デリシャスパーティ♡プリキュア ~破壊者の食べ歩き~   作:ライノア

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【警告】このエピソードには戦争及びグロテスクな描写が大きく含まれています。苦手な方はご注意下さい。


映画編 その3:明かされる破壊者の秘密...咲夜の失った記憶!中編 part.2

SAKUYA SIDE

 

俺はカルコルの命令通りに行動し、他の国の部隊を(ことごと)く返り討ちにしていった。

バロスの様な無力化と()う慈悲は許さず、善悪問わずにただ目に映る物を破壊するだけの兵器と化していた。

小さな命()いも指の先端から放たれた弾丸の雨で次々と掻き消していく。

俺はその光景を傍観していたが、カルコルに付けられた首輪による電流が全身に流れ込まれる。

電流で一時的に体が(うずくま)った俺の前に数人の兵士が俺を取り囲み、一斉に拳銃を突き付けた。

囲まれた上で銃を向けられ、閃光弾を使う余裕もなかった。

一度でも動けば死、抵抗しなければ捕まる。自分の運命を決める二つの選択。

そんな弱肉強食な事実を突き付けられた俺は、一人の兵士の手を見る。

その手は小刻みに震えており、明らかに引き金を引くのを躊躇している。

違う国であったとしても彼らは人間だ。人種差別も関係ない。

彼らにだって自分の家族や故郷がある(はず)だ。それなのにいきなり戦争に駆り出され、醜く下らない争いの火種となって命の灯火が次々と掻き消されていく。

あの兵士だって本来なら殺したくないし、こんなところで死にたくない筈だ。

顔を見れば分かる。バロスの部隊に居た時だって、そういう奴等の顔は何度か見てきた。

 

敵兵士A「何故君の様な若い者がこんな事をするんだ?今ならまだ間に合う。両手を上げてくれ...!」

 

敵兵士に突然情けを掛けられる。

一生に一度のチャンスではあったが、この首輪は本部の命令に背いたり裏切ろうとした場合にも適用し、容赦無く電流が流れる仕掛けとなってはいるものの、過去や未来にタイムスリップすると機能が停止するという。

だが、それは飽く迄命令に背いた時だけの事であり、裏切るのも個人の自由だ。

過去や未来に時空移動したとしても、この首輪がある限りどの時代にいるのかも全て把握され、絶対に財団Xからは逃れられない。

俺は敵兵士達の前で素早くピンを外した閃光弾を、自害すると見せかけて地面に大きく叩き付けた。

鼓膜が破れるのを承知の上で閃光と爆音が響き、手に取った機関銃を兵士から奪い取る。

自身の武器を奪い取られた兵士を背中から蹴り飛ばし、そのまま機関銃から銃弾の雨を喰らわせる。

降り注ぐ銃弾の雨が次々と命を刈り取っていく光景は教壇(きょうだん)(とも)蝋燭(ろうそく)の火を突風で一気に吹き消す様で、兵士を一人殺していく度に罪悪感と()う名の恨みの鎖に全身が縛られているのを感じた。

 

咲夜(過去)「御免、御免っ...!!」

 

俺は目が大粒の涙で(あふ)れながらも、奪った銃や武器を駆使しつつ次々と兵士達の命を刈り取っていく。

撃てば撃つ程罪悪感に心を押し潰されていき、刺せば刺す程涙が込み上がっている。

頭の中が後悔の感情でいっぱいだった俺を109は、興味深そうな眼差(まなざ)しで見ていた。

その時は何の表情を示していたのか、当時の俺には分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数十分が経過した。

荒げた息を整え、意識が現実に戻った俺は辺りを見渡すと其処には(むごた)たらしい光景が目に飛び込んだ。

 

咲夜(過去)「これ...全部、俺が...?」

 

