書きたいことが多いのにまとめれねぇ!
ここ数日、皇都では貴族平民に関わらず2つの話題で持ち切りであった。
皇都での前代未聞の大規模クーデター勃発、そして同時に起きた
まず前者のクーデターについては意外にも危惧していた大きな政治的混乱も特には起きずに平民達は胸を撫で下ろす。
一方、政権移行と派閥の力関係が激動したことにより貴族達は上から下への大騒ぎであった。
そして後者の皇族誘拐事件については公式な発表がまだされておらず、噂に尾ひれがついていき様々な憶測が飛び交っていた。
曰く、誘拐されたのは療養中であったレミール様らしい。
曰く、大通りに現れた巨人が誘拐犯である。
曰く、誘拐されたのではなく他国へと亡命したのだ。
曰く、クーデターの混乱で死亡したことを隠すために誘拐事件はでっち上げられたことである。
曰く、クーデターの前には既にお亡くなりなっていた。
曰く、クーデターの前後でたまたま療養のために皇都を離れていただけだ。
曰く、曰く、曰く………。
様々な憶測によりどれが正しい情報なのかさっぱり解らないといった状況であった。
しかしレミール死亡説については可能性が高いのでは?と皆が思っていた。
その最もたる理由としてクーデター勃発後、ルディアス陛下が
誰もが信じられないと驚愕し、クーデター派が正当性を出すためにでっち上げたのでは?とも噂された。
しかしヒッソリと行われた退位式で、いつもの覇気が感じられず虚ろな瞳で心ここにあらずといった様子であったと同席した貴族らが発言したことにより、皆が一様にとあることを考えた。
もしやレミール様がお亡くなり、そのショックで精神を病んでしまったのではないか?と。
ルディアスとレミールの熱愛は皇都のみならず国内の人間であれば誰もが知る事実であった。
正室にこそ迎え入れてはいないものの、他の女性との関係に一線を引く中でレミール様だけがプライベートでの付き合いがあったこと。
また血統という点でも皇族に近しいレミール様が最も相応しいことは
誰もが理解していた。
故にもしクーデター派が原因でレミール様が亡くなったのであれば烈火の如く怒り狂い、死んでも退位などするはずがない。
そして誘拐についても仮に事実であったのならば同じく烈火如く怒り、犯人やその主導者を血祭りに上げんとしているはずである。
そのため“クーデターの前には既にレミール様がお亡くなり、意気消沈して弱っていた”と解釈する人々が大半であった。
そんな話題で持ち切りであった皇都にさらなる大事件が凶報とともに舞い込んできたのだ。
パーパルディア皇国無敵神話の終焉はあまりにも呆気なく訪れたのであった……。
[皇宮パラディス城 執務室]
Sideカイオス
クーデターの勃発から討伐艦隊の敗走とここ数日は寝る暇もない事態となってる忙しい時に、いきなりドミディア公からの呼び出しを受けて内心冷や汗モノであった。
(もしやレミール様らと共に行っていたレッドアクシズへの対応予定がバレたか……?)
今となっては後の祭りとなってしまった計画も見方によっては売国行為ととられかねないのもあった。
そこら中で責任逃れと責任追及が起きている今、後ろ盾であったレミール様がいない自分の立場はあまり強い方ではない。
そのため死すら覚悟していたのだが、ドミディア公から提案されたのはある意味では"昇進"であった。
「
「そうだ、行方不明のエルト女史が見つからぬ以上は後任が必要であろう?
君ほどの能力があれば決して無理ということはあるまい」
執務机の書類を片付けながら流し目でコチラを見るドミディア公に内心怯えながら、少し前なら手放しに喜んだであろう幸運を呪う。
(クソ!何故今なのだ!?今の状況で第3外務局の局長を外されるのは不味い……!)
