デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~   作:ライノア

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「らんらん博士の新発明!食べられるシャボン玉キャンディーだよ!」

これまでの破壊者の食べ歩きは...?

「コメコメの尻尾と耳を、らんの発明で消しちゃってほしいコメ」

「美味しいご飯が元気をくれるし、誰かと一緒に美味しいねって言い合うのもすっごく元気を貰える!」

『僕ノ中ニハ、生マレテコレナカッタオ父サンノ魂ガアル!果タセナカッタ想イヲ託サレタ!』

「課せられた名を受け継ぎ、身寄りを越える為に様々な経験を積んで精神と共に強くなる。''ジュニア''っていうのは、そういう意味なのかもしれないな」








第二十八品前編:絶望の戦況!ゴッソリウバウゾーと無限の毒蛇

DECADE SIDE

 

スペシャルデリシャストーンを嵌め込まれた薄ピンク色の捕獲箱に黒紫のオーラが(まと)われる。

その輝きと噴き出す(もや)からして見れば、ナルシストルー自身が食に対する憎悪を表していた。

 

フィナーレ「ナルシストルー...!」

 

ナルシストルーは浅倉と共にデリシャスフィールドを後にした。

勿論、同行していた浅倉も一緒に。

 

ヤムヤム「スピリットルー!」

 

ヤムヤムがスピリットルーの名を叫ぶ。

ナルシストルーが来なければ、分かり合えるチャンスがあったのかもしれないが、横槍を入れられたせいでそのチャンスは奪われてしまった。

 

パムパム「帰ったパム...?」

ジュブリー「いや、あの顔付きを見るからにしてはそうでもないみたいやで。『スペシャルデリシャストーン取ったから帰る』なんて、そんな意味不明な行動をするとでも?少なくとも、あの二人の目付き...ガチで僕達を殺す気だった」

ローズマリー『警戒した方が良いわ。スペシャルデリシャストーンを捕獲箱に()めていた...!!』

 

ジュブリーは猛禽(もうきん)類の両眼、ローズマリーを含めた俺達ライダー組は変身による複眼で視力が上がっているので行動自体は把握していた。

全員が警戒していると、プレシャス達のハートキュアウォッチから警報音が同時に鳴り響く。

液晶画面に映っていたのは、マグロ寿司個体のレシピッピ。

一時デリシャスフィールドを後にした俺達は、プレシャス達を後ろに乗せたライダーマシンでナルシストルー達の居る場所へ(おもむ)く。

 

プレシャス「ナルシストルー、王蛇!レシピッピを返して!」

ナルシストルー「...待ってたよ、プリキュアにライダー。今から俺様達の新しい力を見せてやる」

プリキュア組『えっ...?』

 

プレシャスがレシピッピの返上を要求する中、ナルシストルーは冷静な態度で告げた。

 

ナルシストルー「カモン、ゴッソリウバウゾー!」

ゴッソリウバウゾー「ゴッソリウバウゾー!!」

 

中心に描かれたBの英文字から赤い光が放たれ、寿司屋にあった寿司(おけ)に赤黒いエネルギーが炎となって噴き上がる。

誕生したのは、寿司桶を基となった上位のウバウゾー。

扇面(せんめん)の形状をした薄赤い半仮面と手足。

ウバウゾー特有の角は、初代ウルトラマンを代表する怪獣の一体『エレキング』を連想させる枝分かれした角が生えている。

 

ローズマリー『新しいタイプのウバウゾー...!?モモタロス、一旦憑依を解除して!』

 

モモタロスの憑依を解除したローズマリーはデリシャスフィールドを展開。

 

ナルシストルー「ゴッソリウバウゾー、お前は(しばら)く何もするな...さて、俺様の顔に傷を付けた礼はきっちり返さないとな」

ディエンド「...それは、まさか!!」

ナルシストルー「そのまさかだ。流石の裏切り者であるお前も察するのが早いな」

 

ナルシストルーが取り出したのは、ドランジャのバグスターウイルスが内包されているバグヴァイザーⅢ...否。バグルドライバーⅢであった。

 

『ガッチューン!』

『ユアロボットネーム!』

 

腰に当てると不穏な変身待機音が鳴り響き、ズボンのポケットから取り出した紺色のライダーガシャットのプレイングスターターを起動するナルシストルー。

背後に投影された映像に映し出されたのは、真紅に染まった大柄のロボットと背後を振り向く青い狸型ロボット。

表示したタイトルは『ユアロボットネーム』。そのままガシャコンスロットにライダーガシャットを装填する。

 

『ガシャット!』

 

それに続いて不適に笑った浅倉も変身に移行し、バグルドライバーⅢの液晶画面に翳したカードデッキを鏡面に映す。

実体化したVバックルが腰に装着されると、カードデッキが握られた左手をVバックルの腰の横へと持って行き、円を描く様にして右手を(かか)げる。

返される手首。同速で縮んだ右手を、獲物に喰らい付く蛇の如く素早く伸ばして叫ぶ。

 

浅倉「変身!」

ナルシストルー「…変身」

 

浅倉の正面に出現した縦長の鏡面から飛び出したベノスネーカーの幻影が俺達の周りを囲むと、鏡面が虚像となって前後に分かれ回転。

ベノスネーカーの幻影が塒を巻きながら纏わり付き、一度は前後に分かれた虚像が正面に出て重なる。

(とぐろ)を巻くベノスネーカーの幻影と回転する虚像が同時に重なり、浅倉を仮面ライダー王蛇の姿に変えた。

 

