デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~   作:ライノア

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二十一話、如何ぞ。










「アキノリ、レグレット。久し振り」

これまでの~破壊者の食べ歩き~は...?

「『思いやりこそマナー』...きっと、今の私に必要な言葉だ」

「この赤い夕日や日常という青い日々も忘れたりはしないし、消えたりはしない」

「俺もレグレットもお前を信じてるぞ」

「あの時あんたを止める事が出来なかったあたしも、雄大も、一緒に罪を背負って...いや、一緒に分かち合いながら償うつもりでいるから」

「もう二度と、お前らの期待を裏切る様な真似はしないと誓う。だからもう一度、俺と一緒に戦ってくれるか?」






第二十一品:この味を守りたい…!らんの和菓子大作戦/付け足す金の力!雷のライジングフォーム

Touki side

 

らん「ああ〜っ!頭が爆発しそう〜!!」

雄大「あれ?今の声ってらんちゃんじゃないか?」

透冀「華満少女。一人街で物騒な声を上げてどうしたの?」

らん「ゆーゆーにわだぷー!それにあまねんまで!夏にぱんだ(けん)のメニューでかき氷を出す事になって、どんなのにしようかと考えてるんだけど全然思い浮かばなくて...」

 

夏に近付いてきている6月26日。

僕と雄大は菓彩少女と共に街を歩いていると、一人で思い悩んでいる華満少女と遭遇する。

 

あまね「かき氷かぁ...」

雄大「かき氷の上から違う味のシロップをかけるってのもアリだけど、それをやるのはアキノリぐらいだな」

 

雄大はかき氷のシロップについて苦笑する。まぁ、店の個性とかは大事だね。

実は僕達旅仲間三人はとある世界でアキノリ特製のかき氷を食べた事がある。でも、やっぱり僕は種類は一つに限るね。

 

あまね「に、二色のシロップを上にかける!?咲夜の奴、そんな事までしてたのか...!?」

透冀「うん。でも、どうせ二色にするなら上と下に分けた方が都合が良いと思うよ?」

らん「それじゃ雰囲気が出ないよ。何かこう、ぱんだ軒特製って感じがほしいんだけど...って、うわあ〜っ!!!?」

あまね「急にどうした!?」

 

唐突に悲鳴を上げる華満少女。ショックを受けながら指を指したのは、時代劇並みのお店。

本日休業中の看板の左側に引貼られているチラシには、『当店は休日をもって閉店致します』と記載してあった。

華満少女は冷や汗を掻きながら店の前まで駆け出し、チラシの文章を朗読する。

 

らん「『日頃、ご愛顧頂き有難う御座います。当店は今月をもって閉店致します』...へ、閉店!?ほげぇ〜っ!!」

あまね「馴染みの店なのか?」

らん「あのお菓子めちゃくちゃ美味しくて、よく来てた!何で閉店...!?」

通行人「今度近くにでっかいデパートが建つんだよ。そこに沢山和菓子屋さんが入るみたいで、六十年も仕事に愛されてきたのにねぇ...」

 

そう華満少女が意見を言っていると、五十代近くの男性が悲しげな表情で閉店する理由を語る。

 

雄大「六十年...!?そんな昔からあったんですか?」

通行人「うん。君達も(さみ)しいよねぇ...?」

らん「そ、そんな...!」

 

更にショックを受け、華満少女は再び悩みながら唸り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の破壊者 ディケイド。幾つもの世界を巡り、この世界にて何を噛み締める?

 

イメージOP2『MYTH&ROID/VORACITY』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

らん「うーん...」

 

あと数分で数学の授業が始まろうとする中、華満がハートキュアウォッチの液晶画面をアップさせながら悩んでいた。

 

ゆい「らんちゃん。何してるの?」

咲夜「あれだろ?確か『はごろも堂』って店が今月で閉店するって話...」

らん「うん、大好きな和菓子屋が閉店しちゃうの。だからどうやったらお客さんを沢山呼べるか考え中...」

 

やはりな、雄大とレグレットから聞いた通りだ。

 

咲夜「それなら————」

ここね「キュアスタで宣伝するって事?」

らん「そう!何か良いアイデアない?」

ゆい「あまねちゃんにお願いして全校放送で流して、皆に宣伝するのは?」

らん「はにゃ〜!それ良いアイデア!」

 

生徒会室にてかいちょに許可を得られたが、何故だか戸惑ってる様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Yuudai side

 

ローズマリー「此処、激盛りに来てみたかったのよ!」

 

放課後に俺達は、はごろど堂に訪れる。

二枚の散らしには今月の和菓子の内容が記載されていて、引き戸を開けるとらんちゃんが目を大いに輝かせた。

 

???「いらっしゃい」

『こんにちは』

 

赤い暖簾(のれん)を潜りながら出てきたのは、優しそうな雰囲気を持つ年配の女性だった。

恐らくこの人が、このはごろも堂を経営してる咲枝さんだと思われる。

 

らん「はわ!かき氷!」

 

らんちゃんが右側の壁を見てかき氷や宇治金時(うじきんとき)の壁紙が貼られてある。

 

咲枝「ちょっと早いけど、楽しみにしてるお客さんがいらっしゃるから」

らん「そうなんですね...!」

コメコメ「早く食べたいコメ〜」

咲枝「有難う」

雄大「此処の和菓子って、中で食べられるんですか?」

咲枝「ええ。是非食べて行ってください...」

 

何かこのおばあさん、栄次郎さんみたいな温厚な人だな。

そう思いながら俺達は和菓子を堪能する事にしたいところだが、豆饅頭(まんじゅう)に目を付けたコメコメを優先する事にした。

 

ゆい「コメコメ、最近いっぱい食べる様になったね!」

コメコメ「おいちいコメ!」

ローズマリー「買って帰るのもいいけど、この場で食べられるっていうのもいいわよね」

 

らんちゃんがはごろも堂の店内をハートキュアウォッチで撮影し始めた。

 

ここね「キュアスタ用?」

らん「うん。最近イートインのお店も()せる様にしたんだ」

 

アキノリが真面な表情でカウンターの左側に配置してあった招き猫に目を付けていた。

本来ならコメコメを見て恍惚(こうこつ)になる(はず)が、何かそっち側に大して違和感を感じさせる。

 

咲夜「......」

冬美「アキノリ、どうかしたの?」

咲夜「ああ。あの招き猫、なごみ亭に置かれてあった置き物と同じだと思ってさ...」

咲枝「お待たせしました」

 

咲枝さんが持っていたお盆に置かれていたのは、水無月(みなづき)と宇治金時だった。

 

らん「ほけぇ〜、何と美しい緑!そして頂上からの曲線は豊かな京都の山の霊山のよう...!」

咲夜「このかき氷、上に抹茶のシロップがかけてあるぞ。それに餡子や白玉も相まって、まるで生い(しげ)った森みたいだ...」

あまね「これは宇治金時だな」

 

