異世界にレッドアクシズの名を刻む!   作:有澤派遣社員

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さぁ刮目せよ、これが本当の“暴力”というものだ!


ロウリア海戦②

 

【サディア帝国航空隊】

・次期主力試作音速戦闘機“タイフーン” 4機

・大型装甲ヘリ“ストーク” 17機

 

【空母KAN-SEN“アクィラ”航空隊】

・Fiat G.50戦闘機「アリエテ」 30機

 

【空母KAN-SEN“インペロ”航空隊】

・Fiat G.50戦闘機「フィレッチャ」 24機

 

 

[ロウリア海域上空 “タイフーン”試験航空隊]

 

Sideヴァレリオ・ジアコーザ

 

おお!本国で話は聞いてたがマジでファンタジーな光景だな!

ドラゴンが群れでいやがるぜ!

 

「ひゅ〜!すげぇ数!」

『無駄口を叩かずにいくよ!』

「へいへい、解ったよ」

 

姉貴にテキトーに返事しながら艦隊上空にドラゴン、いやワイバーンの群れへと再度突入を開始する。

すでにKAN-SENの艦載機が群れを食い破るようにワイバーンを叩き落しているな。

 

「KAN-SENのお嬢らに負けてはいられんな!ターゲットロック、FOX2!」

 

翼下パイロンから空対空赤外線誘導ミサイルが発射されてワイバーンが木っ端微塵に、離脱際にマウザー BK-27から発射された27mm弾がワイバーンを粉砕していく。

 

「うへ、血飛沫が……、気分がいいもんじゃねぇな。バードストライクならぬワイバーンストライクに気を付けていくか!」

 

計器からの異常も無し、そんじゃ次にいくか!

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[ロウリア海域上空 竜騎士隊]

 

Sideとある古参竜騎士

 

………凄まじい、それ以外の言葉がでん。

 

『だめだ!振り切れな……』

『矢が!光る矢がー!!』

『誰か援護してくれ!だ……』

『お、墜ちる!?くそー!』

 

溜息をつきながら役立たずになった魔信を切る、聞くに堪えん。

 

「既に半数近く食われたか……、もはや退路なし!ここが儂の死に場所よぉ!」

 

あと2年で退役、お払い箱となることを覚悟せねばと思っていた時に今回の大規模侵攻作戦。

皇国への最後のご奉公と思い参戦したが、まさかこれほどの地獄に直面するとは!

血が滾るのを感じる。そうか、儂はこのような戦場を!死に場所を求めていたのか!

 

「カァッカカカ!我が皇国に栄光あれ!行くぞぉ!」

ギャ〜ス!

 

老齢で寿命も間近な相棒が他の同種(ロード種)を追い抜かんばかりの加速を開始、最高速度へと到達する。

真正面から向かってきた鉄竜が赤い光を放つと同時に導力火炎弾を放ちながら相棒を右に傾ける。

導力火炎弾が鉄竜に直撃、しかしこちらも無傷ではなかった。

一発、いや三発当たったか……無念!

戦果を確認しようと後ろを見ながら翼を破られた相棒とともに墜落する。

先程の相手は黒煙を吐いていたが墜ちる様子はなし、頑丈な奴め!

捨て身の攻撃が無駄であったことに歯噛みしていると、直下に敵艦隊先頭列の鉄船が見え始めた。

…………これ衝突するな!確実にミンチじゃ!ガッハハハ!

高笑いしていると僅かに落下軌道が変わり始める。

 

「なっ!?何をし……!?」

 

鉄船の上スレスレを飛ぶように軌道が変わるも天辺のマストらしき物にぶつかり放り出された。

 

「ぬ、ぬぉ〜!?!?」

ゴロゴロゴロ!!!ボスン!

『ブビィ!』『ムブゥ!』

 

な、なんか柔らかいモノにぶつかったが……?助かった、のか?

改めてぶつかったモノを見るが………。

 

「な、なんじゃ?コレ?」

 

ヒヨコ?のヌイグルミか?しかし動いてるような?

 

『『ピィ〜???』』((((@д@_)))))

 

目を回し、鳴き声がするということは生き物なのか?ホントになんだこの珍妙なものは?

頭の中で大量のハテナを浮かべていると頬に血が落ちてくる。

上を見上げると、息絶えた相棒が痛々しい姿を晒していた。

………馬鹿者が、儂を死に損ないにしおって!

 

「まったく、余計なお節介じゃ……!」

 

今頃になって全身が痛んできて意識が薄れていく。

最後に見たのは大量の猫と雛みたいなヌイグルミが殺到してくるまた珍妙な光景だった。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

ーーー総指揮艦へ伝達、敵航空戦力の実質的な無力化を完了。

 

ーーー予定通り航空支援を開始、装甲ヘリ部隊を前進させます。

 

 

[ロウリア海域 戦列艦艦隊群付近上空]

 

 

『こちら総旗艦ヴェネト、ヘリ部隊前進して下さい』

「了解しました、これより攻撃に入ります」

 

ヘリ部隊の編隊長が通信を切り替えて各機へと繋ぐ。

 

「各機へ、美しき総旗艦様より許可が下りたぞ!ボロ船共を食いまくれ!」

『『『『D`accordo!』』』』

 

全17機の大型装甲ヘリが増速を始めて次々と眼下の戦列艦へと襲いかかる。

まずはコンテナブロックに小型ミサイルを満載した6機のヘリ編隊が一斉射、無数の誘導ミサイルが次々と戦列艦に突き刺さり爆発していく。

 

