異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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パ皇「はぁはははっ!蛮族どもが!数の暴力に震えるがいい!」


ロウリア海戦①

 

【パーパルディア皇国軍 大誅伐艦隊】

 

・最新大型竜母【ヴェロニア】

・改装大型装甲竜母【デュナス】【クーロイ】

・オーバーロード種対応型改良竜母 6隻

・竜母 62隻

・超フィシャヌス150門級戦列艦 【ディオス】他2隻

・超フィシャヌス120門級戦列艦【パール】【ジャスティス】

・フィシャヌス100門級戦列艦 36隻

・80門級戦列艦 71隻

・50門級戦列艦 81隻

・砲艦(30門級含む) 132隻

・輸送船 94隻

 

 

[ロウリア海域 竜母艦隊旗艦【ヴェロニア】]

 

Side海将バルス

 

強い潮風を受けながらパイプに火を点ける。

はぁ〜、よもや戦地の方が気が休まる日が来るとは思いもせなんだ。

 

兵士A「すげぇ……、今から戦場に向かうとは思えねぇ立ち振舞だな」

兵士B「さすがバルス様だ、緊張しっぱなしの俺らとは大違いだ」

 

………何やらむず痒くなる尊敬の眼差しが集まっているな。

勝とうが負けようが、どのみち今回の海戦が自分にとって最後のお務めとなるだろう。

なら皇都で暗殺者や監視者に気を使って過ごすよりは、一軍人として戦場で務めを果たしたいと思った。

不思議なものだ、覚悟を決めると人間はこうも気が楽になるものなのか。

勿論死ぬ気はない、自身が戦死するような状況ということは今周りにいる部下も無事ではないということだからな。

 

「バルス司令、艦隊が展開予定位置を過ぎました。ご指示を!」

「よし!竜母艦隊は停止し発艦準備、帆を畳め!戦列艦艦隊は前進!予定通り艦隊を小分けにして広域に展開せよ!」

 

甲板の部下達が慌ただしく動き始める、前方にいるデュナスとクーロイも帆を仕舞い両甲板に竜騎士が待機し始めた。

 

「哨戒に出した竜騎士より通達!艦隊前方に複数の艦影あり!」

「数は!?」

「小型鉄船*1が12!中型鉄船*2が3!大型鉄船*3が1!超大型鉄船*4の影は無し!」

 

ふむ、要警戒の超大型機械駆動艦はいないか。

一部の者が超大型艦による本国への直接攻撃を懸念していたが、まさか……。

いや、ここまで来たならばどのみち手の打ちようがない、大陸防衛のために後方にいると願うしかない。

…………決して皇都にいる愚か者共が運良く死んでくれないかな、とかは一切考えてはいないぞ?

 

「例の巨大艦がいないとは、情報部からの緊急報は正しかったようですな」

「馬鹿者、都合よく解釈するな!今来ている艦隊は先発隊だ!超大型艦は後方で待ち構えてると思え!」

「は、はい!申し訳ありません!」

 

補佐官が慌てて謝罪するのを見て少しばかり不安になる、危機感がイマイチ足りてないのではないか?

やはり第三列強国という煽り、慢心がパーパルディアを蝕んでるのかと改めて痛感する。

 

「パーパルディアは大きくなり過ぎたのか……、軍人としては複雑なことだ……」

 

ルディアス陛下の方針が間違っていたのか?いや、我が国が第三列強国に認定された時にすでに狂いだしていたのか?

一軍人には荷が重い問答だな………。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[ロウリア海域 超フィシャヌス級120門戦列艦【パール】]

 

Sideシウス

 

戦列艦艦隊()の中央で前方の海を睨みつける。

予定通り戦列艦5〜6隻、砲艦4隻前後で編成された30を超える小艦隊群で広範囲に展開。

敵艦隊を発見次第包囲網を形成、逃げ場を無くした上で全包囲砲撃にて撃滅。

竜騎士らには索敵と撹乱、上空からの飽和攻撃にて砲撃能力を損失させる。

物量頼みのこの策は海にしろ空にしろ大損耗は免れない、しかし現状これしか有効な策がないのも事実。

 

「通信兵!魔信は常に開いておけよ!連携せねば包囲に失敗する!」

「は!今のところ問題ありません!」

「竜騎士隊、もうすぐ到着とのこと!」

「よし!追い込むぞ!竜騎士隊が敵艦隊に接敵次第一気に前進させろ!」

 

丁度指示をしたタイミングで後方から来た竜騎士隊が近くを飛んでいく。

予定では500騎近くを送ると聞いていたが、中々の光景だな!