冷静にあまねちゃんは答えると、アキノリは首を傾げる。

 

咲夜「ウジキントキ?くりきんとんみてーな名前してんな...うっ!?ハッハッハッハッハッハッハ...冬美、何しやがる!?」

 

冬美はアキノリに笑いのツボを容赦なく押して外方(そっぽ)を向き、らんちゃんはハートキュアウォッチで写真を撮ってから宇治金時をスプーンで口に運ぶ。

 

あまね「...あの二人、いつもこんな感じなのか?」

雄大「ああ。アキノリが勝手な行動をする度に押されてたから...」

メンメン「皆、ここからがらんちゃんの凄いところメン!」

らん「ふおわあ〜!口の中に京都が広がる〜!時折感じる抹茶の苦味がその奥にある甘みを引き立ててくれる...まるで慣れない着物でゆっくりしか歩けないけど、その分じっくり観光出来た感じ〜!!」

 

そう表現しながららんちゃんは宇治金時を食べ終えていた。

 

らん「結構なお手前で...」

あまね「凄いな。宇治金時を食べてここまで感動し、そしてそれを表現するとは...!」

メンメン「僕もこの情熱にいつも感動してるメン!」

咲夜「そういや、かいちょとレグレットの方は何だ?そのはんぺん...じゃなくて、小豆(あずき)がのってる四角い菓子物は?」

 

笑いのツボの効果が収まったアキノリは、再び冬美が立てた親指に背筋が凍らせながら訂正する。

 

あまね「私と透冀が選んだ和菓子は水無月だ」

ゆい「ミナヅキ?」

咲夜「水無月って、六月の旧暦の言い方だよな?」

雄大「それとこれは全く別だ。でも、和菓子の方の水無月と旧暦の方の水無月には少しだけ共通点があるんだ」

ゆい「共通点?」

あまね「ああ。これは(こおり)の節句に無病息災を願って食べられるものだったそうだ」

 

郡の節句というのは旧暦の六月一日の事で現在は六月三十日。

その日に行われる夏越祓(なごしのはらえ)に過ぎた半年の(けが)れを(はら)い、あまねちゃんがさっき言った様に来る半年の無病息災(そくさい)を願いながら、この水無月を食べる人が多いそうだ。

 

雄大「夏に氷を食べられる様になったのは、最近の話なんだ」

咲夜「ちょっと待て。旧暦の明治五年は冷蔵庫や冷凍庫もなかった時代だ。それで昔の人はどうやって氷を作ってるんだ...?」

 

疑問を打ち払う様に、アキノリは質問を投げ掛ける。

 

雄大「良い質問だアキノリ。明治時代の人達は当時、氷室(ひむろ)って呼ばれる(わら)の貯蔵庫で氷を保存していたんだ」

あまね「そしてこの水無月を、その氷室の中の氷に見立てて作られた物だと言われている...」

ゆい「あまねちゃんと雄大先輩、詳しい!」

雄大「何、父さんや夏海さんに歴史の勉強を教えてもらってるから(むし)ろ得意分野さ」

 

俺も父さん達に歴史の勉強を教えられたから、国語も得意だ。

 

あまね「食には歴史がある。それを知る事でより深くその味を堪能(たんのう)出来る...私は歴史を食していると思っている」

らん「『歴史を食べる』...あまねん凄い!どんな物にも歴史ってあるんだよね?このはごろも堂だって、六十年の歴史がある。だから守らなくちゃいけないんだ!」

咲夜「『守らなきゃいけない』...か。気持ちは分からなくもないが、そう簡単には行かないんだよな

らん「えっ、アキぽん。何か言った?」

咲夜「ただの独り言だ。さ、お前ら。気を取り直して食おうぜ」

 

これを機に確信したらんちゃんだったが、本人には聞こえない程度でアキノリが独り言を呟く。

俺達も和菓子を食べ終え、はごろも堂を出る直前に背後から咲枝さんの声が聞こえた。

 

咲枝「えっ、宣伝?家の?」

らん「はい!私、キュアスタっていうのをやってるんですけど...」

咲枝「これを書いてるの!?凄いねぇ...!」

 

ハートキュアウォッチの液晶画面を見ても違和感を感じない咲枝さんは本当に尋常だよ。

らんちゃんは目を輝かせながら、はごろも堂の宣伝交渉の話を続ける。

 

らん「此処で是非、このお店を紹介させて下さい。それから学校の皆にもはごろも堂さんに来てもらう様に宣伝します!」

咲枝「そんな事まで...!」

らん「こんな素敵なお店が閉店だなんて寂しすぎます。私達に任せて下さい!」

咲枝「そんなに思ってくれて、有難(ありがと)う...」

「「......」」

 

その様子を見ていたアキノリとあまねちゃんは黙然と冷ややかな視線を向けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NO SIDE

 

ナルシストルー「ガレット...カヌレ...クグロフ...」

 

ブンドル団アジトにて、ナルシストルーは左右を徘徊(はいかい)しながら次に狙う夏のデザートに相応しい料理の名前を舌巻きしながら呟く。

 

セクレトルー「何をぶつぶつ言っているのですか?」

ナルシストルー「次に狙うレシピッピをね。クラフティ...」

セクレトルー「横文字ばかりですね」

ナルシストルー「俺様に相応しい」

ソルトルー「明日は夏になりますからね。かき氷のレシピッピを奪うのはどうでしょう?」

 

ソルトルーが提案を出すも、ナルシストルーは南米のお菓子を告げるばかりだった。

 

ナルシストルー「フォンダン・ショコラ...」

ソルトルー「聞く耳持たずですね。もう一度言いますよ...ゴーダッツ様のお好きな甘味であるかき氷は如何いたしましょう?噂では、はごろも堂という和菓子店が今月を持って閉店するので、奪うには持って来いかと?」

ナルシストルー「なるほど...ではゴーダッツ様のために、華麗にかき氷のレシピッピを奪ってきてやろう!」

セクレトルー「期待してます...って言うか、いつもそんな事言ってね?」

 

ソルトルーは薄紫と水色のライダーガシャットを取り出す。

 

ソルトルー「さて、あのお二方が夏の当日に相応しいこのゲームをどう攻略するか...高みの見物と行きましょうか」

ナルシストルー「俺様の歴史を、お前達に見せつけてや...!」

セクレトルー「では!」

「「「ブンドル・ブンドルー!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No side

 

あまね「らん!ちょっといいか...?」

 

上機嫌ならんは雄大達と別れて鼻歌混じりに帰路を辿っていたが、急で駆け付けたあまねに呼び止められる。

公園のベンチで話す内容は『はごろも堂の事をキュアスタに書き込むのはいいが、学校では宣伝するな』との事だった。

 