「オラオラ!たらふく食らっていけやぁ!」

「撃て撃て!撃ちまくれ!」

 

コンテナブロック下部に2基の30mm ガトリング砲を搭載した7機がそれぞれ獲物として狙いを定めた戦列艦へと対装甲用焼夷徹甲弾*1の雨の如く降らす。

装弾数2.500発×2を砲身が焼き切らんばかりに撃ちまくり、原型が残らない程に破壊していく。

さらにコンテナブロック下部にヒートキャノン2基を搭載した4

機が大口径成形炸薬弾頭を発射、一撃で戦列艦を爆発炎上させていく。

戦列艦からも対空バリスタが放たれるが届かず、抵抗も出来ずに沈められていくしかなかった。

 

これにより、南西側と南東側から包囲しようとした戦列艦艦隊は壊滅。

後退し始めた艦隊と包囲をしようとしていた艦隊が合流、段々と密集し始めているのであった………。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

【サディア帝国第一艦隊 総指揮艦隊】

 

・戦艦ヴィトリオ・ヴェネト(総旗艦 "女帝"座乗)

・空母インペロ

・空母アクィラ

・量産型ゾルタティ級駆逐艦(無人) 3隻

 

[海戦海域外れ 戦艦ヴィトリオ・ヴェネト艦橋]

 

Side戦艦ヴィトリオ・ヴェネト

 

『衛星データリンク問題なし、各機コントロール良好』

『同じく問題ありません、作戦を続行します』

「うむ!ご苦労!」

 

インペロとアクィラの報告に"女帝"陛下が満足げに声をかけ、正面の大型モニターを見る。

大型モニターには衛星リンクから送られてきた直上からの情報が簡略化されて映されており、現在展開している艦隊からの光学映像も順次送られてきている。

 

戦域全体を表すモニターの光点は味方艦が青、敵勢力艦を赤で表示しているが現在青の光点群が無数の赤の光点に囲まれようとしている。

通常であれば危機的状況であるが問題ない(・・・・)

何故なら……。

 

「敵勢力、予測通り(・・・・)分散配置していた艦隊が集合し始めましたね」

「数の利を活かすのはよかったが、“同じことをやり返される”とは考えていないようだな、クククッ!」

 

"女帝"陛下が悪人顔で笑い出す、相変わらず人を転がすのがお好きな方だ。

 

ドーナツ状へとなり始めていた赤の光点群の両側に青の光点が並び始めていた。

 

 

 

■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇

 

 

 

[ロウリア海域 超フィシャヌス級120門戦列艦【パール】]

 

Sideシウス

 

『緊急事態!緊急事態!こちら敵の空襲を……!』

『竜騎士隊壊滅!至急増援を願う!増援を……!』

『化け物みたいな鉄箱が襲ってきてる!救援を……!』

『敵艦隊増速!中央を強行突破する気だ!』

「………シウス将軍」

「言うな、最善を尽くすぞ」

「………はい」

 

すでに指揮系統が崩壊を始めており、命令違反をしてでも離脱を開始する艦も少なくない。

巨大鉄船がいなくてこれか、敵の航空戦力がここまで強力であったとは……!

制空権の喪失と士気の低下により想定していた作戦はすでに崩壊した。

ならばもう作戦行動を尊守する必要もない、意地を張らしてもらうぞ!

 

「腰抜けどもは放っておけ!敵艦隊の突破を阻止する!奴等に目にもの見せてくれる!」

「「「はっ!」」」

 

こちらの指揮下にある小艦隊が前進し敵艦隊前方に陣取るように動き出すと、一部の小艦隊も続いてくる。

 

「戦列艦"ジャスティス""ムーライト""シラント"より入電!『貴官に続く、パーパルディアに栄光あれ』とのことです!」

「ふっ!命知らずの馬鹿共が!返電、『最上級の感謝を』と送れ!」

 

本来であればこういう気概のある連中こそ退避させるべきなのだろうがな。

敵艦隊の先頭3隻が目視できるようになってきた。すでに敵艦からの砲撃が至近弾として放たれてきている。

動きながらでの一射目でこれか!化け物め!

 

「怯むな!停まれば死ぬぞ!風神の涙の出力を上げろ!」

「これ以上出力を上げると術式が焼き切れます!」

「構わん!あと数分保てばいい!」

「あとで文句言わんでくださいよ!出力最大!」

「僚艦"マミズ"轟沈!"ロナス"船体破断!」

 

砲撃が直撃した僚艦が次々と沈んでいき、至近弾でさえ船体が軋みを上げる。

 

「敵先頭列、射程距離に入ります!」

「艦を回頭!後続にも通信入れろ!砲撃準備!」

 

自艦が敵艦隊に対して横向きになると同時に砲撃が放たれる。

放たれた砲弾のうち、数発が先頭の艦へと直撃して。

 

「よっしゃ!直撃だ!」

「ざまぁみろ!」

「………な、なんだと!?」

 

直撃した敵艦の黒煙が晴れると、ほぼ無傷の敵艦が姿を表す。

馬鹿な、これで無傷ではもう打つ手が……!?

 

「て、敵艦接近!?衝突します!?」

「か、回避ぃ!?」

 

ボッゴォン!!!

 

敵艦と自艦の先頭部分が衝突、その衝撃で艦が大きく傾いてそのまま海へと落ちていく。

こんな、こんなのが、私の最期だというのか!?

冷たい海の中、意識が暗転していくのであった………。

 

*1
劣化ウラン弾のこと





まだまだ派手にいくぞい!
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