鬼神剣客伝【改訂版】   作:春好 優

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小説家になろうでも投稿しているんですが他のサイトにもと思って投稿しようと思いやります


プロローグ

東国のとある城

東の土地の極東と呼ばれる島国にある国で城が燃えていた。そしてその中を走る男が一人いた。男は侍と呼ばれる戦士でその中でも特別な血を引いていた。そんな男は今、必死で燃え盛る城の中を何かを探すように突き進んでいた。

そして男が城の最上階に着くとそこでは、裃を着た男が女を1人辱めながら、女を殺そうとしていた。女は裸であり、その肌には多数の怪我が見受けらた。あるところには切り傷があり、あるところには打撲の後が、またある所には刺傷すらあった。それは女がどれだけの拷問をされていたかを想像するのには十分な光景であった。そしてその答えに至った侍の男は怒りの形相で女を殺そうとしている男を睨みながら、最愛の人の名前を叫んだ。

 

「桜子ー!」

 

「ぶわははは!遅かったじゃないか!紫苑よ。見よ!これが俺に逆らったものの末路だ!どうだ悔しいだろ?お前の婚約者だったのだからな。だがもう遅い!こいつはもう壊れている」

 

紫苑と呼ばれた侍の男の叫びを聞いて下卑た笑みを浮かべる男は紫苑を嘲笑うように言った。

 

「き、貴様ァ!貴様だけは!貴様だけは!絶対に許さんぞ獅子野信幸ししののぶゆきよ!」

 

紫苑の怒りは頂点に達しそうになっていた。だが彼は怒りを抑えていた。怒りに呑まれれば、桜子までも巻き込んでしまうからだ。それに桜子が人質のような立場にあっては簡単に動けなかった。そして周りの炎は彼の怒りを体現したかのように燃えていた。

 

「おいおい、ここまでお膳立てしてそんだけかよ。この腰抜け野郎が!もっと怒れよ!怒ったお前をボコボコにしてやった時どうなるのかなぁ〜お前のその面はよぉ!」

 

紫苑が怒りを抑えていることに気づき、信幸は挑発をする。彼の今の目的は怒りに任せ、刀を抜刀した紫苑に桜子を斬らせるのが目的だった。だがそれでも動かない紫苑に苛立ち彼はとうとう取っては行けない手段を取ってしまったのだ。

 

「お前がその気ならこっちにも考えがある!」

 

そして彼は刀を抜き桜子の首をはねたのだ。そしてその光景に現実を受け入れられなかった紫苑の時間はゆっくりと進み出した。彼の怒りは急速に冷えて言った。しかしそれは怒りが消えたわけでは無い。燃え盛る炎のような激情の怒りではなく、氷のよう冷えた静かなる怒りであった。

 

「桜子?」

 

名前を呼んでも桜子が答えることは無かった。そして紫苑は桜子の死体を見ながら泣いていた。

 

「俺のせいだ。俺のせいで桜子は死んだ…」

 

その言葉を聞いた信幸は紫苑を馬鹿にしようと口を開こうとしたが、いきなり掛かった圧によりそれは出来なかった。それは紫苑から放たれていた。

この時、信幸は初めて自分が開いては行けない扉を開いたことを知った。

燃え盛る炎はいつの間にかこの場所まで来ていた。だがそれに構って居られるほど信幸は馬鹿でなかった。なぜなら今。一瞬でも気を抜いたら死が自分を襲うことを本能的に察知していた。

紫苑の体から次第に赤いオーラが漂い始めた。そのオーラは紫苑を覆い身体は一回り大きくなり信幸を見つめる瞳は赤く染まっていた。

紫苑の目には理性が伺えず既に暴走している状態であった。刹那紫苑は顔を上にあげると咆哮を上げた。その咆哮は天まで届くかの如く大きなものであった。そしてその膨大なまでの力の波動を解放したのだ。

 

その日極東のある大名の収める土地では多くの者の犠牲とともに城を中心として焦土とかし人の住める土地ではなくなった。

 

 

 

数年後大陸のとある王国

ある国の川の近くで男が眠りから覚醒した。男の黒い髪に赤いメッシュが入った髪は長く、束ねられポニーテールにされていた。また男の顔は整っており、イケメンと呼ばれる部類だろうか。そして男の服はこの国では珍しい、異国の服を着ていた。

 

「酷い夢だ」

 

男はそんなことを言った。そしてその後、彼はゆっくりと立ち上がり、川に向かった。

川で彼は顔を洗っていた。そして冷たい水で目を覚ました彼は荷造りを始めた。

彼は荷造りを終えると刀を腰に差し、三度笠を被り、道中合羽を着て旅の続きを再開するために進み出すのだった。

剣客の名を天鬼紫苑(あまきしおん)と言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

川から離れ、森を歩いていた紫苑はそれから1時間ほど歩くと、道を見つけた。彼は街に向かうため道に沿って歩くことを決め進んだ。

道を歩くと暑くなく、程よい暖かさを感じる太陽の光を浴び、春の訪れを感じながらゆっくりと進んでいく。

その間はただただ平和な時間が流れるだけだった。

 

「キャー!」

 

だが、そんな平穏を妨げるように道ではなく、森の方から女性の悲鳴が聞こえた。その瞬間紫苑は音を置き去る勢いで、悲鳴の元へと向かった。

森を少し進むと紫苑の目には金髪の少女と銀髪の少女が複数人の男に囲まれており、その中の1人が手に持った剣で少女たちを殺そうとしているのか振りかぶっていたところだった。それを止めようと声をかけようとした瞬間金髪の少女からとてつもない力を感じ出そうとした言葉が喉奥に引っ込んでしまった。

 

「これはどういうことだ?」

 

その声にその場にいた全員が振り向いた。

 

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