異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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出陣の裏で何気ない平穏は続く。


戦火を前にして

 

[海上要塞ヴァルハラ 北区 臨時収容所]

 

Sideレクマイヤ

 

「まったく!勝手に勘違いしてからに!大人しくしてろ!」

「「「「「ずびばぜんでじだ」」」」」(#)'3`;;)

 

妙高という名の獣人の女性が怒髪天を衝くが如くお怒りになられている。

ここの施設の管理をする四姉妹の長女で、妙高殿が1番容赦がなかった……。

今床でセイザとやらをさせらてる俺等5人の横には数人が気絶して倒れており、遠巻きで他の連中が震えながら大人しくしている。

俺も顔が五割増に腫れるぐらい容赦なく殴れた。

うう……、やっぱりここの女はおっかねぇよ……。

 

「まぁいいじゃん、彼らも不安だっただろし」

「そうそう、多めに見てあげよ?」

 

那智殿に足柄殿の気遣いに涙が出そうになるが、貴女方も結構容赦なかったぞ?

 

「殺さないだけマシっすよ」

 

怖いこと言わないで下さい羽黒殿!?

 

「とりあえず貴方達の命の保証は指揮官がしているので変なことを考えるな!

次はもっと容赦しないぞ!解ったな!?」

「「「「イエッサー!!!!」」」」」

 

慌てて立ち上がり敬礼をする。

妙高姉妹が退室していくと代わりに2mはあるデカい……ネコ?の獣人……か?

とにかくそれっぽいよく解らんのが数人、入口や大部屋の隅で待機し始める。

監視役か、まぁしょうがないよな……。

 

「………とりあえず命の保証はされたし大人しくするか」

「だな……」「うう、まだいてぇ……」

 

とりあえずバリケードにしていた机や椅子を片付け始めると、二頭身の雛と猫が手伝いに入ってきた。

こいつらもよくわからん生物……ではなくゴーレムの一種らしい。

魔力も無しこんな謎存在を作れるレッドアクシズの技術力に薄ら寒いものを感じる。

………本国の連中、勝算あって戦争吹っ掛けたんだよな?………どうでもいいか。

今回の戦争がどうなるかは解らんが、どうせこの場にいるオレらに出来ることは何もない。

ならばせめて、帰ったら飲めなくなるコーヒーを今のうちに堪能するとしよう。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[トーパ王国 城塞都市トルメス]

 

Sideモア

 

パーパルディア皇国がレッドアクシズへ宣戦布告、さてどうなることやら………。

行きつけの酒場で北連出版の情報誌を読んでいると、ガイと酔っ払った老人とあーだこーだと揉めている。

 

「だからぁ!パ皇があのレッドアクシズに勝てるかよ!」

「それはそうだろがの……、いや、しかし」

「いざとなったら”アレ”だぞ!?ミリシアルでも勝てるか怪しいぞ!?」

 

ビシッ!と指差す先、海岸まで一直線に抉れた【魔王復活事件】の傷跡がまだ残っていた。

最初は埋めてしまう予定だったのだが、グラメウス大陸に北方連合という入植者が訪れたことで事情が変わった。

今後北方連合との取引のために北側に交易港を作る計画が上がり、ついでに租借地案件もそこにしてしまおうとなった。

そして丁度良く奇麗に一直線の”道”がある、将来的にこれを舗装して交易道しまおうとなったのだ。

 

「あんなすげぇのを持つレッドアクシズが負けるかよ!」

「爺さんアンタの負けだよ」「はは!魔王よりおっかない"黒蛇"に乾杯!」

「「「乾杯!!!」」」

 

"黒蛇"、この城塞都市に住む者であの光景を憶えていないものはいない。

 

天空に空いた奈落の穴、無数の赤い雷光と黒い四角体、そして二匹の黒い金属の蛇。

その蛇が放つ爆裂魔法に極光魔法、忘れれるはずがない。

 

「レッドアクシズと親密な我が国の安泰は決まったようなものさ!」

「そうだそうだ!トーパ王国万歳!"黒蛇"の加護あれ!」

 

今やあの恐怖体験が加護とは、調子がいいものだ……。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[神聖ミリシアル帝国 港町カルトアルパス]

 

商人や貿易商が集まるとある酒場、前回のロデニウス大陸への貿易で大儲けして商人らが雄叫びを上げて歓喜していた。

 

「よし!ついに手に入ったぞ!大型魔導船!」

「「「ヨッシャーー!!!」」」

「共同出資ありがとうな!これで大儲けじゃあ!!!」

「「「おおぉ!!!」」」

 