『バグルアーップ!』

『ドラララララ!(let`s playing!)チェンジ・オブ・ザ・ハート!ユアロボットネーム!(meaw!)』

 

バグルアップトリガーを押したナルシストルー。

バグルドライバーⅢのハイフラッシュモニターから正方形の黒いパネルが等身大に出現し、緑色のライダーが襲い掛かっている姿が描かれている。

黒いパネルに爪痕(つめあと)が横に刻まれ、右手に武装された手甲がパネルを破壊すると、緑色の炎が噴き出す。

包まれた炎を振り払ったナルシストルーは二本のラインが赤く走る黒いアンダースーツを着たライダーとなったが、エグゼイドライダーの腕部と脚部以外は他のライダーや怪人等の装甲を寄せ集めた姿となっていた。

右側にブンドル団のマークが刻まれたリバイ ジャッカルゲノムの胸部装甲、両方に突起の生えた肩アーマーはガラット・ナーゴ、両手でグリップを握っていたのは猫の肉球模様が描かれたゲンム レベルX外装体の『ディスペアクロー』、最後にクロノスの腰ローブ。

仮面ライダーポッピーを連想させる頭部には、ナルシストルーの髪型を模したヘッドパーツが付いている。

 

ドラーニャ「一応名乗っておこう、俺様は...仮面ライダードラーニャ」

フィナーレ「ナルシストルーが...!」

ヤムヤム「仮面ライダーになっちゃった!?」

 

驚愕(きょうがく)するフィナーレとヤムヤムを無視して、浅倉はカードデッキからアドベントカードを引き抜く。

すると辺り一面が黄金の霧に包まれ、左手に持っていたベノバイザーの装備スタイルが杖から手持ち型の武器『ドラグバイザーツバイ』に似た召喚機『ベノバイザーツバイ』に変化した。

 

ディエンド「あのカードは...この霧の色、やはりそうか!」

フィナーレ「どうかしたのか、透冀?」

ディケイド「『浅倉がサバイブのカードを持っている』と言いたいんだろ?あの霧の色を見れば分かる。あれは-烈火-でも-疾風-でもない、あれは————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『サバイブ-無限-』のカードだ!!」

プリキュア組と電王以外『!!』

キバーラ(冬美)「嘘でしょ...無限!?無限って、あのオーディンの召喚機にあったサバイブカードの事でしょ?その無限だって言うの!?」

 

冬美が狼狽(うろた)えながら俺に尋ねる。実際に俺が旅の途中で戦ったミラーライダーは、サバイブ化したリュウガと王蛇だ。

そのサバイブ体に当時の俺達が苦戦を強いられていた時期があり、俺が死にかけた事例もあったので冬美にとっては過去最大のトラウマとなっている。

 

ディケイド「ああ。間違いない」

クウガ「じゃあ、若し浅倉がサバイブカードを使ったりしたら...!」

ディエンド「間違いなく、ミラーライダーの中でも最高スペックを誇るオーディンをも凌駕(りょうが)する...いや。浅倉君の容赦ない戦闘スタイルを踏まえるなら、スペックという名の肩書きも関係なしに圧倒するだろう」

 

『SURVIVE』。『生き残る』という意味の名の通り、ミラーライダーの力を他のミラーライダー達を圧倒する程までに強化する力を持つとされる。

城戸が使っていた『SURVIVE 烈火』は炎が巻き起こり、秋山が使っていた『SURVIVE 疾風』は風が巻き起こる。

そして浅倉が引いた翼無き不死鳥が描かれた『SURVIVE 無限』のカードは赤と青が混ざり、紫の渦を巻く。

 

キバーラ(冬美)「...させない!!」

クウガ「同意見だな。俺もだ!」

【アタックライド ブラスト!】

 

浅倉のサバイブ化を阻もうと、ドッガハンマーのトゥルーアイで身体神経を麻痺させる。

動きを封じられたところを、レグレットとペガサスフォームとなった雄大が銃撃を開始する。

 

メタルゲラス「ブモオオオオッ!!!!」

ジュブリー「うおっと!君達二体の相手は...」

ジュニラム『僕達ジュニア組ガ相手ダ!雄大達ノ邪魔ヲスルナラ、先ニ僕達ヲ倒シテカラニシロ!!』

 

メタルゲラスとエビルダイバーの行く手をジュブリーとジュニラムが阻んだ。

 

ディケイド(頼んだぞ、お前ら...!!)

【アタックライド イリュージョン!】

【カメンライド ドラーイブ!】

【フォームライド ドラーイブ!ワイルド!】

【テクニック!】

 

メタルゲラスの装甲で銃撃が無効化されている間に俺はイリュージョンで三人に分身してドライブにカメンライド。

Bはタイプテクニックに、Cはタイヤが右肩に装着された武骨な4WD車がモチーフのアメフト選手さながらの黒いドライブ『タイプワイルド』となった。

 

【アタックライド フッキングレッカー!】

【ローリングラビティ!】

 

Cがタイヤ交換により装着された深緑色のタイヤ『フッキングレッカー』の強化ワイヤーフック『キャプチャーフック』を投げる。

怪人のパワーにも耐え得る頑丈さを持つ特殊鋼繊維(せんい)を束ねたワイヤーが王蛇の体を拘束している間に、Bが特殊な金属素材で出来ている重り『10tオモーリ』を気合で投げ飛ばす。

ローリングラビティタイヤに内蔵されている重力制御装置『G-アジャストモジュール』で10tオモーリが重力変動フィールドに変化する。

重力の軽減や加重を可能とするが、今回ばかりは加重せざるを得ない。

 

