デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~   作:ライノア

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一ヶ月遅れましたが、お待たせ致しました。20000文字越えの二十話、如何ぞ。










これまでの~破壊者の食べ歩き~は...?

「つまり、アジトは異空間にあると?」

「僕はアキノリより先に、この世界に来ていたんだ」

「少しはソルトルーを見習って、そろそろ結果を出して下さい」

「待って!貴方、シナモンと関係があるの?若し、そうなら...あの人に謝りたいの!」

「ブンドル団の料理人 ソルトルーは元財団Xの一人だ」

「早く会いたいよ。アキノリ」







第二十品:あまねのマナーレッスン!憧れのレストラン!/四人目の旅仲間!キバーラ、完全復活

Sakuya side

 

ゆい「ん〜!デリシャスマイル〜!!」

あまね「待たせて済まない。生徒会の仕事に手間取ってしまって...」

 

俺達七人は昼飯を堪能しているところで生徒会の仕事で遅れたかいちょと合流する。

 

雄大「生徒会長の仕事も忙しそうだね」

あまね「ああ。でも皆のためなら如何(どう)って事ない...それに、(いそが)しいのは私の性に合っている」

らん「お疲れ様です!」

 

華満が(ねぎら)いの言葉を掛けると、ここねは両親が俺達を『レストラン デュ・ラク』へ招待したいと申し出があった事を話した。

 

らん「ほわ〜!ここぴーん家のレストランって、全おいしーなタウンの憧れの的『レストラン デュ・ラク』だよね!?」

ここね「ちょっと大袈裟(おおげさ)すぎない...?」

ゆい「大袈裟じゃないよ。あたしも前から行ってみたかったもん!(みずうみ)の辺りに立つお城見たいなレストラン...」

「「行けるなんて夢みた〜い!!」」

あまね「私も是非伺いたい...咲夜?どうかしたのか?」

咲夜「かいちょ。ゆいと華満が(ほとん)ど『食いバカ』だって事分かってないだろ...」

あまね「く、''食いバカ''...?」

 

俺はかいちょの肩を置きながら耳打ちしたタイミングでゆいの腹の虫が鳴る。

 

ゆい「レストランの事考えたら、またまたハラペコった〜。定食おかわりしちゃおっと!」

あまね「えっ、『定食おかわり』...!?」

らん「はふ〜。らんらんはソフトクリーム盛り盛りで食べちゃおっかな〜?空に浮かぶ真っ白なソフトにダイブしてフワフワ浮かびたい。えへへ〜!」

あまね「『ソフトにダイブ』!?」

咲夜「...ほらな。言った通りだろ?」

あまね「...急用を思い出した。失礼する!咲夜も昼食を食べ終わったら直ぐに図書室に来い!」

 

俺は左手で顔を(おお)う。あの食いバカ二人がマナーを学ばずにレストランに行ったら、恥をかく事になるのは確実だ。

危機感を覚えたかいちょは俺の口にたまごサンドを咥えさせると、その場を立ち去った。

 

咲夜「流石にヤバくなってきたな。俺も急いで食わないと...!」

透冀「いや、此処はゆっくり食べた方が賢明だと思うよ」

雄大「そうそう。時間は待ってはくれないって言うけど、今は味わって食べるのが身のためだぞ?」

咲夜「ううっ...」

 

俺も後を追うべく昼飯を急いで食おうとしたが、レグレットと雄大にゆっくり食った方がいいと注意された。

 

 

 

 

 

 

 

 

透冀「...食べ終わったのはいいけどさ、何で僕まで!?」

咲夜「決まってるだろ。かいちょは俺達に助けられた身だ。だから今度は...!」

透冀「アキノリ、前!」

咲夜「えっ?うわあっ!?」

 

俺はレグレットに声を掛けられるが時既に遅し。そのまま誰かと打つかってしまう。

打つかった反動で散らばった教科書と筆箱を一人の女子生徒に渡す。

 

咲夜「悪い、大丈夫か!?」

???「ううん、こっちは大丈夫。せっかちなのも相変わらずだね」

透冀「君は、まさか...!」

咲夜「どうしたレグレット?あの女子生徒に違和感でも感じ...!」

 

レグレットは女子生徒を見て、驚愕しながら声を上げる。

俺も女子生徒の顔を見ると、其処には見覚えのある顔があった。

 

???「アキノリ、レグレット。久し振り」

咲夜「冬美...!?」

 

身長は150くらいで(すみれ)色のロングヘアーに真紅の瞳を持つ少女。

かつて俺達と一緒に世界を旅した四人目の旅仲間 光 冬美。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の初恋の人物だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の破壊者 ディケイド。幾つもの世界を巡り、この世界にて何を噛み締める?

 

イメージOP2『MYTH&ROID/VORACITY』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TOUKI SIDE

 

あまね「...という事で、『レストラン デュ・ラク』に行くに当たって...高級レストランに必要なマナーを教えたいと思う」

 

アキノリと菓彩少女はマナーレッスンを開始する。

恐らく、和実少女と華満少女がレストランで赤っ恥を掻いてしまうと危惧したのだろう。

なごみ亭の看板を『準備中』にしておいたため、心おぎなくやれる。

 

らん「はう〜。マナーって...!?」

ゆい「例えば、『いただきます』とか『ごちそうさま』とか挨拶するのもマナーだよね?」

あまね「ああ。今回は上級の...''manner''だ」

咲夜「俺より発音いいな」

ここね「そんなに肩肘(かたひじ)張らなくても...」

咲夜「考えが甘いぞここね。この食いバカ二人にはマナーというものを徹底的に刻み付ける...!」

あまね「アシスタントの皆さん。此方(こちら)へ」

 

苦笑する芙羽少女だが、二人は『絶対にこいつらにマナーというものを叩き込む』と言わんばかりの眼差しを向ける。

 

コメコメ「コメ!」

メンメン「メン!」

パムパム「パム!」

「「それではマナーモナー...レッスン1!!」」

 

エナジー妖精組がアシスタントとしてレクチャーを実施する。

一問目はテーブルナプキンをスカーフの様に首に巻く子狐少女と、両膝に置くおパム少女。

アキノリは子狐少女の可愛さに噴き出しそうになっているが、今はその時じゃないと必死に我慢している。

 

ゆい「ええっと、ナプキンは...?」

らん「やっぱり服を汚さないために...」

ここね「......」

あまね「さぁ、答えは?」

 

和実少女と華満少女は子狐少女。僕は芙羽少女と雄大と同様、おパム少女の顔が描かれたプレートを取り出す。

 

あまね「正解はパムパムの『膝の上に置く』だ」

「「ええ〜っ!?」」

 

後でトナカイ少年君とキバーラがまるばつのシールを貼り付ける採点役となっている。

 

咲夜「レッスン2。お店の人を呼ぶ時は?先ずはコメコメ、次にクソ犬」

パムパム「すみませーんパム!」

 

向き合ったトナカイ少年君に対して沈黙しながら挙手する子狐少女と、声を出しながら挙手するおパム少女。

 

咲夜「三秒間待ってやる...時間だ。答えを聞こう」

雄大「ちょっと早過ぎないか!?」

咲夜「正解はコメコメの『黙って手を挙げる』だ」

「「ええ〜っ!?」」

ここね「呼ばなくても、お店の人が先に気付いてくれる事も多いから...」

咲夜「流石、レストランの娘。マナーに関しては大体把握しているな...続けて行くぞ。レッスン3」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

あまね「流石ここね、全問正解だ」

咲夜「雄大とレグレットもやるな」

雄大「一緒に旅した時にマナーも習ったからな」

レグレット「こんなの朝飯前だよ。それに比べて...」

「「きゅ〜...!」」

あまね「二人は、やはり私達の心配していた通りだったか」

ローズマリー「どんよりオーラが広がってるわね」

 

結果としてはレグレット・雄大・ここねの三人が九問中全問正解にしたのに対し、食いバカ二人は全問不正解でぐったりとしていた。

店のドアが開き、ローズマリーが苦笑しながら様子を見に来ていた。

 

