デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~   作:ライノア

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第二十三話です。



「君ぃ、又邪魔しに来たの?」

~これまでの破壊者の食べ歩きは...?~

「『伝説のクレープ』って名前の通り伝説になったんだな...」

「ゆいなら覚えてるよな?あれを再現したいんだ」

「やりたい事あるなら突っ走ってみろよ、結果なんてどうだっていいじゃねぇか」

「自己紹介忘れとったわ。僕はジュブリーJr.、『ジュブリー』って呼んでくれるととても助かる」

「色々悩んだけど、俺がやってきた事は間違ってなかったみたい」






第二十三品:ここねの我儘!?思い出のボールドーナツ!/過去の鎖をぶっ壊せ!ドラゴンスタイルの真骨頂!

SAKUYA SIDE

 

ゆい「ハラペコった〜。早く食べたいな〜!」

あまね「まだ、香り付けの料理を入れていないしな」

冬美「こういう時こそ、ローリエの出番。らんちゃん、お願い」

 

休日のなごみ亭にて、俺達八人はミートソースを作っていた。熱した鍋で杓文字で混ぜて煮込まれる度にトマトの良い匂いが湯気と共に鼻に通る。

 

らん「ローリエ選手。ミートソースの海にジャ〜ンプ!」

ミートソースのレシピッピ「ピピ〜!ピッピピ〜!」

あきほ「あ、皆揃って何作ってたの?」

 

 

華満の一声でミートソース個体のレシピッピが刹那に姿を消すと、あきほさんがミートソースの中に入れたローリエの香ばしい匂いに釣られてやって来た。

 

冬美「ミートソースパスタです。昼飯に皆で食べようと思っていましたので」

あきほ「へぇ。じゃあ、ちょっと味見させてもいい?」

ゆい「ダメダメ。完成まで全部あたし達がやるって決めてるから」

咲夜「漫画とかでよく言うじゃないですか。『切り札は最後までとっておく』って、だから此処は俺達に任せてください」

あきほ「そっか。二人がそこまで言うなら、楽しみにしとくか!」

ゆい「うん、有難う!」

 

笑い合うゆいとあきほさんのやり取りを見て、羨ましそうにここねは静かに笑みを浮かべる。

 

あきほ「そうだ。ここねちゃん、『アレ』見た?」

ここね「えっ...?」

あきほ「これこれ。ここねちゃんのママのインタビュー記事」

『インタビュー?』

 

俺達にとある記事のページを見せるあきほさん。写真にはここねに似た容姿端麗(ようしたんれい)な女性が写っており、縦文字で『神の舌の異名を持つ芙羽(ふわ)はつこさん』と記載されていた。

かいちょの朗読によると芙羽グループのレストランメニューの開発者や食材の買い付けを担っており、その味覚の切迫(せっぱく)さで『神の舌』と呼ばれているそうだ。

 

らん「うひょ〜!『神の舌』ってマシマシにカッコいい〜!」

あきほ「結構有名だよね。ここねちゃんのママ」

ここね「はい。多分...」

 

あきほさんに母親の事を褒められたここねは少しだけ頬を染める。

 

ゆい「神の舌だなんて、きっとお家でも家族ですっごく美味しいお料理を食べてるんだね〜!」

らん「だねだね」

 

食いバカ共はここねが毎日家族と美味い料理を食っているんだなと妄想していたが、そんな柔な理由ではないとここねは首を横に振った。

 

ここね「ううん。父も母も出張が多くて、あまり家に居ないから...」

透冀「だから執事である轟さんと一緒に居る事が多かったんだね」

あまね「だがそれは、寂しい時もあるんじゃないか?」

ここね「寂しい...?」

 

かいちょに問い返されたここねは寂しいという感情に理解が追い付かないでいた。

 

咲夜「分からないのか?例えば、突然行方不明になった子供を両親が数年掛けてでも探すみたいに。ほら、サスペンスでもよくある展開だし」

雄大「アキノリ。そんな例えじゃここねちゃんを混乱させるだけだぞ」

咲夜「そうか?」

冬美「......」

 

浮かない顔をしていたレグレットと冬美はここねの気持ちを同情してる様にも見えた。開閉ドアが開く。

 

あきほ「御免なさい。今準備中で...あ!」

 

何と来店してきたのは、先程インタビュー記事に写っていた『神の舌』の異名を持つ女性、芙羽はつこその人だった。

 

「「「「「神の舌だ!!」」」」」

ここね「ママ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の破壊者 ディケイド。幾つもの世界を巡り、この世界にて何を噛み締める?

 

イメージOP2『MYTH&ROID/VORACITY』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fuyumi side

 

あきほ「じゃあ、海外出張は(しばら)くキャンセルに?」

 

あきほさんが理由を尋ねる。海外への出張は突然キャンセルとなったため、暫くの間は家に居られる様になった事。そして轟さんの情報を通じて、なごみ亭に直接伺いたいがために来たとの事だ。

 

ゆい「良かったね、ここねちゃん。お父さんとお母さんの二人と一緒にいられて!」

らん「でもって、一緒に美味しい物もいっぱい食べられる!」

咲夜「結局それかよ。全く、困った食いバカ共だぜ」

ここね「一緒に...ゆっくり...」

 

両親と一緒にいられる事にここねちゃんは少し顔を(うつむ)きながら(ささや)く。静寂な空気が漂う中、その様子にはつこさんは声を掛ける。

 

はつこ「ここね...?」

ゆい「ここねちゃん?」

ここね「ううん、何でも」

 

ここねちゃんはゆいの声掛けで我に返って首を振ると、あたしの自慢の嗅覚(きゅうかく)が丁度良い頃合いでトマトの匂いを伝わせた。雄大にミートソースの具合を見てもらうのを任せておいて正解だった。

 

雄大「冬美。ちょっと味見してもらえないか?」

冬美「うん、今行く!」

 

あたしは雄大の元に駆け寄り、味見の小皿に()れたミートソースを口に含ませる。

 

冬美「うん、大丈夫みたいね。話に釣られて放ったらかしてたらどうなってた事やら...」

ここね「でも、焦げてなくて良かった...ふふっ」

はつこ「ここねがあんな風に笑うなんて...」

あきほ「?」

冬美「......」

 

普段はこういう事はなかったと、はつこさんは呟く。そんな心配性な言葉があたしの不安を駆り立てた。

はつこさんが帰る際にキバーラには、ここねの家に潜入して様子を見て来てほしいと頼んでおいた。おパムちゃんも不安がちだったけど、人の気持ちを心配せざるを得ないのが、あたしの専売特許だ。『あまねの双子の兄弟の次にバレなきゃいいけど』と心の中で強く懇望(こんもう)した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kiva-la SIDE

 