ディケイドB「グラビティフィールド展開!プラス100万t!!」

スパイシー「ピリっtoヘヴィーサンドプレス!!」

 

Bがそう宣言すると、浅倉は重力に押し潰される。

キャプチャーフックは重力変動フィールドの重力が加重される前にCが既に回収済みだ。

バグスターの粒子体となってキャプチャーフックを抜け出して重力変動フィールドから脱出を図ろうとしたが、スパイシーがサンドプレスで逃げ道を塞いで更に押し潰す。

地球が崩壊するに等しい重力が、デリシャスフィールドの大地を(えぐ)る程に裂けたのだ。

 

スパイシー「今の内に召喚機とカードを!」

ディケイドA「悪いな、二人共!」

『スピ・スピ・スピード!』

 

二人に後押しされた俺はシフトスピードを三回倒して加速。ベノバイザーツバイとサバイブカードに手を伸ばす。

 

ドラーニャ「させると思ったか?」

 

ナルシストルーが斬撃を飛ばして俺を妨害しようとしたが、生憎俺にはオーロラカーテンがある。

当たる直前に展開して、更に奴の背後に展開する形で跳ね返すも、斬撃を飛ばして相殺されてしまう。

直後にプレシャスとフィナーレが進行させまいと、ナルシストルーに拳を振るう。

 

プレシャス「咲夜君、行って!」

フィナーレ「ナルシストルーは私達が足止めする!」

 

不意打ちを仕掛けようとしていたエビルダイバーとベノスネーカーは、ジュブリーとジュニラムと交戦しているので問題なく行けた。

ベノバイザーツバイを手にした俺はサバイブカードを口部分ではなく、グリップを引いて展開したスロットに入れたままにする。

取り出したドア銃の認識パネル『シフトランディングパネル』に、シフトブレスからシフトスピードを取り外して装填しようとした矢先でゴッソリウバウゾーが動く。

 

ゴッソリウバウゾー『ゴッソリウバウゾー!!』

【アタックライド ドリームベガス!】

 

素早くライダーカードを装填すると、シフトタイヤスピードから『ドリームベガス』にタイヤ交換。

俺は装備されているカジノのチップを模した二つの盾『ドラムシールド』を、ゴッソリウバウゾー目掛けて投擲した俺はファイナルアタックライドを装填する。

 

【ファイナルアタックライド ド、ド、ド、ドラーイブ!】

ディケイドA「ミリオンアタック!」

 

投擲(とうてき)したドラムシールドが胸部のタイヤ『ドリームドラム』の左右に追加され、ルーレットの如く回転。

 

ディケイドA「いよっし!当たった!」

 

速攻で回転を止めてルーレットが止まり、絵柄の中心が『777』に揃うと、大量に射出したコインがエネルギー弾を相殺してゴッソリウバウゾーにダメージを与えつつ視界を奪う。

 

ディケイドA「やれ、C!」

ディケイドC「ああ。任せろ!」

『ヒッサーツ!フルスロットール!』

 

俺がエネルギー弾を防いでいる間に、ベノバイザーツバイとドア銃をCに投げ渡す。

今度こそと言わんばかりにCはシフトブレスからシフトワイルドを取り外し、シフトランディングパネルに装填。

ベノバイザーツバイを上空に投げ、引き金『フルスロットルトリガー』を引く。

右肩の『タイプワイルドタイヤ』のエネルギー体を蹴り飛ばし、ベノバイザーツバイを削る。

ドア銃の銃口『D-ショットマズル』から黒いエネルギー弾が拡散、着弾したベノバイザーツバイは跡形もなく破壊された。

 

ディケイドA「いよっし!出来したぞC!」

ディケイドC「ああ。後はこいつを...!」

 

本来カードを破いたり、切り刻む行為はデュエリストの名に反するが、今回ばかりは仕方がない。

Cがライドブッカーを振り下ろし、サバイブカードを真っ二つにしようとした刹那(せつな)、二重となった電子音声が鳴り響く。

 

【【ADVENT】】

ベノスネーカー「ギシャアアアアァァァァァッ!!!!」

ディケイド全員『!!』

 

ベノスネーカーが地中から出て来て毒液を吐く。

即座にドリームドラムを両手に戻して投擲するも、円形の金属板『サーキュラーゴールド』は実弾による銃撃の反発やエネルギー系の攻撃を吸収出来ずに溶解されてしまう。

 

【アタックライド スピンミキサー!】

【ファイナルアタックライド ド、ド、ド、ドラーイブ!】

ディケイドA「キャノンクリート!」

 

灰色のタイヤ『スピンミキサー』にタイヤ交換した俺は再度ファイナルアタックライドのカードを装填。

スピンミキサータイヤが回転した事で貯蔵タンク『ミキシングタンク』がミキサー車と同様にコンクリートを練り混ぜる機能を持ち、合計12の射出口『コンクリシューター』から特殊コンクリート弾を連射。

だが、ベノスネーカーの毒液の溶解力はとても強力であるためか、硬化による無力化どころか逆に溶解されてしまった。

地を()うベノスネーカーの時速は500km。

更には剃刀(かみそり)の様な黄色い背鰭(せびれ)『ベノフィン』も相まって、タイプワイルドの装甲に深い傷痕を刻んだ。

 

【アタックライド ランブルダンプ!】

 