第1外務局長になればレッドアクシズを含めた文明圏外国への外交に口を出しづらくなる。いやそれどころか第一文明圏への対応に追われて把握さえ困難になるやもしれん。
しかし断ることは出来ない。まだ自分も命が惜しい。
「………高く評価していただきありがとうございます。しかしそうなると第3外務局長は誰を据え置くご予定で?」
「実はその点はまだ決めかねていてね。もし良ければ君が推薦する者でもかまわんが?」
まさかのドミディア公の提案に思わず飛び跳ねて喜びそうになる。
これであればなんとかなる!任命したものに情報を逐次あげさせれば兼任紛いな状態にはできよう!
「でしたら現在東部担当部長であるタールを後任へ推薦してもよろしいでしょうか?」
「タール?("結社"と一応の繋がりのある貴族ではあるな)ふむ、良かろう。
後日こちらから正式な辞令を出す。退室せよ」
「では失礼させてもらいます」
なんとかこの危機的状況を凌げたと喜ぶも、膨大な引き継ぎ業務が大変だと直ぐにゲンナリするのであった。
[皇宮パラディス城 皇室プライベートルーム]
Sideヘリオガ
戴冠式を翌日に控えた夜、使用人も退室させて一人涙していた。
「グス、エグ……、兄上は、最後まで自分を見てくれなかった……」
どんな形であれ自身を追いやった相手なのだから仕方ないたろうが、敵意や嫌悪すら無く完全に"無いもの"として扱われたことのがショックであった。
異母兄弟とはいえ唯一の肉親から興味さえ向けられなかったことが大きな傷となって心を抉る。
その兄上も療養のため数日中にはパンドーラ大魔法公国国境近くの療養地に移動してしまう。
………結局、僕は独りぼっちなんだ。
心が軋む。何もかもがどうでもよく感じ始めていた。
故に魔が差して叔父上がレミール義姉様の邸宅から運び出した物から一つ、コッソリ持ち出していた、四角い板状の金属でも木製でもない素材でできた写りの悪い鏡のようなモノ。
「こんな粗悪品の鏡、なんの役に……、うあ!?」
板の枠にあった"突起"に触れるといきなり鏡が光を放ち、映像のようなものが映り始める。
赤い十字のような紋章、確か我が海軍に致命的な損害を与えた……!?
「レッド、アクシズ……?え?なんで義姉上の持ちの物に???」
先ほどまでの悲しい気持ちはどこえやら、恐る恐ると"光る板"を触り使い方を模索する。
「えっと、映像にある紋章*1に触れると反応するのかな?」
「えっと……【構成国家の概要】?……なんか難しいことばかりで解りづらい……」
「わぁ……!こんなカッコイイゴーレムがあるんだ!?」
「これは…、飛行機械かな?初めて見たけど飛竜よりも強いのかな?」
どれも見たことの無いモノばかりだった、添えられていた文章はとりあえず読み飛ばして次々と映像を探していく。
そして
「えっと、レッドアクシズの……指揮官プロフィール?」
ついに
「へぇー、どんな人……!?」
ボクは見つけた。
「カグヤ・エムブラ……、
ボクの、ボクだけの"黒髪の聖女"サマ……!
ーーーレッドアクシズ新世界情報管理部より緊急伝達事項ーーー
《パーパルディア皇国より会談の申し出》
シオス王国経由にてパーパルディア皇国より会談の申し出あり。
パーパルディア皇国の新皇帝ヘリオガより此度の"不運なすれ違い"を解消するために直接会談を行いたいと皇印付の文章が届いた。
横暴な方針をとっていた昨今までのパーパルディア皇国ではあり得ない対応に一部周辺国からは懐疑的な反応も見られる。
しかし今回の会談を逃せば関係修復はより困難になる可能性が高い。
ただ問題点としてとある"絶対条件"を満たせていればという前置きがあっての会談申し出であること。
"絶対条件"の内容は【代表をカグヤ・エムブラに指定する】というものである。
条件の理由としてエムブラ指揮官を代表に立たせることで新皇帝としての"箔"を付けようとしていると思われる。
アズレンもイベントで新情報いっぱいでまとめきれねぇ……