あたしは冬美に頼まれてここねちゃんの家の食卓に潜入して様子を(うかが)っているわ。ここねちゃんのお母さんはミートソースパスタをご馳走(ちそう)になったため、晩ご飯は控えている様子ね。

左側のテーブルに隣接していたのはここねちゃんのお父さん。複数の高級レストランを経営していて、料理人としてはかなりの腕があると聞いているわ。神の舌の異名を持つ母親と料理の腕を持つ父親、まさに最高のコンビネーションと言っても過言ではない。

 

しょうせい「あむっ。んん〜!これだよこれ。やっぱり日本のお寿司はいいな」

 

食べているのは和食ストリートで買った高級お寿司。その味は料理人である彼にとってはとても絶賛だったみたい。

 

はつこ「私は昼間食べたミートソースパスタでお腹いっぱい」

しょうせい「ミートソース?」

はつこ「ええ。なごみ亭に伺ってみたら、『一緒に食べていきませんか』って誘われて...お言葉に甘えたわ。とても美味しかった」

しょうせい「...そうか」

 

穏やかな表情で笑みを浮かべるここねちゃんのお父さ。何よりも家族と一緒に居られる時間を無駄にしてはいけないと深く心に誓っていたけど、何処かしらと後悔してる様にも見えた。きっと、何かあったのね。

 

はつこ「ここねは本当にパンが好きね」

しょうせい「ここねは何か、気になる物とかあるのかい?」

ここね「えっ?うーん...Pretty Holicの夏の新しい」

しょうせい「おおーっ!それはどんな食べ物なんだ?」

 

料理人としての情熱が湧き上がってしまったのか、ここねちゃんのお父さんは無意識に自分を()かしてしまう。

 

ここね「ううん。いいの」

 

首を小さく横に振って、ここねちゃんは両手付きの豪華なスープカップの持ち手を持ちながらスープをゆっくりと口に含ませる。

 

はつこ「...ここね。スープ、美味しい?」

ここね「うん」

はつこ「そう。このお水も美味しいわ」

ここね「うん」

しょうせい「いやぁ、ハッハッハッハッハッハッハ...!」

 

家族と久々に食卓を囲んでいるというのに、お互いの会話が弾んでいない。何を話せばいいのか戸惑っているのね、きっと何かあったに違いないわ。

 

ここね「ご馳走様でした。その、宿題があるので部屋に戻ります...」

はつこ「......」

 

重ねた食器をキッチンのシンクに置こうとしたここねちゃんに、お父さんが一声掛ける。

 

しょうせい「...ここね」

ここね「何?」

しょうせい「あぁ、勉強頑張れよ!」

 

食器を置いて部屋に戻る様子を見て、ここねちゃんのお母さんは自分の愛娘(まなむすめ)を心配していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Pampam side

 

ここねが部屋に戻って来たパム。だけど鏡越しに写る自分の顔を見て俯いていたところをパムパムは膝の上に乗って訪問したパム。

 

ここね「何話したらいいんだろう...?」

パムパム「パム...?」

 

溜め息と共に呟いた一言にパムパムは首を傾げたパム。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kiva-la side

 

はつこ「はぁ。何を話したらいいのかしら...?」

しょうせい「最近のここねの事、何にも知らないしなぁ...」

 

溜め息を吐く妻を見て、ここねちゃんのお父さんはテーブルの椅子に背中を付けて軽く貧乏揺すりをする。

 

しょうせい「...うん。何かここねが興味ありそうな事、調べてみるよ」

はつこ「私も、心当たりを(あた)ってみるわ」

キバーラ「......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

翌日となり、公園の広場にあるベンチに座っていたここねのところへ集合した俺達にクソ犬とキバーラは昨日の出来事を語った。

 

キバーラ「...という事があったわ」

パムパム「つまりここねは、パパさんとママさんと一緒にいると何だか緊張しちゃうパム」

ここね「......」

 

ここねは無言で(うなず)く。

 

冬美「キバーラに偵察を任せておいて正解だったけど、何だか複雑な気分ね」

ゆい「緊張?どうして?」

 

問い掛けるゆいの言葉に、俺はここねの気持ちを代弁する。

 

咲夜「暫く会わないと距離感が縮むって、よく言われているだろ?それでここねは孤独に慣れ過ぎてしまったんだ。自分が寂しい事に気付かないくらいに」

らん「ほへ?こうして皆と居られるのはオッケーだよね?」

咲夜「ああ。けど、両親とは話は別だ」

 

人間体になったコメコメとドラジカが水たまりでパシャパシャと足をバタつかせて遊んでいたのを無視して、ここねの話を聞く事にした。

 

ここね「私、ゆいとゆいのお母さんを見て『こんな親子も居るんだな』って驚いた。友達同士の様にお喋りして...」

ゆい「あたしはただ思った事を話してるだけだよ。それで喧嘩しちゃう事もあるけどね」

コメコメ(人間体)「しちゃうコメ!」

 

水たまりで遊んでいたコメコメがゆいに抱き付く。

 

らん「らんらんも発見した美味しいお店の話とかよくしてるよ」

メンメン「してるメン!」

 

華満の気持ちに賛同するドラジカ。

 

あまね「私も家で兄達にあれやこれやと甘えてばかりだな...」

らん「ええ?あまねん、どうやって甘えるの〜?」

あまね「ひ、秘密だ!///」

 

華満に揶揄(からか)われて無記になるかいちょ。

 

透冀「意外だね。でも、ちゃんと甘えたいなら遠慮せずに甘えてもいいよ。何たって、あの二人は君と同じ血の繋がった兄妹なんだから」

咲夜「色々と雑談させて悪いが、そろそろ本題に入ろうか。ここね、お前と両親の間に何があった?」

 

俺が質問すると、ここねは頷いて自分の過去を素直に打ち明けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Yuudai side

 

はつこ「結局その日、ボールドーナツは買ってあげませんでした。それ以来、ここねは私達に何か遠慮してる様になったというか...」

雄大「そんな事が...」

透冀「......」

 

レグレットは『予想した通りだと』少し俯きながら(まゆ)(しか)める。あいつも孤独な人間の気持ちを理解してるから、自分が予想していた事が的中したとなると不安にならずにはいられなかった。

はつこさんの話によると、幼少期時代のここねちゃんはとある店の『ボールドーナツが食べたい』と言い出したのだが、はつこさんの姉...所謂(いわゆる)伯母(おば)に『あまり甘やかすと我儘(わがまま)になる』と言われて買ってもらえなかったそうだ。

 

はつこ「丁度その頃から仕事で家に居られない事が多くなって、夫も私もここねの気持ちが少しずつ分からなくなってしまったのです」

 

『なるほど』と同じく話を聞いていたマリさんとあきほさんが納得する。

ここねちゃんの実家...レストラン デュ・ラクは高級レストランでお金持ちだ。恐らくここねの伯母さんは欲しい物を何でも買ってしまう事で(いず)れは我儘な子供に育ってしまうと心配して言ったのだろう。