黄色いタイヤ『ランブルダンプ』に置き換わり、Cは左手に持ったドリル型の武器『ランブルスマッシャー』を突き出す。

超合金製のドリルパーツ『ハイメタルビット』を、ランブルスマッシャーの回転制御装置によってフルパワーでの高速回転を維持させる。

 

ディケイド全員『うあああッ!!!』

 

だが、地を這いながら勢いを付けて()ぎ払った尻尾に押し負けられ、俺達は地面を転がる。

俺達が立ち上がるよりも、浅倉がベノバイザーツバイを手に取るのが早かった。

 

ディケイドC「しまった...!!」

王蛇「ほぉ。お前、中々やるな」

 

ベノスネーカーの功績を褒め称えたのは、押し潰された(はず)の浅倉だった。

脱出口は何処にもないのに、何故か平然としていた。

 

ディケイドB「...完全に見誤った、ベノスネーカーは頸部(けいぶ)の刃で地面を掘っていた。だからローリングラビティとサンドプレスで押し潰された筈の浅倉は脱出出来た...!」

 

ベノスネーカーの頸部の左右にある八本の刃『ベノハーシュ』。前後に動かす事で標的を斬る武器の一つで、土を掘って地中の移動を可能とする。

『全身狂気』とも言える全身を活かして浅倉の脱出ルートを作った。

Bはベノスネーカーの特性を見誤った事を責める様にして拳を握る。

責任は必ず取る決意を胸にドア銃代わりにライドブッカーを浅倉に向けるが、全て遅かった。

破壊された筈のベノバイザーツバイが何故か浅倉の手に握られており、グリップ部分に装填されていたサバイブカードを口部分に差し込む。

 

【SURVIVE】

 

ベノバイザーツバイの口が閉じられた事で、希望の光は後一歩のところで遮られた。

絶望への合図が電子音声として流れ、サバイブの力が浅倉の姿は大きく変化させる。

ベノスネーカーの頭部を彷彿(ほうふつ)させる胸部装甲。頭部には金の装飾が追加され、さながらエジプトの王『ツタンカーメン』を連想させる。

当然ベノスネーカーの姿も、上顎(うわあご)が鉄仮面で覆われた機械的な姿へ変わる。

簡略的に言い例えるなら、『頸部のベノハーシュが鎌首となって肥大化し、左右に車輪が付いているコブラ』だった。

 

ベノヴァイパー「ギャシャアアアアアアアアッ!!!!」

 

ベノスネーカー改め『ベノヴァイパー』は進化の咆哮を上げる。

だが、進化したのはベノヴァイパーだけではなかった。

本来なら最初に契約したモンスターのみ進化する筈が、メタルゲラスやエビルダイバーもベノヴァイパーと同じくサバイブ化による進化を遂げていた。

メタルゲラスは西洋風の鎧に身を纏わせる重装甲な見た目の犀。

エビルダイバーは糸巻鱏(いとまきえい)に似た姿に変化し、裏側には車輪が出現している。

 

ジュブリー「う、嘘やろ...!?」

ジュニラム『蛇君ダケジャナクテ、(サイ)君ヤ(エイ)君モ姿ガ変ワッチャッタ!』

ドラーニャ「ほぉ。王蛇の契約モンスターだけじゃなく、他のミラーモンスター達の姿も変わったか...流石の俺様も本気を出さないわけにはいかないよなぁ?」

 

メタルゲラスとエビルダイバーのサバイブ化に対して、興味深そうにナルシストルーは両手に武装していた爪を俺達に向ける。

その構えはまるで、(ねずみ)を狩ろうとしていた猫そのものであった。

浅倉とベノヴァイパー達も同じく、それぞれの武器を構える。

浅倉はベノバイザーツバイの剣先を、ベノヴァイパーは鋭利な襟首(えりくび)を、メタルゲラス改め『バスターゲラス』は旋回した角を、エビルダイバー改め『エクソダイバー』は左右の鰭をはためかせる。

戦いの合図も無しに先に動いたのは浅倉だった。それを皮切りにベノヴァイパー達もそれぞれの相手に向かって行く。

 

ディケイドA「来るぞ、お前ら!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DIEND SIDE

 

挿入歌『Ave musica/素晴らしき世界 でも 何処にもない場所』

 

ゴッソリウバウゾー「ゴッソリウバウゾー!!」

 

スパイシーでパンバリアで防御体制になっている隙に、様子を(うかが)う。

だが、その行動が命取りだった。

 

ゴッソリウバウゾー「ウバ!」

 

(おけ)(ふち)部分から放射したリングがスパークを生じながら僕達の方向へ位置が定まる。

リングが降下する度に圧縮していくと、スパイシーとヤムヤムが呆気なく拘束されてしまった。

 

フィナーレ「スパイシー!ヤムヤム!」

ドラーニャ「うおっと!」

 

フィナーレがスパイシーとヤムヤムの救出に向かうが、割り込んできたナルシストルーの中断蹴りで吹っ飛ばされる。

 

【カメンライド ディケイド!】

 

続け様でプレシャスに(かかと)落としをプレシャスに防がれ、ディケイドの姿に戻ったアキノリの飛び蹴りをアクロバティックで距離を取られてしまう。

プレシャスの拳とアキノリの剣撃を籠手(こて)でいなし、今度は素早い動きで突きと蹴りを見舞う。

 

ドラーニャ「うらあッ!ハハハ!」

プレシャス「...ぐっ!」

ディエンド「今の内に————【【SWORD VENT】】なっ...!?」

 

-失えばいい たったひとつのひかり目指すため-

 