らん「何で?はごろも堂の人は『有難う』って...!」

あまね「それはらんに大してのお礼だと思う」

らん「そんな...じゃあ、はごろも堂閉店しちゃうよ!?」

 

あまねは目を閉じる。その表情はジェントルーだった頃の名残(なごり)か、はごろも堂を思う気持ちへの同情か。

客観的に引き止めようとしたあまねの言葉を、らんは否定する。

 

らん「あまねんはそれでもいいの!?『水無月美味しかった』って言ってたじゃん!!」

あまね「ああ。だが、はごろも堂にははごろも堂の事情というものがある...閉店を決めたのは————」

らん「デパートに和菓子屋さん沢山入って、お客さん取られちゃうからでしょ?じゃあ、お客さんをはごろも堂に沢山呼べば大丈夫じゃん!」

あまね「......」

 

らんは必死で抗議するが、あまねは黙然としたままだった。

 

らん「何で黙ってるの!?六十年も続けてきたのに...!」

あまね「兎に角、我々が干渉すべき事ではない」

らん「らんらんは嫌だよ。絶対はごろも堂を守るんだもん!」

あまね「らん、私は...!」

 

反論して沈黙しているばかりか、両者の意見が対立してしまう。

 

らん「もういいよ。学校に放送してもらわなくていい!らんらん自分で考えるから!」

 

呼び止めようとしたあまねを無視して、らんは一人沈む夕日に向かって歩みを進める。

その様子を上空で監視していたジュニラムとキバーラは深刻な表情を浮かべていた。

 

ジュニラム『アワワ。二人ガダンダン気不味クナッチャッテルヨ...!』

キバーラ「...先ずはアキノリ達に知らせなくちゃね」

 

上空にて監視していたジュニラムとキバーラはベンチを後にしながら、咲夜と雄大に報告しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kiva-la side

 

あたしはジュニラムの背中にしっかりと捕まりながら二人の気持ちを率直に考える。

多分あまねは咲枝ちゃんの気持ちを代弁して言ってくれたんだと思う。あの人はもう年配よ、真面に働ける体じゃないわ。

らんちゃんが守りたい気持ちも分からなくはないけど、だからと言って、お店を続けていい理由にはならない...はっきり言って自己中心的よ。

元ブンドル団の一人であるあたしが言うのも難だけど、貴女はまだジェントルーの件を引き()っているの?

過去に他人と関わらない様にしてたってアキノリから聞いたけど、それはもう過ぎ去った出来事にじゃない。一人で何でも解決出来るなんて思ったら大間違いよ...!

それにしてもあたしって、何でこんなにも感情的になってるんだろう?当時はこんな筈じゃなかった。あたしは自分の異変に対する疑問をどうしても打ち払えずにいた...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

七月初日。華満が昨日の事で落ち込んでいた。喧嘩というよりは意見が対立してしまったと言えるだろう。

 

らん「あまねんなら分かってくれると思ってたのに...」

ここね「私は、あまねの言う事も分かるな...『始まりがあれば終わりもある』。お店を経営している咲枝さんにどうして閉店するかちゃんと聞いた?らんが思っているのとは、また違う理由があるのかも...」

らん「ここぴーまでそんな事言うの...!?ゆいぴょん達は...!?」

ゆい「若し、他に理由があるならその人から直接話を聞きたいな。お婆ちゃんがよく『果物を育てる時に元気がないとお水をあげちゃうけど、それも原因じゃない時もあるからちゃんと様子を見ないとダメだよ』って言ってた」

透冀「要するに『相手の状態や気持ちを察する事も大事だ』ってことだね?」

 

ゆいの助言を与えられるも、華満は更に落ち込んでしまう。

 

らん「らんらんが間違ってるって事...?」

ゆい「そうじゃないけど... 」

らん「もういい!一人で何とかするもん!」

咲夜「...全く、世話を焼かせる」

 

教室を飛び出した華満に、俺は溜息(ためいき)を吐く。

自己中心的というか、聞く耳を持たないと言うか。ディケイドとして未熟だった俺と比較してみると、不快感と不信感に(さいなま)まれる。

 

らん「はごろも堂、とっても美味しいよ〜!お持ち帰りもお店で食べる事も出来るんだよ!是非お店に行ってみて〜!はごろも堂、とっても美味しいよ〜!」

咲夜「...はぁ」

 

二度目のため息を漏らす。一人で何でも解決出来る程、世の中は甘くねーよ。

何とも自分勝手な行動に(まゆ)(しか)め、右足を小刻みに動かしながら組んでいた手を強くする。

これはもう、雄大に知らせるしかないな...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Yuudai side

 

らん「来ない。学校の皆、全然来てくれてない...何で?こんなにもチラシ配ったのに...」

咲夜「よぉ、華満」

らん「!」

雄大「やっぱり此処に居たんだね」

 

電柱の後ろに隠れて様子を(うかが)っている華満を、俺とアキノリは声を掛ける。

 

咲夜「思い出に愛執(あいしゅう)してるみたいで何よりだな華満。にしても、無様なモンだ...これだけ学校の生徒にチラシ配っても、一人も来ないだなんて」

雄大「アキノリ、その言い方は余計過ぎるって...ゆいちゃんとここねちゃんに聞いたよ、君がはごろも堂を失いたくない気持ちは分かる。でも、だからと言ってあの店を無理に続けさせなくても...!」

らん「アキぽんやゆーゆーまではごろも堂がどうなってもいいって思ってるの!?らんらんはただ...!」

咲夜「一人で何でも出来ると本気で思ってんのか!?

らん「!!」

 

独り()がりで自分勝手な言い分だと解釈したのか、遂に堪忍袋の尾が切れたアキノリの一喝(いっかつ)がはごろも堂辺りに響き渡る。

 

咲夜「俺の仲間はな...レグレットも雄大も冬美も!衝突しそうになった時は一緒に助け合って、支え合って、そして不利な状況に陥った時には手を取り合いながらも解決してきた!『仲間』ってのはそういうモンだろうが!?それなのにお前はまるで人の話を最後まで聞かずに早とちりして、勘違いして、他人の気持ちを尊重しようとしない....エゴイストも良い事だ。じゃあお前は、あのばーさんが『死ぬまで働け』って言いたいのか!?」

らん「そ、それは...!」

咲夜「お前の食い物に対する情熱は認める...けどな、例え無意識でも人の安息を妨げようとする身勝手な言動はブンドル団と同じだ。人の気持ちを無碍(むげ)にする程の欠けた想像力で命を軽く見てんじゃねえッ!!!!」

 