 

「おお!凄まじい数だな!」

「頼むぞ〜!」

 

部下らが手や旗を振ってエールを送っている。

 

「"風神の涙"最大出力!竜騎士隊に続け!」

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

【サディア帝国 分離艦隊】先頭横陣

・量産型ゾルタティ級駆逐艦(無人) 3隻

 

【ロウリア新共和国軍 第一艦隊】中央右

・量産型ナガラ級軽巡洋艦 1隻

・量産型フブキ級駆逐艦 2隻

 

【ロウリア新共和国軍 第二艦隊】最右

・量産型トレント級重巡洋艦(旗艦) 1隻

・量産型ゾルタディ級駆逐艦 2隻

 

【クワ・トイネ海軍 第一艦隊】中央左

・量産型アガノ級軽巡洋艦(旗艦)

・量産型フブキ級駆逐艦 3隻

 

【クイラ海軍 第一艦隊】最左

・量産型ライプツィヒ級軽巡洋艦(旗艦)

・量産型Z級後期型駆逐艦 2隻

 

※サディア帝国艦隊が単横陣で先頭、他艦隊がその後ろで横列単縦陣を形成中

 

 

[クイラ海軍第一艦隊 ライプツィヒ級艦内]

 

Sideバステト提督

 

「対空レーダーに感、接近速度から飛竜種と思われます」

『見張員より、戦列艦群が増速を開始』

 

部下達の報告を目を瞑りながら聞く。

敵艦隊の動きは想定内、恐らくこのまま包囲陣を形成してこちらを袋叩きにする腹積もりだろう。

 

「サディア艦隊からの連絡は?」

「3分ほど前になりますが『異常なし』とのことです」

「であればこちらも予定通りに”囮“として動く。少々派手な初陣だが問題無い、訓練通りに動けば結果もついてくる」

「「「はっ!」」」

 

正直にいえば自身も心臓バクバクだが、同時に不思議な高揚感もあった。

自分でいうものなんだが、自身は獣人らしくない獣人だ。

体を動かすことよりも知識を集めることに興味を持ち、運動神経は人族並み。

ヒョロっとした体型のせいで同族らに誂われたり、馬鹿にされることも少なくなかった。

クイラに居場所は無いと思い他国に渡ることも検討しているときに運命の出会いを果たした。

 

鉄血公国代表、KAN-SEN【フリードリヒ・デア・グローセ】

 

獣人ではない方だったが、あまりの美しさに心を奪われた。

しかも腕っぷしも相当でクイラ屈指の山岳兵を片手で捻じ伏せるほどだ。

海軍を新設すると発表された時にダメ元で応募したら高待遇での士官が叶った。

能力主義である鉄血の訓練は辛く大変だったがやり甲斐があったのも事実、何より鉄血の方々は気が合う。

自身の提督の地位もまだ暫定的なものだ、今回の結果で自身の価値を見極められるのだ。

 

ーーーあなたなら問題ないわ、期待してる。

 

出港間際にフリードリヒ氏から贈られたお言葉、思わず涙を流してしまった。

 

「この海戦の勝利を"貴女"に捧げます。各砲座対空戦闘よーい!」

 

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[ロウリア新共和国軍第二艦隊 トレント級艦内]

 

Sideホエイル

 

「よ〜し!馬鹿共が食いついたぞ!列強のクソ共に目にもの見せてやれ!」

「「「おぉー!」」」

 

空を覆わんばかりのワイバーンの群れも恐れるに足らず!頼れる我が艦と部下がいる!

トレント殿のしごきに比べれば、大抵のことは大した事ない!(泣)

 

「航空隊もすぐに来る!とにかくかき乱せ!」

 

こい、パ皇共が!ロウリア海軍の意地を見せてやる!

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

[パーパルディア皇国竜騎士隊 先頭列]

 

Sideとある精鋭竜騎士

 

頭上で炸裂した破片が肩や相方の翼を僅かに削っていく。

くそ!覚悟していたが対空バリスタなんぞ目じゃないな!?

同僚らの魔信からも焦った声ばかりが響く。

 

『ぐぅおっ!?』

『翼がやられた!墜ちる!チクショー!!』

『速度を落とすな!死ぬぞ!』

『撹乱を続けろ!戦列艦が接近する時かっ…!』

『隊長!?』

 

くそ!また墜とされた!ロード種もオーバーロード種も当たれば必殺、ならば速度で撹乱するしかない!

海面ギリギリまで降下し敵鉄船の横を通り過ぎる。

………上よりは下のがマシだな、よし!

水面ギリギリから小型鉄船へと接近戦し導力火炎弾を叩き込む!

よし!命中!ザマァ見ろ!

大したダメージにはなっていないが、少しは溜飲が下がる。

上昇して周囲を確認すると戦列艦が包囲を完了し、陣を狭めようとしている。

しかし連中もそれに気づいたのか前方の艦隊群を強行突破する気のようだ。

 

「させるかよ、次は見張り台みたいなところに叩き込んでやる!」

 

旋回を終えて降下を始めようとしたところで"ナニカ"が凄まじいスピードで通り過ぎる。

 

ゴオォッ!!!!

 

鼓膜が破れそうな轟音が辺りに響く、一体何が起きた!?

白い尾のようなモノを残しなから4つの"ナニカ"が遥か頭上にて散開、戦場の上空を旋回を始める。

あ、あれは、なんだ……!?

背筋に悪寒が走る、マズイ!マズイ!マズイ!あれはだめなヤツだ!

しかし戦場で非現実的な光景に目を奪われていたのは致命的だった。

 

ボスッ!バスッ!

 

???ゴフッ!………あれ?血?なんで?

意識が薄れていく中、最後に目にしたのは無数の黒い影と雨の如く降り注ぐ赤い光であった………。

 

 

*1
駆逐艦

*2
軽巡洋艦

*3
重巡洋艦

*4
巡洋戦艦・戦艦




次回、蹂躙劇幕開け
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