらがいるグラメウス大陸を叩きたいが仕方あるまい」

 

舌打ちしながらも納得したルディアス陛下に少しだけ安心する。

あれだけお怒りでもまだコチラの言葉に耳を傾けてもらえている。

ここでカイオスが手を上げ発言をする。

 

「申し訳ありません、シオス王国に関して占領は時期早々と愚考します。

彼の国はそれなりに良好な関係を続けてきてます。

であれば、こちらから協力要請を出せば了承するかと」

「軍部としましてもロデニウス大陸侵攻に全力を向けたいので賛成です。

要請して済むのであれば無為に戦力と時間を浪費する必要はないかと」

 

アルデがすかさずフォローに入る。

………カイオスの奴、アルデと事前に口裏合わせしていたわね?

 

「そうだな、ではまずは協力要請をしろ。

だがフェン王国は駄目だ、すでにこちらの寛大な要請(・・・・・)を蹴っているからな。

見せしめの意味も含めて徹底的に潰せ」

「解りました、そのように。

とはいっても片手間で吹き飛ぶような弱小国です、本作戦と同時並行で行います。

それを踏まえた艦隊の編成は………」

 

 

《皇都エストシラント 編成艦隊》

・50門級、80門戦列艦 100隻

・フィシャヌス級戦列艦 20隻

・超フィシャヌス級戦列艦 4隻

・改装大型装甲竜母【デュナス】

・最新大型竜母【ヴェロニア】

・オーバーロード種対応型改良竜母 10隻

・竜母 40隻

・他、揚陸艦・砲艦・補助艦艇

 

《工業都市デュロ 編成艦隊》

・50門級、80門戦列艦 150隻

・フィシャヌス級戦列艦 30隻

・超フィシャヌス級戦列艦 3隻

・改装大型装甲竜母【クーロイ】

・竜母 60隻

・他、揚陸艦・砲艦・補助艦艇

※ここにフェン王国占領の陸軍部隊を同行させる予定。

 

 

戦列艦・竜母だけでも総勢400隻以上、皇国の保有戦力の半分以上を投入する前代未聞の大艦隊。

正直財政圧迫は大丈夫なのかと心配になるが、皇室の威信を示す戦い、一切手を抜くわけにもいかないだろう。

 

「おお!これ程の戦力を投入するとは!」

「蛮族も多少強いようだが、これなら圧殺できますな!」

「フェン王国とロデニウス大陸の統治計画を早々に作成する必要がありますな」

「しかし、これでは本国の守りが手薄になるのでは?」

 

ここで環境大臣が国防の心配をする、まあ当然の心配ではあるだろう。

 

「それについては残った艦艇で十分対処可能かと、いくら愚かな蛮族とはいえロデニウス大陸を失ってまで本国を攻撃はしないでしょう。

無論万が一に備えて厳戒体制を維持するつもりです」

 

アルデが得意げにいうが、レッドアクシズの内情をある程度レミール様から色々聞かされた我々としては、

本国を攻撃される心配は特にしていない。

どうもレッドアクシズの国々はかつての大戦の影響からか侵攻行為そのものへの悪感情が強いらしい。

それこそ民間人の大量虐殺や公開処刑でもすればその限りではないが、

仮にそのような状況になりそうであれば外務局長一同国賊の誹りを受けてでも阻止する所存だ。

出来れば開戦事態を避けたかっが最早この流れは陛下自身も止められないところまできている。

………いっそうの事、初戦で大敗してくれれば諦めもつくやもしれん。

そんな私の心情など知る由もないルディアス陛下は満足そうに力強く頷く。

 

「うむ、物量押しというのは些か品に欠ける行為だがこのさい目を瞑ろう。

ではアルデ!即刻出陣の準備をせよ!各大臣らは軍部への支援・協力を最優先としろ!

カイオス!どのようなルートでも構わぬ!蛮族どもに宣戦布告文書を叩きつけてこい!

他の外務局もレミールが居らぬからと手を抜くなよ!」

「「「は!」」」

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

 

[アズレン世界 鉄血公国 会談の間]

 

薄暗い完全防音と防諜システムを完備した一室、輪形のテーブルに座る一人の壮年の男性と、複数枚の大型モニターが鎮座している。

この場に居る男性、モニターに映る人物達、どれもこの世界において知らぬものはいないと言える錚々たる面々であった。

 

白銀オールバック、灰色の瞳をした壮年の男性、鉄血公国代表"皇帝"。

「まったく、感情に任せて戦争とはつくづく理解に苦しむな」

 

スキンヘッド、水色の瞳した筋肉隆々の大男、北方連合代表"主席"。

『我々はこのような争いなど望んでおらぬのだがな……』

 

枝のような4本の角を持ち紫の布で顔を隠す人物、重桜代表"主上"。

『対処を誤れば取り返しの効かぬ事態になりかねん、どうする?』

 

今回はシニヨンの髪型をした金髪、紅色の瞳をした年若い女性、サディア帝国代表"女帝"。

『どうするもこうするも、なんとかするしかあるまい!』

 

バン‼と机を叩く音が響く、相当にご立腹のようだ。

 

『とにかく!今回の一件はサディア帝国、余が責任を持って処理する、他の陣営は担当区画の防衛に専念してくれてかまわん』

「何を言う?貴重な対人・対国戦だ、経験を積ませる為にもエムブラにまかせればよかろう」

 

"皇帝"の合理的とも冷酷とも取れる意見に"女帝"が憤慨する。

 

『あの子にこれ以上人殺しの責を負わせるわけにはいかんであろう!』

だからこそだ(・・・・・・)、お前とて玉座を簒奪すると決めた日に自身の手が血に染まる覚悟をしたのだろう?

