デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~   作:ライノア

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第二十八品中編:コメコメの先代!?一世の秘められた力!!

Touki side

 

透冀「僕だ。入るよ」

 

あの悲劇から三日が経過した。僕は一声掛けて病室の引き戸を叩く。

 

雄大「レグレットか。良かった、無事だったんだな」

 

僕の安全を確認した雄大が出迎えてくれた。

視線を雄大の後ろ側の方へ追いやる。其処にはベットで横たわり、酸素マスクを付けているアキノリの姿があった。それを見守る様に皆がベッドの周りを囲んで様子を(うかが)っている。

室内は少し暗く、窓際から差し込む光はカーテンによって遮断(しゃだん)されている。

これはミラーモンスターが病室からの襲撃を防ぐ為であり、鏡だけでなく、液晶画面や水面に対する反射による対抗策だ。

お風呂の水は入浴剤を必ず入れ、鏡は成る可く一ページ丸ごと新聞紙で覆い、ゲームや携帯機などの液晶画面は下に伏せておく。

こういった対策法をおいしーなタウンの全ての住人達に程となく伝えておいた。

 

透冀「皆も無事で何よりだよ。それより、アキノリの様子は?」

冬美「まだ意識は戻ってないみたい。単純に腹部を刺されてるならまだしも、刺されて毒に(おか)されたんじゃあね...」

 

僕はアキノリの状態について尋ねてみると、冬美は冷静さを保ちながら目を拗らせて答えた。

その声は若干(じゃっかん)震えており、リュウガサバイブに重症を負わされたトラウマを掘り返す事となる。

マリーさんや和実少女達プリキュア組と、僕達ライダー組は家で手当てされる程度で済んだが、意識不明の重症を負ったアキノリだけは病院に搬送された。

ベノヴァイパーが吐き出す毒の浸食スピードは遅い方だが、体全体を腐敗させ、神経をも破壊する程の毒素が含まれていた。

事もあろうかと、ゼロディエンドライバーで召喚した飛彩先生と伊達さんの活躍によって一命を取り留め、更には僕が変身したディケイドドライブ タイプワイルド ドクターの能力で退院まで三日までには短縮出来た。

二人曰く『かなり苦戦を強いられた』らしく、浅倉と戦った経験のある飛彩先生によれば『奴は人の心を捨てた化け物』と語っていた。

因みに今俺が打っている輸液バックの点滴にはバイオライダーの能力で生成した解毒剤を含め、体に広がったベノヴァイパーの毒素の残り(かす)を抑制しつつ分解する役割を施している。

 

ローズマリー「ナルシストルーが新たに召喚したウバウゾー、あれは私達がこれまで戦ってきたウバウゾーの力を遥かに上回っていた」

ここね「それに、王蛇が引き連れていたミラーモンスター達も私達の攻撃を一斉に食らってもびくともしなかった。まるで、割れた鏡が巻き戻ったかの様だった」

あまね「一体どうすれば...!」

 

ゴッソリウバウゾーと王蛇サバイブの圧倒的な強さ、そしてナルシストルーに与えられた時間の猶予(ゆうよ)

更なる不安が僕達の心を(えぐ)らせる。

残されたタイムリミットは三日半。今頃浅倉君のミラーモンスター達によって、おいしーなタウン外の人達が善悪問わずに捕食されている事だろう。

 

咲夜「う、うう...」

『!』

 

重苦しい空気に沈み込んでいる中、(かす)かな唸り声が僕達の耳が捕らえる。

 

透冀「やっと起きたんだね、アキノリ」

咲夜「レグレット、お前ら...」

 

ゆっくりと目を開け、意識を取り戻したアキノリは首を左右に動かして辺りを見渡す。

僕が優しく声を掛けると、謝罪の言葉が返ってきた。

 

咲夜「...心配掛けて、悪かった」

冬美「それはこっちの台詞!あんたが目を開けなかったら今頃どうなっていた事かっ...!」

雄大「冬美、此処は病室だ。アキノリが奇跡的に意識を取り戻したから、一先ずは安心と言っておこう」

透冀「そうだね。君が意識を取り戻すまでに三日は掛かったけど、あまり悠長としてられない...」

 

そう言うと、僕はアキノリが意識を失った後の経緯を全て話した。

 

咲夜「そうだったのか...いででっ!」

冬美「手術したばかりなんだから無理に体起こそうとしないで!皆、アキノリの背中支えてもらってもいい?」

 

深手を負った体では上手く起き上がれず、気を遣ってくれた冬美の掛け声で僕達はアキノリの背中をゆっくりと支えて上半身を起こす。

 

ゆい「食べよ!」

 

それから数十分後、和実少女がおにぎりを皿一杯にして持ってきた。

それぞれ具材がランダムで仕込まれていて、丁寧にラップも掛けてある。

相変わらず、前向きで精神が強い子だ。

 

らん「ひょわわ〜!美味しそう〜!」

ここね「こんな時におにぎり...?」

ゆい「だって、ハラペコっちゃった!」

 

和実少女が手を合わせると、僕達全員の小腹が鳴る。

元セカンドロイミュードだった僕でも小腹が空くなんて、人間に近付いてきた証拠だね。

 

ローズマリー「...どんな時でもお腹は空くものよね」

あまね「空腹では、良いアイデアは生まれないからな」

ジュブリー「''腹が減っては戦はできぬ''...なんてね!」

咲夜「言えてるなジュブリー。それじゃあ早速...!」

咲夜以外『いっただっきまーす(コメ)(パム)(メン)!』

咲夜「...いただきます」

 

「いただきます」の挨拶(あいさつ)で僕達は掛けていたラップを取り、一口分を(ほお)張る。

握られた米を具材ごと咀嚼(そしゃく)し、その味を舌で伝う。

言い忘れていたが、和実少女におにぎりの具材を入れる様に言ったのは僕だ。

何か入っているかも分からない限定ガチャみたいなものだ。

 

ゆい「あむっ。デリシャスマイル〜!」

ここね「なんだかホッとする...」

らん「ひょわ〜!この味は心の応援団だよ〜!」

あまね「一緒に食べるご飯は、前を向く勇気をくれる」

ローズマリー「ええ」

 

和実少女達が舌鼓(したづつみ)を打っている一方で、僕達ライダー組はおにぎりの具材について話し合っている。

 

ジュニラム『雄大、何味ダッタ?』

雄大「俺は昆布だ」

冬美「あたしは梅干し...酸っぱい〜!」

キバーラ「あたしも〜!」

レグレット「僕はおかか。やっぱりサラサラ感があって良いね」

ジュブリー「僕は鱈子(たらこ)や!粒々感があって美味いな〜!」

咲夜「...鮭か。そういや俺がゆいと初めて会った時も、同じ具材だったな」

 

この世界に来た時に食べたおにぎりの味は鮭だった事を振り返るアキノリ。

コメコメが食べる様子を見て、和実少女が優しく微笑んだ矢先でジュブリーが疑問点を打ち明ける。

 

ジュブリー「...そう言えば皆。僕も少し気になってる事があるんやけど、いいかな?」

咲夜「ああ。別に構わないが...何かあったのか?」

ジュブリー「うん、ちょっとね...おパムちゃん。コメちゃんのご先祖様の話、若し知ってるなら話してくれんか?」

ジュブリーとエナジー妖精以外『ご先祖様?』

コメコメ「どういう事コメ?」

ジュブリー「御免、おパムちゃん!実はりんちゃん達とアイスを作ってる時に偶然聞いちゃってて...」

 

おパム少女に驚愕の表情で尋ねるが、ジュブリーは手を合わせて謝罪する。

聞かれたものは仕方がないと、おパム少女は小狐少女のご先祖様について話し始めた。

 

パムパム「...聞かれたなら正直に言うしかないパム。ジュブリーが言ってる通り、コメコメの先代...コネクトル・フックララ・グリコーゲン・コメックス————「待てクソ犬」パム?」