辺りに広がるのは兵士達の死骸(しがい)。光が消えた瞳の奥にまだ生きたいと云う無念の眼差しが向けられていた。

その目の奥に憎悪も含まれているのはか分からないが、俺が全員殺した事に変わりはなかった。

バロスの部隊に居た時にこれまで押し殺してきた罪の意識に囚われた俺は(ひざ)から崩れ落ち、嘔吐(おうと)する程に嗚咽(おえつ)する。

 

109『...大丈夫?』

 

殺す事を強要され、罪悪感に押し潰されていた俺に109は手を差し伸べる。

無感情であるのにまるで目の前にもう一人の自分が居たかの様だった。

若しこの手を掴まなければ、俺は兵士達に蜂の巣にされて命を絶っていた。

命の救済に(すが)るべく俺は腕で涙を拭いて109の手を掴み、兵士達の魂と負の感情を回収した後に早急にその場を後にした。

あれからどれくらい経っただろうか。109と肩を組んでいる俺は路地裏に帰路を辿る。

使命は果たしたとはいえ、未(いま)だに回収に必要な魂と負の感情には達していない。

この首輪はどの時空にタイムスリップしたのかを把握されているが、別の時代に行った事で裏切り行為以外は電流が流れない様になっている。

この機を逆手に取った俺は109に語り掛けるチャンスであった。

 

咲夜(過去)『なぁ、109。あんな奴等の言いなりになっているのに、何で俺を助けたんだ?』

109『......君の中にある後悔の感情に共鳴したから、かな?』

咲夜(過去)『後悔?』

109『うん。僕はカルコル様に(つく)られた存在だけど、あの時泣いていた君の顔を見て放っておけなかった。何故だかは分からないけど、後悔したくなかったから...かな?そう、無意識に思ったんだ』

 

無意識という言葉に、気紛れではなく無自覚な衝動で助けた。

109にとってはただそれだけかもしれないが、俺はそう感じなかった。

あいつは俺が転生前に強く思った感情に反応したのだろう。

『後悔したくなかった』。109は生まれて初めて人間である俺の『後悔』と云う感情を習得した。

すると、109は何を思ったのか俺の姿をコピーし始めた。

 

109『...僕達が二人の時だけなら、この姿になっても構わないかな?僕は、君の後悔を全て受け入れるよ』

咲夜(過去)『俺を(なぐさ)める為に、態々(わざわあz)姿まで真似たってのか?...まるで自分がもう一人居るみたいだ』

109『そうかもしれないね。どうせなら、この体に生まれた事を後悔してるよ。君と同じ人間に生まれていたら、どれだけこんな場所を忘れる程に人生を謳歌(おうか)していただろうか...』

咲夜(過去)『やっぱり、後悔してるんだな。機械生命体として生まれた事が...』

109『そうかもしれない。でも、今はこの姿のままでいい。あの場所に戻るまでは...この姿で』

 

セカンドロイミュードではなく、人間に生まれたかったと云う後悔が109を渦巻く。

だが、今は財団X本部に戻る前はこの姿のままいる事で、人間になった事への愉悦(ゆえつ)(ひた)る。

それも無感情な笑みを浮かべて言ってきた。俺にも全く訳が分からない。

訳が分からないが、少しばかりの心を埋める丁度良い機会になっていたのは事実だ。

それから(しばら)く経ち、俺達は路地裏に透明機能で姿を消していた専用のタイムマジーンに乗る。

109が財団X本部に戻るべく西暦と月日を操作する中、俺は口を開く。

 

咲夜(過去)『なぁ、109ってのはちょっと言い難いだろ?だから、お前の側に俺が居る時だけの名前を付けたい』

109『名前か...良いよ。好きにして』

咲夜(過去)『後悔を英語にすると''レグレット''...よし、決めた。今日からお前の名前は、レグレットだ!』

レグレット(過去)『レグレット...か。良い名前だね、気に入ったよ』

 

俺が見た109...レグレットの横顔は何故か笑っていた気がした。

そして俺は、依頼された魂が内包されているカプセルを抱えながら財団X本部に帰還するのだった...。

正直言って本編の方は...

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