ゆい「どうしようマリちゃん!レストランの美味しい料理がどんどん逃げて行くよ〜!!」

らん「マナー無理、マナー怖い、マナー苦手、マナー駄目、マナー無理...」

ここね「そんなに気にしなくても...!」

あまね「いいや、マナーは大事だ」

咲夜「...いや、かいちょ。それぐらいにしとけ、とっくにゆいと華満の精神(ライフ)は0だ。気分転換で俺達がドレスを買ってやるよ」

あまね「ドレス?」

ローズマリー「それもそうね。レストランに相応しい格好をするのもマナーの一つでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NO SIDE

 

セクレトルー「バツ、バツ、バツ...ナルシストルーめ。レシピッピを奪い損ねてばかり...!」

ソルトルー「牛、野菜、巨人、お菓子。そろそろ空中戦が得意なバグスターを生み出さねばなりませぬな...」

 

場面は変わってブンドル団アジト。セクレトルーはナルシストルーが生み出した合体タイプのウバウゾーにレシピッピを奪い損ねた結果として、専用のタッチペンでこれまでの記録にばつ印を付けていた。

ソルトルーも四度の失敗を重ね、そろそろ空中戦が得意なバグスターを生み出そうと考案していた。

 

ソルトルー「おや?ナルシストルー、挨拶はどうしたのですか?挨拶はマナーの基本ですよ」

ナルシストルー「『マナー』ねぇ...?」

 

小馬鹿する様な態度を取ったナルシストルーに、ソルトルーは少し不機嫌そうな表情をする。

 

ソルトルー「仕方がありませんね。セクレさん」

セクレトルー「...ええ。ああ、これはこれはゴーダッツ様!」

ナルシストルー「ご機嫌(うる)わしゅう、ゴーダッツ様。次こそは必ず、レシピッピを集めて参ります...って、居ないし!?」

セクレトルー「やれば出来るじゃないですか」

ナルシストルー「お前ら!俺様を(だま)しやがったな!?」

ソルトルー「坊っちゃまが...ディエンドが前に言っていたじゃないですか、『狐と狸は人を騙す』と。まぁ、騙されるのは一回だけで十分ですからね」

 

ナルシストルーを評価したセクレトルーはシュプレヒコールを行うのを一瞬躊躇(ためら)っていたが、一度でも行わなければブンドル団の名に反する事を意味していた。

 

「「「ブンドル・ブンドルー!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

ゆい「うわあ〜。すごーい!」

らん「はう〜。色々ある〜!」

 

レンタルドレス専門店『Rental_Dress_Studio』に訪れた俺達。勿論、ジュニラムやキバーラも一緒に同行している。

レグレットの情報によると、レストランに行くためのスーツや装飾品だけではなく、何と着ぐるみまで取り扱っている模様。

 

あまね「レストランに行く時は清潔感が大事...」

ここね「可愛い!グッズも素敵!こっちもキュート...!」

 

かいちょは図書室から借りた物だと思われる『すてきなマナー』の本を内容の一部を朗読していると、ここねが置いてあった商品に目を付ける。

 

あまね「ここねにも、あんな面があるんだな...」

パムパム「ここねは一見クールに見えて、可愛い物が大好きパム!」

 

ここねの意外な一面を目の当たりにするかいちょ。

それから俺達はドレスやスーツを見る事にした。

 

ゆい「へぇ、色々あるんだね〜」

らん「はう〜。キラキラすぎて、らんらんクラクラする〜!」

ローズマリー「ちょっと。コメコメ達にも着れそうなドレスあるわよ!」

雄大「俺も丁度、ジュニラムとキバーラが着れそうな物がありました。試着してみた方がいいですか?」

キバーラ「何言ってるの。先ずは''物は試し''よ!」

ジュニラム『服ハ着レナイケド、付ケラレル物ナラ何デモイイヨ!』

 

エナジー妖精組は着れそうなサイズの服を、キバーラとジュニラムは装飾品を試着した。

その後は自分のイメージに合った色の服をレンタルする事にした一方、俺とゆいは鏡で試着中のここねに声を掛ける。

 

咲夜「色的に似合ってるじゃねーか」

ここね「そ、そうかな?有難う...///二人はスーツの色決まった?」

咲夜「それがまだなんだ。スーツの長袖とズボンの色をネイビーにするかブラックにするかで迷うんだよ」

ここね「咲夜ならディケイドの時と同じピンクが似合うんじゃない?」

咲夜「あのな、ディケイドの色はピンクじゃなくてマゼンタだ。褒められて顔が赤くなったから、遂に目元が狂ったか」

ゆい「そんなのどっちでもいいよ。ここねちゃんのお父さんとお母さんに会えたら、お礼言わなきゃだね!」

 

ゆいはそう言うが、ここねの両親は明日海外で出張旅行になってしまったため、自分が代わりに伝える事にした。

 

らん「見て見て〜!これすっごい可愛いよ!パンダ度満点だし。この眼鏡を付けると更に...!じゃーん!パンダのらんらんだよ〜!」

ゆい「へぇ〜。ちゃんと尻尾も付いてる!」

咲夜「パンダもいいが、その格好だと高級レストランには入れないぞ?」

 

俺達三人は声がした方角へ向くと、華満がパンダの着ぐるみを来て座っていた。

 

ここね「すごく可愛い〜!」

咲夜「...は?」

らん「だよね〜!?」

ここね「うん。でも、その服だと食事しづらいかも」

らん「確かに、そう言われてみれば...」

ここね「レストランに行く服装は食事する時の事を考えた物が良いと思う。食事を楽しむための場所だから...」

 

ここねの言う通りかもな。俺もトリコ達の世界で『食は生きる』という事を改めて学んだ。

その名残(なごり)もあるからこそ、今でも理解出来る。

 

らん「『食事を楽しむ』?」

ゆい「それって、さっきあまねちゃんが教えてくれたマナーと一緒?」

ここね「そう、父と母がよく言ってた。『食事を楽しむために周りが嫌だと思う事をしてはいけない』...そんな思いやりこそ、マナーだって」

ゆい「じゃあ、服の身嗜(みだしな)みもマナーも皆『ご飯は笑顔』になるためなんだ!」

ここね「そういう事」

ゆい「だったら、マナーも頑張れそうだよ!」

咲夜「おっ、早速やる気満々だな。それじゃあ、俺が今日の振り返りとしてまた問題を出してやるよ」

 

俺は立ち直ったゆいにマナー問題を復習しようと提案を持ち掛ける。

華満はパンダの着ぐるみを着る事を諦めていたが、代わりにパンダの髪飾りをここねに見立ててあげたら大変喜んだ。

 

透冀「そういえば、菓彩少女にも似合いそうなドレスを芙羽少女が見つけたそうなんだ」

あまね「...そうか。後でここねにお礼を言わないとな」

ゆい「あれ?そういえばマリちゃんと雄大先輩は...?」

らん「メンメン達も...」

ローズマリー「こっちよ!」

 

ローズマリーが俺達に声を掛ける。

 

ゆい「ええっ!そんなに借りるの!?」

 

レンタルした服が入っている持ち袋は合計19個。

見事な買いっぷりにゆいは仰天するが、俺は雄大の持つ持ち袋が八つになっている事に気付く。

恐らく八つの中の二つが冬美の分のドレス。如何やらレグレットは俺達が冬美と再会した事を話していたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Touki side

 

ここね「じゃあ、明日レストランで」

『はーい!』

咲夜「......」

ゆい「咲夜君、さっきから浮かない顔してるけど大丈夫?」

咲夜「ああ、ちょっとな。帰ったら話す」

雄大「悪いレグレット。ゆいちゃんとマリさんにも、この事は話しておくが」

透冀「うん、恩に着るよ雄大。さぁ、僕達も行こうか」

 

マシンディケイダーとビートジュニラムに乗った二人の姿が見えなくなるまで見届けた後、僕は芙羽少女と菓彩少女の二人を家まで送るべくマシンディエンダーに(またが)って走行させた。

 

あまね「ここね。どうしてもここねにお礼を言いたくて...!」

 