咲夜「...()()く''一世''で頼む。長ったらしい名前はどうも慣れなくてさ」

 

突然におパム少女の話を途切らせたアキノリは、小狐少女の本名を一世に略してほしいと頼んだ。

少しだけ間を置き、気を取り直して話を戻す。

 

パムパム「...コメコメの先代、一世はパムパム達とは(けた)違いのエナジーを持っていたパム」

ローズマリー「それ、私も師匠から聞いた事があるわ。コメコメのご先祖様は二十年前に故人となっているそうなのだけれど...」

パムパム「若し二世のコメコメにも、同じくらいの力を秘められているとしたら...プレシャスにもっと沢山(たくさん)のシェアリンエナジーが出来るパム!」

コメコメ「コメ...!」

 

目を輝かせる小狐少女。この時、彼女は一つの希望を持てたのだ。

だが、これは飽く(まで)これは推察の範疇(はんちゅう)に過ぎない。

抑も小狐少女は外見だけが発育しているが、精神面は子供のままだ。

エジソンの『99%の努力と1%の閃き』と言った言葉がある様に、99%の努力に対して1%の何かが足りていない。

 

パムパム「でも...」

コメコメ「やってみるコメ!」

 

顔を下げるおパム少女。

二世である小狐少女が、1%の何かが足りていない状態でシェアリンエナジーを送り込めるのかも推察した彼女自身でも分からない。

 

ゆい「えっ...!?」

パムパム「いや、でも————」

咲夜「成功出来る確率は定かではないって言いたいんだろ?そんなのやってみなきゃ分からないだろ?確率なんて関係ない、重要なのはどんな状況でもベストを尽くせるかどうかだ」

 

アキノリの格言は小狐少女のやる気を最大限にまで引き出させる。

相棒の和実少女や皆の役に立ちたい。そんな彼女の決意におパム少女は小狐少女の思いを固く見守る事にした。

それと対照的にドラジカ少年君やキバーラ、ジュニラムは何故か心配そうな表情を浮かべていた。

 

コメコメ「コメ...!」

 

小狐少女は全身に力を()めると、赤いパーカーに付いているハートの宝石から桃色の光が放たれ、日光を遮断された暗い病室を明るく照らし出す。

 

パムパム「光ったパム!」

コメコメ「コメコメの力をゆいに〜!!」

ゆい「頑張れ、コメコメ!」

咲夜「......」

 

和実少女の応援もあってか、尻尾の毛が何倍にも膨張させた小狐少女だが、力を解放させる直前に溜めていたエナジーが暴発。

そのまま穴の開いた風船の様に(ちぢ)みながらゆらゆらと病室のテーブルに落ちた。

 

コメコメ「っ...!」

 

自身の失敗を恥じた小狐少女は和実少女のハートキュアウォッチの中に入ってしまう。

 

メンメン「様子を見て来るメン」

パムパム「パム」

 

おパム少女とドラジカ少年君も、小狐少女の後を追う様にハートキュアウォッチに入って行く。

僕達は気を取り直してナルシストルー達の対策について作戦会議を行う。

 

ローズマリー「ゴッソリウバウゾーの力は、恐らくスペシャルデリシャストーンによるもの...だから、あれを外せば浄化出来るかも」

 

マリーさんの言う様に、これまで戦ってきたウバウゾーやモットウバウゾーにはスペシャルデリシャストーンを()め込まれてはいなかった。

力の象徴である物を外せばモットウバウゾーと同じ能力となり、ハートジューシーミキサーやクルーミーフルーレによる浄化技が通る。

だが、対策法はゴッソリウバウゾーだけではない。

 

雄大「俺達が一斉射撃で倒したミラーモンスターが、何事もなかったかの様に復活していた。あれはサバイブ-無限-の力と関係があるのか...?」

冬美「いや、流石にそれはないと思う。オーディンと言ったら人々の記憶や時間を丸ごと巻き戻す『タイムベント』が有力だけど、それらしき効果は発動してなかった。だって、若しあんなチートカードを浅倉が使ったら、あたし達詰んでる様なもんだよ?それに、今あたしと雄大の憶測、ここねの言ってた『割れた鏡が巻き戻ったかの様だった』。この話を妥結させると、何となく辻褄が合う...だから普通にアドベントカードの効果だと思っていい」

 

雄大の疑問点に、冬美が皆の発言を一つに(まと)めて仮説を立てて行く。

 

ジュブリー「僕もちょっといいかな?ほんの一瞬やったけど、電子音声は聞こえてた。確か『リバイバル』やった様な気がするなぁ...」

冬美「『リバイバル』...大体分かったかも。強いて言うなら、そのアドベントカードはミラーモンスターを復活させる効果である可能性が高い」

 

『リバイバル』...つまりそのアドベントカードは倒されたミラーモンスターを復活させる効果という訳か。

使用済みのカードを復活させる『リターンベント』がデッキに入っていたら、更に苦戦を強いられるだろう。

 

咲夜「時間を巻き戻せないなら、対象のみを巻き戻せるのにも合致する。だが、相手は凶悪殺人犯だ。サバイブの力まで手に入れて、ただ攻め入るだけとは限らない」

 

相手の武器を奪う『スチールベント』、複製した武器を使用する『コピーベント』、アドベントカードの効果を無効化させる『コンファインベント(二枚の可能性あり)』、そして契約モンスター同士の合体を行う『ユナイトベント』など、ベノスネーカーを主軸にメタルゲラスやエビルダイバーと契約した事で、特殊系のアドベントカードが倍増。

どれも浅倉君の戦闘スタイルに合わない強力なアドベントカードばかりだ。

オリジナルの変身者は使わないだろうが、本気になれば使ってくるのは目に見えてる。

だからこそ、僕達はそれなりの対策を立てなければならない。

 

咲夜「浅倉はメタルゲラスやエビルダイバーとも契約した影響で、特殊系のアドベントカードが増えている。(そもそ)もミラーライダーのデッキ構築に限度はないからな。特に警戒しておくべきカードは、コンファインベントとユナイトベント。前者はガイと同様二枚持っているかは定かではないが、一枚でも使えない様に切り刻むべきだ。後者はミラーモンスターがサバイブ化した状態で合体すれば勝ち目はない...」

雄大「でも、こんなところで俺達がへこたれる訳には行かないしな!」

透冀「今は出来る事をやろう。僕達が出来るのはそれだけだ」

あまね「そうだな、それらの意見を纏めて作戦を立ててみよう。先ずは————」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KomeKome side

 

コメコメ「......」

 

自分の失敗を()じたコメコメは、自室にあった枕で顔を埋めていたコメ。

そんなコメコメを気に掛けていたパムパムが誤ってきたコメ。

 

パムパム「御免なさいパム。パムパムが一世の話をしたせいパム...?」

 

パムパムは悪くないと首を横に振り、コメコメは埋めていた顔を少し浮かせて本音を話したコメ。

 

コメコメ「...ずっと、早くおっきくなって皆の役に立ちたいって思ってたコメ」

メンメン「そうだったメン...」

コメコメ「やっと上手に化けられる様になって、なのにっ...全然役に立たなかったコメっ!おっきくなっても全然意味なかったコメっ!このままじゃ、プレシャスとディケイドが可哀想コメっ...