怒りに満ちた形相が、仲間を想う熱意と命を重んじる優しさが、心の奥底に刻み付けるくらいの声量を引き出す。

真っ赤に染まった憤怒の表情は今でも泣きそうで、食い縛った歯を剥き出しにしながら荒い息を吐く。

らんちゃんは泣き崩れ、絶望の表情を浮かべた。自分が店を守ろうとした想いは全て無駄だったのかと思い知らされる程に。

俺はアキノリの肩を置きながら(なだ)める。

 

雄大「アキノリ、それくらい言えば十分だ。少しは冷静になれ」

咲夜「...ああ。悪い、少しカッとなりすぎた」

らん「......」

雄大「御免ね。アキノリはカッとなると、こういう言い方しか出来ないんだ。らんちゃんがはごろも堂を想う気持ちは決して間違いじゃないと思ってる...でも、きっとその気持ちは、あまねちゃんも同じだったんじゃないかな?」

らん「らんらんが、あまねんと同じ...?」

雄大「うん。俺さ、目標だった父親の背中を追っていたんだ。大切な人の笑顔を守れる様なヒーローに...同じ目標を持つ友達が出来て、毎日が楽しかった。でも、そんな日々は長くは続かなかった...」

 

そう、これは俺がアキノリと出会う前の出来事だ。今でも脳裏に焼き付いている...小学6年生だった頃の話だ。

仲が良かった同級生が両親(そろ)って首吊り自殺をした日だ。起因は俺がその子を虐めていたのを庇った事だった。

いじめっ子の家族か親族関係の誰かが金に目が(くら)んでいる弁護士や警察だったため、冤罪(えんざい)を掛けるのも容易でもあった。

その事をいじめっ子達に聞いても知らないフリをされたが、運悪く俺の怒りに触れる引き金を引いてしまう。

数日後、いじめっ子達の家族とグルだった教師の悪行がバレてクビになり、学校内では厳しくいじめに対する対策が徹底的に行われた。

それでも心の傷が癒えなかった俺は、その子を救えなかった後悔を払い除ける事は出来なかった。

別の学校に転校しても、新しい友人は一人も出来なかった。自分がこれまで築き上げてきた道のりは全て無駄だったのかと父さん達に慟哭(どうこく)を上げた。

 

ユウスケ『どんな旅にも無駄はないさ。どんな人生にも無駄がないのと同じ様にな』

 

そんな俺を慰めてくれたのは父さんや母さん、そして士さん達。あの人達が居たからこそ、今の俺が居る。

アキノリやレグレット、冬美という掛け替えのない仲間達にもこうして出会えたのだから。

俺は決して一人じゃない事を教えてくれた事に、今でも感謝したいくらいに。

俺の背中を旅の仲間達や亡くなってしまったその子が何度も背中を押してくれるくらいに。

 

雄大「その時、俺は生まれて初めて思い知らされたんだ...『たった一人の笑顔を守れなければ、世界中の人々を笑顔に出来ない』と。『誰かに報復させるためじゃなくて、誰かを守るために力はあるんだって』分かったんだ」

らん「ゆーゆーにも、そんな過去が...」

雄大「ブンドル団に酷い思いをさせられたらんちゃんに同情出来るあまねちゃんだからこそ、昨日の事を言うのが一瞬だけ躊躇(ためら)ったんだと俺は思うんだ」

らん「そうだったんだ...あまねんもらんらんと同じ、はごろも堂の事を思ってたんだね。それなのにらんらん、いつも自分勝手でっ...!」

 

再び(むせ)び泣くらんちゃんに俺はもう一つの真実を告げようとした時、はごろも堂の引き戸が開く。

咲枝さんが出た客を見送っていたところで、奇遇に俺達と目が合った。

 

咲枝「あら!昨日、来てくれた人ね?お友達を連れているみたいだけど...何かあったの?」

雄大「...小野寺雄大です。外で怒鳴り声が聞こえたのなら、ご迷惑お掛けしました。それと、昨日は後輩の咲夜君が貴女(あなた)にお時間を取らせて頂いた事、真に感謝申し上げます」

らん「えっ、アキぽんが...!?」

 

実は昨日、らんちゃんとあまねちゃんが喧嘩した事を知ったアキノリが22時ぐらいに起きて、咲枝さんと話をしていたそうだ。

アキノリは下に落ちていたはごろも堂の散らしを咲枝さんに見せる。

 

咲枝「こんなものまで作ってくれたの?」

咲夜「この店を想ってくれてる人が居るだけで、あんたは寧ろ幸せなもんだ」

咲枝「有難う。気持ちはとても嬉しいんだけど、もう閉店は決めた事だから」

らん「えっ...?」

咲枝「私ももう歳だし、新しい店が沢山(たくさん)来るんだったら此処に譲ろうかなと思ったの。何でも古いのと新しいのは入れ替わって行くもんだから...」

らん「じゃあ、はごろも堂の味はどうなるんですか...?」

咲枝「それだけは少し寂しい気もするけど...でも、お客さんの記憶に少しでも残ってもらえたらいいかな?」

 

咲枝さんは引き戸を開けながら、らんちゃんにはごろも堂の様子を見させる。

此処に来る人達は皆常連の人ばかりで、子供達に思い出を語るために食べに来ていた。

人の記憶だってそうだ、その歴史を知る事で人間である俺達が語り継いでいくのだから。

頭を冷やし切ったアキノリがらんちゃんの肩を置きながら、冷静な声色でアドバイスを送る。

 

咲夜「...俺から言う事は一つ。仲間と喧嘩しそうになった時、先ずは相手の話を聞いてやれ...さっきは勝手に人前で怒鳴って悪かったな」

らん「ううん、らんらんも御免ね。勝手な事言って...」

雄大「別に構わないさ。素直に言えたならそれで良いんだし。女の子は常に笑顔でないと!」

咲枝「ふふ、仲直り出来たみたいね。さ、あなた達も思い出に食べてって」

らん「...はい」

 

涙を拭ったらんちゃんに続いて俺達ははごろも堂に足を踏み入れた。

その直後、水無月と宇治金時のレシピッピが謎の吸引力で引き寄せられる。

恐らくナルシストルーはソルトルーの算段で、はごろも堂の閉店を狙ったのだろう。

 

「「ピピピ〜!!」」

らん「レシピッピ!」

咲夜「んだよ、こんな肝心な時に...!」

 

 

店内に鳴り響くハートキュアウォッチの警報音。俺達がブンドル団に釣られる側となってしまい、数秒足らずで出入口にある紫の暖簾を潜りながら外へ戻る。

 

らん「何処!?ブンドル団!!」

ゆい「あっ、らんちゃん!」

 

するとレグレット達がゆいちゃん達を乗せて専用バイクで駆け付けていたのだ。

冬美にも一応専用のバイクは持ってるが、まだ16には至っていないため、ジュニラムの上に乗って移動している。

 

