異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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突然の幕間ですがチョット思い立ったので……。

時系列はパーパルディア皇国からの宣戦布告が出る少し前頃の話です。


幕間 勾玉の双子島

 

[フェン王国 首都アマノキ]

 

Sideとあるフェン王国兵

 

レッドアクシズへの租借地提供が決定すると瞬く間に巨大な港*1が完成し、

機械動力の乗り物や金属製のゴーレムが見られるようになった。

それに合わせて重桜の人々が租借地を経由して我が国に来るようになった。

最初は隣の大国に睨まれているフェン王国の現状を知らないで来ているのでは?と心配していたが、

どうやら租借地に駐留する存在、彼女ら(・・・)がここへ安心して来国してくる要因になっているようだ。

 

「おお、千歳様に千代田様だ」

「あ〜、ありがたや〜ありがたや〜」

「お爺ちゃんお婆ちゃん、そんな道の往来で拝まないで、ね?」

「周りの方々が何事かと困惑しておりますから……」

 

団子を片手に慌てているのが妹の千代田様、困ったような笑顔で老人らを立たせようとしているのが姉の千歳様。

どちらも絶世のといっても過言ではない美人姉妹に周りの男衆の反応は恥ずかしいぐらいに素直だ。

 

「へへへ、今日も一日頑張れるでござる」

「あ〜、あの方々の護衛任務とかこねぇのかなぁ〜」

「眼福、眼福」

 

これでもかと露出した太腿と胸元は確かに眼福……、は!?いかん!私には妻子が!?煩悩退散!

………オホン、少々取り乱した。

しかし確かにあの目に毒なお姿はもう少しどうにかしてもらえないだろうか……?

独身の男連中が求婚をしてはバッサリと両断されて屍を晒す姿はもう見とうない……。

そんなことを考えていると重桜の軍服を着た男女が姉妹に近づいてきていた。

 

「千歳殿に千代田殿、あまり目立つ行動はお控え下さい」

「すっごい迷惑かけてるよ、多分?」

「沙霧大尉」「慧ちゃん!」

 

【重桜陸軍防衛隊所属 沙霧尚哉大尉】

【同所属 彩峰慧准尉】

 

租借地の警護責任者である沙霧殿とその部下である彩峰殿、どちらも重桜陸軍所属のゴーレム使いらしい。

ゴーレムを使っている姿は見たことは無いが、以前行われた剣試合では両者共にかなりの実力者であった。

 

「申し訳ありません、直ぐに戻ります」

「え〜!?まだ観光した〜い!」

「チ・ヨ・ダ・ド・ノ?」ゴゴゴゴ

「ひぇ…、慧ちゃん!鬼畜眼鏡が虐めるよ〜!」(胸元にダイブ)

「よしよし、鬼畜眼鏡はおっかないねぇ〜」

「彩峰准尉……!お前はどっちの味方なのだ……!」

「面白い方の」グッ!(・ω・)b

 

………沙霧殿も気苦労が絶えんな。

そんな女性3人に振り回される沙霧殿の姿に男衆の何人かが涙を流して羨んでいる。

 

「羨ま……!」(血涙)

「どうする?処すか?」チャキッ

「よし、殺ろう」(真顔)

 

国際問題になるようなことをするなぁ!!!!

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[ガハラ神国 租借予定地]

 

Side信濃

 

ふむ、この状況いかなものか……?

 

「我らの監督不行きです!ほんっっっとうに申し訳ありません!」

「何卒、何卒!我ら三人の首でご容赦を!」

「この程度でお怒りが鎮むとは思いませぬが、どうか!」

 

土下座をする3名の案内役と遠巻きに様子を伺うガハラの民達、そして少し右に傾ける。

 

『来るなバケモノ!来んな!てか来ないで!』(⁠´⁠;⁠ω⁠;⁠`⁠)

「ふざけんな!降りてこい!このクソ羽蛇がぁ!?」(⁠ʘ⁠言⁠ʘ⁠╬⁠)

「はにゃ〜????」ボロボロ((((@д@_)))))

『『『あわわわ……!』』』

 

背の高い岩場にしがみつき怯える若い風竜。

艤装を展開して今にも砲撃をしそうなほど怒り心頭の駿河。

砕けた岩の上で目を回す島風。

そんな様子を遠巻きに見ている他の風竜たち。

本当に何故こうなったのか……?

 

 

 

〜時間は少し遡り〜

 

 

 

島風の顕現した艦艇に乗りながらガハラ神国に入港、案内役のガハラの民と挨拶をして租借予定地へ。

久々の現の世に少々浮かれていた妾はフラフラと無意識に”それら”の集まるところへ行ってしまう。

このガハラ神国の象徴とも言える存在、風竜。

重桜は勿論のこと、いくつもの"夢"でさえ見ることはなかった幻想の生き物。

童心に帰る思いで近づくと、何故か距離が詰まらない。

はて?気のせいか?とまた一歩前、ズル音、一歩、ズル音。

…………避けられてる?ガーン(꒪д꒪II

少なからず傷心していると、島風がこちらに気づいたのか

走って近づいてくる。

 

「信濃様〜!どうしたのですかぁ!」

「島風……」

「あ!風竜ですね!?逞し『近づくな!』……はにゃ?」

 

 

ドンッ!!!