だが、それを当時のここねちゃんが間違ったメッセージとして受け取り、今の性格に至ってしまった。

 

はつこ「皆さんと楽しそうにしているのを見て、あんな笑顔を私も見られたらとヒントを探しに此方へ来たのです」

あきほ「ううん、ヒントねぇ...」

雄大「俺だったら、一緒に勉強を教えてもらったり、自分の悩みを家族とかに打ち明けたりしてます。何たって家族は家族ですから...」

 

はつこさんが自分のバックからある物を俺達に見せる。それは『お仕事頑張ってね ここね』とメッセージが書いてあったシュガークリスタルボトルだった。それを見たマリさんは目を見開く。

 

ローズマリー「クリスタルシュガーボトル?」

雄大「これって...!」

はつこ「ここねが出張先に送ってくれたんです『お仕事頑張ってね』と。でもこれも何か無理をさせているとではと、心配で...」

透冀「芙羽少女が書いた言葉に嘘偽りはありませんよ」

はつこ「えっ...?」

 

ここねの事が心配なはつこさんに、レグレットは口を開いた。

 

ローズマリー「私もここねがお仕事頑張ってる貴女達両親を、誇りに思ってるんじゃないかと思っているわ」

あきほ「取り敢えず、美味しい物でも食べたらいいんじゃない?うちの母が言ってた。''ご飯は笑顔''だって」

はつこ「''ご飯は笑顔''...?」

透冀「はい。例え離れ離れになっていても心は繋がっているというのが『家族』だと僕は思っています。芙羽少女は貴女達両親にとっては大切な家族の一員なんですから」

 

ロイミュード時代のレグレットは、アキノリが転生直後に消した記憶を保持した影響で、家族に対する憎悪に(とら)われていた時期があった。

それでアキノリと何度も打つかり合った末に自分も家族に愛されていた事に気付き、ロイミュードであるのにも関わらず生まれて初めて涙を流した。

 

透冀「僕も、貴女の娘さんと同じ様な経験をしています。まぁ、こっちはちょっとした勘違いですけどね」

 

レグレットは照れ隠す様に笑って言った。機械だって笑う時は笑うし、泣く時は泣く。ルールーの様なサイボーグでもない完全なロボットだろうと。まぁ、今は元セカンドロイミュードなんだけどな。

自分を連れ戻そうとした財団Xのメンバーに反抗し、改めて仲間に加わったレグレットはちょくちょく笑顔を見せる様になった。時々アキノリと喧嘩したり、自分の気持ちを躊躇(ためら)いながらも打ち明けたりと、旅を続けていく内に性格が丸くなっていった。

 

透冀「自分の気持ちを伝える事は決して我儘なんかじゃありません。だから、芙羽少女に貴女(あなた)自身の気持ちを伝えてあげてください。あの子は貴女達両親にとって、唯一の宝物(たった一人の娘)なんですから」

はつこ「''自分の気持ちを伝える事は我儘じゃない''...何か、今まで悩んでいた自分の気持ちが晴れやかになった気分ね」

透冀「気持ちが整理出来てきた様で何よりです。若し僕で良ければ連れてってあげますよ。芙羽少女が好きな場所へ」

 

アキノリが俺と冬美を突き放したあの日から、レグレットも成長していったんだなと俺は感心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No side

 

セクレトルー「うーん...」

 

場面は変わりブンドル団アジト。セクレトルーはタブレットを専用のタッチペンを操作して、これまでナルシストルーが生み出した合体タイプのモットウバウゾーの戦績を見ながら悩んでいた。同じくソルトルーが生み出したバグスターのデータはバグヴァイザーⅢに装填されていた白いライダーガシャットに内包されている。

左手に持っている深緑とフォーンのライダーガシャット。ガシャットラベルには、犬を模した戦闘機に乗っている軍人服を着たブルドッグが描かれていた。

 

ソルトルー「遂にこのゲームが完成しました。後はこのバグスターの性能を観察するのみ...!」

ナルシストルー「そんなに真面目にやる事ないさ」

セクレトルー「どういう意味ですか?」

ナルシストルー「ゴーダッツ様はちっとも顔を見せないじゃないか。どうせ我々の事も忘れてるんだろう」

ソルトルー「いいえ。ゴーダッツ様はワタクシ達の事をお忘れになるなどある筈がない!例え此処を離れる事があろうとも!」

 

意気消沈となっているナルシストルーを寛大に接するソルトルーの言葉に、ゴーダッツが顔を見せる。

 

ゴーダッツ『お前の言う通りだ。ソルトルー』

「「ゴーダッツ様!」」

ゴーダッツ『お前達三人の事はずっと気に掛けている。これからもレシピッピ集めに(つつ)しみ、レシピボンを満たすのだ。頼んだぞ』

 

ナルシストルーとセクレトルーはゴーダッツの称賛の言葉に自信とやる気に満たされた。

 

ソルトルー「有難きお言葉!それではお二方(ふたかた)!」

ナルシストルー「ああ!今日は何だか自信が湧いてきた気分だ!!」

セクレトルー「ええ!張り切って参りましょう!せーの!」

「「「ブンドル・ブンドルー!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kokone side

 

女の子「わぁ〜!どれにしよっかな〜?」

 

私はハートベーカリーへと訪れると、一人の少女と母親を見掛ける。

 

母親「んふふ。どれも美味しそうね」

 

ドーナツを食べたくて期待を(ふく)らませていた少女はお盆に乗っているボールドーナツを花柄の爪楊枝で刺し、口に入れる。

 

女の子「あーん。美味しい!」

 

家族と一緒に食べる喜び。羨ましい、私もパパとママとボールドーナツ食べたかった。そんな後悔と羨望さが又しても私の心を駆り立てる。

その時、私の視界を誰かが背後から埋め尽くした。

 

???「だーれだ?」

 

穏やかで柔らかな声が自分の名前を問い掛ける。

 

ここね「...冬美?」

冬美「当たり。やっぱり此処に居たんだね」

 

背後を振り返る。(つや)やかな顔立ちと風で(なび)く銀色の長髪。ルビーの様に輝く赤い瞳。(かつ)て、咲夜と一緒に旅をしていた少女 光冬美が私の目の前に立っていた。

 

ここね「どうして此処が...?」

冬美「アキノリの代わりにあたしが心配でついてきたの。全く、あのバカには呆れたよ。ホントは自分が説得しに行けばいいのに、あたし達が居ると直ぐに面倒臭くなる...でも、その態度が憎めないのもいいところね」

 

冬美は咲夜との関係を語った。三百年前に咲夜とは激情態と呼ばれる姿になった事で別れたって聞いてる。

 

冬美「あたしさ、アキノリに突き放されてから一晩中泣いてたんだ。その時何て言われたと思う?『もうお前らとの旅はしたくない』って」

ここね「......」

冬美「本当は激情態の力を制御出来なかった自分が許せなくて、あたし達を今後の戦いに巻き込ませたくがないためにわざと嘘の言葉を吐いた。自分の本当の気持ちに(ふた)をして一人で旅をしてきた。今のここねと同じくらいに」

 

私が咲夜と同じ...?