!!」

パムパム「...パムパムも、本当は悔しいパム〜!!」

 

目の前でゆいと咲夜がブンドル団に打ちのめされた光景が脳裏に浮かぶだけでコメコメの声は(にご)り、目には涙が(あふ)れてくるコメ。

浮いた顔を再び枕で覆ったコメコメの無力さに同情したパムパムは涙を流したコメ。

 

メンメン「僕達が泣いてたら、皆が心配するメン」

コメコメ「っ!それは嫌コメっ!!」

 

その言葉に反応したコメコメは顔を上げて否定すると、メンメンがオレンジのハンカチで涙を拭きながら励ましたコメ。

 

メンメン「僕達は、僕達が出来る事を精一杯やるメン」

パムパム「皆と一緒に頑張るパム!」

コメコメ「...コメ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

咲夜「よし。傷は大分治ったみたいだし、少しはウォーミングアップでもしますか」

 

作戦会議から二日が経過した。

俺は無事退院し、過去にメカ・メーカーで作ったどこでもドアの派生版『精神と時のドア』で無理のない程度でトレーニングに励んでいる。

これは時間を遅くする秘密道具『時門』と悟空達の世界にあった『精神と時の部屋』を参考にした物で、ドアを閉めると外の世界とは完全に遮断。

外の世界での一分は部屋内では約三時間。タイムリミットまでの時間は猶予にある。

一生の内二年分までしか利用出来ないのを、無制限に利用出来る様に改良を施した甲斐があった。

レグレットはケータッチ21のアップデートでこの部屋を利用していたらしく、体力の回復を余儀なくされた俺にとってはとても都合が良かった。

俺がこの部屋で全回復するのに約一ヶ月半くらいの時間が掛かるくらいだ。

カプセル・コーポレーションでベジータが使用していた重力ルームを参考にしたシミュレーション機能によって、俺が三百年間の間にこれまで戦ってきた敵とも戦える。

これは俺の身体が完治する半日前にレグレット達に体験してもらい、最後にアドバイスを送った程度で締め(くく)った。

雄大達も『こんなのでずっと修行してたのか』って度肝を抜いていたのは又別の話。

(ようや)く身体の傷が全治したタイミングで早速シミュレーション機能を作動。選出した相手は————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーファー(シミュレーション)『ヒーハー!アタイの名前はカーファー。レベルは20だよ!』

ルパニカルバグスター(シミュレーション)『『『僕(俺)達はルパニカルバグスター!三人揃って、レベル30!』』』

ベリーマン(シミュレーション)『オラはベリーマン。本来のレベルは20だが、今は装備が追加されて30だべ!』

シミー(シミュレーション)『私はシミー、レベルは20よ』

ウォブリー(シミュレーション)『ワシの名はウォブリー。レベルは20や!』

カルマ(シミュレーション)『ワシの名はカルマ。レベルは20じゃ!』

スネイガー(シミュレーション)『主役のスネイガー様の復活だ!今度のレベルは20から30に出世だぜ!』

ブルドー(シミュレーション)『我輩の名はブルドー!本来のレベルは20だが、装備が追加されて30に跳ね上がりだ!』

ドランジャ・トゥルーフォーム(シミュレーション)『ニャアアアアアアアアアッ!!!!』

 

過去に俺達がこれまで戦ってきた十二体のバグスター。

ベリーマンとウォブリーの二体とはとても感慨深い印象のせいか、戦いたくはない気持ちで一杯だった。だが、これは飽く迄シミュレーション内の敵に過ぎない。

俺は自分の甘さを押し殺しながらゼロディケイドライバーを腰に巻き、息を大きく吐いてケータッチ23を構える。

 

咲夜「...さて、やるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No side

 

場面は変わりブンドル団アジト。

セクレトルーは本来持ち帰る筈だったマグロ寿司のレシピッピを回収しなかったナルシストルーに疑問を抱いていた。

 

セクレトルー「レシピッピを解放するなど...」

ナルシストルー「簡単に片付けたらつまらないだろう?」

セクレトルー「貴方の能力を考えれば当然の事かと」

ナルシストルー「もっと称えていいぞ」

 

余裕がある様にして、右手を(あご)に当てて天狗の鼻となっていたナルシストルーに対してセクレトルーは言葉を繋いだ。

 

セクレトルー「...いつまで遊んでいるつもりですか?」

ナルシストルー「え?」

 

間抜けな声を出すナルシストルーに構わずセクレトルーは続ける。

 

セクレトルー「貴方の食事を楽しむ者達への恨みはこんなものではないでしょう」

 

その言葉に表情を(くも)らせたナルシストルーはセクレトルーを睥睨(へいげい)する。

 

セクレトルー「私が気付かないとでも?てゆーか、スピリットルーのデータやドランジャの話でバレバレだっつーの」

 

スピリットルーが食事を嫌っていたのはナルシストルーの過去が反映したものにあり、同時に生み出されたドランジャの発言にも影響がある。

 

ナルシストルー「プリキュアとライダーを片付けば、レシピッピなんて俺達で直ぐに集められるさ」

セクレトルー「その前にお伝えしておきます」

 

セクレトルーに捕獲箱とバグルドライバーⅢを手渡し、右腕を掲げてシュプレヒコールを行おうとしたナルシストルー。

彼の楽観的な考えに対して、セクレトルーは告げた。

 

セクレトルー「次失敗したら、貴方の居場所は此処にはありません。勿論の事、王蛇もその対象に含まれています」

 

それはナルシストルーと王蛇に言い渡された最終通告(ラストチャンス)であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sakuya side

 

精神と時のドアでの修行と安息を終えた俺は、外の世界へ一歩足を踏み出す。

其処にはレグレット達が出迎えており、俺は気後(きおく)れする。

 

透冀「やぁ、アキノリ。一ヶ月振りだね」

咲夜「...あまり吃驚(びっくり)させるなよ。逆に心臓に悪いだろ」

冬美「こういうお迎えも悪くないと思って。その様子だと、仙豆でも食べた?」

咲夜「ああ、実戦に備えて四分の一は食っといた。豆一粒をそのまま食ったら直ぐなくなる様なモンだしよ」

 

こうして雑談を交わしているが、外の世界でのタイムリミットは間近となっている。

今の内にトイレを済ませると、外でハートキュアウォッチの警報音が鳴り響いた。

捕獲されたのは前回と同様マグロ寿司個体のレシピッピ。

俺達は直ぐに専用のライダーマシンで走行し、ナルシストルー達のところへ(おもむ)く。

 

ナルシストルー「来たね、プリキュアにライダー諸君。一週間という素敵な時間は過ごせたかな?」

咲夜「ああ、お陰様でな。こちとら全治するのにも苦労したがな!」

浅倉「往生際が悪いな吉木、今度こそ坊やごと殺してやる...」

雄大「浅倉、無惨に食い殺された人達の仇は討たせてもらう!」

浅倉「威勢が良くて何よりだ坊や。討てるといいな、俺達を...!」

ナルシストルー「カモン!ゴッソリウバウゾー!!」

 

赤いバツ字の捕獲箱を取り出し、先程と同じウバウゾーが召喚される。

 

ここね「又同じウバウゾー...!!」

コメコメ「...!!」

 

先程と同じ個体のゴッソリウバウゾーを見て怖気(おじけ)付くコメコメを見て、ナルシストルーは不適な笑みを浮かべる。

 

ナルシストルー「良いねぇ、その顔が見たかった...!」

『ガッチューン!』

『ユアロボットネーム!』

 

浅倉は色が逆になった王蛇のカードデッキを取り出すと、Vバックルが自動装着される。

ナルシストルーもバグルドライバーⅢを腰に当て、起動したガシャットをスロットに装填した。

 

浅倉「変身!!」

ナルシストルー「変身」

『ガシャット!バグルアーップ!』

『ユアロボットネーム!(meaw!)』

ローズマリー「デリシャスフィールド!」

 

王蛇サバイブとドラーニャへの変身が完了すると、ローズマリーがデリシャスフィールドを展開。

俺達は変身に移行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変身バンクBGM『林ゆうき/竜の戦士』

 

「「「「プリキュア・デリシャスタンバイ!パーティーゴー!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

ゆい「にぎにぎ!」

 

コメコメ「コメコメ!」

 

ゆい「ハートを!」

 

コメコメ「コメコメ!」

 

 

 

 

 

 

ここね「オープン!」

 

パムパム「パムパム!」

 

ここね「サンド!」

 

パムパム「パムパム!」

 

 

 

 

 

 

 

らん「くるくる!」

 

メンメン「メンメン!」

 