らん「ゆいぴょん、皆!何で...!?」

ゆい「あまねちゃんが心配だから一緒に見に行こうって...!」

 

自分を配慮してくれている仲間達の思いに目を(うる)ませるらんちゃんに、アキノリは少しだけ圧を入れながら肩を置く。

 

咲夜「お前の事を心配している奴らがいるんだ。一人で解決するのも良いが、少しは頼れよな。俺達と言う仲間の存在を!」

雄大「もし、一人で突っ走る様な事があったら、その時は俺達が止めるよ」

らん「アキぽん、ゆーゆー...!」

???「(また)お揃いで!」

???「話は済みましたか?」

『!!』

 

声がした方向へ向けると、はごろも堂の後ろにある高層ビルの頂上にナルシストルーとソルトルーが立っていた。

 

咲夜「聞いたぞソルトルー。お前、元財団Xのメンバーだったとはな」

ソルトルー「おや、その話はぼっちゃまから聞いたのですか?まぁ、この店は閉店するも同然ですから、奪って当然でしょう?」

雄大「確かにはごろも堂は閉店になるかもしれない...でも誰かが思い出を覚えてくれているなら、俺はその事実を受け入れる。覚えている限り、はごろも堂は消えたりしない!」

ナルシストルー「反吐(へど)が出るな。やはり其処に居るカブトムシと同様、俺様にとっては危険人物だ...クウガ。やるぞソルトルー」

ソルトルー「ええ。今回はひんやりとしたもので行きましょう!」

『ダジャレイキング!』

 

ソルトルーは起動した紫のガシャットをバグヴァイザーⅢのスロットにセットし、銃口を向ける。

 

ソルトルー「出でよ、ワタクシのバグスター!!」

 

ばら撒かれたバグスターウィルスが人の姿を形作る。

その姿は紫の魔法帽を被った西洋式の雪だるま。

裏で何かを(くわだ)てている様に裂けた口はジャック・オー・ランタンをを彷彿(ほうふつ)させ、上半身は黄色いボタンが付いている紫の魔導服を着用している。

眉や(ひげ)氷柱(つらら)そのもので、胸部に埋め込まれている水晶玉が陽に当たった事で宝石の様な輝きを発している。

 

ナルシストルー「混ざれ、モットウバウゾー!」

モットウバウゾー「モットウバウゾー!!」

 

ナルシストルーも捕獲箱から放たれたエネルギーで融合型モットウバウゾーを生み出す。

かき氷機を(もと)にしているが、よく見てみると木型の刻印が施されている。

 

カルマ「ワシの名はカルマ。レベルは20じゃ!」

ソルトルー「ダジャレイキングは、宗教に入った主人公がダジャレによって発動出来る魔法を駆使しながら次世代教祖を目指すゲーム。貴方達にこの方の寒さに果たして耐えられるかどうか...」

雄大「そんな寒さ、俺達の熱い思いで吹き飛ばしてやる!マリさん、お願いします!」

ローズマリー「ええ!デリシャスフィールド!」

 

マリさんがデリシャスフィールドを展開し、俺達は変身に移行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「プリキュア・デリシャスタンバイ!パーティーゴー!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

ゆい「にぎにぎ!」

 

コメコメ「コメコメ!」

 

ゆい「ハートを!」

 

コメコメ「コメコメ!」

 

 

 

 

 

 

ここね「オープン!」

 

パムパム「パムパム!」

 

ここね「サンド!」

 

パムパム「パムパム!」

 

 

 

 

 

 

 

らん「くるくる!」

 

メンメン「メンメン!」

 

らん「ミラクル!」

 

メンメン「メンメン!」

 

 

 

 

 

 

 

「「「シェアリンエナジー!」」」

 

コメコメ「コメ〜!」

 

パムパム「テイスティ!」

 

メンメン「ワンターン!」

 

咲夜「ブフォッ!?」

 

冬美「そこで吹くの!?」

 

 

 

 

 

コメコメ「コメコメ!」

 

パムパム「パムパム!」

 

メンメン「メンメン!」

 

プレシャス「熱々ご飯で漲るパワー!キュアプレシャス!美味しい笑顔で満たしてあげる!」

 

スパイシー「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!分け合う美味しさ焼き付けるわ!」 

 

ヤムヤム「煌めくヌードルエモーション!キュアヤムヤム!美味しいの独り占め、許さないよ!」

 

 

 

 

 

あまね「プリキュア!デリシャスタンバイ!パーティーゴー!!」

 

「フルーツ!ファビュラス・オーダー!」

 

「シェアリンエナジー!」

 

「トッピング!」

 

「ブリリアント!」

 

「シャインモア!」

 

 

 

 

 

 

 

フィナーレ「ジェントルに、ゴージャスに、咲き誇るスウィートネス!キュアフィナーレ!食卓の最後を、この私が飾ろう」

 

「「「デリシャスパーティ♡プリキュア!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「変身!」」」」」

 

【カメンライド ディケイド!】

 

【ディエーンド!】

 

キバーラ「チュッ!」

 

『ROD FORM』

 

 

ディケイド「全てを束ね、全てを創る!仮面ライダーディケイド!旅の語らい始めようか!」

 

ディエンド「後を縋らず全てを撃ち抜く!新たな旅に悔いなき選択を!仮面ライダーディエンド!僕達の旅の行先は...僕達が決める!」

 

クウガ「ゼロから始まる古代のエナジー!仮面ライダークウガ!皆の笑顔は...俺が守る!!」

 

キバーラ「「世界に輝く女騎士!仮面ライダーキバーラ!貴方(あんた)の野望、止めてあげる(わ)!」」

 

電王R「お前、僕に釣られてみる?」

 

ディケイド「全てを破壊し、全てを繋ぐ!」

 

「「「我ら、仮面ライダー!」」」ドカーン!