実家の付近で降りた芙羽少女を菓彩少女が名前で呼び止める。

彼女は今日の事を振り返る。自身のやり方に囚われ和実少女と華満少女を危うくマナー嫌いにさせていたところを、芙羽少女の『思いやりこそマナー』で救われた事に感謝の言葉を述べた。

 

あまね「『思いやりこそマナー』...きっと、今の私に必要な言葉だ」

ここね「私のは、父と母の受け売りだから...」

透冀「芙羽少女の両親は急用だと聞いたけど?」

ここね「うん。いつもそんな感じ...」

 

(さみ)しげに目を伏せる芙羽少女だが、その目は心なしか(うるむ)んでいた。

アキノリは転生前、当時1歳の家庭環境はとても穏やかとは言えない。父親はパチンコで母と祖父母は借金を課せられ、僕達の面倒も(ろく)に見てくれやしなかった。

当然裁判沙汰となり、離婚後の影響で母と叔父(おじ)は両親に対する有難(ありがた)みを失う程に性格が一変した。

当時一歳の赤ん坊だった自分がこんな過去を背負っていたなら、自分なんて生まれなきゃよかったと何度も思い、何度も悔やんだ。彼は転生前の記憶を代償にディケイドの力を得たが、その過去をとある財団に利用されてしまい、次世代型ロイミュード『セカンドロイミュード』が生まれてしまった。

だから僕は、芙羽少女の様な人間の気持ちを人一倍理解出来る。

 

透冀「どんなに離れてしまっても人の心は繋がっている」

ここね「!」

透冀「僕とアキノリもかつて雄大と一緒に旅をしてたんだけど、とある出来事が原因で離れ離れになってしまったんだ...でも僕は思うんだ。ここまで歩いてきた道はそれぞれ違うけど、今でも同じ朝日に照らされている。この赤い夕日や日常という青い日々も忘れたりはしないし、消えたりはしない」

あまね「ここねは既に両親から大切な物を受け取っている...私もお陰で勉強になったよ。これからは思いやりという言葉を大切に...!」

ここね「有難う!」

あまね「ええっ!?それは私の言葉だ。思いやりを教えてもらったお礼を...!」

轟「ここね様。おかえりなさい」

 

感謝の言葉を先んじられて困惑する菓彩少女だが、その様子を一部始終見たと思われる轟さんがお出迎えしていた。

 

ここね「じゃあ、また明日!」

あまね「......」

 

そんな芙羽少女の背中を見て、菓彩少女は手を振りながら佇んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菓彩少女を家に送った僕は福あんに帰宅すると、アキノリが上から四番目のドアの前で体育座りをしていたのを目撃する。

その表情は後悔でいっぱいになっており、足元には白と紫の紙袋が置かれてあった。

二つの紙袋に入っているのは恐らく冬美の分と思われるドレス。彼女を仲間外れにさせたくはなかったのだろう。

 

雄大「レグレット。今帰ってきたのか?」

透冀「そっちでも何かあったみたいだね?」

咲夜「......」

雄大「ああ。あの時の事をゆいちゃんとマリさんに話したら、アキノリが急に怒鳴って...今でもこの状態だ」

ゆい「冬美さんの事、雄大先輩から聞いたよ。透冀君、咲夜君と雄大先輩達が別れちゃった原因って...!」

咲夜「ゆい、それ以上言うな。元はと言えば、俺がしたことなんだ...」

 

アキノリはくぐもった声で過去の過ちを自責する。やっぱり、まだあの時の事を根に持ってたんだね。そう。あれはアキノリのディケイドライバーがまだネオに覚醒していない時の事だ。

野々少女の親友であるエリ少女を虐める様に仕向けていた真犯人が変身したドーパントに怒りを買われた事が引き金となり、激情態に変身した。

 

ディケイド激情態『地獄でも二度と俺に顔を見せるな...人間の皮を被った化け物が!!』

【アタックライド ポーズ!】

【サイドバッシャー!】

【コピー!】

【ギガント!】

 

一斉射撃を受けてもドーパントをメモリブレイク出来なかったが、致命傷を負ったのは確か。それに対して当時のアキノリはこう言った。

 

ディケイド激情態『ご自慢の再生能力があるのだろう?ならば、その姿を灰塵と化すまでだ』

【ファイナルアタックライド ファ、ファ、ファ、ファイズ!】

クウガ『止めろ、アキノリ!!』

キバーラ(冬美)『アキノリ、止めて!!』

ディエンド『アキノリ!!』

ディケイド激情態『...死ね』

 

僕達三人はオーロラカーテンに閉じ込められたため、ただひたすら叫ぶ事しか出来なかった。ファイズの必殺技である『クリムゾンスマッシュ』を受け、ドーパントはその言葉通り灰と化した。

更にはエリ少女を虐めていた女子生徒達をも殺そうとした事は現在でも覚えている。

 

ディケイド激情態『虐めなんて言葉を使ってたんじゃ、虐めは永遠に無くならない。だったら、俺がこの腐敗した世界を破壊し...創造するまでだ』

 

野々少女に『この世の残酷さに気付かないお前はエリを虐めた奴らと同じだ』と突き放すと、アキノリはクライアス社の新入社員として行動する様になる。何とか僕達で正気を取り戻す事には成功したけど、この出来事がトラウマになってしまった。

クライアス社との最終決戦後、アキノリは雄大と冬美を今後の戦いに巻き込ませないがためにオーロラカーテンで元居た世界に送った。恐らく、この頃のアキノリは激情態の力を制御出来なかった事を責めていたのだろう。

 

アキノリ『俺はもう、激情態の力は使わない...いや、二度と使いたくない』

 

その後の一人旅では、紫怨やゴブタ君の同胞を生き返らせるための賭けとして激情態に変身した事もあった。

あの時もまだ力を制御出来ていなかったためか、リムルが説得せざるを得なかった。

 

リムル『待て、アキノリ!今のお前を見たら、紫怨達はどう思う!?』

 

はっきり言って、アキノリが変身するディケイド激情態は、対象をカードに封印するかしないかは自分の意志で決められる。

激情態のカードがライドブッカーに遺っていた事を踏まえると、相当の力を持っている事が(うかが)える。

 

雄大「アキノリ、今日はもう遅い。明日はレストラン当日だから、早めに寝よう」

咲夜「......分かった」

 

頷いたアキノリは雄大に支えながら、自分の部屋に戻って行った。

冬美の分のドレスが入っている紙袋を置いて...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

ローズマリー「いいじゃない皆。とっても可愛いわ!」

ゆい「マリちゃんもね!」

ローズマリー「んふふ。ありがと!」

 

レストラン当日。俺達はレンタルしていた服を着こなしていた。

ゆいはピンクを基調とした和風のドレス、ここねは青を基調とした洋風のドレス、華満は黄色を基調としたチャイナドレス調のドレス、かいちょは濃い紫と薄紫を基調としたワンピース。

俺は黒スーツ、レグレットは水色のスーツ、雄大は赤いスーツ。ローズマリーも俺達男子と同じくスーツで、色はワインレッドを基調としている。

レストランの従業員と思われる男性が来ると、コメコメ達はカバンの中に隠れた。

 

男子従業員「ようこそお嬢様。少々お待ち下さいませ」

ここね「ええ」

らん「ふひょ〜!マシマシに緊張してきた〜!!」

客A「うん、美味しい」

客B「ああ。思い出の味だもんな」

客C「昔はお金を貯めて食べに来たっけ?」

 

緊張感を保ちながら華満と雄大は偶然にレストランで料理を堪能している客の様子を窺う。

 

ローストチキンのレシピッピ「ピピピ〜!」

 

客の一人がチキンを口に運ぶとほかほかハートが溢れ出し、それに反応したのかローストチキン個体が姿を現す。

 

ゆい「皆笑ってる...!」

あまね「ああ。緊張する必要はなさそうだ」

らん「うん!」

ここね「そう言ってもらえて、嬉しい」

咲夜「......」

 

問題なのは、まだ冬美が来ていないという事だ。

俺はあいつと再会した時に、話もせずにその場から逃げてしまった。

情けないな...本当は嬉しい筈なのに、自然と体が震えてしまう。

 