らん「ミラクル!」

 

メンメン「メンメン!」

 

 

 

 

 

 

あまね「フルーツ!ファビュラス・オーダー!」

 

 

 

 

 

「「「「シェアリンエナジー!」」」」

 

コメコメ「コメ〜!」

 

パムパム「テイスティ!」

 

メンメン「ワンターン!」

 

 

 

 

 

 

フィナーレ「トッピング!ブリリアント!シャインモア!」

 

 

 

 

 

コメコメ「コメコメ!」

 

パムパム「パムパム!」

 

メンメン「メンメン!」

 

プレシャス「熱々ご飯で漲るパワー!キュアプレシャス!美味しい笑顔で満たしてあげる!」

 

スパイシー「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!分け合う美味しさ焼き付けるわ!」 

 

ヤムヤム「煌めくヌードルエモーション!キュアヤムヤム!美味しいの独り占め、許さないよ!」

 

フィナーレ「ジェントルに、ゴージャスに、咲き誇るスウィートネス!キュアフィナーレ!食卓の最後を、この私が飾ろう」

 

「「「「デリシャスパーティ♡プリキュア!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「変身!」」」」」

 

【カメンライド ディケイド!】

 

【ディエーンド!】

 

キバーラ「チュッ!」

 

『GUN FORM』

 

ディケイド「全てを束ね、全てを創る!仮面ライダーディケイド!旅の語らい始めようか!」

 

ディエンド「後を縋らず全てを撃ち抜く!新たな旅に悔いなき選択を!仮面ライダーディエンド!僕達の旅の行先は...僕達が決める!」

 

クウガ「ゼロから始まる古代のエナジー!仮面ライダークウガ!皆の笑顔は...俺が守る!!」

 

キバーラ「「世界に輝く女騎士!仮面ライダーキバーラ!貴方の野望、止めてあげる(わ)!」」

 

電王G「お前、倒すけど良いよね?答えは聞いてない!」

 

ディケイド「全てを破壊し!」

 

「「「「全てを繋ぐ!」」」」

 

「「「「我ら、仮面ライダー!」」」」ドカーン!

 

 

 

 

Decade side

 

ローズマリー『皆、プラン通りに!』

【アタックライド イリュージョン!】

 

ローズマリーの合図で全員が駆け出す中、俺はイリュージョンのカードを装填。

三人に分身し、それぞれの相手へ向かう。

 

ディケイドA「BとCはスパイシーとヤムヤムのサポートを。雄大、ジュニラム、冬美、ジュブリー、ローズマリーの五人は浅倉の足止めを。俺とレグレットはプレシャスとフィナーレに加勢する!最終決戦じゃあるまいが、全員生きて帰るぞ!!」

ディケイドA以外『おう(うん)(ええ)(ああ)!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

B side

 

スパイシー「ピリっtoヘヴィサンドプレス!」

ゴッソリウバウゾー『ウバゥッ!?』

ヤムヤム「はああーっ!ホワチャー!!」

 

最初に先陣を切ったのはスパイシーだった。

サンドプレスでゴッソリウバウゾーを挟み撃ちにし、其処からヤムヤムが中国拳法の連撃(れんげき)を浴びせる。

だが、ゴッソリウバウゾーは気合でバリアを打ち破り、その衝撃でヤムヤムをスパイシーのところまで後退させた。

 

A side

 

「「「「はあああーーーーッ!!」」」」

 

ナルシストルーはプレシャスの右拳(うけん)を受け止め、フィナーレが助走をつけた中断回し蹴りをを左腕で挟み込む。

俺がその隙にライドブッカーで縦一直線に振り下ろすが、案の定何処からか飛んできたベノバイザーツバイの刀身がナルシストルーを守る様にして(しな)う。

 

ディケイドA「浅倉...!」

【【ADVENT】】

 

銃撃を試みたレグレットはゼロディエンドライバーを向けるが、光の速さで突進を仕掛けてきたエクソダイバーの動きを俺達は察知して何度も地面を転がりつつ回避。

この時、俺は既にライダーカードを一枚引き抜いていた。

 

【フォームライド ジッオーウ!Ⅱ!】

『ジオーウ!ジオーウ!ジオーウ!Ⅱ!』

 

ジオウⅡの未来予知能力で攻撃パターンを見切り、サイキョーギレードで応戦。

刃と刃の打つかり合いで火花が飛び散り、隙を見てライジング化していたジュニラムが横側から突進を繰り出しエクソダイバーを大きく吹っ飛ばした。

 

クウガ「おおおッ!!」

 

雄叫びを上げ、ドラゴンフォームの跳躍力を活かしたドラゴンロッドを突きが入る。

背中がガラ空きとなったエクソダイバーは大きく地面に叩き付けられるが、直ぐに体勢を整えて浮遊する。

 

クウガ「アキノリ!メタルゲラスとエビルダイバーは俺達に任せろ!その間に浅倉を...【【ADVENT】】ぐっ、不意打ちの召喚か!」

 

召喚されたバスターゲラスが突進する直前に動きが止まる。

それは冬美がトゥルーアイを開眼させたドッガハンマーで足止めをしていた。

空中から光弾の雨を喰らって苦鳴の声を上げるバスターゲラス。

ジュブリーが(とんび)の様に滑翔(かっしょう)してバスターゲラスの周囲を見渡す形でバグヴァイザーⅢで銃撃を行なっていた。

其処から冬美が全体重を掛けた重い一撃を叩き込んでバスターゲラスを数m先まで吹っ飛ばした。

だが、ベノヴァイパーがアドベントカードを読み込まれずに地面から這い出てくると、ジュブリーを迎撃しようと金色の毒液を吐き出してくる。

背後から火花が所々散り始め、耳で捉えた銃声が正体を明かす。

電王 ガンフォームがガンモードにしたデンガッシャーを向ける。

ベノヴァイパーの吐き出した毒液を軽やかな身のこなしでステップを踏んで回避し、銃撃を開始する。

 

ジュブリー「さくぽん、透冀おじちゃん!僕達がこいつらを足止めしとる間に、浅倉とナルシストルーを!」

クウガ「後で俺達も追い付く!」

キバーラ(冬美)「死んだら一生許さないからね!?」

ディケイドA「ああ。分かってるぜ!」

 

仲間達に後押しされた俺は電王のライダーカードを取り出し、即座にドライバーに装填する。

 

ディケイドA「ジーク。お前は今此処には居ないが、一緒に戦ってくれよ!」

【フォームライド 電王 ウイング!】

 

電王 プラットフォームアンダースーツ『オーラスキン』と膝装甲のデンキュイスを含め、黒から白と金色のカラーリングに変色。

装着された胸部装甲『ビブレストプレート』は白く、両肩装甲は白鳥の翼を模している。

頭部の『デンレール』を辿(たど)った水色の白鳥の頭部が折り(たた)まれる形で電仮面に変形。

変身が完了すると背中から顕現(けんげん)した巨大な翼が変化した羽が舞い落ちる。

 

【カメンライド ファム!】

【カメンライド リュウガ!】

 

ゼロディエンドライバーから召喚されたのは、黒いアンダースーツを見に(まと)う細心な身体。

白を基調としたブーツにはヒールが付き、背中には半透明なマントを纏っている。

レイピア型の召喚機『羽召剣(はしょうけん)ブランバイザー』を手に持つ純白な女騎士の名は『仮面ライダーファム』。(かつ)て二十年前に別次元で浅倉を倒したミラーライダーだ。

もう一体は龍騎に似た目付きの鋭い漆黒の仮面ライダーで、額の龍の顔は(ゆが)んでいる。

鏡の中の世界で最強と自称する漆黒の龍騎士『仮面ライダーリュウガ』。

女性ライダーとネガライダーの原点にして頂点たる存在が、浅倉の目の前に立っている。

その姿を見た浅倉は、見覚えがあるかの様に口を開く。明らかにその声色は倒された経緯がある事を意味する。

 