 

冬美「再会した時は嬉しそうだったよ?でも、その時は突然な事で自分の気持ちを整理出来てなくて、何て言えばいいのか迷ってたんだから」

ここね「...!」

 

私と、同じだ。三百年前の咲夜も私と...!

 

パムパム「ここねは、あんな風に食べたかったパム?」

ここね「私は...」

???「ここね」

 

パムパムの指摘で何かを思った私に声を掛けたのはママだった。どうしてこんなところに...!?

 

はつこ「丁度見掛けたものだから...」

女の子「ドーナツ美味しい!」

母親「そう?」

はつこ「あ、あのね。良かったら、私達も食べない?まあるいボールドーナツ!」

ここね「えっ...!?」

 

突然の宣言で私は驚く。

 

はつこ「冬美ちゃんだったかしら?貴女も一緒にどう?」

冬美「はい。お言葉に甘えさせて頂きます」

 

数分後、丸いベンチでママと向き合っている私を冬美はその様子を見ていた。でも今はママと話さなくちゃ。

 

ここね「...可愛い」

はつこ「まだここねが小さい頃、ボールドーナツが食べたいって言われた事があって...でも、その時買ってあげなかったの」

冬美「その日からずっと、ボールドーナツを一緒に食べたいと思ったけど何故か遠慮していたんですね」

 

冬美の質問にママは頷く。

 

はつこ「ええ。でも、今日は嬉しい気持ちよ」

ボールドーナツのレシピッピ『ピピピ、ピッピ〜!』

 

ママはボールドーナツを口に運び、美味しいの言葉と溢れ出したほかほかハートによって青いリボンが付いているボールドーナツのレシピッピが現れた。

 

ここね(幼少期)『ここね、ボールドーナツ食べたい!』

 

あの日の光景がフラッシュバックしながらも、私はボールドーナツを口に入れる。

 

冬美「良かったね。お母さんとボールドーナツを食べれて」

ここね「...うん。多分、私もずっとこうして————」

女性店員「ねぇ、ちょっと。あの人、''神の舌''じゃない?」

男性店員「神の舌がうちのドーナツを食べて下さってる...!」

女性店員「しかも、さっき美味しいって...!」

 

突然にざわつき始める声が聞こえる。辺りを見渡すと、いつの間にか人集りが出来ていた。

 

はつこ「あらら。集まって来ちゃったわね」

冬美「気にしないで下さい。さ、まだ食べてないドーナツもありますから————」

はつこ「...あれ?どうして私、ボールドーナツを食べてるのかしら?」

ここね「ママ...!?」

はつこ「何か、ずっと大切にしていた物があった様な...」

 

ボールドーナツを見ながら俯いている眼差(まなざ)しは虚無に等しかった。異変に気付いた私のハートキュアウォッチが警報音をけたたましく鳴り響かせる。

 

ここね「ママの思い出が...!」

冬美「行こう、ここね!」

ここね「うん!」

冬美「ジュニラム、来て!」

 

冬美の声を通じて何処からかやって来たジュニラムは私を背中に、冬美を両腕で持ちながら移動する。

二人分は流石に重すぎたのか、普段の移動速度が大幅にダウンしているのにも関わらずジュニラムは根性でそれを挽回(ばんかい)した。

 

ここね「ナルシストルー!」

ジュニラム『オイ其処ノ塩デブト、サディスト仮面!止マレ!!』

ナルシストルー「ん?誰かと思えば、キュアスパイシーとキバーラの変身者じゃないか。それとクウガのところのカブトムシ...」

ソルトルー「『塩デブ』とは随分と人聞きの悪い渾名(あだな)を思い付くものですねぇ、ジュニラムさん」

 

ジュニラムの毒舌に対してマイペースなナルシストルーは()も角、ソルトルーは今でも怒りそうな程に眉間(みけん)(しわ)を寄せている。

 

ジュニラム『ウッサイ、毒舌ハ元カラナノ。ココネチャンノオ母サントノ大事ナ思イ出ハ返シテモラウヨ!』

ナルシストルー「生憎だが、そう簡単に譲らせる俺様達じゃないんでね」

 

話が終わったタイミングで咲夜達が専用のバイクで駆け付けてきた。咲夜に至ってはゆいとマリちゃんを後ろに乗せていた。キツくないのかと疑問に思いたいけど、今はそんな事考えている場合じゃない!

 

咲夜「ここね、冬美、無事か!?」

冬美「こっちは大丈夫。それより、来るよ!」

ナルシストルー「漸く役者のお出ましか...混ざれ、モットウバウゾー!」

ソルトルー「やっとの事で完成したシューティングゲームの力、お見せしましょう!」

『イヌネコ大空争!』

『ジェットコンバット!』

『ガシャット!』

ソルトルー「出でよ、ワタクシのバグスター!!」

 

ナルシストルーはモットウバウゾーを召喚する。ドーナツメーカーを彷彿とさせ、両腕は恐らく麺棒。

ソルトルーはバグヴァイザーⅢに二つのガシャットを装填し、筋肉質な二足歩行のブルドッグのバグスターを召喚。

迷彩のベレー帽を被り、顔には大きな傷痕(きずあと)。着ている服はベレー帽と同じ色の迷彩服で、その上にオレンジの戦闘服を装備している。

 

モットウバウゾー「モットウバウゾー!!」

ブルドー「我輩(わがはい)の名はブルドー!本来のレベルは20だが、装備が追加されて30に跳ね上がりだ!」

冬美「マリさん、お願い!」

ローズマリー「ええ。デリシャスフィールド!」

 

マリちゃんがデリシャスフィールドを発動し、私達は変身に以降する。

 

ゆい「行こう!」

「「「「「「「うん(ああ)(おう)!」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「プリキュア・デリシャスタンバイ!パーティーゴー!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

ゆい「にぎにぎ!」

 

コメコメ「コメコメ!」

 

ゆい「ハートを!」

 

コメコメ「コメコメ!」

 

 

 

 

 

 

ここね「オープン!」

 

パムパム「パムパム!」

 

ここね「サンド!」

 

パムパム「パムパム!」

 

 

 

 

 

 

 

らん「くるくる!」

 

メンメン「メンメン!」

 

らん「ミラクル!」

 

メンメン「メンメン!」

 

 

 

 

 

 

あまね「フルーツ!ファビュラス・オーダー!」

 

 

 

 

 

「「「「シェアリンエナジー!」」」」

 

コメコメ「コメ〜!」

 