 

 

 

 

DECADE SIDE

 

ヤムヤム「はごろも堂の大事な思い出、返して!」

モットウバウゾー「モットウバウゾー!!」

 

ヤムヤムの言葉を無視して放ったモットウバウゾーの黄色い光線を避けるプレシャス達。

地面に着弾した光線が色取り取りの木型に変わると、瞬時に粒子となって消滅する。

 

カルマ「これでも喰らえ!」

 

カルマが投擲(とうてき)したタロットカード型の武器が地面に突き刺さると、1秒足らずに爆発した。

 

キバーラ(冬美)「雄大、これ使って!」

クウガ「有難う冬美。超変身!」

 

俺と冬美は斬り伏せ、レグレットは撃ち抜く。

雄大は投げ渡されたバッシャーマグナムを手に取るとペガサスボウガンに変化。ペガサスフォームにフォームチェンジし、トリガーを弾いて射出した空気弾をカルマに命中させる。

視力と聴力を極限にまで研ぎ澄ますこのフォームは全身の神経が極限の緊張状態に陥るから、体力の消耗(しょうもう)が激しい。

更には50秒が過ぎると二時間は変身出来ないという諸刃(もろは)の刃とも云えるデメリットを持っているが、ユウスケ兄ちゃんが変身するクウガにはそんなデメリットはない様だ。いや、能力がある程度抑えられていると言ったところか。

そのため、雄大が変身するクウガも同様にペガサスフォームの能力がある程度に抑えられていると思われる。

 

カルマ「ギャアッ!?」

クウガ「ウラタロス!」

電王R「任せて。はぁッ!!」

 

ウラタロスはデンガッシャーのオーララインで絡ませたカルマを勢いよく引き上げ、地面に叩き付ける。

 

【アタックライド イリュージョン!】

 

今の内に俺はイリュージョンのカードを装填して三人に分身する。

 

ディケイドA「BとCはプレシャス達のサポートに入れ。こっちは簡単に終わりそうにもないからな」

ディケイドB「構わない。大事な思い出を守るためなら、この命...惜しくはない」

ディケイドC「かつての四人が再び(そろ)ったんだ。今の俺達は負ける気がしないし!」

ディケイドA「それは俺も同じ気持ちだ。頼んだぞ」

 

BとCにプレシャス達のサポートを任せた俺はモットウバウゾーの攻撃を避けながら能力を考察する。

恐らく、あの攻撃を受けた対象を木型に閉じ込める技なのだろう。

それだけじゃない。何よりも恐ろしいのは...基の素材に『かき氷機』が含まれているという事だ。

氷の代わりとして人間がかき氷機の中に入ってみろ。地獄で獄卒(ごくそつ)によって石(うす)に放り込まれた罪人が、ドロドロの血肉と化して地獄の番犬達に喰われる様なもんだ。想像させられるだけでも背筋が凍る。

そんな中、怒りの形相でカルマは俺達にギャアギャアと喚き立てる。

 

カルマ「お主ら、老いぼれであるこのワシに対する礼儀というものがないのか!?」

ディケイドA「は?そんな言い訳クソもねぇよ。あんただって偉大な教祖様を元にして実体化したバグスターだろ?喚く暇があるなら真面(まとも)に戦おうぜ」

カルマ「いいだろう。そこまでして言うなら仕方がない!氷はこう折り返すという事を教えてやるわい。はァッ!!」

モットウバウゾー「ウ...バーーーー!!」

キバーラ(冬美)「寒っ!物理的に寒いって意味じゃないけど...!兎に角寒いッ!!」

クウガ「ぐっ、これは寒いどころじゃないぞ...!」

ディエンド「一先ず、あの人には一役買わせてもらおう!」

 

攻撃を避けるプレシャス達を集結させるモットウバウゾー。全員寄り集まったところでハンドル式の両腕を回転させる事で猛烈な吹雪を放出させる。

気合を入れたカルマも寒いギャグを言いながら放つ吹雪も付加され、より強大な猛吹雪として俺達を襲う。

 

【カメンライド シザース!】

ディエンド「頼むよ、(かに)刑事さん」

 

レグモットウバウゾーの攻撃を分析しながら迅速に対応するレグレットはライダーカードを装填したゼロディエンドライバーをポンプアクションし、読み取り装置である『ライドリーダー』から蟹の全身を模したライダーズクレストが浮かび上がる。

ブッカーマズルから三原色の人影が重なって実体化したのは蟹を模したメタリックオレンジのライダーで、左腕には(はさみ)が付いた召喚機を、右手には同じく蟹の鋏を象った武器を装備している。

 

ディエンド「皆、蟹刑事さんの後ろに隠れて!」

ディケイドA「...いや、避けろッ!!」

モットウバウゾー「モットウバウゾー!!」

 

かつて鏡の中の世界で行われる戦いに参加したが、最終的には契約モンスターに頭から捕食されてしまった極悪刑事『仮面ライダーシザース』の後ろに胸部装甲『ボルチェスト』は超高空の落下や深海一万mの水圧にも耐えられるため、俺達ライダー組はレグレットの合図で隠れながら反撃の準備をしようとした直前にモットウバウゾーが型抜き部分から黄色い光線を放つ。

ギリギリのところで左側に避けると、シザースとプリキュア組が木型に貼り付けられてしまった。

 

ナルシストルー「いいねぇ!ハッハッハッハ!」

プレシャス「動けない〜!」

ソルトルー「いい気味ですねぇ、プリキュアの方々。先ずは手始めにキュアプレシャス...貴女を真っ赤な血色に染め上げましょう。ついでですから、あそこにいるシザースも一緒にやってみましょうか...!」

モットウバウゾー「モットウバウゾー!」

 

木型に貼り付けられていたプレシャスとシザースを二枚重ねにして掴み、そのまま投入口に入れてハンドルと一体化している両腕を回そうとする。

 

ローズマリー『ああっ!まさか...!』

電王R「これは色々とまずいね...キンちゃん、よろしく!」

キンタロス『任しとき!』

『AXE FORM』

 

状況を察した電王は地面を蹴りながらアックスフォームにフォームチェンジし、モットウバウゾーの右側のハンドルにしがみ付いて全力で阻止する。

やっぱり俺が予想してた通りだ。

 

ローズマリー『かきプレシャスなんてダメよ〜!』

モットウバウゾー「ウババババババババババ...!!」

電王A「ぐっ!こいつ、なんちゅうパワー持っとるんや...!」

モットウバウゾー「ウバ〜ッ!!」

電王A「俺の強さは...泣けるでぇぇぇぇッ!!」

 

横槍を入れる様に黒いエネルギー弾がモットウバウゾーを吹き飛ばし、同時にプレシャス意外の三人が木型から解放される。

 

ローズマリー『プレシャス!』

 

宙に舞うモットウバウゾーから解放されたプレシャスをお姫様抱っこで救ったのは、言うまでもないブラックペッパーだった。

同じく解放されたシザースは自動的に消滅し、モットウバウゾーが地面に転倒したタイミングでナルシストルーと対峙する。

 

ナルシストルー「(また)貴様か!?」

ディケイドB「よし、今だ!」

ディケイドC「変身。ブイスリャァッ!」

【カメンライド V3!】

【カメンライド ライダーマン!】

 

Bは旋回する風力エネルギーで緑の複眼を持つ赤い頭部のライダー『仮面ライダーV3』に、V字が付いている青いヘルメットを被ると元デストロンの科学者が自ら製作した強化スーツが纏われたCは『ライダーマン』となる。

 

カルマ「お主らがワシのメンバーになるのは、冬分堪えんばーならんな。じゃが...!」

 

カルマがバグスターユニオンを放出し、赤いバケツを持ったバグスター戦闘員が三十体並んでいた。

 