王蛇サバイブ「お前らは...!」

【アタックライド コウリン、マンヲジシテ!】

ディケイドA「降臨、満を侍して...!」

『GUARD VENT』

 

アタックライドによる決め台詞を終えると、電子音声が流れる。

左手に召喚された『ウイングシールド』から大量の白い羽根を撒き散らす。

だが、浅倉は既にベノバイザーツバイにアドベントカードを装填していた。

 

【【CONFAIN VENT】】

 

白い羽根は浅倉を覆う直前に消滅し、手に持っていたウイングシールドをも消滅させる。

その直前に俺は急いでリュウタロスからデンガッシャーを強引に借用し、パーツ一番と四番を組み立ててブーメランモードの状態で投擲(とうてき)していた。

 

【STRIKE VENT】

 

トーンの低い電子音声が鳴り、ドラグクローに似た黒い手甲『ブラックドラグクロー』が装備される。

右腕を後方へ下げながら構えたリュウガの背後に現れたのはドラグブラッカーと瓜二つで、赤い眼差しを向ける黒い龍の契約モンスター『暗黒龍ドラグブラッカー』。

ブラックドラグクローが正面に突き出されると、ドラグブラッカーが全身を撓らせる様に前に出て黒炎を噴き出す。

背後には長く伸びた刃『オーラブーメラン』は鋭利な切れ味を誇り、Uターンする様に浅倉の背後に回る。前後は挟み撃ち状態だ。

 

王蛇サバイブ「ちっ...!」

 

だが浅倉もそう甘くはない。ブーメランモードを弾いてベノバイザーツバイの刀身を伸縮。

拘束したファムを引き上げ、盾として防いでみせたのだ。

高熱火炎6000度の炎を受けたファムは、巻き尺を引き戻す様に振るったベノバイザーツバイの刀身が縮めて戻されると同時に斬り付けられ、地面に膝を着く前にリュウガの方へ蹴り飛ばされた。

 

王蛇サバイブ「もうお前に()られるのは、二度と御免だ」

 

リュウガに受け止められたファムは特に見せ場を披露する事なく消滅してしまった。

 

リュウガ「......」

【SWORD VENT】

 

ブラックドラグクローを装備した状態でデッキからカードを左手で引き抜くリュウガ。

そのまま右手に持って行き、アドベントカードを持ち手と口部の間に挟み込み、左手のガントレット型召喚機『ブラックドラグバイザー』にアドベントカードを装填。

空中から召喚された『ブラックドラグセイバー』の刀身に黒炎を纏わせ、徐々に足の速度を上げながら浅倉に切り掛かって行く。

一度は圧倒した相手だったが、サバイブの力を手にした浅倉の前では無意味であった。

 

【【COPY VENT】】

 

浅倉は敢えてリュウガに刃で迎え撃つのではなく、アドベントカードを装填してブラックドラグクローを持ったブラックドラグクローを複製して左手のベノバイザーツバイの二刀流で迎え撃つ。

金属音が鳴る度に黒い火の粉と毒液が辺りに飛び散る。

 

【アタックライド ブラスト!】

ディエンド「ディエンドブラスト!」

【カメンライド 龍騎!】

ディケイドA「たああーッ!!」

 

俺達もリュウガの加勢に入り、レグレットが鍔迫り合いをしている浅倉の背中を目掛けて銃撃。

その間に俺は龍騎にカメンライドしつつも接近し、距離を詰めてから地面を蹴ってドラグセイバーを手に持ち唐竹割りを繰り出す。

しかし浅倉はベノバイザーツバイの刀身でリュウガを一気に押し出して距離を取り、今度は俺に向かって伸縮した刃を向ける。

 

【アタックライド ガードベント!】

 

ベノバイザーツバイの刀身が振り下ろされる直前に俺はドラグセイバーを地面に突き立て、唐竹割りを繰り出す前に取り出していたライダーカードを素早く装填する。

レッダーの腹部を模した盾『ドラグシールド』を左手に装備させて受け止める。

多少盾の一部は溶け出しているが、これくらい造作もない。

 

【アタックライド ストライクベント!】

 

左腕に全体重を乗せて浅倉を引っ張り上げ、立て続けにライダーカードを装填。

右手にドラククローを装備される。地面にドラグセイバーを突き立てたのもこの為だ。

ドラグセイバーのグリップを両顎で挟み込む形で逆手に持ち、身を屈めてベノバイザーツバイの刀身を受け流す。

そして距離が間近となると、浅倉の腹部を一気に掻っ(さば)いた。

 

ディケイドA「どうだ。俺に重傷を負わせたお返しだ...はァッ!!」

 

ドラグセイバーをドラグクローから離して向き直る俺とリュウガが不意打ちのドラグクローファイヤーを放つ。

12000度の高火力の炎を浴びた浅倉の装甲を徐々に焦げ目を付けていく。

 

【ファイナルアタックライド ブ、ブ、ブ、ブレイド!】

ディエンド「はああ...だあああッ!!」

王蛇サバイブ「ぬっ!?ぐぅッ...!!」

 

其処へブレイドブレードを持ったレグレットが駆け出す。

青白い電撃を宿したブレイドブレードによる右袈裟(けさ)斬りを喰らって地面を転がる浅倉。

レグレットが雑に放り投げたブレイドブレードは地面に着く前にぼやけて消滅した。

リュウガも役目を終えたのか背を向けて消滅する。

一定のダメージを与えたとはいえ、これも作戦の前座に過ぎない。

今のでコンファインベントとスチールベントを消費した。

無力化させるべきアドベントカードはもう一枚のコンファインベント、ユナイトベント、リバイバルベントの三枚。

ブラストベントは問題ないが、真面に喰らえば重傷どころじゃ済まされない。

 

ドラーニャ「...王蛇の奴も苦戦してるみたいだな。君達も何か策を練って来た様だが...俺の圧倒的強さには、到底及ばないッ!!」

 

一方でナルシストルーは両腕を広げ、プレシャスとフィナーレを弾き飛ばした上でエネルギー弾を放つ。

フィナーレは空手の修行をしていた甲斐があったのか、腕を交差させて防御体制に移行。両手を地面に付いて体勢を整える。

 

プレシャス「うああっ!」

コメコメ「プレシャス!」

 

逆にプレシャスは真面にエネルギー弾を喰らってそのまま吹っ飛ばされ、岩盤に激突しそうになっていた。

 

ブラックペッパー「...っぶねぇ。大丈夫か?」

 

だが、品田ことブラックペッパーが本来の口調を呟きながらプレシャスを容易に受け止めた。

 

プレシャス「ブラペ!有難(ありがと)う...あれ?貴方、何処かで...!」

ブラックペッパー「...油断するな。行くぞ!」

プレシャス「うん!」

 

正体を見破られそうになったブラックペッパーは頬を染めた顔を帽子で隠してスパイシー達の加勢に入り、プレシャスは再びナルシストルーに立ち向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

B side

 

【フォームライド ビルド ライオンクリーナー!】

【フォームライド セイバー ドラゴンイーグル!】

『立髪サイクロン!ライオンクリーナー!イェーイ!』

『竜巻ドラゴンイーグル!烈火二冊!荒ぶる空の翼龍が獄炎を纏い、あらゆるものを焼き尽くす!』

 

黄色と青緑の合皮装甲が挟まり、左右の複眼は掃除機と獅子。

肩の先端が鋭く、ライオンの頭部を模した黄色い右腕。

左腕がまるごと掃除機となっている左腕を持つビルド『ライオンクリーナーフォーム』。

Cが包まれた紅蓮(ぐれん)の炎を手に持った火炎剣烈火で斬り払い、セイバーの姿に変わる。

頭部の前額部に赤いV字のアンテナが追加。大鷲を象った装甲には前垂れが付き、猛禽(もうきん)類を連想させる赤い脚部を持つ『セイバー ドラゴンイーグル』。

カメンライドが完了すると、ゴッソリウバウゾーは縁部分から紫の弾幕を撃ってくる。

 