ナルシストルーの攻撃をプレシャスがいなしている間に僕はゴッソリウバウゾーに銃撃を(こころ)みるも、何処からか電子音声が二重となって響く。

一瞬の間だけ僕は高速移動し、背後からの不意打ちを右側に避ける。

その正体はベノバイザーツバイの刀身(とうしん)。浅倉君はベノヴァイパーのモチーフである蛇の様に刀身を伸縮させて僕の心臓を突き刺すつもりだったらしい。

僕はゼロディエンドライバーでベノバイザーツバイを払い除け、そのまま浅倉君へと接近して行く。

セロ距離となったところで銃身をカードデッキに向ける。これを破壊すればベノヴァイパー達との契約が切れてより形勢を逆転出来る。

 

ディエンド「ぐっ!?」

 

その時、ベノバイザーツバイの刀身が僕のアンダースーツを切り裂く。

浅倉君の意思と共通しているのか、刀身が更に軌道を変えて斬撃を装甲に刻み付ける。

それはただの斬撃ではなく、刀身に毒を纏わせて装甲の一部を溶解していた。

勿論(もちろん)の事、飛び散った毒液がその装甲の一部を一瞬にして溶かし、その威力は生身の皮膚(ひふ)に掛かる直前。

(かす)り傷程度で済んだが、若し内部に毒液が浸入していたら体はドロドロになっていた事だろう。

 

ゴッソリウバウゾー「ゴッソリウバウゾー!!」

「「うああああっ!!」」

ローズマリー『スパイシー!ヤムヤム!』

 

-壊せ 壊せと いつも叫んでる 牙を剥く夜-

 

ゴッソリウバウゾーのエネルギー弾が拘束されていたスパイシーとヤムヤムに当てってしまい、そのまま横転する。

駆け寄ろうとした電王に、ベノバイザーツバイの斬撃が迫る。

だが、モモタロスも甘くはなく、15年もの戦闘経験で(つちか)った剣戟(けんげき)で刀身を受け流しながら突き進む。

 

電王S「そういや、レグレットとは違うディエンドが召喚したお前には鬼退治の件で世話になったな!」

 

-嘆くな 憂うな きっとこころは知っているはずさ-

 

王蛇サバイブ「鬼退治?何の事だかさっぱりだ...ふんッ!!」

電王S「うおっ!?」

 

鍔迫(つばぜ)り合いの中で浅倉君の方が押し切り、中段蹴りを喰らったモモタロスは地面を転がっていく。

その間に僕とフィナーレはゴッソリウバウゾーの背後に回る。

クルーミーフルーレを(ひね)り、カードを装填してフォアエンドを突き出す。

 

【ファイナルアタックライド ディ、ディ、ディ、ディエーンド!】

ディエンド「ディメンションシュート!」

フィナーレ「プリキュア・フィナーレブーケ!」

 

-輝ける時代[とき]の波よ いまはもう幻と移ろう風よ-

 

ゴッソリウバウゾー「ウバゥッ!?」

 

螺旋(らせん)を描く青紫のエネルギー波が、背後が隙だらけとなったゴッソリウバウゾーを(うつぶ)せによろけさせる。

 

-破壊が ほら もたらすわ すべてを-

 

ローズマリー『上手いわフィナーレ、ディエンド!』

電王S「よぉし、こっちもてんこ盛りで行くぞ!!」

『モモ・ウラ・キン・リュウ』

『Climax form』

電王「一発で決めるぜ!」

『Charge&up.』

 

クライマックスフォームにフォームチェンジした電王は即座にライダーパスをセタッチし、虹色のフリーエネルギーを纏わせる。

 

電王「必殺・俺達の必殺技...クライマックスバージョン!!」

 

ベノバイザーツバイで左右の剣撃を余裕に受け流した浅倉君の頭上にオーラソードが頭上に降下し、ベノバイザーツバイの刀身で受け止める。

激しい鍔迫り合いの中、電王はサービスと言わんばかりに呟く。

 

-[now all the walls will come down] 新たなる火を-

 

電王「もういっちょ」

『Charge&up』

 

ライダーパスを再度セタッチし、胸部のガンフォームの電仮面が展開。

放たれた大量の追尾ミサイルが虹色の煙を噴射させながら浅倉君に迫る。

 

【【BLAST VENT】】

 

ベノバイザーツバイのグリップを片手に、引き抜いたアドベントカードを装填して強く押し込む。

地面から這い出て来たベノヴァイパーの頸部の車輪が回転し、毒液が混じった突風を生み出す。

ただ相手を吹き飛ばすだけでなく、毒液も混じった事で装甲をいとも容易(たやす)く溶かしてしまう酸性の風と化した。

スナイパーライフル並みの速度で飛ばした毒液の雨によって、追尾ミサイルは着弾される事なく爆破されてしまった。

 

【フォームライド ウィザード エレメンタルドラゴン!】

ディケイドB「ディフェンド!ビッグ!」

 

爆風の中を突き抜けたのは、ウィザード エレメンタルドラゴンにカメンライドした個体B。

ウィザードリングの能力を発動し、地面から突き出た巨大な障壁が出現。

 

ディケイドB「まだだ、スペシャル!」

 

