AIが二次創作を書くそうです   作:りらたま

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第三文明圏戦争後期
デュロ攻防戦1


 中央暦1640年3月31日工業都市デュロ南方上空

 

 約200機の編隊が、北へ向かって飛んでいた。

基地航空隊の新型機、四式重爆撃機 「飛龍」と空母から飛び立ったF6F-5ヘルキャット、F4U-1Dコルセアの混成部隊だ。

 

「そろそろ敵さんが見えてもいい頃だが……」

 

 操縦席に座る機長がつぶやく。

 

「もう見えてるぜ。ほら、あのへん」

 

 先頭のF6F-5のパイロット(妖精)が言った。

 

「なんだ? 何も見えないぞ?」

「よく見てくれよ。敵のワイバーンロードだ」

 

 F4U-1Dのパイロットが言う。

 

「ああ、あれか。だが、ワイバーンロードより速くないか?」

「そりゃ、こっちの方が性能が良いからだ」

「いや違う。あれはワイバーンロードの新型だ」

「何だって!?」

 

 デュロ防衛基地では、まだ配備が始まったばかりの最新鋭騎ワイバーンオーバーロードが15騎、出撃準備を整えていた。

 ワイバーンオーバーロードは、最高速度が時速430kmに達し、運動性能も優れている。

 

「よし! ワイバーンオーバーロード隊! 出撃せよ!」

 

 基地司令官ストリームの命令を受け、ワイバーンオーバーロードが次々に滑走路を飛び出していく。

パーパルディア皇国軍において、最新鋭騎である彼らは、他のどの騎よりも高性能であり、皇国最強の戦力であることは疑いようがない。

 

「さすがは我が軍最強戦力の一つ。素晴らしい速度です」

「うむ。あの速さならば、敵の飛行機械もすぐに追いつくことはできまい。我々は、敵を殲滅するのだ!」

 

 デュロ防衛隊の面々は、敵に対して絶対優位にあると信じていた。

しかし、それは大きな間違いであったことを知ることとなる……。

 

「隊長! 前方の空に、何かいます!!」

 

 1人の隊員が叫ぶ。

 

「なにぃっ!!?」

 

 前方に目を凝らす。

確かにいる。巨大な翼を持つ、奇妙な形の飛行物体が複数。

 

「まさか……あんなものが、本当に存在するとは……」

「全騎、突撃!! 奴らを撃滅しろ!!!」

「はいっ!」

 

 すると先頭にいた飛行機械数機が進路を変え、こちらに向かってきた。

 

「なっ、なんという速度で……」

「馬鹿な……」

 

 あっと言う間に距離が詰まる。飛行機械の翼が光るのが見えた。

 

「撃ってくるぞぉー!!!」

 

 次の瞬間。

 

「ぐわぁぁあああ!!」

 

 2つの悲鳴が上がった。

 

「え……?」

 

 一瞬の出来事だった。

気が付くと、2人は体から血を流し、地上へと落下していく。

 

「なにが起こったんだ!?」

 

 そして、その一瞬で飛行機械とすれ違う。

 

「逃がすか」

 

 ワイバーンオーバーロードを反転させ、敵を追う。

 

「嘘だろ、敵の方が速いのか?」

 

 追いつくどころか、敵騎と離れてゆく。

後ろを見ると、翼が折れ曲がった飛行機械が距離を詰めてきている。

 

「ちくしょう! 化け物めぇ!!!」

 

 彼はそう叫んだあと、12.7mm機銃によりワイバーンオーバーロードもろとも蜂の巣にされた。

 

「司令!大変です」

 

 基地司令部に駆け込んできた伝令兵が息を切らせながら言った。

 

「どうした? 何があった?」

「ワイバーンオーバーロード部隊が全滅しました。ワイバーンロードも敵飛行機械に押されています」

「ばかな……」

 

 ストリーム司令の顔から血の気が引いていく。

 

「仕方がない、対空魔光砲の準備を急げ」

「了解」

 

 数分後、対空魔光砲が準備される。

 

「照準合わせ」

「目標、正面敵飛行機械」

「射撃開始」

 

 砲手が引き金を引くと、魔法陣が浮き上がり、口径20㎜の砲弾が連続で発射され、敵の飛行機械に命中した。

 

 四式重爆撃機 「飛龍」の編隊は、最終爆撃進路に進入し、爆撃照準器に工場地帯を収めるのを待つだけであった。

 その時、

 

≪対空機関砲だ!!≫

 

 一人のパイロットが叫ぶ。

 

「なんだと!?」

 

 機長が左前方を確認すると、確かに無数の火箭が伸びてきていた。

 

「うおっ」

 

機体のあちこちに穴が開く。コックピットにも数発被弾した。

 

(まさか対空機銃があるとは・・・)

 

 機長は思った。

 

「おい、大丈夫か?」

 

 隣に座っている副操縦士に目を向ける。

 

「はい」

 

 返事をするが、彼は血まみれだった。

 