ディケイドC「これを待ってたぜ!」

 

Cが左腕の掃除機『ロングレンジクリーナー』を突き出す。

凄まじい吸引力でゴッソリウバウゾーの弾幕を容易(たやす)く吸収し、更にそれを肩の『BLDトラッシュコンバーター』で自身のエネルギーに変換させる。

 

ディケイドC「ほらほらどうしたぁ?そんなものか、お前の弾幕は。もっと撃ってこいよ!」

ゴッソリウバウゾー『ゴ...ゴッソリウバウゾー!!』

 

Cがゴッソリウバウゾーを挑発させて気を引いている間にスパイシーとヤムヤムは左右に分散。

俺は地面を軽く蹴って背部に備わった『バーミリオンウイング』で奴の頭上より高く飛翔する。

 

ヤムヤム「バリバリカッターブレイズ!」

ディケイドC「お返しだ。腹一杯食わせてやるよ!」

ゴッソリウバウゾー『ウバァッ!?』

ディケイドC「どうよ!名付けて『レオフォースキャノン』だ!」

 

カッターブレイズを右腕に命中させ、Cが吸収した稼働エネルギーを利用したライオン型のエネルギー波をど真ん中に当ててゴッソリウバウゾーを大きく後方へよろけさせる。

 

ディケイドB「C!暫しの間、ライオンクリーナーの状態を維持しろ!ライオチェストアーマーは武器による攻撃以外は無効に出来ない。だから成る可く吸いまくって、特大のカウンター攻撃をお見舞いしてやれ!」

 

ライオンクリーナーフォームの胸部装甲『BLDライオチェストアーマー』は、武器を用いた物理攻撃を略通さず、ダメージを与えられるのは左足のバトルシューズ『サバンナフットシューズ』の足先と右手の『BLDライオグローブ』に収納された鋭い爪『レオメタルクロー』のみというチート性能持ち。

だが、これは飽く迄武器を用いた物理攻撃のみ。

エネルギー弾などの攻撃は恐らくロングレンジクリーナーで吸収する以外に手立てはない。

俺の指示にCは難なく了承してくれた。

 

ディケイドC「分かった。そういう事なら、どんどん吸いまくってやる!」

メンメン「プレシャス達がスペシャルデリシャストーンを外すまで...」

パムパム「絶対持ち堪えるパム!」

 

右拳を打ち込んだスパイシーを振り払い額から弾幕を撃とうとしたが、俺は直前にバーミリオンウイングから竜巻を発生させて怯ませ、更には加勢に入ったブラックペッパーのエネルギー弾が炸裂する。

 

スパイシー「有難う!」

ブラックペッパー「礼は後だ。行くぞ!」

「「「「うん(おう)(ええ)!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A side

 

斬撃のエネルギーとフィナーレブーケが相殺し、煙が発生。

ナルシストルーが左腕で視界を塞ぐ。捕獲箱に嵌められたスペシャルデリシャストーンが微かに点滅した事で位置は大体把握出来た。

 

【カメンライド カブト!】

『Clock up.』

ドラーニャ「狙いはこの石か。だがッ!!」

カブト「ッ!」

 

プレシャスが捕獲箱に手を伸ばすが、右手で手首を掴まれる。

そのまま引っ張り出した上でフィナーレの方へと投げ飛ばしたナルシストルーは召喚したカブトのクロックアップによる高速移動を見抜いて斬撃を見舞わせた。正面から来ると理解した上でだ。

 

ドラーニャ「これはこう使う物だ」

 

捕獲箱を突き出し、スペシャルデリシャストーンが輝くと、ゴッソリウバウゾーに黒紫の炎が纏われる。

俺とレグレットを斬撃で後退させた浅倉は、ユナイトベントのカードを装填する。

 

【【UNITE VENT】】

 

雄大達と交戦中だったベノヴァイパー、バスターゲラス、エクソダイバーの三体が合体。

俺達が予想していた通り、最凶最悪のミラーモンスターが誕生した。

尻尾・首・顔部がベノヴァイパー、顔を除いた頭部・胴体・四肢がバスターゲラス、背中が鰭を展開させたエクソダイバーといった構成となっている。

ジェノサバイバーが進化したミラーモンスター...名付けるとするなら『ジェノサヴァイパー』と言ったところか。

 

ディケイドA「嘘だろ!?今此処で...!?」

ディエンド「アキノリ。勝負は今、此処で決めるしかない————【【STEAL VENT】】なっ...!?」

 

レグレットがカードホルダーからカードを取り出そうとした瞬間に二重の電子音声が鳴り、ゼロディエンドライバーが浅倉の手元に渡ってしまう。

 

王蛇サバイブ「これでお前はあいつらを呼び出せない...!」

 

浅倉が放り投げたゼロディエンドライバーに俺は手を(かざ)す。

ベノバイザーツバイで真っ二つに切り裂く直前にオーロラカーテンを使用して、レグレットの手元に移動させた。

 

ディエンド「有難うアキノリ。お陰でスチールベントを消費させる事が出来た...!」

ディケイドA「礼なら後だ。危うくお前が変身出来なくなるところだったな...!!」

ゴッソリウバウゾー『ウバウゾー!!』

 

俺がレグレットにゼロディエンドライバーを手渡した瞬間に、縁部分から紫のリングを空中に放つゴッソリウバウゾー。

それが大きく広がると、無数のエネルギー弾となって分散。

放たれたエネルギー波の雨が俺達を襲う。

 

『キメワザ!クリティカルオビリビオン!』

【【BLAST VENT】】

 

ジェノサヴァイパーは口から毒液を撒き散らしながら、頸部(けいぶ)の車輪から突風を巻き起こす。

前回とは違う速度で毒液が飛び散り、無数のスナイパーライフルで一斉に射撃された感覚を嫌でも覚えさせられる。

ナルシストルーが飛ばした斬撃も同時に放たれ、絶対不可避である事を思い知らされる。

ライオンクリーナーになったCでも吸い込める余裕はなく、全員(もろ)に喰らってしまった。

 

『うああああーーーーッ!!!!』

 

砂塵(さじん)が徐々に晴れると、俺達はうつ伏せに倒れていた。

召喚されたリュウガやカブトの姿は何処にもなかった。

変身が強制的に解除されていない状態だが、主に毒液によるダメージが徐々にライダーの装甲を蝕んで行く。

 

ディケイドA「ぐ、うう...!」

 

呻き声を上げるプレシャスと、やっとの事で立ち上がった俺の前にナルシストルーと浅倉が立ち尽くす。

 

ドラーニャ「遊びが終わるのは残念だけど...あんな思いはもう御免だッ!!!!」

『キメワザ!』

 

突然に怒号を上げたナルシストルーはドライバーから取り外したバグヴァイザーⅢのBボタンを押し、EXPグリップを逆手に持って振り上げる。

駆動音を響き渡らせる刃のエネルギーが三つに分身し、三叉(さんさ)のエネルギーが纏われる。

肉を切り裂き骨をも断ち切る無数の刃。

これを喰らえば今度こそ俺どころか、プレシャスまでもが命の保証はない。

 

ローズマリー『プレシャス!咲夜!』

『クリティカルトランケート!』

ドラーニャ「これで終わりだッ!!」

 

Bボタンが再度押され、死刑宣告される様にバグヴァイザーⅢが振り下ろされた。

 

「止めるコメーーーッ!!!!」

 

だが、コメコメの全力の体当たりでバグヴァイザーⅢの軌道は変えられ命拾いをした。

 

「「コメコメッ!!」」

ドラーニャ「...君じゃ遊び相手にはならない」

 

俺達を仕留め損ねた原因と見做したナルシストルーは、コメコメを直ぐ様に放り投げる。

地面を何度もバウンドし、巨大な影が覆われる。

 