ドラゴスカルから放った炎を付加(ふか)させた障壁が全体的に燃え上がり、ドラゴウィングで煽ぐとフィールドの温度は夏の炎天下を越えていた。

風圧で火力が増した熱風により、散弾された毒液を一瞬にして蒸発させてみせた。

毒の突風を放っていたベノヴァイパーは直ぐに危険を察知したのか、浅倉君を背中に乗せてその場を後にしようとする。

蛇は変温動物に分類される生き物で、恒温(こうおん)動物とは違って自ら体温調整は出来ない。

自分の体に適した温度域に移動し、体温の調節を測りながら行動している。

だが、逆に熱帯地方に生息している蛇は熱を避ける為に夏眠(かみん)するという。

 

ディケイドB「サイコキネシス!!」

 

最大出力の念動力で炎の壁は地面に押し倒され、辺り一面を焼き焦がす。

新幹線に匹敵する速度を出して熱気が届かないところまで地を這うベノヴァイパーだったが、距離的には間に合わないと判断したのか、少し強引な手で浅倉君を振り落として地面に潜る。

 

-巡る 時計の数字 消してゆく夜-

 

ディケイドB「逃すか。エクステンド!ハイスピード!ドリル!イヤー!」

 

先端に土のエネルギーを纏い、ドラゴテイルの先端を高速回転させて地面に突き刺す。

更には発達させた聴覚で、ベノヴァイパーの逃げ場を無くす為に四方八方(しほうはっぽう)地中を掘り進んで行く。

 

【フォームライド リバイ!バリッドレックス!】

『リバ!バ!バ!バイ!リバイ!』

 

-理想郷 信念が描き出す'素晴らしき世界' でも 'どこにもない'-

 

ベノバイザーツバイの刃が迫る中、リバイ バリッドレックスゲノムにフォームチェンジした個体Cがプテラゲノムの飛行能力によって横槍(よこやり)を入れた事で事なきを得た。

 

ディケイドC「悪いが、Bとリーダーの邪魔はさせないぞ!」

王蛇サバイブ「吉木の分身か。坊やを殺る前に、先ずはお前らを殺してやる...」

 

掛け合いが終わると、二人は打つかり合う。

個体Bと個体Cが浅倉君達を引き付けている間に、僕は雄大達をオーロラカーテンで回収する。

雄大達も変身解除はされてはいないものの相当なダメージを受けている。

 

-'どこにもない場所'へと-

 

雄大「ライジング化してもこの強さか。やはりサバイブの力は(けた)違いだな」

キバーラ(冬美)「生き残る為の手段は選ばないって感じね。流石にドランジャを倒したばかりのあたし達でも、これ以上は持ち(こた)えられない...!」

 

サバイブ化したメタルゲラスの荒い息(づか)いとエクソダイバーの安定しない浮遊を見るからにして、何とか善戦くらいまではいったのだろう。

 

-静かなるその熱情よ 届くのだと想い馳せる夢追い人よ-

 

ディケイドB「ならば劣勢(れっせい)になる前に倒すまでだ。フォール!ブリザード!」

 

先ずは魔法陣範囲内に穴を開けてゴッソリウバウゾーを落とし、突き刺したドラゴテイルから放つ冷気で顔以外を凍結。

 

ディケイドB「グラビティ!バインド!」

 

バインドでサバイブ化したメタルゲラスとエクソダイバーをグラビティの能力を付加させた鎖で地面に押し潰して拘束。

更には四大元素も相まって徐々にダメージを与えている。

 

【カメンライド ファイズ!】

【ブレイド!】

【キバ!】

 

ディエンドライバーでファイズ・ブレイド・キバの三体を召喚し、立て続けに黄色いカードを装填する。

 

-破壊が また もたらすわ 真実を-

 

【ファイナルフォームライド ファ、ファ、ファ、ファイズ!】

【ブ、ブ、ブ、ブレイド!】

【キ、キ、キ、キバ!】

ディエンド「ちょっと寝違えるよ!」

 

電子音声と共に召喚されたライダー達は変形をし始める。

ファイズは超巨大な銃『ファイズブラスター』、ブレイドは専用武器『醒剣(せいけん)ブレイラウザー』に似た大剣『ブレイドブレード』、そしてキバはキバットの顔が付いた弓矢『キバアロー』となった。

 

【ファイナルアタックライド リ、リ、リ、リバイ!】

 

距離を取った個体Cはファイナルアタックライドのカードを装填すると、両手から強力な冷気を放つ。

 

ディケイドB「...良し、捕らえた。ドリル解除!エキサイト!」

 

そのタイミングでBがドリルの効果を解除。

エキサイトの効果で一時的に肥大化させたドラゴテイルの重さに抗いつつ、全体重を掛けて大きく投げ飛ばす。

アキノリが悟空君や尾白少年の尻尾を使った戦闘スタイルを参考にした成果が出た様だ。

 

-[now all the walls come down] 何が見える 何を見る-

 

『バリッドレックス!フィニフィニフィニーッシュ!』

【【REVIVAL VENT】】

 

投げ飛ばされたベノヴァイパーを浅倉君ごと冷気で凍らせて動きを封じ、飛び蹴りを放つ。

氷漬けにされたベノヴァイパーは爆散。浅倉君は地面に転がる。

 

【ファイナルアタックライド ファ、ファ、ファ、ファイズ!】

【ブ、ブ、ブ、ブレイド!】

【キ、キ、キ、キバ!】

キバアロー『キバって行くぜー!!』

 

ジュブリーが冬美から借りたドッガハンマーのトゥルーアイを展開、サバイブ化したメタルゲラスとエクソダイバーの神経を麻痺(まひ)させる。

僕が持つファイズブラスターの砲身には赤いエネルギーが充填(じゅうてん)し、ライジングタイタンになった雄大が振り上げたブレイドブレードには電撃が宿り、冬美がキバアローのスロットルを引くとカテナを模した矢先が赤く光る。