雄大「大丈夫だアキノリ、冬美は絶対に来る」

透冀「ジュニラムとキバーラは冬美のところに居る。今は彼女を信じよう」

ここね「そういえば、その''冬美''って人は前に聞いたんだけど...咲夜達と何か関係があるの?」

咲夜「ここねと華満にもまだ話してなかったな。実は...」

ローストチキンのレシピッピ「ピピピ〜!!」

 

俺が冬美の事を話そうとした矢先にローストチキン個体が謎の吸引力に引っ張られ、そのまま擦り抜けて行った。

 

客A「ローストチキン?」

客B「何か大事な思い出があった様な...」

咲夜「んだよ、こんな肝心な時にッ...!」

 

俺達はナルシストルーとソルトルーの二人と対峙する。

勿論、今回は浅倉も同行している。

 

あまね「待て。レシピッピを返すんだ!」

ナルシストルー「ふん、お断りだ」

ソルトルー「来ましたねライダーの皆さん。今回のバグスターは一味違いますよ...」

『アビアリーバード!』

ソルトルー「出でよ、ワタクシのバグスター!」

ナルシストルー「混ざれ、モットウバウゾー!」

 

今回のモットウバウゾーは胴体となっているボウルを基準に両腕の器具は弓状の赤い銃となっている。後でレグレットに何の器具の名前か聞こう。ソルトルーもバグヴァイザーⅢに装填されたライダーガシャットを装填し、着弾した青い光弾がバグスターの姿を形作る。

両肩装甲は(とげ)の付いた卵の(から)となっており、仰向けになった(はと)時計に()まり込んだ様な姿をしている赤い頭部の(わし)

右手には巨大な釘を、銃と一体化していると思われる左手は手袋を嵌めているせいで銃の形をジェスチャーしてる様にも見える。

 

モットウバウゾー「モットウバウゾー!!」

???「ワシの名はウォブリー。レベルは20や!」

ローズマリー「デリシャスフィールド!」

 

大鷲のバグスターはどうやら関西弁の様だ。

 

ゆい「皆さん。準備は宜しくて?」

「「「勿論ですわ!!」」」

 

ローズマリーがいつものパターンでデリシャスフィールドを展開し、ゆい達は変身に移行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「プリキュア・デリシャスタンバイ!パーティーゴー!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

ゆい「にぎにぎ!」

 

コメコメ「コメコメ!」

 

ゆい「ハートを!」

 

コメコメ「コメコメ!」

 

 

 

 

 

 

ここね「オープン!」

 

パムパム「パムパム!」

 

ここね「サンド!」

 

パムパム「パムパム!」

 

 

 

 

 

 

 

らん「くるくる!」

 

メンメン「メンメン!」

 

らん「ミラクル!」

 

メンメン「メンメン!」

 

 

 

 

 

 

 

「「「シェアリンエナジー!」」」

 

コメコメ「コメ〜!」

 

パムパム「テイスティ!」

 

メンメン「ワンターン!」

 

咲夜「ブフォッ!?」

 

 

 

 

 

 

コメコメ「コメコメ!」

 

パムパム「パムパム!」

 

メンメン「メンメン!」

 

プレシャス「熱々ご飯で漲るパワー!キュアプレシャス!美味しい笑顔で満たしてあげる!」

 

スパイシー「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!分け合う美味しさ焼き付けるわ!」 

 

ヤムヤム「煌めくヌードルエモーション!キュアヤムヤム!美味しいの独り占め、許さないよ!」

 

 

 

 

 

あまね「プリキュア!デリシャスタンバイ!パーティーゴー!!」

 

「フルーツ!ファビュラス・オーダー!」

 

「シェアリンエナジー!」

 

「トッピング!」

 

「ブリリアント!」

 

「シャインモア!」

 

 

 

 

 

 

 

フィナーレ「ジェントルに、ゴージャスに、咲き誇るスウィートネス!キュアフィナーレ!食卓の最後を、この私が飾ろう」

 

「「「デリシャスパーティ♡プリキュア!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナルシストルー「ご機嫌よう。プリキュア」

ソルトルー「それに、仮面ライダーの皆さんも」

ヤムヤム「ひょへっ!?何か挨拶してる...!」

ソルトルー「何を言うのです。挨拶はマナーの基本ですよ?」

ローズマリー「確かに言ってる事は正しいわ...」

ナルシストルー「行け、モットウb...!」

ジュニラム『オ待セテ致シマシター!緊急デリバリーデ御座イマース!!』

 

ローズマリーの正論に応える様にジュニラムが急降下しながら間に入ってくる。

 

冬美「アキノリ!皆!」

雄大「冬美!」

透冀「その様子だと、覚悟を決めたんだね?」

 

俺達も変身しようとした刹那、白いドレス姿の冬美が飛行中のジュニラムから降りて駆け寄って来た。

 

冬美「うん。それに、アキノリとまだちゃんと話せてなかったから...」

雄大「...アキノリ。ちょっと借りるぞ」

咲夜「ちょっ、おい。待てって!ゼロディケイドライバーは俺とレグレットだけにしか使えないんだぞ!?」

雄大「レグレットがブンドル団を裏切った際にディケイドライバーで変身した事があっただろ?それと一緒だ。お前とレグレットがディケイドに変身出来たなら、俺だって変身出来る筈。そう確信したんだ」

 

雄大は物は試しと言わんばかりに腰に巻いたゼロディケイドライバーのサイドハンドルを開き、ライドブッカーからディケイドのカードを取り出す。

 

雄大「アキノリ、冬美との話が終わったら直ぐに加勢しろ。俺もレグレットもお前を信じてるぞ」

【カメンライド ディケイド!】

【ディエーンド!】

「「「変身!」」」

『GUN FORM』

電王G「お前達、倒すけど良いよね?答えは聞いてない!」

 

雄大は無数の人影と重なる事でディケイドに変身。レグレットとローズマリーも変身を完了する。

 

ディケイド(雄大)「レグレットとリュウタはバグスターを、俺はプレシャス達のサポートに入る」

ディエンド「ちょっと待って。浅倉君は常に君を狙っている...彼は執念深い性格だ。此処はイリュージョンを使った方が妥当だろう」

ディケイド(雄大)「えっと、イリュージョン...イリュージョン...あったあった!」

 

雄大はライドブッカーを開くと、イリュージョンのカードが取り出せた。ライドブッカーは変身者の任意で好きなライダーカードを引き出せる便利な武器だ。

早速、雄大はライドブッカーにイリュージョンのアタックライドカードを装填した。

 

【アタックライド イリュージョン!】

ディケイドA(雄大)「うわあっ!?本当に増えた!」

ディケイドB「その声は雄大か!?」

ディケイドC「マジか...!リーダーはどうした!?」

 

Cは本体であるAの変身者に違和感を感じ、俺が何処にいるのかを尋ねる。

やっぱりディケイドが分身した人格は、流石に俺の声にはならなかった。

 

ディケイドA(雄大)「今回は俺が変身者だ。アキノリが冬美との話を着け次第、何とか持ち(こた)えるぞ!」

ディケイドB「分かった。そういう事ならお手のものだ」

ディケイドC「リーダーが話を着けてくるまで、俺達でどうにかしよう!」

 

本体である雄大はプレシャス達のサポートを、Bとレグレットはバグスターを、Cと電王は浅倉の相手を任せる事にした。

 

ナルシストルー「気を取り直して行け!モットウバウゾー!!」

モットウバウゾー「モットウバウゾー!」

咲夜「......」

冬美「さてと、あたしと雄大抜きの旅がどうだったか感想聞かせてもらおっか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DIEND SIDE

 

ウォブリー「ほな、喰らいな!」

 

ウォブリーは滑空しながら左手の銃口を向ける。

足場を撃つ事度に砂煙を巻き上げ、視界を晦まされた僕達に鋭利な翼で特攻してきた。

 

【フォームライド ドラーイブ テクニック!】

【アタックライド ドア銃!】

 

ドア銃を右手に持ち、タイプテクニックにカメンライドしたB個体は頭部のメイン視覚センサー『マルチハイビームアイ』による強力な発光機能でウォブリーを牽制させる。

 