ゴッソリウバウゾー『ウバァ...』

ローズマリー『コメコメ!!』

電王G「コメちゃん!!」

ゴッソリウバウゾー『ウバァッ!!』

 

ゴッソリウバウゾーに踏み潰される直前にオーロラカーテンで皆をコメコメの所まで瞬間移動した事で難を逃れた。

スパイシー達がゴッソリウバウゾーの足を押し戻し、軽く後退させた。

 

ディケイドA「...間、一髪だったな」

プレシャス「大丈夫?」

コメコメ「プレシャス、咲夜...」

 

その光景を見ていたナルシストルーは斬撃波を飛ばそうとしたが、ブラックペッパーによって妨害される。

 

ブラックペッパー「やられっぱなしじゃ終われない!」

『Climax Form.』

電王「うりゃあッ!!」

 

助走を付けた勢いで振るった左拳を受け流され、体勢を整えるブラックペッパー。更にはクライマックスフォームになったモモタロス達も加勢する。

 

ドラーニャ「電王か。そういえば、ドランジャの奴もお前達を倒したがっていたなぁ...!」

ローズマリー『地上戦なら相手出来るわ...!!』

王蛇サバイブ「いいぜ、全員纏めて血祭りにあげてやる...!」

 

ナルシストルーと浅倉を一時的にブラックペッパーとローズマリー達に相手をしている間に、俺達はゴッソリウバウゾーとジェノサヴァイパーと交戦している。

紫の弾幕の連射で砂塵が発生し、吹っ飛ばされた俺とプレシャスは地面を転がっていく。

フィナーレとレグレットが放った青紫のエネルギー波が螺旋(らせん)を描きながらゴッソリウバウゾーに命中させる。

 

ジュニラム『雷変身!!』

 

ジュニラムもライジング化しながら突進を繰り出すのに対してジェノサヴァイパーは身を(かが)めて首を折り畳み、展開した(ひれ)を元の状態に戻して四肢(しし)を収納する。

飛行形態となったジェノサヴァイパーの口部から毒液の弾幕を辺りに吐き出す。

ペガサスフォームに超変身した雄大がペガサスボウガンで迎撃している間に、冬美がドッガハンマーのトゥルーアイで動きを封じようとしたが、見た目に反した光速で上手く捉えられず電気を纏った体当たりで岩盤に激突してしまう。

 

クウガ「ぐああッ!!」

キバーラ(冬美)「ああッ!!」

ジュニラム『雄大!冬美!ウアアアッ!!』

 

雄叫びを上げて此方も電撃を纏った体当たりを無鉄砲に繰り出すが、逆に奴の毒牙に嵌まってしまい、両顎で受け止められて内部から毒を浸食させる。

 

ジュニラム『グッ!ガッ!ウアアアアアアアアッ!!!!』

 

苦鳴を上げたジュニラムに苦痛を味合わせる余裕もなく投げ飛ばされ、バグヴァイザーⅢの銃口を向けようとしたジュブリーと激突。そのまま打ち落とされてしまった。

 

プレシャス「皆!...うう!」

ディケイドA「ジュブリー、ジュニラム...!クソッ、こんな痛み直ぐにでも...!!」

 

先程のダメージを酷く負ってしまった俺達は呻き声を上げる。

 

コメコメ「プレシャス、咲夜...!」

 

俺達の様子を見ていたコメコメの目には涙が浮かぶ。己の無力さに縛られながら。

 

プレシャス「どうしたの、コメコメ?泣かないで...!」

 

プレシャスがコメコメを撫でていると、爆発音が砂塵と共に巻き起こる。

 

フィナーレ「大丈夫か?少し休んでいろ」

ディケイドA「悪いな、フィナーレ。レグレット、少しの間だけゼロディエンドライバーを貸してくれないか?」

ディエンド「ディエンドライバーを?それで一体どうするつもり...?」

ディケイドA「説明をしてる暇はない。武器がなくてもお前には高速移動という切り札があるだろ?俺がマッドドクターで体力を回復させている間に、成る可くベノサヴァイパーを引き付けてくれ。頼んだぞ」

ディエンド「...死なないでくれよ?」

ディケイドA「大丈夫だ。俺を誰だと思ってんだ?」

 

フィナーレとレグレットは再度ゴッソリウバウゾー達の方へ立ち向かって行く。

俺はライドブッカーから取り出したマッドドクターのカードをゼロディエンドライバーに装填する。

 

ディケイドA「...さてと」

【アタックライド マッドドクター!】

ディケイドA「うっ!?がああああああああッ!!!!」

 

ブッカーマズルを胸部装甲に突き付け、エンドトリガーを引くと身体中に激痛が走る。

マッドドクターのフルスロットルは変身者の肉体を高速治療する代わりに激しい痛みが(ともな)う。

 

プレシャス「咲夜君!?」

ディケイドA「大丈夫だ!マッドドクターは変身者の肉体を即効で治療する代償として激痛が走る。これくらいの痛みなんざ、意地で耐えてやる...!!」

 

さっき俺が受けたベノサヴァイパーの毒はベノヴァイパーの時よりも強力な物で、これで気絶してもおかしくはない。

激痛を耐える様に俺は歯を食い縛っていると、俺達が傷付く姿に耐えきれなくなったコメコメは突然に泣き出した。

 

コメコメ「おっきくなったら…何でも出来るようになると思ってたコメ。でも字が書けるようになっても、化けるのが上手になっても、皆が傷ついてるのに何にも出来ないコメっ!」

 

...止めろ。

 

コメコメ「皆一杯いっぱい優しくしてくれたのに、一世みたいな力もないし、コメコメは全然ダメコメっ!!」

 

...言うな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「そんな事(それ以上)わないで(うな)ッ!!!!」」

コメコメ「っ!!」

 

俺達の怒声でコメコメの自責の言葉を否定した。

普段よりも真剣な表情で俺はコメコメを叱咤(しった)する。

 

ディケイドA「戦闘能力が非力だったとしても、お前にはお前にしか出来ない事だってある筈だろッ!!!?自分の力を信じないでどうする...諦めたら其処で終点だぞ!!」

プレシャス「...そうだよ。例えコメコメでも、あたしの大好きなコメコメを''ダメ''だなんて言うのは許さない!」

コメコメ「プレシャス、ディケイド...」

 

俺の言葉をプレシャスが繋げながらコメコメを優しく抱き締める。

 

プレシャス「有難うコメコメ。そんなに想ってくれて...あたし全然知らなかった。でも、コメコメも知らないんじゃない?コメコメが一緒に食べて、コメコメが一緒に笑って、あたしとっても幸せだよ」

フィナーレ「プレシャス、咲夜!避けろ!!」

【アタックライド ブラスト!】

 

フィナーレの掛け声で無鉄砲に飛んできた紫の弾幕が俺達に降り掛かろうとしていた。

俺は直ぐ様ブラストのアタックライドカードを素早くゼロディエンドライバーに装填。

ディエンド専用ではなく、ディケイド専用のブラストをだ。

 

ディケイドA「ディケイドツインブラスト!」

 

ゼロディエンドライバーとライドブッカーを左右に()ぎ払い、連射したマゼンタと紫の光弾で弾幕を相殺。ゴッソリウバウゾーとジェノサヴァイパーに向かって駆け抜ける。

体力は完全に回復しきってはいないが、毒が高速で回復出来たなら十分だ。

 

プレシャス「おばあちゃん言ってた。幸せの味は、明日への道しるべ!コメコメとご飯を食べたい。その未来を思うと、力が湧いてくる!!」

ディケイドA「その明日を掴む為に、皆の幸せを応援する為に俺は戦う。これからも...いや、ずっとだ!」

【ファイナルアタックライド ディ、ディ、ディ、ディケイド!】

 

ゴッソリウバウゾーの額から発射された特大のエネルギー弾をプレシャスが打ち破り、俺はゼロディケイドライバーにディケイドのファイナルアタックライドのカードを装填。ブッカーマズルから黄色いカードのエネルギーを突き抜け、ジェノサヴァイパーの口部から放たれたエネルギー波と打つかり合う。