キバットの掛け声で一斉放射し、サバイブ化したメタルゲラスとエクソダイバーは爆散した...かに見えた。

 

-[let's get it off the ground] そう いま架け橋になる-

 

フィナーレ「プリキュア・デリシャスフィナーレファンファーレ!」

 

フィナーレも必殺技を放つも、ゴッソリウバウゾーに纏われた黒炎によって無効化されてしまう。

僕達の一斉放射を喰らったサバイブ化したメタルゲラスとエクソダイバーは、割れた鏡が修復するかの様に復活を果たす。

更にはCが撃破した筈のベノヴァイパーも復活していた。

 

フィナーレ「なっ...!?」

キバーラ(冬美)「嘘、でしょ...!?」

【【FINAL VENT】】

【【FINAL VENT】】

 

二枚のアドベントカードを引き抜き、二つの二重音声が鳴り響く。

エクソダイバーが全身に電撃を纏わせて突進を仕掛ける。

その速度は落雷そのもの。秒速340mもの速さで敵を切り裂く稲妻と化す。

 

-さあ 怯むことなく 尊い思想に-

 

ディケイドB「コンフュー————ぐああッ!?」

 

相手を混乱させる魔法を唱える前にBに斬撃を与え、サバイブの力で強化された(ひれ)『エビルフィン』で反撃の隙も与えずに何度も斬り付け、地面に付きそうなところで下部分の車輪を展開。

 

キバーラ(冬美)「きゃあああッ!!」

ジュブリー「うああッ!!」

 

両側の鰭を折り(たた)み、冬美とジュブリーを巻き込む形で電光石火の如き突進を(もろ)に喰らってしまう。

サバイブ化したメタルゲラスも戦車の様な姿に変形を果たすと、雄大とジュニラムを串刺しにしようと両腕と両足を接続させたキャタピラで突き進む。

ライジングジュニラムに跨り、走行させた雄大はライジングタイタンソードを横に薙ぎ払い、通り過ぎる度に火花が散る。

大剣と角の打ち合いの応酬(おうしゅう)の末、ライジングタイタンソードの剣先は徐々に(ひび)が入る。

次の一振りで正大に折れてしまい、横側から突進を喰らってしまった雄大とジュニラムは岩山に衝突する。

 

-何をも恐れず 命を誘うように-

 

雄大「ぐああッ!!」

ジュニラム『ウアアッ!!』

ゴッソリウバウゾー『ゴッソリウバウゾー!!』

フィナーレ「うああーーーっ!!」

 

ゴッソリウバウゾーも縁の部分から弾幕を放ってフィナーレを撃ち落とし、仕舞いには僕達も巻き添えを喰らってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A SIDE

 

プレシャス「フィナーレ!皆!」

ドラーニャ「うおっと。人の事心配してる暇があるのかな!?」

プレシャス「ううっ!?」

 

ナルシストルーは黒緑のエネルギー弾を宿した右手を押し当て、プレシャスを吹っ飛ばす。

 

-輝ける時代[とき]の波よ いまはもう幻と移ろう風よ-

 

【【FINAL VENT】】

ベノヴァイパー「ギャシャアアアアアアアアッ!!!!」

 

地面から現れたベノヴァイパーは頸部の鎌首を前輪と後輪として変形させ、頭部を含めた全身を折り畳む。

口部(こうぶ)から毒液を撒き散らし、金色に輝きながら突進を仕掛ける。

怯んだところを浅倉はベノバイザーツバイを刀身を向けた標的は————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄大だった。

 

王蛇サバイブ「もっと楽しませろよ...うがああああああああッ!!!!」

ディケイドA「ッ!!」

 

気付けば俺の足は勝手に動いていた。

雄大を突き飛ばし、庇った拍子(ひょうし)でベノバイザーツバイの刃が腹部に突き刺さる。

 

ディケイドA「...がはっ!?」

クウガ「アキノリッ!!」

王蛇サバイブ「チッ、外したか...まぁいい。らぁッ!!」

 

-破壊が ほら もたらすわ すべてを-

 

血反吐(ちへど)が仮面の下で吐き出される。浅倉は俺を巻き付けたベノバイザーツバイの刃を伸縮させた上で何度も何度も岩盤に叩き付けた。

既に貫通していた刃が締め付けられた勢いで(しぼ)り取られた血飛沫が、ベノバイザーツバイの刃を伝って砂塵(さじん)に紛れて舞い散る。

 

ナルシストルー「さて、俺様も決めるとするか」

『キメワザ!』

 

アタックラッシュパッドの左右を押して待機音を鳴らし、Aボタンを押す。

 

-[now all the walls will come down] 新たなる火を-

 

『クリティカルオブリビオン!』

ドラーニャ「はあああ...はぁッ!!!!」

ライダー組『うああああッ!!』

 

ナルシストルーが手甲(てっこう)に宿した黒緑のエネルギーを斬撃として飛ばす。

体力が限界に近付いていたレグレット達はなす術もなく喰らってしまい、同時に変身が解除された。

俺も頭頂部から勢い良く地面に叩き付けられ、脱力した両足が着く。

深手を負った俺の変身が解除されると、BとCはぼやけた残像となって消滅。

ゴッソリウバウゾーのエネルギー波をまともに喰らってしまったプレシャスもゆいの姿に戻る。

 