パムパム「テイスティ!」

 

メンメン「ワンターン!」

 

咲夜「ブフォッ!?」

 

ジュブリー『さくやん、今完全に吹いたよね...?まぁ、細かい事はええか』

 

 

 

 

フィナーレ「トッピング!ブリリアント!シャインモア!」

 

 

 

 

 

コメコメ「コメコメ!」

 

パムパム「パムパム!」

 

メンメン「メンメン!」

 

プレシャス「熱々ご飯で漲るパワー!キュアプレシャス!美味しい笑顔で満たしてあげる!」

 

スパイシー「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!分け合う美味しさ焼き付けるわ!」 

 

ヤムヤム「煌めくヌードルエモーション!キュアヤムヤム!美味しいの独り占め、許さないよ!」

 

フィナーレ「ジェントルに、ゴージャスに、咲き誇るスウィートネス!キュアフィナーレ!食卓の最後を、この私が飾ろう」

 

「「「「デリシャスパーティ♡プリキュア!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「変身!」」」」」

 

【カメンライド ディケイド!】

 

【ディエーンド!】

 

キバーラ「チュッ!」

 

『SWORD FORM』

 

ディケイド「全てを束ね、全てを創る!仮面ライダーディケイド!旅の語らい始めようか!」

 

ディエンド「後を縋らず全てを撃ち抜く!新たな旅に悔いなき選択を!仮面ライダーディエンド!僕達の旅の行先は...僕達が決める!」

 

クウガ「ゼロから始まる古代のエナジー!仮面ライダークウガ!皆の笑顔は...俺が守る!!」

 

キバーラ「「世界に輝く女騎士!仮面ライダーキバーラ!貴方の野望、止めてあげる(わ)!」」

 

電王S「俺、参上!」

 

ディケイド「全てを破壊し、全てを繋ぐ!」

 

「「「「「我ら、仮面ライダー!」」」」」ドカーン!

 

 

 

 

DECADE SIDE

 

ナルシストルー「見ててください、ゴーダッツ様!」

ソルトルー「必ずや!プリキュアとライダーを倒し、レシピッピを持って帰って見せましょう!」

ヤムヤム「ほへ?」

ナルシストルー「奴は何を言ってるんだ...?」

 

気合の入った宣言をするナルシストルーとソルトルーに対して、俺達は違和感を持ち始める。

 

ディエンド「状況は兎も角、ゴーダッツが本気を出させたんだろうね」

ナルシストルー「まぁ、それはこっちの話さ。さぁ行け!モットウバウゾー!!」

モットウバウゾー「ウーバーッ!!」

 

戦いの火蓋(ひぶた)が切って落とされる様にモットウバウゾーは右腕を振り下ろす。バリアを張って防御体制に入るスパイシーだが、麺棒が素材となっていたためか難なくそれを押し切られて吹っ飛ばされそうになる直前に粒子の翼を畳んだ冬美が身代わりとなった。

 

キバーラ(冬美)「ぐっ...!やあああッ!!」

 

体勢を整えながら広げた翼で吹っ飛ばされた反動を掻き消して地面に着地する冬美はキバーラサーベルを構えながらモットウバウゾーに立ち向かう。

 

「「「はああああッ!!!!」」」

モットウバウゾー「ウバ!」

プレシャス「うっ...!?」

電王S「でえりゃあッ!!」

ヤムヤム「モモっぺナイス!やあああっ!えっ、うわあああっ!?」

モットウバウゾー「ウバーッ!!」

フィナーレ「ぐっ...!」

 

それに続いて右拳(うけん)を振るったプレシャスをモットウバウゾーは逆に左腕で弾き飛ばし、モモタロスがデンガッシャーを振り下ろしている隙に背後から攻めに入ったヤムヤムを右腕で対処。更には防御体勢に入ったフィナーレをも殴り飛ばす。

冬美は迫り来る両腕をモモタロスと共に攻撃を避けつつ斬撃を与えるが、片足を狙おうとしたところで地面に叩き付けられてしまう。

 

ディケイド「冬美、モモタロス!!」

ブルドー「おっと。破壊者様が他人を心配している場合か!?」

 

ブルドーは装備しているオレンジの飛行奇襲ユニット『コラボストラジェット』で飛行しながら、右腕からの電磁竜巻で俺を牽制させた上で右肩のガトリング砲から放たれた銃弾の雨が地面に付着した事で砂煙が巻き上がっていく。

 

クウガ「超変身!」

 

右肩のガトリング砲から放たれた銃弾の雨を、タイタンフォームになった雄大が防ぐ。

 

【アタックライド ブラスト!】

 

今度は左腕のミサイルを放たれるが、間を割って出たレグレットが追尾効果を付加させた水色の弾幕で対処し、右腕の装備が破壊されて右手が(あら)わになる。

その隙に俺はイリュージョンのライダーカードを装填してBを呼び出す。今回は王蛇とゲンムが出る気配がないからな。

 

ディケイドA「Bはプレシャス達の援護を頼む!」

ディケイドB「ああ。()()く早く終わらせる」

 

Bがプレシャス達の援護に向かったと同時にジュブリーが実体化する。

 

ディケイドA「後はガトリング砲を破壊するだけだな!」

ジュブリー「よし、そうと決まれば...!」

ディケイドA「おい待て、ジュブリー!」

ブルドー「ウォブリーの息子か。お前の宿主に油断はさせられた。だが!」

ジュブリー「なっ、何やて!?ぐああっ!?」

 

圧倒的な跳躍力で飛び蹴りを放つジュブリーを、ゴムの様に伸縮自在に避けたブルドーは背後からミサイルを喰らわせる。

 

ディケイドA「ジュブリー!大丈夫か!?ったく、無闇に敵に突っ込んでんじゃねぇよ...!」

ジュブリー「すまんな、さくやん。あんたの性格に似てきてもうたからつい...」

 

何処ぞの海賊王になる男だよと仮面の下で驚きながら俺はジュブリーに駆け寄ると、ソルトルーがブルドーの能力を説明する。

 

ソルトルー「おっと。一つ言い忘れておりましたが、ブルドーさんはスパイクという『トムとジェリー』に出て来るキャラクターの腕が伸びる描写をそのまま能力にしました。これなら、(いく)ら下からの銃撃を食らいそうになっても四肢(しし)を伸ばせばあら不思議!カウンターありの生きたシューティングゲームの出来上がりです!貴方達にこれを攻略するのは(さぞ)、困難でしょう?」

ディケイド「(むし)ろ上等じゃねぇか。それに、伸縮自在はこいつの専売特許じゃねぇぞ?」

 

【フォームライド ダブル ルナジョーカー!】

 