明らかに相手側が圧倒的に有利だが、それでも俺はニヤリと笑ってみせた。

 

ディケイドA「こっちにはな、奥の手ってものがあるんだよ!!」

【ファイナルアタックライド エ、エ、エ、エグゼイド!】

『!!』

ディケイドA「レグレット!!」

 

右手に召喚された二本分のライダーガシャットが装填されているガシャコンキースラッシャーを、レグレットに投げ渡す。

俺の意図を察したレグレットは重加速を発動させ、高速移動でジェノサヴァイパーを擦れ違う様に切り付ける。

 

ドラーニャ「なっ...!?」

ディエンド「うおああああああああッ!!!!」

『マキシマーム!クリティカールフィニーッシュ!!』

 

続けて交戦中だった浅倉とナルシストルーにも斬撃を当てる。

地面を転がり、二人が立ち上がった瞬間に自らの異変に気付く。

ナルシストルーの両腕の手甲がデータの(ちり)となって崩れ落ち、浅倉の体中に電撃が走る。

それはジェノサヴァイパーも同様で、まるで弱体化させられたかの様に押されて行き、俺のエネルギー波を諸に喰らって仰向けに倒れた。

 

ドラーニャ「どういう事だ!?俺の武器が...一体何をした!?」

ディエンド「簡単な事だよ。このガシャコンキースラッシャーに装填されていたライダーガシャットにはバグスターウイルスの能力を書き換える力がある。これでお前達の能力を書き換えたって訳さ」

ドラーニャ「何、だと...!?」

 

ガシャコンキースラッシャーに装填されているガシャットは『マキシマムマイティX』。

バグスターウイルスだけでなく、バグスターウイルスを投与した仮面ライダーにも効果が適用される。

今の浅倉やジェノサヴァイパーもバグスターの状態である為、これを使うのにはまさに打って付けだった。最後の切り札として取っておいた甲斐(かい)があった。

これにより、リプログラミングされた浅倉の姿はサバイブのままだが、スペックは王蛇の通常形態と同じだ。

ジェノサヴァイパーもジェノサイダーの合体による弊害(へいがい)が発生。

飛行形態への変形はまだしも、機動力は鈍重(どんじゅう)だ。

 

ディエンド「アキノリ。まさか君は制御出来たのか?激情態の力を...!」

ディケイドA「ああ、三百年経っても完全に制御出来ない様ままじゃ、破壊者の異名(いみょう)(すた)るんでな」

 

レグレットの問いに俺は頷く。

あの時、俺はケータッチ23の力を試す為に精神と時のドアに入った訳ではない。

同時に激情態の力を完全に制御しておきたかったからな。自我を維持するのにも死ぬ程苦労した。

そのお陰でディケイドの状態でもディケイド以外のファイナルアタックライドを、武器を召喚する形で使用出来る様になった。

 

ディエンド「...全く、君って奴は。何処までも往生際が悪いよ」

 

ゴッソリウバウゾーのリングが俺達を囲もうとしたが、パンバリアで防がれスパイシー達が入ってくる。

 

スパイシー「私達だって...!」

ヤムヤム「プレシャスとさくぽんの思いは...!」

フィナーレ「同じだ!!」

コメコメ以外『コメコメ!いつも側にいてくれて有難う(パム)(コメ)!』

 

感謝の言葉を受け取ったコメコメに笑顔が溢れる。

その様子を見届けた俺は、弱体化したナルシストルーと王蛇に視線を向けながらBとCに宣言する。

 

ディケイドA「B!C!」

「「!!」」

ディケイドA「...今まで待たせて悪かったな。解禁だ」

ディケイドC「解禁って、まさか...!」

ディケイドA「ああ、その''まさか''だ。最早劇場版限定フォームだけじゃ飽き足らない————

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中間フォーム...全部解禁だァァァァーーーーッ!!!!」

 

 

 




王蛇サバイブ(アウトサイダーズ)
身長:202cm
体重:99kg
パンチ力:600AP(約30t)
キック力:900AP(約45t)
ジャンプ力:ひと跳び90m
走力:100mを3秒

-アドベントカード-

・アドベント
ベノヴァイパー、バスターゲラス、エクソダイバーの召喚。

・ソードベント:ベノブレード
ベノバイザーツバイから展開する短剣。5000AP。
主に殴打や刺突といった攻撃方法がメインで、蛇の様に自在に伸縮可能。
又、アドベントカードなしでも使用出来る。

・ブラストベント:ポイズンストーム
ベノヴァイパーの車輪から突風を巻き起こす。4000AP。
混じった毒の飛沫が散弾銃の様に飛び散り、毒を浴びた相手の体を一瞬にして溶解させる。

ファイナルベント:ポイズンベノスティング
バイク形態に変形したベノヴァイパーが黄金のオーラを纏いながら敵に突進し激突した後、怯んでいるところをベノブレードで滅多刺しにする。10000AP。

ファイナルベント:アースプレッシャー
バイク...というよりも戦車形態に変形したバスターゲラスが、見た目に反したスピードで敵に何度も体当たりを仕掛ける。
ドリルの様に最大まで回転させた角は、他のライダーの重装甲をいとも容易く穿つ程の威力を誇る。8000AP。

ファイナルベント:スレイヤーべノン
エクソダイバーがエクソフィン(エビルフィンのサバイブ版)で稲妻と同等の速度で敵を何度も斬り付け、怯んでいるところをバイク形態に変形して突進する。空中にいる敵にはとても有効。8000AP。

・スチールベント
相手の武器を奪う。

・コピーベント
相手の持つ武器を複製して自身も使える様にする。

・コンファインベント
相手が発動したカードの効果を無効にする。
アドベントカード以外にも、ラウズカードやライダーカードにも効果が適用するのかは不明。

・ユナイトベント
契約モンスターを合体させる。

・リバイバルベント
『仮面ライダー剣ショー』に登場したオリジナルのアドベントカード。契約モンスターを復活させる。

【契約モンスター】
ベノヴァイパー
ベノスネーカーがサバイブ化した姿。全身凶器と呼ばれた姿は更に凶器じみたものとなり、時速80kmで通り過ぎただけでもあらゆる物を一瞬にして切断する。7000AP。

バスターゲラス
メタルゲラスがサバイブ化した姿。脚部の『メタルフット』は足裏にキャタピラが付いている『バスターフット』に進化し、敵を踏み潰すだけでなく高速回転させたキャタピラで装甲を削り落とす。
メタルホーンは『バスターホーン』に進化し、ドリルの様に高速回転させる事でどんなに分厚い鉄板だろうと風穴を開ける。
ファイナルベント時は地底戦車に変形し、見た目に反したスピードで敵を貫通する。6000AP。

エクソダイバー
エビルダイバーがサバイブ化した姿。エビルフィンは『エクソフィン』に進化し、ダイヤモンドを切断する程の切れ味を持つ。
又、60Vもの電撃はエクソフィンに纏わせる事で閃光の如くスピードを引き出し、エビルウィップが進化した『エクソウィップ』で敵を締め付けて電撃を浴びせる。6000AP。

ジェノサヴァイパー
ベノヴァイパー、バスターゲラス、エクソダイバーの三体が合体したミラーモンスター。
尻尾・首・顔部がベノヴァイパー、顔を除いた頭部・胴体・四肢がバスターゲラス、背中が鰭を展開させたエクソダイバーといった構成となっている。
サバイブ化前のジェノサイダーとは違い、ジェット機の様な姿に変形して電撃を纏った突進を仕掛けたり、ブラストベントの効果で毒液を撒き散らしながら突風を巻き起こす。10000AP。

ファイナルカメンライド!登場するならどれがいい?

  • 最初はやっぱり初期コンプリートでしょ!
  • コンプリート21の汚名返上!
  • 全く新しいコンプリートフォーム!
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