カルマ「見よ!ワシを守りし絶壁(ぜっぺき)の盾を!これでお主らも終わりじゃな!」

ディケイドA「戦闘員で体力を減らした上でお得意の氷魔法をお見舞いする。やはりあんたは完璧な策士だ、カルマのじーさん。けどな...!」

 

俺はライドブッカーから一枚のカードをレグレットに投げ渡す。

 

ディケイドA「相手を倒していないのにも関わらず自分の勝ちを宣言した時点で、あんたは既に敗北してるって事さ。使え、レグレット!」

ディエンド「これは...!どうやら試す価値があるね。雄大、痛みは一瞬だよ」

【フォームライド クウガ ライジングマイティ!】

ジュニラム『待ッテ!僕モライジングニナリタイ!』

 

ゼロディエンドライバーから放たれた赤い波動を浴びた雄大の全身に電気が迸った赤い生体装甲に金の縁取りが施される。

右足にはアンクレット、変身ベルトであるアークルには金色(こんじき)のパーツが追加された。

更には自身のライジング化を狙って割り込んできたジュニラムもパワーアップを果たし、金の装飾(そうしょく)が追加された仔馬の雷鎧(らいがい)『ライジングジュニラム』へと変化する。

 

クウガ「これがライジングフォーム...!」

ジュニラム『スゴイ、力ガ漲ッテクル...!』

ディケイドA「おいおいマジかよ。ジュニラムまでパワーアップしちゃったじゃあねーか...!」

キバーラ(冬美)「でも、これなら大分行けるかも!」

ディエンド「皆、雄大とジュニラムに続くよ!」

 

俺達はカルマが率いているバグスター戦闘員達に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

B SIDE

 

ヤムヤム「バリバリカッターブレイズ!はごろも堂の思い出は、ヤムヤムが守るッ!!」

 

カッターブレイズでスパイシーとフィナーレに木型の光線を相殺したヤムヤムは飛び蹴りを放ってモットウバウゾーの攻撃を避ける。

三回目辺りで攻撃を受けそうになったが、フィナーレが重量挙げの要領で防いでいた。

 

ヤムヤム「フィナーレ...!フィナーレ、ごめんね。ヤムヤムが自分勝手な余りに...!」

フィナーレ「謝るのは後だ、ヤムヤム。はごろも堂を想う気持ちは私も同じだ!一緒に思い出を取り戻そう!」

ヤムヤム「...うんっ!」

ディケイドC「和解成立だな。んじゃあ、俺達も少しくらいは活躍しときますか!」

 

Cはファイナルアタックライドのカードを装填する。

 

【ファイナルアタックライド ラ、ラ、ラ、ライダーマン!】

ディケイドC「ロープアーム!はぁッ!」

モットウバウゾー「ウバッ!?ウババババババッ!!」

ディケイドB「三人共、決めろ!」

【ファイナルアタックライド ブ、ブ、ブ、V3!】

 

Cが右腕に装備された瓢箪(ひょうたん)型のアタッチメント『ロープアーム』の先端の鉤爪(かぎづめ)でモットウバウゾーを絡め取った上で足を強く踏み込み、俺はファイナルアタックライドのカードを装填する。

 

ディケイドB「V3!錐揉(きりも)み回転キーーーーック!!」

「「はああああ...!はああああッ!!」」

 

走り高跳びをしながら空中で錐揉み状に回転。

そのまま急降下した飛び蹴りを、手を握り合ったヤムヤムとフィナーレの合体技と共に見舞わせてやった。

仰向けに転倒したモットウバウゾーに、フィナーレは即座に浄化技を放つ。

 

フィナーレ「プリキュア!デリシャスフィナーレファンファーレ!!」

モットウバウゾー「お腹一杯!」

「「ご馳走(お粗末)様でした!」」

「「ピピピ〜!」」

 

モットウバウゾー消滅に伴い、水無月と宇治金時のレシピッピが解放された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A SIDE

 

ジュニラム『コレデ全部ダネ...雄大、派手ニ決メチャッテ!』

クウガ「ああ。これで決める!ふっ、はっ!!」

 

バグスター戦闘員の最後の一体を突進で倒したジュニラムの合図で、雄大はライジングマイティキックの構えを取る。

いや待てよ。確かライジングフォームって、敵が爆散すると被害が出る奴だよな...!?俺達まで爆発に巻き込まれたらまずい!

 

ディケイドA「ジュニラム!雄大と冬美を頼む!」

ジュニラム『ハイハーイ!僕ニ任セテ!』

 

助走する度に炎を(まと)った足裏に電気が帯びている。

俺はオーロラカーテンでローズマリー達を巻き込みながら3km以上離れたところへ瞬間移動し、ジュニラムはレグレットと冬美の体重に耐えながら成る可く高いところへ避難させる。

 

クウガ「うおりゃああああッ!!!!」

カルマ「ぐっ!?ぬぅっ!ぐああああーーーーッ!!!!」

 

リントの古代文字が浮かび上がり、断末魔と共にカルマは爆散。

ゼロディエンドライバーのトリガーを押した刹那、核爆弾並みの爆風が発生した。

数分して爆風が収まったところで俺達はオーロラカーテンで雄大と合流する。

 

ディケイドA「雄大!」

クウガ「これがライジングフォームの力だという事は分かった...でも、威力が激しすぎないか?」

キバーラ(冬美)「ホントそれ。技の威力が『エグい』の領域越してちゃってるし...」

ディエンド「これって、又撃つ時に対策とか考えておかないと敵味方構わずに被害が出るね」

ディケイドA「雄大をライジングフォームにさせたのは賭けだったけどな。次はちゃんとした対策を練っておくか」

ナルシストルー「チッ、かき氷はくれてやるさ。やはり俺様には西洋のドルチェがよく似合う...」

ソルトルー「これがクウガの『金の力』とも呼ばれているライジングフォーム ...フッフッフ。今後の展開が楽しみです...!」

 

俺達の様子を窺っていたナルシストルー達は、捨て台詞を残してデリシャスフィールドを後にした。

一方、プレシャスを救出したブラックペッパーは静かに立ち去ろうとしたが、心優しき戦士である雄大に呼び止められる。

 

ブラックペッパー「......」

クウガ「待って。君、ブラックペッパーだよね?どうして俺達に手助けをするんだい?何か事情でもあるなら、話してもらえないかな?」

ブラックペッパー「...別にお前達と話すつもりはない。私はただ、『助けたいから助ける』。それだけだ」

 

それだけを言い残すと、ブラックペッパーは改めてデリシャスフィールドを後にした。

 

ディケイドA「ツンデレな奴め。レシピッピを助けたいなら俺達と一緒に戦えばいいのに...素直じゃねぇな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