ウォブリー「うわっ!?眩しっ!」

ディケイドB「冷凍食品にしてやる!」

【アタックライド ロードウィンター!】

 

ウォブリーの両翼(りょうよく)が砂煙を無意識に払い退けてしまい、怯んだ隙にBはライダーカードを装填する。

タイプテクニックのタイヤが前方に雪の結晶が描かれた円盤がぶら下がる白いタイヤに変化し、同じくシフトブレスに装填してあるシフトテクニックが車体中央の氷をイメージした装飾が特徴的な白いシフトカ『ロードウィンター』に変化する。

タイヤに装着された瞬間冷凍装置『フロストリーマー』から内部機能を停止させる程の冷凍粒子が放たれるが、ウォブリーは両翼を大きく羽ばたかせながら飛翔する。よく見てみると両脚の爪が完全に凍結しているのが分かる。

 

ウォブリー「ようやってくれたな。だが、この凍った足を上手く利用させてもらうで!」

 

意気揚々としたウォブリーは、氷の鉤爪(かぎづめ)を使った足技で僕達を翻弄(ほんろう)する。

銃弾を避けながら距離を詰めたところで左脚による(かかと)落としを僕は左腕で受け止めるが、ウォブリーがほくそ笑むと左腕が一瞬で凍結した。

 

ディエンド「まさか、これを狙って...!?」

ウォブリー「せや、ワシは空の支配者や。荒鷹も恐れるところをワシは飛ぶんや!はぁッ!!」

 

今度は連続で後ろ蹴りを繰り出し、僕の装甲が(かす)れると同時に凍結させる。

体の温度を奪う程の凍傷を耐える根性を持ってるバグスターは初めて見たけど、このままだと凍傷するどころか体力と視力を同時に奪われてしまう。

そう判断したBはライダーカードを装填しながら駆け出した。

 

ディケイドB「自ら冷凍食品になりかけても戦うその根性...気に入った!」

【フォームライド ゼロゥワァン...フレイミングタイガー!】

『Gigant flare!フレイミングタイガー!"Explosive power of 100 bombs." 』

 

ゼロワンの仮面が二つに分かれ、両腕の手甲となる。

両肩・胸部・両手・両腿に真紅のアーマーが装備され、頭部は青い複眼を持つ虎の顔を模している。

熱を纏ったゼロワン フレイミングタイガーとなったBは高い柔軟性を備えた両腕とウォブリーの凍結した両脚が打つかり合う。

打ち込まれた箇所は熱を浴び、切り裂かれた箇所は一瞬で凍結する。だがフレイミングタイガーは常に熱を(まと)っているため、凍り付いた箇所がみるみる溶けていった。

 

ウォブリー「あんた中々やりよるな。せっかくワシが作った氷の鉤爪は溶けたかってな!だが、お前らはまだまだ嵐の中やで!」

 

氷の鉤爪が無効化されても遣り甲斐があったウォブリーは両翼で飛翔しながら、俺達に提案を持ち込んだ。

 

ウォブリー「空中戦で決着つけたる!ディエンド、あんたも来ぃや!」

ディエンド「いいの?僕も君との戦いに混ざれば、それは正々堂々とは言わないけど...」

ウォブリー「ワシはええ。こうやって胸が(たかぶ)ってる奴と戦ったの生まれて初めてや!敵さん来よったら二人でも三人でも堂々と受け入れる。それがワシの遣り甲斐なんや」

 

僕達がこれまで戦ってきたバグスターの中でも意欲的だ。

僕もかつては怪物だった。彼の意見を鵜呑(うの)みにしない訳がない。

 

ディエンド「...分かった。それが君の礼儀だと言うのなら僕も参加させてもらうよ」

ウォブリー「おおきに!」

【フォームライド ゼロゥワァン...フライングファルコン!】

『Fly to the sky!フライングファルコン!"Spread your wings and prepare for a force." 』

 

分割されたゼロワンの仮面が側頭部に移動し、スカーレットからマゼンタカラーの装甲に差し替えられる。

緑の複眼を持つ(はやぶさ)を模した頭部。ゼロワン フライングファルコンになったBは付加された飛行能力でウォブリーに向かって行く。

 

【カメンライド アギト!】

【ファイナルフォームライド ア、ア、ア、アギト!】

 

ゼロディエンドライバーで召喚したアギトが背後から黄色い衝撃波を受けると、浮かび上がったアギトの紋章と共に変形をし始める。

『マシントルネイダー』のスライダーモードを模した『アギトトルネイダー』に変形を果たすと、僕は台座の上に乗ってウォブリーに向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A(YUUDAI) SIDE

 

【フォームライド クウガ ドラゴン!】

ディケイドA「やっぱクウガ一択だな」

 

両腕の銃口を向けたモットウバウゾーは、鞭の様なレーザーを放つ。

当然飛び上がったプレシャス達に避けられた事で地面に着弾し、土煙が発生する。

 

プレシャス「1000キロカロリーパー...ンチ!?」

 

頭上を見上げたと同時にプレシャスはカロリーパンチを、俺はドラゴンロッドの先端に封印エネルギーを込めてモットウバウゾーの腹部に叩き込もうとした。

 

「「うわあーーーっ!?」」

 

ぽっこりとした腹部がお腹に力を入れる様にその形を変化させ、皿の見込みの形状となる。

そして腹部を元の形状に戻す勢いで俺達を吹っ飛ばす。

 

ヤムヤム「バリバリカッターブレイズ!」

モットウバウゾー「ウ〜バ〜ッ!」

 

ヤムヤムもカッターブレイズを放つも、さっきと同じパターンで技を相殺されてしまう。

 

ジュニラム『アノポッコリオ腹デ相殺出来ルナンテ聞イテナイヨ!』

ディケイドA(雄大)「まぁ、(もと)となった器具の一つがボウルだからな。腹部が駄目なら頭で...!」

???「私に任せろ!はああーッ!!」

モットウバウゾー「ウ...バ〜!?」

 

突如乱入してきたブラペの飛び蹴りがモットウバウゾーの頭部に直撃。

よろけた事で隙が生まれ、フィナーレはクルーミーフルーレによるフィナーレブーケを放つ。

 

フィナーレ「プリキュア・フィナーレブーケ!」

モットウバウゾー「ウバババババババ...ウバッハー!?」

 

モットウバウゾーはさっきの攻撃で千鳥足になっていたため、跳ね返す暇もなく転倒した。

 

フィナーレ「又あの男...!?」

ジュニラム『ブラペダ!来テクレタンダ!』

ディケイドA(雄大)「来るタイミングが合い過ぎてるな」

ナルシストルー「全く...無関係な女を連れて来たカブトムシに続いて割り込んで来るなんて。マナー違反だよ」

フィナーレ「思い出を滅茶苦茶にした貴様に、マナーを語る資格などない!」

ジュニラム『ソーダソーダ!猫舌!食ワズ嫌イ!口ナシ芳一!』

『ADVENT』

 

ジュニラムの罵倒(ばとう)が気に入らなかったのか、C達と交戦していた王蛇はベノバイザーにアドベントカードを装填。

召喚されたエビルダイバーとジュニラムによる空中戦が繰り広げられた。

 

会話中のアキノリと冬美に、そしてナルシストルーに憤慨するフィナーレにモットウバウゾーのレーザーが不意に放たれる。

 

「「「「「危ない!!」」」」」

咲夜「チッ!」

 

話の途中だったアキノリが舌打ちをしながら左手でオーロラカーテンを壁として展開し、スパイシーがメロンパン型のバリアを貼って二人を守った。

更には右手を(かざ)してオーロラカーテンをもう一度展開し、モットウバウゾーを弾丸の雨で牽制(けんせい)させた。

 

咲夜「話の途中だ。邪魔するな...!」

モットウバウゾー「ウバ〜!!」

プレシャス「はあああーーーーッ!!」

モットウバウゾー「ウ!ウバ!ウババ!ウバーッ!!」

ヤムヤム「ホワチャー!!」

モットウバウゾー「ウバーッ!?ウバ!ウババババ!ウバーババババ!」

 