前回ロデニウス大陸で酒などの嗜好品や貴金属と情報誌などを持ち帰ったのだが、大型機械は重過ぎて持ち帰れなかったのだ。

それで仕方なく情報誌などを持ち帰ったのだが、それがミリシアル軍のお偉い方の目に止まったのだ。

変わり者で有名な研究職の人で是非実物を持って帰ってきて欲しいと頼まれ、今回の大型魔導船も融通してくれたのだ。

 

「パーパルディアとちょい揉めてるらしいが今から出れば終わってるだろ」

「どっちが勝ってだ?」

「第二列強国のムー以上の科学文明国群だぞ、レッドアクシズに決まってるだろ?」

「結果は見えてるな。ついでだ、魔導関連の品を積んで向こうで売り捌くぞ!」

「今回はグラメウス大陸にも向かいたいな〜」

 

商人らは今回の遠征でどれだけ儲けられるか目を金にしながらゲヘヘと笑う。

彼らの中ではすでにパーパルディアの敗北は決定しているのだ。

なお、欲をかいてそこそこ新型の魔導機械を大量に積んだがために検問で数日の足止めを食らったのはご愛嬌である。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

[ロウリア新共和国 新開発都市ホートノス(完成率60%)]

 

Sideシャークン

 

かつて”北の港”と呼ばれていたこの地は最早以前の様子を残す所は無いと言えるほどに立派になった。

タンカー船が停泊できほどに延長され、いくつものクレーンや倉庫が建ち並ぶ湾港。

大型車両が通れるように作られた幅広の舗装道路、ムーの飛行場に匹敵する空港。

まだ未完成な部分は多々あれど形は見えてきている。

そして現在、サディア帝国から派遣された大量のヴァンツァーや輸送ヘリ、武装を満載した装甲ヘリが駐留している。

万が一上陸を許しても即応できるだけの戦力がここには既にあった。

 

「壮観だな……、これだけの戦力が控えていてくれるなら我々も前だけに集中できる」

「艦長!艦のチェック完了しました!最終確認をお願いします!」

「解った、皆には英気を養うように伝えてくれ」

「はっ!それと今日の飯はサディアが用意してくれるとのことです!」

「おお?それは楽しみだな、パスタにピッツァにカルパッチョ……」

「はは!キリがありませんな!」

 

まったくだ、サディアの料理は何でも美味い。

重桜や鉄血の料理も嫌いではないが私的にはサディア料理が1番の好きなのだ。

さて、パーパルディアの動向も掴めているようなので安心して食事に有りつけるというものだ。

 

【ロウリア新共和国軍 第一艦隊】

量産型トレント級重巡洋艦(旗艦) 1隻

量産型ゾルタディ級駆逐艦 2隻

量産型ナガラ級軽巡洋艦 1隻

量産型フブキ級駆逐艦 2隻

 

数でこそ圧倒的に負けているが、そも数の優位は前提として有効打を持ちえればというのはかつての戦争でイヤになるほど理解した。

射程に速度と装甲、全てで負けているところなどないし、練度も決して低くはない。

初の実戦故に問題は出るだろうが、誤射にさえ気を付ければ大丈夫だろう。

 

「しかし魚雷、積みたかったなぁ……」

 

必殺の火力を持つ水中自走爆弾という想像すらしたことのない強力な兵器なのだが、それ故に事故で爆発でもすれば自分も必殺されてしまう。

戦列艦相手に魚雷が過剰火力で勿体ないのも理由なのだが、

アルタラス王国海戦にて重巡”チェシャー”が魚雷の誘爆により大破したこともあり、ロウリア海軍ではとりあえず下ろすということになった。

 

「まったく、強力故のジレンマだな。魚雷が当たったときの爽快感は素晴らしいといのに……!」

 

もし積むなら自腹で積め!と経済担当に言われては泣く泣く諦めるしかなかったが。

 

「明日にはサディア帝国のKAN-SEN艦隊も到着か。

………副長、必ず勝つぞ」

「ええ!列強気取りに目にもの見せてやりましょう!」

 

気合十分な副官を見て、少しだけ申し訳なくなる。

………勝たないと、パーパルディアへの借金で国が崩壊してしまうからとはとてもではないが言えない。

この海戦が実は借金踏み倒しのためと言ったら士気に関わるので、このことは胸にしまっておくとしよう。

 





パ皇「お前!名前変えても借金は無くならんぞ!?」
ロウリア「じゃあ勝って揉み消すわ」
サディア「協力するんご!」
パ皇「待って、今回はオレが正しいよね!?」
ロ・サ「「敗者に口無し!」」
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