コメコメ「ゆい!咲夜!」

ゆい「うう...」

咲夜「あ...ああ...」

王蛇サバイブ「これで終わりか?巫山戯(ふざけ)るな...!」

【アタックライド インビジブル!】

 

地面に血が(あふ)れ、虫の息をしている俺にお構いなしで踏みつけようとしたが、ディエンドライバーに装填されたインビジブルの効果でレグレット達の元に瞬間移動された事で難を逃れた。

だが、ベノヴァイパー達は戦う気力もない俺達を囲んでじりじりと詰め寄ってくる。

絶体絶命に追いやられたと思いきや、何故かナルシストルーは取り外したバグヴァイザーⅢを向けてベノヴァイパー達をデータとして格納させる。

 

ドラーニャ「まぁ待て。せっかくの極上品を直ぐにでも食べたら、楽しみがなくなるだろ?」

マグロ寿司のレシピッピ「ピピピ〜!」

 

そう言うとナルシストルーは自身の捕獲箱を開けて、マグロ寿司個体を敢えて逃したのだ。

奴は確実に致命傷となった俺達に時間を与えさせた上で、浅倉の気を遣ってベノヴァイパー達に罪のない市民達を鱈腹(たらふく)喰わせる為だった。

その真意を知らずにいた浅倉は、ベノヴァイパーツバイをナルシストルーの首元にあてがう。

 

王蛇サバイブ「ナルシストルー、お前...何の真似だ?」

ドラーニャ「相手がつまらないくらいに弱過ぎたんだ。だから一週間だけ時間をあげようと思ってね。熟成した果実の様に、味が絶妙に変わるのを待つんだ」

ローズマリー「貴方、一体何を...!?」

マグロ寿司のレシピッピ「ピピ!ピピピ!」

 

首元にあてがったベノヴァイパーツバイの刀身を下ろす浅倉。

マグロ寿司個体が捕獲箱から出た事で、ノイズが発生したゴッソリウバウゾーは消滅する。

突然の行動に出たナルシストルーに対して、ローズマリーの疑問の言葉を出す。

 

ドラーニャ「さっき言った筈だ、時間をあげるよ。自分の弱さに悩んで、苦しんで、(なげ)く時間をね。俺様が見たいのはそういう絶望の顔さ...!!」

 

即答したナルシストルーと浅倉はデリシャスフィールドから姿を消した。

 

咲夜(まだだ。まだ終わって————!!)

 

まだ終わっていないと俺は歯を食い縛り、意地でも手を伸ばそうとしたが、致命傷を負った体が動く暇もなく意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディケイド...ディケイド...

 

俺を呼ぶ(かす)かな声が耳に伝う。

自分でも明らかに死んだと思われたが、浅倉に負わされた傷による痛覚が(ほぼ)感じない。

 

ディケイドッ!!

 

咲夜「いだあっ!?」

 

目を見開く前に起き上がった俺の頭に、何かが直撃し痛みが走る。

 

???「ったく、相変わらずのせっかちだなお前は。その様子だと大分(だいぶ)重症を負わされたか、意識不明になったかだな...」

 

(おぼろ)げとなった視界を徐々に覚醒させると、金髪の青年が俺を知っているかの様な口調で話しながら正面に立っていた。

輪郭(りんかく)も纏まっている顔立ちと金髪を(なび)かせる長髪。翠色(すいしょく)瞳孔(どうこう)は目が合うだけで星がまばらに輝く宇宙空間に吸い込まれそうになった。

そう言えば、俺がゆいと出会う前に見た夢で声を掛けてきた正体はこいつだったのか...?

 

???「...どうした。俺の顔に何か問題があったか?」

咲夜「いや、何でもない。にしても、此処は何処だ?明らかに生と死の境目的なところじゃないよな...?」

???「勝手に自分で自分を殺そうとするな、お前は現実逃避者か...ともあれ、此処は所謂(いわゆる)精神世界みたいなモンだ」

 

青年の言葉で辺り全体を見渡すと、デリシャスフィールドよりも範囲が大きい白い空間。

風は吹かず、ただ静寂(せいじゃく)な空気が漂うだけの虚無。

そんな場所で茫然(ぼうぜん)と立ち尽くしていた俺は青年に尋ねる。

面識もない赤の他人の筈なのに、何故だか親近感を覚えてしまう。

 

咲夜「なぁ、お前は何故俺の事を知っているんだ?」

???「...何れそれが分かる日が来る。さて、そろそろお前も目を覚ます時間だ。きっとレグレット達(・・・・・・)が心配してるぜ」

咲夜「何でレグレットの事を...!?まさかお前————ぐっ!?」

 

青年の正体を早くも察した俺の言葉を遮る様に指を弾く音が鳴る。

すると精神世界の足元から眩い光が放たれ、俺の視界を(おお)った。

 

???「流石のお前も俺の正体に気付いたみたいだが、これは俺の過去の名前に過ぎない。一応お前が旅してる世界で会うかもしれないから、今の内に俺の名前をお前の胸に刻んでおいてやるよ————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はエメラルド星野惠芽羅流怒(エメラルド)だ」

 

青年が自身の名前を告げると、俺の意識は遠のいて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二十八品:コメコメの力を皆に!パーティーキャンドルタクト/歩くライダー大図鑑!凱旋(がいせん)、コンプリートフォーム!!

 

 

 

 

ファイナルカメンライド!登場するならどれがいい?

  • 最初はやっぱり初期コンプリートでしょ!
  • コンプリート21の汚名返上!
  • 全く新しいコンプリートフォーム!
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