プレシャスはモットウバウゾーが振り下ろした右腕を馬跳びの要領で助走を付けながら右拳を叩き込もうとするが、残った左腕で受け止められる。

彼女に続く様にブラペとヤムヤムが加勢し、格闘技でモットウバウゾーで撹乱(さくらん)させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

冬美「やっぱ変わってないね。そのウザったいとこ」

咲夜「そういうお前こそ、生意気な態度は相変わらずだな...ぐっ!?ハハハハハハハハッ...!!」

 

俺は自分の態度を指摘された冬美に右側の首を突かれてしまい、そのまま窒息しかねない程に爆笑する。

そんな笑い転げる俺を見て、冬美はふふっと笑ってみせた。

 

冬美「...はぁ、もうなんだろ。あんたと一緒に笑ってたら、もう何を話してたのか忘れちゃった」

咲夜「...冬美。済まなかった!!」

 

俺は冬美に土下座をしながら謝意を述べる。

 

咲夜「俺、本当は寂しかったんだ!雄大とお前を突き放して後悔してたんだ!!俺は...俺はただ、四人でもっと旅をしたかった」

冬美「......人の命を奪う必要なんてなかった」

咲夜「そうだ。そうすれば、こんな事にはならずに済んだ。お前らと別れてから、一人旅をしてる途中で出会った褐色(かちいろ)の少女が言ってたんだ...」

えれな『うちの弟と妹もよく喧嘩してさ、ホント参っちゃうんだよね。でも、いつも言ってるんだ『先ず、相手の話を聞いてあげな』って』

 

俺はひかる達の世界でえれなの言葉を思い返す。あの言葉は当時、雄大と冬美を突き放した俺の心に深く突き刺さった。

あの時、激情態に暴走する前の俺が(いち)早く相談していたら、こんな悲劇は起こらなかった。二人を突き放さずに済んだ。

後悔の念に押されながらも俺は続けて声を出した。

 

咲夜「あのドーパントを自分の手で(あや)めた時、何で心が(たぎ)っていたのかよく分からなかった。他人の存在価値を否定する様な奴がどうしても許せなくて、頭ん中が混雑してて、自分勝手に辺りに怒鳴り散らして...あの時の俺はお前らに迷惑を掛けまくったし、取り返しのつかない事をしてしまったんだッ!!」

 

本音を言う度に俺の目には大粒の涙が流れていた。

 

咲夜「ごめんなさい...ごめんなさい...本当にごめんなさいっ!!」

 

ガキの様な慟哭(どうこく)を上げても、冬美は黙然としている。

地べたを付きながら泣き、鼻水を垂らした情けない姿を見ても流石に許してもらえないだろうな...。

 

冬美「...なんだ。ちゃんと素直に言えてるじゃん。人を殺す事が怖いって感じたあんたは、それほど恐い思いをしてたって事でしょ?あんたには命をかけがえのないものだって理解することが出来る、誰にでも優しく接することが出来る思いやりの気持ちがある。だから...あの時あんたを止める事が出来なかったあたしも、雄大も、一緒に罪を背負って...いや、一緒に分かち合いながら償うつもりでいるから」

咲夜「冬美。こんな俺を許すっていうのか?人を無惨に殺めてしまった俺を...」

冬美「当たり前でしょ?でも、これだけは約束して。今度激情態になってあたし達を突き放したら、一生旅してあげないから」

 

そう警告した冬美はぐしゃぐしゃになった俺の顔をハンカチで(ぬぐ)い、差し伸べた手で立ち上がらせる。

かつてはながエリの涙を拭った様に...。

 

咲夜「有難う冬美。俺はまだまだ未熟だ...やっぱり、お前と雄大が居ないと駄目だよ」

冬美「まだそうとは決まってないでしょ?キバーラ」

キバーラ「はいは〜い!」

 

冬美が一声掛けると、キバーラが姿を現す。

 

冬美「行くよ」

咲夜「ああ...ってか、ちょっと待て。今雄大がディケイドに変身してるんだ!雄大!雄大ー!!」

 

俺が強く呼び掛けても、レグレットと雄大は目の前の敵と応戦中だったため無理だった。

 

咲夜「駄目だ、全然聞こえない...」

冬美「あたしも多分そうなるかなって予想してた。鳴滝さんから''ある物''を借りてきて正解だった」

咲夜「''ある物''?」

 

冬美が取り出したのは、右側に金のラインに囲まれた赤い球体が埋め込まれているベルトとナックルダスターの様な形をした変身アイテムだった。

 

咲夜「これって...『イクサベルト』!?よく借りてこれたな...」

冬美「キバの鎧はファンガイアの血を引いていない人間には負担が掛かるんでしょ?だから、これしかなかった」

咲夜「これで俺も戦えると言いたいところだが、問題はスーツに適合出来るかどうか...いや、俺なら変身出来る。こうなりゃ一か八かだ!」

 

冬美はキバーラを摘み、俺はイクサベルトを腰に巻いてジェネレーター発動機キー『イクサナックル』の電気接点『マルチエレクトロターミナル』を左掌(ひだりて)に当てる。

 

『レ・デ・ィ?』

咲夜「よし、鳴った!」

 

上手く適合に成功し、機械音声が鳴った事を確認した俺は喜びの声を上げる様子に冬美は少々驚いていた。

イクサナックルを持った右手を突き出し、腰を少し落として八極拳を思わせる構えを取った。

この変身ポーズは俺が変身していたディケイドの変身ポーズを彷彿(ほうふつ)とさせている。

 

「「変身!」」

『フィ・ス・ト・オ・ン!』

キバーラ「チュッ!」

 

イクサナックルをイクサベルトの左側に接続させると、赤い宝玉『イクサジェネレーター』から金色の十字架が俺の目の前に飛び出す。

そして十字架を基点に形成されたスーツと一体化した俺を、仮面ライダーイクサ セーブモードに変身させる。

冬美もキバーラの呟きと共に無数のハートに包まれ、仮面ライダーキバーラへと姿を変えた。

 

イクサ「雄大、レグレット!遅れて済まかった!」

ディケイドA(雄大)「仮面ライダーイクサ!?いや違う...その声はアキノリか!?」

ディエンド「それはイクサベルト...それを何処で!?」

イクサ「説明は後回しだ。漸く嘗ての四人が揃ったんだ...久々の決め台詞、行くぞ!」

 

今度は届いた様でレグレットと雄大は目の前の敵と戦いながら決め台詞を言う。

 

挿入歌『夢乃ゆき/Utopia or Dystopia』

 

イクサ 「歴史を繋ぐ継承のパワー!仮面ライダーイクサ!その命、神に返しな!」

キバーラ「「世界に輝く女騎士(ヴァルキリー)!仮面ライダーキバーラ!貴方(あんた)の野望、止めてあげる(わ)!」」

ディケイドB・C「「全てを束ね、全てを創る!仮面ライダーディケイド!旅の語らい始めようか!」」

ディケイドA(雄大)「ゼロから始まる古代のエナジー!仮面ライダーディケイドクウガ!皆の笑顔は俺が...俺達が守る!!」

ディエンド「後を縋らず全てを撃ち抜く!新たな旅に悔いなき選択を!仮面ライダーディエンド!僕の旅の行先は...いや、僕達の旅の行先は!僕達が決めるッ!!」

電王G「僕はもう言ったからいいよ!」

 

リュウタロスは既に変身後の台詞を言ったから、無理に言う必要はない。

 

イクサ「全てを破壊し、全てを繋ぐ!」

「「「「「「「我ら、仮面ライダー!」」」」」」」

イクサ「さぁて、記念すべき完全復活だ!デカブツにはデカブツで対抗しないとな」

 

俺は白いラインが左右に走っている『フェッスル』と呼ばれるアイテムを、イクサベルトの左側にある読み取り装置『フェッスルリーダー』に差し込んで右側のイクサナックルで押し込む。

 

『パ・ワ・ア・ダ・イ・ザ・ア』

 