客A「パパは此処のお菓子を食べて育ったんだよ!」

客B「よく此処のモナカ半分こしたよね〜」

 

かき氷と水無月の個体が店内に飛び交う中、はごろも堂を訪れた来客達は此処に来た思い出を語っていた。

 

あまね「歴史というものは、単に出来事が継承されていく訳ではない。人々の瞬間瞬間の思いが其処にはある。人は人にそれを伝えたくなるんだ。そしてそれが積み重なり、歴史となっていく...」

咲夜「...怖えよ」

冬美「何が?」

咲夜「誰かに台詞を取られると、自分の出番が無くなってくる気がして怖えよ」

雄大「ああ...確かに。否定はしない」

 

雄大は台詞を取られた俺に対して苦笑する。

 

冬美「でも、あんたが言う『スーパー説教タイム』はレグレットの専売特許でもあるでしょ?」

透冀「うん、僕達四人も最初は未熟だったさ。良い事も悪い事もあった...僕達の時代の歴史は確かにバラバラで、凹凸(おうとつ)で、醜いかもしれない。でも、だからと言って人が歩んできた道のりを誰かに否定される権利はない」

あまね「らんの食べ物への思い、そしてはごろも堂への思いは、この店を...街の歴史として人々の胸に刻み込むだろう」

 

元ブンドル団の二人に俺の立場を全部持って行かれたが、その言葉に否定はしない。

物事は一人で解決出来ないなら、他人の手を借りてでも解決すべきだと俺は思ってるしな。

人の事言えないけど、自分が起こした問題に正面から向き合えない人格者は猫を被ったところで一生報われねーってこった。

おっと。雑談はここまでとして...これで華満も少しは相手の気持ちを理解し、ちゃんと話を聞ける様になる事だろう。

 

らん「『はごろも堂が歴史になる』...?」

ゆい「キュアスタにはごろも堂の事、書こっ!」

ここね「そうすれば、はごろも堂が消える事はない...」

 

ゆいとここねに推奨された事で華満は自信とやる気に満ちていった。

 

らん「ふお〜っ!最高の投稿にするぞ〜っ!!」

咲夜「やる気満々だな」

雄大「...俺も、父さんの意思を誰かに継いでいきたい。だって俺、父さんと同じクウガだし!」

冬美「こら、小さい子が居るんだから大声で宣言しないの。せっかくだから、あたし達も食べてこうよ!」

透冀「うん。僕も悔いが残らない様にしたいからね」

 

俺達もはごろも堂の和菓子を堪能しようとした時、ゆいのハートキュアウォッチからコメコメが人間体となって出て来た。

 

コメコメ「ハラペコったコメ」

ゆい「よーし...食べよー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲枝「...有難う」

 

数日後の夕暮れ時。俺は閉店したはごろも堂の引き戸を少し開けると、咲枝ばーちゃんは感謝の言葉を述べていた。

見ているのは言うまでもない華満のキュアスタ。六十年間続いたこの店の思い出は、街の歴史としてこれからも語り継がれていくだろう。

 

透冀「アキノリ。そろそろ行くよー!」

咲夜「ああ。今行く!」

 

俺はレグレット達が待機していたマシンディエンダーの後ろに(またが)ろうとした直後、急に体がふらつき始める。

 

咲夜「うっ...!?」

ジュニラム『アキノリ!?アキノリ、シッカリシテ!アキノリ!!』

 

ジュニラムが呼び掛ける中、俺の体の箇所にはノイズが走っている。

 

咲夜「大丈夫だ。これくらい...!」

冬美「無理に意地張んなくていいから...まさか、あの鳥のバグスターの!?」

雄大「恐らくウォブリーの羽毛(うもう)に付着したバグスターウイルスが今、アキノリの全身に流れ込んだんだろうな」

 

挿入歌ED『前島麻由/No Man’s Dawn』

 

ジュニラム『流レ込ンダッテ...アキノリ、ゲーム病デ死ンジャウノ!?』

咲夜「馬鹿言え。たかがゲーム病で死にかけるのは、二度と御免だからな...!」

透冀「羽毛を抜かない限りは、僕達を含めた人間に感染する事は先ずない。一先ず、和実少女のところに...!」

冬美「......!」

雄大「冬美。どうかしたのか?」

 

冬美は俺の体の異変に気付いたのか、青褪(あおざ)めながら目を大きく見開いていた。

 

冬美「アキノリ。左脚...!」

咲夜「左脚?いや、特に何も異変はない(はず)だが...!?」

 

俺も左脚に違和感を感じたのか、下半身を見てみる。

すると、衝撃的な事に左脚が...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猛禽(もうきん)類の足へと変化していた。

 

咲夜「何だよ、これ...!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~

 

拓海「俺のやってる事って、余計なお世話なのかな...?」

 

透冀「右脚の異変が治るまでは車椅子で生活をしてもらうしかないね」

 

あまね「案外、世話焼きなんだな」

 

ナルシストルー「あの黒胡椒(こしょう)揶揄(からか)うと面白いな〜。ミスを付けば足元救えるかも」

 

咲夜「こいつはただ、自分にとって大切な思い出を守ろうとしただけだ!」

 

第二十二品:ブラぺ引退!?伝説のクレープを探せ!/無力な自分を振り払え!ウォブリーの置き土産

 

全てを破壊し、全てを繋げ!

 




次回、ブラペ引退...!?





















如何でしたでしょうか?次回はあのバグスターの息子が登場します。次回もお楽しみに!




初使用したカメンライド

V3、ライダーマン

ディエンドが召喚したライダー

シザース

~ソルトルーのオリジナルガシャット~

ダジャレイキング

宗教に入った主人公がダジャレによって発動出来る魔法を駆使しながら活躍していき、最終的には次世代教祖を目指すゲーム

カルマバグスター
ICV:佐藤征治
身長:203.2cm
体重:121.3kg
特色/力:ダジャレによる氷魔法攻撃/タロットカード型の爆弾の投擲/信者バグスターの召喚及び使役
モチーフ:凍尋坊モーティマー




KAMEN RIDE
-昭和-
X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、ZX、BLACK、BLACK RX
-昭和(ネオライダー)-
真、ZO
-平成1期-
ファイズ
-平成2期-
補完完了
-令和-
補完完了...?
-TVシリーズ外-
仮面ノリダー、ホッパー1号(The First版1号)、ホッパー2号(The First版2号)、ホッパーVersion3(The Next版V3)、G、アマゾンズ(オメガ、アルファ、ネオ)、ミライダー(シノビ、クイズ、キカイ、ギンガ)



遂にはかたべ版 ディケイド組が揃った!ジュニラムとキバーラが人間体になってほしいならどっちを選ぶ?(改)

  • ジュニラム
  • キバーラ
  • どっちも
  • そのままの姿でいい
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