「GURUUUUU―――――!!」
暴走マギは唸り声をあげながらネギ達に獣の様ににじり寄る。口から滴り落ちる涎で小さい水溜まりが出来る程だ。
「お兄ちゃん!僕だよネギだよ!お願いだから正気に戻って!」
「マギさん!」
「マギ先生!」
「マギお兄ちゃん!!」
ネギにのどか夕映にプールスやアスナ達が暴走マギに呼び掛けるが、暴走してることもあり、暴走マギは全く耳を貸さない。それどころか
「GURURURURU!AAAAAAAA!GAAAAAAAAAAAA!!」
その呼び掛けが合図だと言わんばかりに暴走マギがネギ達に襲い掛かる。爆走と言わんばかりの早さでネギ達の間合いまでに近付くと、腕を振り上げそのまま力任せに振り下ろす。
「まずい!風陣結界!!」
ネギは風による結界で暴走マギの攻撃を防ぐ。強烈な風が暴走マギの拳から護ってくれる。がしかし
「GAAAA!!」
暴走マギの方が力が強いのか、少しずつネギの結界が押され始める。それどころか、遺跡の方がもたないのか段々と遺跡の床がひび割れ始め、崩れ落ち始める。
「皆さん飛んで!!」
ネギの素早い指示で皆が空へ飛べる者と一緒になり飛ぶか、別の足場へ跳ぶなどした。
ネギはアスナを杖に乗せ、刹那は翼を出しこのかを抱き抱える。楓は鎖分銅を別の柱にかけ、古菲を連れてターザンロープの様にして跳ぶ。ハルナは空を飛べるゴーレムを描き、のどか達を乗せ何とか難を逃れる。
しかしそう簡単に暴走マギが逃してくれる訳はなかった。
「GAAAA……AAAAAAAAA!!」
暴走マギは口から魔力の塊を連射、所謂グミ撃ちがネギ達を襲う。ネギ達は悲鳴を挙げながら、グミ撃ちを避けるか防ぐ等をして何とか攻撃を食らわない様にする。
今度は全員を相手にせずに一点に集中する。狙ったのは……このかと刹那だ。
巨大な羽を羽ばたかせ、刹那とこのかへ向かって飛び上がる。
「逃げて刹那さん!」
「このか!!」
暴走マギの飛ぶスピードでは逃げることが間に合わない。刹那は迎撃するために夕凪を構える。
「くっはぁぁぁぁ!!」
刹那の気合いのこもった一閃が暴走マギの右腕を捉える。夕凪の刃は確かに暴走マギの右腕に当たる。だが、まるで金属と金属がぶつかる様な音が響き、夕凪が弾かれる。
「なっ!?かたっ……」
余りの強度に驚愕する刹那だが次の瞬間にはハッとする。暴走マギが右腕を振り下ろそうとしていることに。刹那の取った行動は
「お嬢様、申し訳ございません!!」
「せっちゃん!?」
自身の背中を暴走マギへ見せ、少しでも主へのダメージを減らす。刹那の背中に暴走マギの容赦のない一撃が襲う。
「かっは……!!」
肺から急に酸素が抜ける感覚が刹那を襲い、そのまま下へと殴り飛ばされる。そしてそのまま遺跡の床へ叩きつけられる形となる。
だが刹那は力を振り絞り、翼を前へと動かしこのかへダメージが来ない様にする。そして地面へ叩きつけられる。刹那の翼がクッション材になり何度かバウンドして床に転がる刹那とこのか。
「せっちゃん!せっちゃん!!」
「お、お嬢、様……早く、はや、くお逃げくださ、い……」
自分を護るために怪我をおった刹那に駆け寄るこのかへ、息も絶え絶えになりながら逃げるように促す刹那。
その刹那とこのかの間に降り立つ暴走マギ。そしてこのかの方を見て、にんまりといい笑顔を浮かべる。
「あ、あぁ……」
暴走マギの狂気の笑みを見て、恐怖で腰が抜けているこのか。そのこのかへ腕を伸ばす暴走マギ。
「やめてぇ!」
「お兄ちゃん!!」
アスナやネギの制止の声も聞かずに腕を伸ばしながら牙が乱列している口を開く。がそうはさせぬと言わんばかりに、楓の鎖分銅の鎖が暴走マギの首に巻き付き拘束する。
「流石においたが過ぎるでござるな」
「大人しくするアルよ!!」
楓が鎖を自身の方へぐいと引き寄せている間に、古菲の本気の拳法の一撃が暴走マギの脇腹に当たる。だが
「かっ固すぎるアル……!!」
岩をも砕くことが出来るとも言われる古菲の一撃でも暴走マギはびくともしなかった。暴走マギは鬱陶しいとばかりに、首に巻き付いていた鎖を意図も簡単に引きちぎった。
「そんな、滅多に壊れない鎖が!?」
鎖の強度に自信があったのか驚きを隠せない楓。暴走マギは古菲を掴むと持ち上げ、力任せに振り落とした。
硬気功で体をガードするが、一瞬だけ意識が飛びそうになる。
そして今度は楓に狙いを定める。
「くっなら!!」
正攻法で勝てないと判断した楓は分身の術で自身を10人へ増やす。これで少しでも時間稼ぎをしようと考える。だが、考えが甘かった。