地面から土煙を巻き上がらせながら出現したのは、白いティラノサウルス型の巨大重機『パワードイクサー』だった。

俺は直ぐに左側のコックピットに乗り込み、ベルトから取り外したイクサナックルをセットする。

 

ナルシストルー「ふん、思いやりなど反吐(へど)が出る...ライダーが増えても結果は同じだ。やってしまえ!モットウバウゾー!!」

モットウバウゾー「ウバッ!」

 

モットウバウゾーの声と共にパワードイクサーの偏光(へんこう)グラス『パーティクルアイ』が真昼の如く発光する。上手く起動出来て良かった。

プレシャス、ヤムヤム、ブラックペッパーの三人は既に疲弊(ひへい)状態となっているが、雄大達もまだまだ行ける様だ。

鞭状のレーザーをサンドプレスで挟んで相殺するスパイシー。それに続いて俺はコックピットにセットしたイクサナックルの操作に連動している左右八発(もう)けられた次世代電子モニター『パワードサーボモーター』が、液体爆薬やナパーム弾薬などが詰められているマルチポッド『イクサポッド』を上(あご)部『ザウルクラッシャー』と下顎部『アンダークラッシャー』で掴み、モットウバウゾー目掛けて投擲(とうてき)する。

 

モットウバウゾー「ウバッ!?」

 

モットウバウゾーが投擲されたポッドの爆発で怯んでいる隙にキバーラが愛剣のキバーラサーベルを逆手で持ちながら背中に紫の粒子を翼に変えて飛翔する。

 

キバーラ「「''笑いのツボ''!」」

モットウバウゾー「ウバッ!?ウバーハッハッハッハッハッハ...ウバハハハハハハハハハハ...!!」

フィナーレ「離れてろキバーラ。プリキュア・デリシャスフィナーレファンファーレ!」

 

サーベルの柄で右側の首を突かれて爆笑するモットウバウゾーにフィナーレは浄化技を放つ。

 

モットウバウゾー「お腹いっぱい!」

「「ごちそうさまでした!」」

ローストチキンのレシピッピ「ピピピ〜!」

 

モットウバウゾーの消滅に伴い、ローストチキン個体は解放された。

しかしこれだけでは飽き足らず、俺はイクサナックルのマルチエレクトロターミナルに似ている銀のフェッスルをイクサドライバーに読み込ませながらパワードイクサーのアームに乗り込み、放り出された勢いでイクサナックルを構える。

 

『イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ』

イクサ「ブロウクン・ファング!」

 

B達との距離を空けながら銃撃するウォブリーの背後からイクサナックル振り下ろすが、案の定右側に避けられてしまう。

 

ウォブリー「不意打ちのつもりやったが、惜しかったなあんちゃん...ぐっ、何やて!?」

 

だが、俺はこれしきの事で諦めたりはしない。イクサナックルのグリップ部分『パワーグリップ』を左手に持ち返ながら右手でウォブリーの胸元を掴み、五億ボルトの電流を流し込む。

 

ウォブリー「うおああああッ!?」

 

ウォブリーは電流が体中に走るあまり、苦痛の声を上げる。

このグリップはイクサの掌に確実に吸い付くため、脱落を防止出来る。

両翼の安定が崩れた事で、俺はBとレグレットに合図を送った。

 

イクサ「今だB、レグレット!」

【ファイナルアタックライド ゼ、ゼ、ゼ、ゼロゥワァン...!】

【ファイナルアタックライド ア、ア、ア、アギト!】

ディケイドB「言われなくてもそのつもりだ。レグレット、使え!」

ディエンド「有難く使わせてもらうよ。ディエンドトルネイド!はあああ...はぁッ!!」

 

ファイナルアタックライドのカードを装填したBに手渡されたライドブッカーをレグレットはウォブリーにすれ違いざまの横一文字斬りをお見舞いする。

Bも続いて背中に両翼を生やした状態でウォブリーに組み付いて地面に大きく叩き付ける。

 

イクサ「ぐっ!?」

 

ウォブリーは最後の足掻きとして両翼から飛ばした青い羽を、俺の左の脹脛(ふくらはぎ)に命中させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディケイドB「はぁぁぁ...はあああーーーーッ!!」

 

 

 

 

グインパクト

 

 

 

 

 

ウォブリー「ぐあああーーーーッ!!」

 

飛行して追撃する超高速の飛び蹴りでトドメを刺し、ウォブリーは断末魔を上げながら爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IXA SIDE

 

フィナーレ「おかえり」

ナルシストルー「やれやれ。次は挨拶抜きで行くか」

ソルトルー「今回は良い学びになりましたよ。またお会いしましょう、坊っちゃま」

 

ローストチキン個体がハートフルーツペンダントに格納されると、ナルシストルー達は姿を消した。

 

ウォブリー『後は頼んだで。我が息子よ...』

 

バグヴァイザーⅢの液晶画面越しのウォブリーが意味深な言葉を残していた事はまだ知らなかった。

BとCは役目を終えたのか、ぼやけながら消滅する。俺はさっき左脚に突き刺さったウォブリーの青い羽を確認してみると、羽柄(うへい)のところがオレンジ色に小さく発光している。

恐らく、この小さな光はバグスターウィルスで、俺の体内に流れ込んでいる。俺以外に感染する確率はきわめて低いが、変身解除後は無闇に引き抜かないでおこう。

若しも羽を引き抜いてしまえば、バグスターウィルスが溢れ出るだけでなく、デリシャスフィールド内に居る...いや、デリシャスフィールド外にいる人達を感染させてしまう(おそれ)があるからだ。

 

イクサ (...これは、後でレグレット達に()てもらおう)

ディケイドA(雄大)「冬美。やっぱりお前もこの世界に飛ばされたのか?」

キバーラ(冬美)「うん。鳴滝さんに『ソルトルーには気を付けろ』って警告されたから...今言ってもいいかな?」

ディエンド「丁度僕も知りたかったところなんだ。何故君達二人がこの世界に来たのか、ブンドル団の料理人 ソルトルーは一体何者なのかを...やっぱり、『財団X』と何か関係があるの?」

イクサ 「''財団X''!?」

 

その言葉に俺は声を上げる。

財団X。百年以上前に存在しており、俺の失っていた記憶の感情を利用してレグレット達セカンドロイミュードを生み出した元凶とも呼ぶべき闇の組織。

はな達の世界で雄大達と別れた後、セカンドロイミュード最後の一体となってしまったレグレットはひかる達の世界で戦った元ノットレイダー ドラクールとの戦いにて、イマージジュエルに『フワを元の姿に戻して自分を一生歳を取らない人間にしてほしい』との願いで事実上人間になり、セカンドロイミュードは撲滅した。

 

キバーラ(冬美)「うん。レグレットが察してた通り、ブンドル団の料理人 ソルトルーは元財団Xのメンバーなの」

ディケイドA(雄大)「俺もその事は鳴滝さんから聞いたけど、中々言うタイミングが見つからなくてさ...冬美が来たら話そうと思ってたんだ。本名は確か、''塩谷''だった気がするけど....?」

ディエンド「''塩谷''だって...!?」

 

雄大から告げられたソルトルーの本名にレグレットは驚く。

レグレットは俺の転生前の記憶の全てを持っている唯一の存在だからな。ソルトルーの正体を聞けるのはこのタイミングが一度きりだ。

 

イクサ「レグレット、何か知ってるのか?」

ディエンド「ああ、塩谷祐平(しおやゆうへい)。僕にとっては良き父親の様な存在だったんだ...通りで顔が似ていたし、僕がセカンドロイミュードだった事も知っていた訳だ。それにしても、どうしてあの人がブンドル団なんかに...?」

 

話によると、ソルトルーは財団Xに所属していた頃にセカンドロイミュードの記念すべき第一号であるレグレットを『坊っちゃま』と呼びながら我が子の様に育てていた。だが......!