幻想の切り札 ダブル『ルナジョーカー』へと姿を変えた俺は(むち)の様に地面を叩き付けた勢いで伸縮した右腕を斜め右、次に左へと()ぎ払う。

だが、ブルドーは左腕から発射したミサイルを飛ばしながら伸縮した右腕で回避し、地面に着陸する。

 

ブルドー「俺と同じ能力を使える奴だったとは驚きだぜ。どっちが本物の伸縮スターに相応しいか勝負と行こうか!」

ディケイドA「伸縮スターは大袈裟(おおげさ)過ぎだ。若し、お前がベリーマンやジュブリーと同じ善良なバグスターだったらもっと頼もしかったのに」

ブルドー「バカを言うな、俺は最初からソルトルーに忠誠を誓う様にプログラミングされてある。主人を裏切る様な行いをしてしまえば、軍人は務まらんからな」

ディケイドA「そうか。そりゃあ残念だ!」

 

俺はブルドーとの交渉は不可能だと察していたが、奴もウォブリーやベリーマンと同じ強い覚悟を持っていた。互いを認識した上で俺は伸縮した腕を振り上げ、ジュブリーと雄大も後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

B SIDE

 

【カメンライド ZX!】

 

赤と銀を基調としたライダー。首には緑のマフラーを靡かせており、頭部は天牛(カミキリムシ)を彷彿とさせる。

 

【アタックライド 十字手裏剣!】

 

ナチス残党によって結成された悪の組織『バダン』に改造された99%のサイボーグ忍者ライダー『ぜクロス』へと姿を変えた俺は、(ひじ)の部分にくっ付いている『十字手裏剣』を投擲(とうてき)する。この飛び道具はダイヤモンドより硬い刃を持っているため、1km先の標的を的確に命中させる。

 

モットウバウゾー「ウッ、ウババババッ!?」

ディケイドB「更におまけだ!」

【アタックライド 衝撃集中爆弾!】

 

モットウバウゾーの足元に膝に装着されている『衝撃集中爆弾』を接着。加勢しに来たブラックペッパーのエネルギー弾と接触した事で大きな爆発力を生み出す。

 

ブラックペッパー「気を抜くな」

プレシャス「有難うブラペ!」

ブラックペッパー「礼は後だ。来るぞ!」

 

伝説のクレープの一件で成長した事を誇りに思ってしまう。見事な不意打ちだ。

 

モットウバウゾー「モット...!」

ディケイドA「まずいッ...!」

【アタックライド...】

モットウバウゾー「ウバウゾー!!」

ディケイドA「ぐっ、うおわああああッ!?」

 

さっきの爆発で大きく後退し、転倒しかけたモットウバウゾーは体勢を立て直す。両腕による衝撃波で吹き飛ばしたプレシャス達を岩盤に衝突させる。

俺はアタックライドカードを装填してサイドハンドルを閉じようとしたが間に合わず、同じく岩盤に衝突してしまった。

 

ナルシストルー「ゴーダッツ様。これでボールドーナツのレシピッピは頂きです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「そんな事させない!!」」

【カメンライド BLACK!】

 

ナルシストルーの勝手な勝利宣言を否定したスパイシーは忍者の如く地面に着地。眩い光によって砂煙が晴れ渡ると、Bは茶色い関節が露出している黒い飛蝗(ばった)を模した世紀王『仮面ライダーBLACK』へと姿を変えていた。

 

スパイシー「ママもボールドーナツを覚えていた。私も、同じ気持ちだった!」

キバーラ(冬美)「その家族の気持ちを利用する奴は、あたし達が絶対に許さない!!」

ローズマリー『冬美、スパイシー...!』

 

拳を強く握ったBの茶色い関節から蒸気が溢れ出る。

 

ブルドー「中々やる様だな。だが、貴様の実力はそんなものではないだろう?」

ディケイドA「流石は軍人、感が鋭いな。見破ってくれた褒美だ...ドラゴンスタイルの真骨頂、見せてやる!!」

【フォームライド オーズ ガタキリバ!】

『ガッタキリバ!』

ディケイドA「ブレンチシェイド・クアトロ!」

 

ガタキリバコンボにカメンライドしたAはブレンチシェイドで四体に分身し、ウィザードの全ドラゴンスタイルのカードをドライバーに装填する。

 

【フォームライド ウィザード フレイムドラゴン!】

【ウォータードラゴン!】

【ハリケーンドラゴン!】

【ランドドラゴン!】

『ボーボー!ボーボーボー!』『ザバザバザシャン!ザバンザバーン!』『ビュービュー!ビュービュービュービュー!』『ダン、デン、ドン、ズッ、ドッ、ゴ-ン!ダン、デン、ドッ、ゴーン!』

 

火・水・風・土といった属性を纏った異色の龍達がガタキリバ達を囲みながら彼らをドラゴンスタイルの姿に変化させる。

 

ガタキリバA「頼むぜ、レグレット!」

ディエンド「ああ。四人纏めて、少し寝違えるよ!」

 

レグレットが一枚のライダーカードを取り出す。書かれていたのは『UNITE VENT』。

 

【アタックライド ユナイトベント!】

 

ブッカーマズルから発生した赤い波動を受けたドラゴンスタイル達が磁石の様に引き寄せられる形で融合を果たす。

頭頂部は丸い赤、左右は形状が異なる(とが)った青と緑、そして(あご)部分は角ばった黄色。額に付いているドラゴンの装飾『エクスドラゴロッド』に埋め込まれている宝石はダイヤモンドの如き輝きを放つ。

その影響か、赤いローブ『ウィザードローブ』の色が金に変色しており、ラインは銀。同じくオールドラゴンの銀の部分がそれぞれ属性の色を宿す。

 

ディケイドA「サンキューなレグレット。この姿を名付けて言うなら...ディケイドウィザード 『エレメントドラゴン』!」

ブルドー「フフッ。フハハハハハハハハハッ!!これだ!我輩が求めていたのは正にこれよ!!ディケイド。貴様は我輩にとって強者!何処までも我々バグスターを楽しませてくれる...!」

 

口を限界まで吊り上がらせるブルドー。更なる力をAを自分自身における強者と認め、どんな強さを持っているのか楽しみで仕方がないのだ。

 

ディケイドA「ああ。これでお互い遠慮はなしだ!!」

ブルドー「フハハハッ!来いッ!!」

 

両者がぶつかり合った反動で強い風圧が吹き飛ばされそうな程に届いた。

 

ディケイドB「こっちも負けてられないな。行くぞ冬美、スパイシー!」

スパイシー「ええ!私達の...大事な大事な思い出を、この手で絶対に取り戻す!」

ナルシストルー「いきなり何言ってんだぁ?行け、モットウバウゾー!!」

モットウバウゾー「ウバウゾー!!」

 

地面を蹴って俺達に襲い掛かるモットウバウゾー。俺はライダーカードを装填する。

 