「お前、血が出てるじゃないか!」

「ああ、これですか。トマトの缶詰ですよ」

 

 彼の言う通り、座席の下には大きく穴の開いた缶詰が転がっていた。

心臓に悪い奴である。

 

≪対空機関砲撃破!≫

 

 友軍機から報告が入る。

見ると黒煙を吹きながらコルセアが戦闘空域から離脱している。

 

「助かったぜ」

 

 機長はつぶやいた。

 

「あ~あ、せっかくの新型機なのに、こんなにボロボロになって……」

 

 副操縦士は残念そうだ。

 

「そんなことより早く離脱しないと、燃料切れで墜落しちまう」

 

 燃料タンクに被弾したせいで、燃料が漏れだしたのだ。おまけに左エンジンの出力も落ちているため、いつエンジンが止まってもおかしくない状況だ。

 

「第2中隊4番機、被弾した。爆弾を投棄して引き返す」

 

 僚機にそう伝えた後、爆弾を投棄する。3発の250㎏爆弾が市街地で爆発する。

旋回して引き返していく。その後を護衛の「F6F」二機が追いかけていった。

 

「Bettyなら、今頃燃えカスになってるんじゃないか?」*1

「HAHAHA」

 

 F6Fのパイロットは変な冗談を言い、笑っていた。

 

◆◆◆

 

 対空魔光砲は2機の飛行機械に命中弾を与えることができたが、撃墜には至らなかった。対空魔光砲は破壊されたものの、敵機に対して有効な兵器であることが証明されたのだ。

 

「くそっ、なんてことだ!」

 

 ストリーム司令は吐き捨てるように言った。

竜騎士団が全滅し、対空魔光砲が破壊されてしまった以上、敵は自由に攻撃できる。

 つまり、こちらの攻撃は届かないのである。

 

「どうすればいいんだ!」

 

 司令部に重い空気が流れる……。

工場地区の方から爆音が聞こえてきた。

おそらく爆撃によって工場や倉庫が破壊されているのだろう。

 

「司令、いかがいたしますか?」

 

 参謀の一人が訊ねてくる。

 

「今は耐えるしかない。我々は、あの悪魔どもを絶対に許さないぞ!!」

 

 ストリーム司令はそう叫んだ。

しかし、その言葉とは裏腹に彼の中では敗北感が広がっていた。

 

「哨戒艦より入電、『敵艦隊が接近中』とのことです」

 

 司令は苦虫を噛み潰したような顔になった。

 

「すぐに第7艦隊を出撃させろ」

「それが、港も攻撃をされており、甚大な被害が出ているようです」

「なにぃ!?」

 

 司令は思わず声を上げた。

港ではF6F-5とF4U-1Dの猛攻により、多数の艦艇が沈められていた。

沿岸部に配置された魔導砲はほとんどが破壊され、弾薬庫も引火して誘爆していた。

 また、港湾施設も攻撃を受けており、資材倉庫や造船所などは壊滅的被害を受けていた。

 

「くそぉ……」

 

 ストリーム司令は歯ぎしりをした。

 

◆◆◆

 

 あれから1時間程経って、飛行機械は引き返していった。

 

「敵飛行機械は撤退していきます」

 

 通信士の報告に司令は安堵のため息をつく。

 

「被害状況は?」

「工場地区と軍港がかなりの被害を受けています。特に工場地区は、稼働中の工場の8割が破壊されました」

「艦隊の被害は?」

「国家監察軍艦隊、竜母艦隊が全滅。第7艦隊や輸送船も大きな被害を受けています」

「なんということだ……」

「敵は飛行機械だけでなく、地上部隊も投入してくるでしょう」

 

 参謀長の言葉に司令の顔色が変わる。

 

「すぐに防衛体制を整えよ。それと、市民に避難命令を出すように」

「わかりました」

 

 伝令兵が敬礼をして部屋を出ていく。

 

「さて、我々だけでどこまで戦えるかだ」

 

 司令官は腕を組んだ。

 

「地の利は我が軍にあります。我々には銃がありますし、牽引式魔導砲も健在です。敵を市街地までおびき寄せて接近戦に持ち込めば十分勝機はあるかと思います」

「よし、その作戦で行こう。敵の戦力は未知数だが、こちらの方が有利だからな」

「はい」

 

 市街地では家具や建築資材、瓦礫を利用して即席の陣地が作られていく。

塹壕やトーチカのようなものを作るのは難しいが、それでもないよりはマシだった。

 

「海軍司令部より連絡、『第7艦隊、残存艦艇はこれより、敵艦隊の迎撃に向かう』とのことです」

「そうか……これで少し希望が見えてきた」

 

 司令はほっとした表情を浮かべた。

しかし、彼の予想に反して第7艦隊は戻ってこなかった。

*1
「Betty」は一式陸攻の連合国側のコードネーム。一式陸攻は被弾に弱く、機銃を撃ち込むとすぐに炎上・爆発したから、ワンショットライターのあだ名がついた。しかし、真相は不明。

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