ヒュ〜、バガン!!!

 

蹴鞠の如く吹き飛んでいく島風が岩場に衝突する。

事態を把握出来ずに呆然とする妾、再び振るわれようとする強靭な尻尾の横薙ぎ。

島風は、これに吹き飛ばされたのか……。

そんな場違いなことを考えていたため反応出来ず……。

 

「何やって……!」

 

ガシッ!といつの間にか間に入っていた駿河が尻尾を受け止めて………

 

「くれてんのよぉ!!!」

『ブギャブェ!?』

 

背負投げのような形で風竜を投げ飛ばし、地面に叩きつけた。

 

 

 

〜回想終了〜

 

 

 

んん、こちらに非はない、でよいのか……?

いや、妾らに怯えていたのか……?

しかし風竜たちが怯えている理由がよくわからない……。

とりあえず土下座する者らを立たせようとして影が落ちる。

上?と思い見上げると、立派な体躯の風竜がこちらを覗き込んでいた。

 

『この群れの"長"だ、若いのが大変な失礼をした。

長としてまずは謝罪をしたい』

「いえ……、こちらも怯えさせてしまったようで、申し訳無い……」

『我々の本能が、貴殿らを"危険""恐ろしい"と認識しているのだ。

故に直接的な行動に移ってしまった、すまぬ』

 

ペコリと頭を下げる"長"の姿に周りの風竜や案内役、遠巻きに見ていた野次馬も少なからず驚いてるようだ。

頭を上げた"長"がことの発端になった風竜を叱責する。

 

『おまえも!これ以上情けない姿を晒すな!さっさと降りろ!』

『は、はい……』

 

おずおずと、駿河から極力距離を置くように岩場から降りる。

駿河の方もいくらか冷静さを取り戻したのか顔を赤くして恥ずかしがっている。

 

「な、なんて端ない言葉遣いを…!?」(きゃ〜!?恥ずかし過ぎ!?これ以上悪目立ちしたくない!?)

「落ち着くがよい……、誰も咎めはせん……」

「きょ、恐縮です」(気遣われたよね?あ〜もう!あの羽蛇のせいだぁ〜!)

 

労いたかったが、これ以上は逆効果か……。

そう思案していると崩れた岩場から島風が立ち上がるのを確認する。

 

「アタタ……、島風、何か気に触るようなことをしてしまいましたか?」

 

服は砂土だらけだが大した怪我もないようで腹をさすりながら体の汚れを落としていく。

周りのガハラの民らは驚くと同時に安堵の溜息をついている。

 

『………大したモノだな』

『え?なんでほぼ無傷?』

『直撃だったよな……?』

『やだ、頑丈すぎ』

『コワイ……』

 

風竜たちからは余計に怯えられてしまったようだが……。

そんなこちらの心情を悟ったのか"長"がこちらに話を振ってくる。

 

『貴殿らはナニモノなのだ?明らかに”人”ではない。

魔力は感じぬのに言い様のない波導のようなモノを感じる、特に貴殿からはより強くだ……』

「KAN-SENと呼ばれる人型の艦艇、としか説明のしようがないな……」

『………すまん、余計解らんのだが?』

 

ふむ、言葉足らずなのがもどかしい……。

そうだ、ならば直接みせれば少しは理解してもらえるやもしれぬな。

陸の上だから艦艇顕現は出来ぬし、式神の方でよいな。

カグヤからも「綺麗!」と褒められたこともある。(少し自慢げ)

 

「では、直接お見せしよう……」

「え?」「はい?」『んん?』

 

虚空から無数のメンタルキューブが溢れ出し、荒れ狂う木の葉のように舞う。

妾の体もその流れに乗り高くへと登っていく。

………下で駿河と島風が何やら叫んでいたようだが、よく聞こえぬな?

メンタルキューブが連携し徐々に式神の姿へと変貌する。

 

見よ、これが大和型3番艦、信濃の"獣"である

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

その日、東海岸を見れる位置にいたガハラの民は口々にこう言った。

 

ガハラの地に神が舞い降りた。と

 

目元を隠す仮面と随所にある金属質の装飾、

九本の尾と靡かせる美しくも巨大な白銀の狐。

 

あまりの神々しさに誰もが手を合わせ足を折る。

風竜たちは圧倒的上位の存在と認識し、例外なく全てが平服する。

 

駿河と島風はムンクの叫びのごとく絶叫を上げた……。

 

 

租借地視察任務、失敗。

〘原因〙やりすぎ。

後日、菓子折りその他諸々を持った"主上"の勅使が謝罪に伺った。

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

※帰投後

 

カグヤ「とりあえず二日間の反省房行き、ゴー」

信濃「何が、いけなかったのか……zzz」

島風「信濃様〜!寝てはダメです!」

駿河「うぇ〜ん、あの羽蛇のせいだぁ〜!」

 

三人揃って反省房行き。

 

*1
フェン視点、レッドアクシズ的には標準型輸送船が入れるギリギリサイズ





なんとなく頭に浮かんだフェンとガハラでの出来事でした。
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