ディケイドB「少しの間だけ目を閉じてろ」

【アタックライド キングストーンフラッシュ!】

モットウバウゾー「ウバッ!?ウババババババッ!?」

 

ゼロディケイドライバーから放たれた眩い真紅の光でモットウバウゾーの視界を眩ませている

 

ディケイドB「今だ!」

スパイシー「プリキュア・スパイシーサークル!」

キバーラ(冬美)「バッシャーマグナム!!」

 

その隙に、スパイシーがハートキュアウォッチの液晶画面をタッチして発動したスパイシーサークルを投擲、冬美は召喚したバッシャーマグナムから放たれた弾丸をモットウバウゾーの左腕の砲身に連射する。

 

フィナーレ「...よし!」

 

好機と見做したフィナーレはクルーミーフルーレで煙を振り払い、もう片方の砲身にフィナーレブーケを命中させる。

煙が上がってはいるが、これでさっきの衝撃波は使えない。

 

モットウバウゾー「ウッ、ウバ!?」

【ファイナルアタックライド ブ、ブ、ブ、ブラック!】

ディケイドB「ライダーパンチ...!」

キバーラ(冬美)「ドッガハンマー!」

 

エネルギーを収束させた右拳をモットウバウゾーの中心目掛けて跳躍しながら繰り出す。同時にプレシャスとヤムヤムが頭頂部と右足を狙った事で大きく転倒させる...直前に飛翔した冬美が勢い良くドッガハンマーをフルスイングで振り下ろす。

 

モットウバウゾー「ウババババババ...!」

 

家族との大切な思い出を守りたいという思いで頭がいっぱいになっており、最早重さなんてどうでもよかった。

 

モットウバウゾー「ウッ!ウバーッ!!」

『Full charge』

電王S「おっと。俺達の事も忘れんなよ!」

キバーラ「同時に合わせるよ、アキノリ!」

ディケイドB「ああ!」

 

モモタロスがエネルギーを収束させた飛び蹴りを放とうとしている。勿論、ブラックのファイナルアタックライドはこれで終わりじゃない。

俺は30m程に跳躍して右足にエネルギーを収束させる。

 

電王S「行くぜ!俺達の超必殺技!」

「「「ライダーキーック!!」」」

モットウバウゾー「ウバッハァ!?」

 

ブラックペッパーのエネルギー弾と共に、ライダーでお馴染みである必殺のキックをかました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A side

 

ディケイドA(クソッ!両腕がドラゴヘルクローになってるから、アタックライドカードを使えない。いや、待てよ。若しかしたら...試す価値はありそうだ!)

ブルドー「はぁッ!」

ディケイドA「''スモール''!」

 

ブルドーが右腕から放ったミサイルが迫る中『スモール』と唱えてみると、体が縮小。すれ違う様に地面に着弾したミサイルの爆発音が背後から木霊する。

 

ディケイドA「やっぱりそういう事か...!」

 

どうやらこのフォームはウィザードリングの名前を言うだけでその能力を発動出来るらしい。そうと決まればこっちのものだと飛翔しながら察していると、ブルドーの肩のガトリング砲から銃弾の雨が降ってくる。俺は続けてウィザードリングの名前を唱える。

 

ディケイドA「''リキッド''、''バインド''!」

ブルドー「何ッ!?」

 

リキッドで全身を液状化させて銃弾の雨を擦り抜け、バインドでブルドーの四肢を拘束させる。

 

ディケイドA「''ビッグ''、''ブリザード''!!」

 

間近となった距離でドラゴテイルを四スタイルの色が重なった虹色の魔法陣を通して巨大化。

冷気を纏わせ、全身を一回転させて地面に叩き付けると、追加効果で右腕のミサイルを凍結させたのだ。バインドの効果もブルドーを叩き付けたと同時に解除している。

 

ブルドー「隙あり!」

ディケイドA「なっ...!?」

 

隙を突いたブルドーが俺の両肩をゴムの要領で伸ばした凍結されていなかった片腕をガッチリと固定する。

 

ブルドー「やるな!ならば、これは耐えられるか!?」

 

後方へと後退していくブルドーが全体重を掛けていたのか、後退していく度に俺の体が前方へと引き寄せられていく。

あの時バインドを解除しておかないでトドメを刺しておくべきだったと後悔している間もなく、ブルドーの両手が震え、今でも離れそうになっている。

幾ら伸縮自在であろうとも、伸ばすのにも限度がある。

 

ディケイドA「''エクステンド''!」

 

ブルドーが足を宙に浮かしたタイミングで俺は下から出現した魔法陣を潜り抜け、伸縮自在となったドラゴテイルを岩山の天辺に突き刺して片足で地面を蹴る。

伸縮自在の敵が腕を離さない限り、空中への逃走経路がないのは承知の上だ。

 

ディケイドA「''サイコキネシス''、''スペシャル''!!」

 

俺は両手のドラゴヘルクローを突き出し、念動力で押し返しながらドラゴスカルから強力な火炎『ドラゴンブレス』を浴びせる。

 

ブルドー「ぬっ!ぐぐぐ...ぬおおおおおッ!!!!」

 

だがブルドーは軍人たる根性で念力と火炎を打ち破り、ジェット機の如く猛烈なスピードによる肘打ちを俺の腹部に炸裂させた。

 

ディケイドA「ぐはあっ...!?」

ブルドー「これは我輩からの選別だ!!」

ディケイドA「...ぐっ!''エクスプロージョン''!!」

 

手榴弾を押し付けられた俺はブルドーの腹部に出現させると、魔法陣が強力な爆発を起こす。

爆発によってお互い後方に吹っ飛ばされた。

ブルドーは左腕の爪を地面に食い込ませる事でブレーキを掛け、俺はドラゴテイルの先端を岩盤に突き刺して何とか岩盤との衝突を防いだ。

その後は怯む事なく地面を蹴り上げて空中戦に移行。攻撃が何度も打つかり合い、爆発音が鳴り響く。

 

ディケイドA「...次で決めようぜ」

ブルドー「来いッ!我輩が放つ全力の一撃で、貴様の希望とやらを打ち砕いてやろう!!」

 

距離を取り、俺は体力の限界を悟る。ブルドーの感情を(たかぶ)らせ、刺激させたのは紛れもない闘争本能。

それは自分より強い者と闘う事で更なる力を発揮させたのだろう。

敵を天晴(あっぱ)れながらも称賛し、自らの限界を見極める熱い闘争心が俺の心に火を付けた。これは...ベリーマンやジュブリーの次に敬意を評したくなったぜ。

そう思いながらトドメの一撃を放つべく、俺はファイナルアタックライドのカードをドライバーに装填する。

 

【ファイナルアタックライド ウィ、ウィ、ウィ、ウィザード!】

ディケイドA「ストライクエレメントドラゴン!」

 