エムブラにとってそれが今回(・・)なのだ。

”優しさ”をはき違えるな」

 

どこまでも冷たく、正論と言える内容に"女帝"はぐぬぬと歯を食いしばり黙り込む。

その光景を見た"主上"と"主席"が溜息をつく。

 

『そこまでだ"皇帝"、それ以上は吾輩も苦言を申すぞ』

『お主の言い分も解るがサディアとてメンツがある。

カグヤの負担を減らすためにもここはサディア主導というこでも良いだろう?』

「………お前らはもう少し隠せんのか?」

『『はて?なんのことやら?』』

 

すっとぼける"主上"と"主席"に"皇帝"は溜息をつく。

この三人のカグヤ・エムブラへの対応が感情的になりやすいのは少々頭の痛い。

 

互いに天涯孤独な幼少期を過ごしたためか異様に猫可愛がりする"女帝"。

 

自国の国難に光明をもたらしてくれたことに恩義がある"主席"。

 

そして、厳格ながらもまるで自身の娘のように慈しむ"主上"。

 

KAN-SENらの本能的な執着心は仕方ないにしても国のトップが揃いも揃ってこれではさすがに問題だと思っている。

そう思いつつもここでそれを指摘して簡単に聞き入れるような指導者もおるまいと諦めている。

なお、"皇帝"自身も政略結婚やら手籠にしようと画策した自国の馬鹿共を排除してたりするあたりあまり人のことは言えない。

 

「では"女帝"のメンツとやらを尊重するとしよう。

今回の戦争はサディア帝国が主導して動くものとし、

レッドアクシズ各陣営は必要に応じて軍事支援を行うこととする」

『うむ!任されろ!華麗に残酷に、完膚無きまでに叩き潰してやろう!』

「『『いや、叩き潰すな』』」

『解っている!言葉の綾というやつよ!』

 

高笑いする"女帝"に少しだけ早まったか?と心配になる三人であった。

 

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[皇都エストシラント エルト邸]

 

Sideエルト

 

会議後も各所への連絡や外務局の仕事やらで疲れているが、帰宅してからもまだやらねばならんことがある。

 

「ルーナ、怪我はまだ痛む?」

「いえ大丈夫です、物を掴めないのは不便ですけど……」

「無理はしないで、本来ならまだベッドで横になっているはずの怪我人なのですからね?」

 

あの事件後、重要参考人として怪我の手当もそこそこに無理矢理聴取されていたルーナを私が引き取った。

燃えるレミール様のドレスなんとかしようとを素手で触ったため両手は酷い火傷を負っていた。

今は治療薬で表面上は回復はしたが、握力は殆どの戻っておらず物を持ったりはできない状態だ。

 

「私のことは大丈夫です。それよりもレミール様は……」

「意識は戻ったようだけど、回復は絶望的らしい……」

「そんな……!なんてこと……!」

 

我が事のように悲しむルーナの姿にいたたまれない思いが募る。

 

「レミール様のことは陛下にお任せしましょう。

………最近レミール様の邸宅に出入りしてる連中がいるらしいが心当たりはあるか?」

「陛下でないのであれば……、あとはドミディア様の手の者でしょうか?」

「レミール様の後見人のか?彼は聖都に半ば軟禁状態のはずだが?

それより何故不機嫌そうなのだ?」

「一度だけお会いしたことがありますが、私はあの方が心底嫌いです」

 

プイッとそっぽを向くルーナに私は驚く。

彼女は誰にも人当たりがよく、こうも明確に誰かを嫌悪するとは思ってもいなかった。

 

「エルト様もお会いしてみれば勘付きますよ。

皆は紳士な態度に騙されてますけど"アレ"は女を道具にしか思ってないような冷血漢です!

レミール様を見る目も明らかに役に立つかどうかでしか見てませんし!

ぜっ〜たい!ろくでもない男ですよアイツ!」

「おい、仮にも皇室の人間を……」

「それに加えて『屋敷に入った人数と出てくる人数が合わない』なんて黒い噂まであるんです!

そんなんだから”人喰いドミディア”なんて猟奇的な陰口が囁かれてるんだよ!」

 

あまりの評価に唖然とするが、自身は会ったことがないのでなんとも言えない。

しかし”人喰い”呼びとは穏便ではないな。

まさか本人がカニバリズムにハマっているとは考えたくはないが……?

まさか魔獣でも飼っているのか?それはそれで悪趣味だな……。

レミール邸に出入りしている以上、警戒はしておくか。

 

 





アズレンのクロスオーバーイベント楽しみですね!
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