 

祐平『坊っちゃま!例え別の世界に放り出されようとも、必ずやワタクシが貴方を見つけ出してみせます。それまではどうか!どうかご無事で...!』

レグレット『塩谷ー!』

 

『セカンドロイミュードの個体数を増やすための道具』と他の財団メンバーに称されていたレグレットを全力で庇っていた事もあったが、組織に違反した事で別世界に繋がる空間に飛ばされてしまった。

その空間に繋がっている世界は指定ではなくランダムで、恐らく飛ばされた場所が偶然か否かクッキングダムである可能性が高い。

そこで何らかの経緯でゴーダッツと出会い、レグレットとの再会を果たすためにブンドル団に加入した...。

真相はまだ闇の中だが、これから明らかになっていくだろう。

 

プレシャス「あれ?ブラペも消えちゃってる...」

フィナーレ「ブラックペッパー...奴は一体何者なんだ?」

 

プレシャスが辺りを見渡しても、ブラックペッパーの姿はなかった。

更なる疑問を抱くフィナーレ。状況はどうあれど、レストランに居た客達の思い出を取り戻した事に変わりはない。

俺達はデュ・ラクに戻る事を優先した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

「「あまね!」」

あまね「どうして兄さん達が...!?」

 

突然の黒と紺のタキシードを着ていたゆあん達にかいちょは驚く。

実は昨日、ローズマリーがここねに頼んで二人を呼んでおいたのだ。

 

ローズマリー「二人共、メガ盛りに似合ってる〜!」

ゆあん「お招き頂き、辱い...」

みつき「皆、湖畔(こはん)に咲く可憐(かれん)の花の様だね」

???「すみません!遅刻してしまって...!」

 

背後から唐突に声が聞こえる。

白いタキシードを着た品田が俺達の方へ赴くと、膝を突きながら息を切らす。

 

ゆい「マリちゃん。拓海も呼んでたんだ!」

拓海「いいだろ、別に...ん?」

ゆい「?」

拓海「な、何でもねー!////ってか、何だよ門津!その顔!」

 

顔を紅潮する品田を見て俺は顔がにやけてしまうが、親指を立てた冬美を見て首元を押さえる。

本来ならゆいが品田に『どう?似合ってる?』って言う立場だが、食いバカを卒業出来るまではまだまだ時間が掛かりそうだ。

 

ここね「では、頂きましょう...」

 

少し時間が経ってから、俺達はデュ・ラクの料理を堪能する。

ナプキンを膝の上に置き、皿の中心に置いてある料理を左手のフォークで抑えながら、右手のナイフで一切れ程度に切る。

そして切った料理をフォークで口に運び、その味を噛み締める。なるべくゆっくりと味わっとかないと。

(くちびる)と歯と舌の三つのコンビネーション。それは魚料理を口に入れた時にも想像出来るだろう。

 

ゆい「デリシャスマイル〜...!」

 

ゆいもいつもの口癖をマナーとして控えめな声量で言った。

俺達ライダー組四人も、ゆい達のテーブルの右側で料理を堪能している。

 

透冀「...うん、美味しい。悪くないね」

雄大「しっかし驚きだなあ。まさかレグレットがセカンドロイミュードから人間になっただなんて、俺でも予想外だったさ」

冬美「ホントだよ。あたしと雄大が居ない間にそんな事があったなんて...アキノリ?何で急に泣いてるの!?」

咲夜「うっ...うぐっ...えぐっ...ゔうっ...!」

 

俺は嬉し涙を流しながら料理を口に運んだ。もう二度と揃う事もないと思っていた光景が、こうして再び俺の目の前に映っている。

こんな嬉しい事が他にはない。

 

咲夜「俺、嬉しいんだ...こうして四人揃って飯を食える事なんて、もう二度とないかと思ってたからっ...!」

透冀「アキノリ...」

咲夜「冬美、雄大。済まなかった...お前らを突き放して」

冬美「もういいよ、そんな話。もう過ぎた事でしょ?」

雄大「冬美の言う通りだ。今度お前が激情態になった時は全力で止めてやるからさ、もうあの出来事を引き()らなくてもいい。俺達は...いつでもお前の味方だ」

 

俺は二人の肩を寄せながら組んだ。

 

咲夜「もう二度と、お前らを裏切る様な真似はしないと誓う。だからもう一度、俺と一緒に戦ってくれるか?」

冬美「言われなくても」

雄大「俺も冬美と同意見だ」

透冀「僕からも、また宜しく頼むよ」

 

和解を果たし、新たな仲間が加わった事にゆい達は歓迎した。

 

ゆい「これから宜しくね。冬美ちゃん!」

らん「らんらんも。ふゆゆん!」

女子「あのお姉さん達、綺麗...お城の舞踏会みたい!それに、あっちのお兄さん達も..!」

 

母親と一緒にデュ・ラクに来ていた女の子が俺達を称賛すると、ローズマリーがある事を提案する。

 

ローズマリー「いいわね。だったら踊りましょう!」

ここね「えっ、本当に...!?」

咲夜「ここね。今こそ、ピクニックの時の失敗を挽回(ばんかい)する時だ...と言いたいところだが、先ずは料理を食べてからだな」

 

食事を食い終えてから数分後、即席の舞踏会で俺達は楽しく踊ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キバーラ(冬美)「今日はレッドワイン。あたし達と、乾杯!」

キバーラ「乾杯〜!」

 

 

オリジナルED『吉武千颯 /DELICIOUS HAPPY DAYS♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□ 

 

 

 

 

次回、デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~

 

雄大「俺、もっと強くなりたいんだ...」

 

咲夜「先ずは相手の話を聞いてやれ」

 

フィナーレ「はごろも堂を想う気持ちは...私も同じだ!!」

 

第二十一品:この味を守りたい…!らんの和菓子大作戦/付け足す金の力!雷のライジングフォーム

 

全てを破壊し、全てを繋げ!

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、らんとあまねが喧嘩...!?


















如何でしたでしょうか?遂にディケイド組が揃いました!
今回は少し、咲夜君と透冀君の過去について触れさせてみました。
そろそろ''塩''だけに''潮''時。カップヘッド DLCのネタバレを含みますが、ソルトルーのキャラモデルはシェフ・ソルトベイカーとなっております。
また、これまでソルトルーが使役してきたバグスター達は全てカップヘッドのボス(食べ物系)をモチーフにしています。




~モチーフ一覧~
カーファー= エスター・ウィンチェスター(DLCのエンディングでエスターがスパゲッティを食べようとしているコマがあったため選抜)
ルパニカル=根菜一家(肉じゃがの具材の理由で選抜)
シミー=レディ・ボンボン(お菓子繋がりで選抜)
ベリーマン=山男イワフマン(撃破後にイチゴが入手出来るため選抜)

勿論、ウォブリーさんは『オオトリ・ワシノスケ』をイメージしたバグスターであり、二十話に登場したローストチキンのレシピッピと鳥だけにチキンのイメージが沸き出ましたので、そちらを選抜致しました。
投稿が少し遅くなる事もあるかもしれませんが、これからも『はかたべ』を宜しくお願いします!




初使用したカメンライド

なし


ディエンドが召喚したライダー

アギト

~ソルトルーのオリジナルガシャット~

アビアリーバード

主人公の幼い鳥が、ロック鳥を討伐するために様々な鳥と戦う横スクロールシューティングゲーム。

ウォブリーバグスター
ICV:小野坂昌也
身長:192.2cm
体重:97.1kg
特色/力:両翼の羽を飛ばす/左腕による銃撃/鉤爪による足技
モチーフ:オオトリ・ワシノスケ、タルタバード、マイティイーグル(アングリーバード)




KAMEN RIDE
-昭和-
V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、ZX、BLACK、BLACK RX
-昭和(ネオライダー)-
真、ZO
-平成1期-
ファイズ
-平成2期-
補完完了
-令和-
補完完了...?
-TVシリーズ外-
仮面ノリダー、ホッパー1号(The First版1号)、ホッパー2号(The First版2号)、ホッパーVersion3(The Next版V3)、G、アマゾンズ(オメガ、アルファ、ネオ)、ミライダー(シノビ、クイズ、キカイ、ギンガ)



遂にはかたべ版 ディケイド組が揃った!ジュニラムとキバーラが人間体になってほしいならどっちを選ぶ?(改)

  • ジュニラム
  • キバーラ
  • どっちも
  • そのままの姿でいい
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