俺の足元に四大元素の魔法陣が浮かび上がり、ドラゴウイングで約200mに急上昇する。ブルドーも伸縮した両腕で数10m先にあった岩壁をゴムが千切れる様な勢いで約400mに後退する。

 

ディケイドA「''ハイスピード''!」

 

発砲された弾丸の如き速さで飛び蹴りと突進が打つかり合う。激しい押し合いによってスパークが生じ、今でも押されそうになっている。

 

「「うおおおおおッ!!!!」」

 

気合を入れて声を上げる。

 

ディケイドA「これで切り上げだ!''ドリル''!!」

 

激しい押し合いの中、仕上げにドリルの効果で体を高速回転させて押し切る。

押し負けたブルドーの胴体には、大きな風穴が出来ていた。

 

ブルドー「ふふっ、ふはははははは...!見事だディケイド、我輩の役目は此処で終わる。だが、我らの計画はまだ終わったわけではない。ブンドル団と、財団Xに、栄光あれええええッ......!!!!」

 

戦いには敗れたが、自分より強い者と戦えた事に満足したブルドーは最期の断末魔と共に爆散し、データはバグヴァイザーⅢに回収された。

 

ディケイドA「はぁ、はぁ、はぁ、何とか勝てた...!」

 

ユナイトベントの効果が自動的に解除されて、俺はディケイドの姿に戻る。ガタキリバによって召喚された分身達も消滅済みだ。

分身して受けたそのダメージが四倍となって返っており、体がふらつく。

 

「「アキノリ(さくやん)!」」

 

俺の背中を支えてくれたのは、雄大とジュブリーだった。

 

ディケイドA「有難うな二人共。流石にガタキリバからのユナイトベントはキツ過ぎたか...!」

 

やはりこの姿は一つのデメリットとして、ウィザードリングの効果を使い過ぎると変身が強制的に解除され易くなるらしい。

デリシャスフィールドの地面に着いて息を整えようとしていると、ライドブッカーから一枚のカードが飛び出す。

 

クウガ「これは...!」

 

色が彩られる。手に握られていたカードには『WIZARD ELEMENT DRAGON』の英文字、下には『FORM RIDE』と記載されていたライダーカードだった。

 

ディケイドA「...ったく、まさかオリジナルフォームのライダーカードまで生成出来てしまうとは。ディケイドライバーの進化は止まらないモンだなあ...」

 

そう思いながら俺は仰向けになって、デリシャスフィールドの空を(なが)めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kiva-la side

 

ここね「それじゃあ、行って来る!」

 

気持ちを整えたここねの背中を見送ったのだけれど、あたしはどうも心配でこっそり様子を伺う事にした。物事の一部始終を確認しないと気が済まないもの。

 

ここね「ママ!」

 

( せみ)の鳴き声が小さく小刻むテーブルに佇んでいたはつこちゃんにここねちゃんが声を掛ける。ボールドーナツのレシピッピを取り戻したから、大丈夫そうね。

 

ここね「ママ、あのね...!」

???「おうい!」

ここね「! パパ!」

 

後ろから声を掛けたのはしょうせいさん。両手にはプリティホリックの袋を持っていた。

 

しょうせい「ほらこれ、夏の新色リップ。ここねはこの事を言ってたのか」

ここね「有難うパパ。でも、どうしてこれを...?」

しょうせい「ここねのお気に入りの場所を、轟さんに聞いたんだ。そう、この店の事もね」

 

その事を聞いて、ここねちゃんは笑みを浮かべる。

 

ここね「パパ、ママ。私、パパとママと一緒にボールドーナツを食べたい。我儘かもしれないけど...」

はつこ「そんなの、我儘なんかじゃ...」

しょうせい「だったら、パパだって我儘言うぞ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パパとママにここねの事を教えてほしい」

ここね「えっ...!?」

 

真剣な表情で、しょうせいさんは我儘でもない本心で謝罪した。

 

しょうせい「御免。ここねの事、知らな過ぎて...でも、ここねと話がしたいんだ。お気に入りの店とか、好きな物とか」

ここね「そんなの、ちっとも我儘じゃ...!」

 

ここねちゃんが察したのを見て、しょうせいさんは頷く。

 

しょうせい「うん。これは我儘でも何でもない、パパの本当の気持ちだ」

はつこ「『自分の気持ちを伝えるのは我儘じゃない』、ってね」

 

両親の本当の気持ちを知れたここねちゃんは、二人に自分の好きな事を話し始めた。

 

ここね「...うん。ええっと、私が最近好きな事はね...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キバーラ「愛が詰まったブラッドオレンジジュース!あたしと、乾杯!」

 

オリジナルED曲2『ココロデリシャス』

 

 

 

 

 

 

 

次回、デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~

 

パムパム「コメコメなんか嫌いパム!」

 

???「君が俺をどうやって感動させるか見せてくれよ」

 

ディケイドA「さぁ、此処からが...」

 

「「ハイライトだ!!」」

 

第二十四品:コメコメなんか知らない!波乱のピザパーティー!/喧嘩もすれば危険に当たる!?新たな仮面は白狐!

 

全てを破壊し、全てを繋げ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第三章まで...後、一話。

 

 

 

 

 




次回、犬科大喧嘩...!?









如何でしたでしょうか?次回は透冀君があのサポートライダーを...!次回もお楽しみに!




初使用したカメンライド

ZX、BLACK

召喚したライダー

なし

~ソルトルーのオリジナルガシャット~

イヌネコ大空争(14話で初登場)

猫の主人公が様々な種類の犬の軍人達と戦う縦スクロールシューティングゲーム。

ブルドーバグスター
ICV:稲田徹
身長:201.9cm
体重:109.3kg
特色/力:咆哮による衝撃波(未使用)/伸縮自在の四肢による攻撃及び回避/高速飛行及び爆撃/手榴弾
モチーフ:ブルドッグ司令官、スパイク、ロレント











KAMEN RIDE
-昭和-
X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー
-昭和(ネオライダー)-
真、ZO
-平成1期-
補完完了
-平成2期-
補完完了
-令和-
補完完了...?
-TVシリーズ外-
仮面ノリダー、ホッパー1号(The First版1号)、ホッパー2号(The First版2号)、ホッパーVersion3(The Next版V3)、G、アマゾンズ(オメガ、アルファ、ネオ)、ミライダー(シノビ、クイズ、キカイ、ギンガ)







































咲夜「...そろそろだな。ゼロディケイドライバー(こいつ)のアップデート条件が達成されるのは」

ゼロディケイドライバーをVer.4にアップデートさせる条件:昭和ライダーで1号V3ZXBLACK、平成と令和でクウガリバイス、番外でシノビを使用する。


遂にはかたべ版 ディケイド組が揃った!ジュニラムとキバーラが人間体になってほしいならどっちを選ぶ?(改)

  • ジュニラム
  • キバーラ
  • どっちも
  • そのままの姿でいい
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