暴走マギは10人に増えた楓のたった一人に向かって咆哮をあげながら突撃する。その一体がまさに楓本体である。
「まさかこうも簡単に見破られるとは、まるで動物的勘でござるな……」
暴走マギの動物的本能に舌を巻きながら、気で自身を強化する。暴走マギの拳が楓の体を捉え、勢いよく飛ばされ壁に張り付くように叩きつけられる。内蔵系統にダメージが入ったのか、口から血を垂らす楓。
楓が戦闘不能となり、今度はのどか達非戦闘員に狙いを定める。がのどか達の中で唯一戦闘能力のあるハルナがこの展開を読んでいた。
「いつかはこっちを狙ってくることは読んでたよ!行け!剣の女神、よくあるゴーレム、神喰らいのフェンリル!!」
ハルナがスケッチブックから剣を携えた女神、有名なRPGで出てきそうなゴーレム、巨大な狼を召喚して暴走マギを攻撃する。
いくら暴走マギが強くとも3対1なら少しは抵抗出来るだろう。
だが、そんなハルナの考えは甘かった。剣は折れ、ゴーレムは体を貫かれ狼は顎を砕かれ、牙を折られた。
女神は剣を折られながらも切りつけ様とするが、暴走マギに首を捕まれ頭から補食され、ゴーレムは拳を振り下ろそうしたが、口から魔力の光線を吐かれ消し炭に、狼は鋭利な爪で引っ掻こうとするが、顎を捕まれそのまま縦に裂かれてしまう。
瞬く間に蹂躙されるゴーレム。いくらゴーレムと言えど女性の形をしたものを食う光景を見て、正気を失いそうになる程戦慄を覚えるのどか達。
「マギお兄ちゃんやめてレスぅっ!!」
のどかと一緒にいたプールスが両腕を鞭のように変形し、暴走マギを攻撃する。音速を越えるプールスの連撃は暴走マギの体に直撃するが、全く堪えた様子は見せない。しかし流石に鬱陶しくなったのか、暴走マギは腕を大きく横へ振るう。横へ振るったことにより衝撃波が発生する。
「きゃあああ!!」
悲鳴を挙げながら吹き飛ばされるプールスは地面へ叩きつけられた瞬間に体が弾け直ぐに人の体に戻る。
「ふぇっふぇえええん!!」
大きく泣きじゃくるプールス。慕っていた兄が変わり自分達に襲ってきたショックにより耐えきられなかったのだろう。
暴走マギはゆっくりとプールスへ近付く。プールスを護るためにのどかが前へと立つ。だがその体は恐怖で震えていた。その光景を見てまたもや暴走マギが狂気の笑みを浮かべながら腕を伸ばそうとした瞬間
「雷の暴風!!」
詠唱を終えたネギが雷の暴風を暴走マギへ向けて放つ。ネギの本気の魔法が暴走マギを包み込む。これで少しは効いただろう。誰もが、魔法を放ったネギ本人もそう思った。しかし
「GURURURURU……」
暴走マギにはかすり傷さえついていなかった。どうやら瞬時に障壁を展開し、ネギの魔法を無効化させた。そして今度の狙いはネギへと変わる。
瞬動で一瞬でネギの前へ立つ暴走マギ。
「っ桜華崩拳!!」
反射的に桜華崩拳を繰り出す。ネギに迷いはなかった。目の前にいるのは慕っていた兄ではなく、自分達を襲う敵だと。
しかしネギの桜華崩拳は暴走マギの手の平に止められた。乾いた音が遺跡に響く。
「あ……」
呆気なく止められたことに呆けた声を出すネギ。暴走マギはネギの拳を掴み、そのまま腕を振り上げそのまま勢いよく振り下ろしネギを叩きつけた。
叩きつけられ、目の前がチカチカするネギを気にせずそのまま何度もネギを叩きつける。まるでやんちゃな子がおもちゃを振り回すのと同じように。
障壁をはる時間もなく、体を叩きつけられ意識が遠くなりそうな所で急に叩きつけられることはなくなった。
「ふぅっふぅっふぅっ……」
ハマノツルギで暴走マギの手を切り落としたアスナが荒い呼吸を整えようとしている。
「いい加減にしなさいよ!自分の弟になにやってんのよアンタ!!」
暴走マギへ啖呵をきるアスナ。ここへ来て漸くまともな一撃が入る。
暴走マギは切り落とされた手を見、今度は自身の手を切り落としたアスナを見る。
「KAAAAAAAAAA――――」
瞬時に表情を変える暴走マギ。その表情は先程までの狂気の笑みではなく、自身の体へ傷をつけたアスナへ対しての怒りの鬼の形相を浮かべる。
あ、駄目だ死んだ……とさっきまでの戦意が一瞬で折れるのを実感したアスナの首を片方の手で捕まれ、持ち上げられる。
少しずつ力を込め、息をさせないようにする暴走マギ。直ぐには死なせずじわじわとなぶり殺しにしようとしていた。
更に切られた腕が巻き戻しの様に暴走マギの腕にくっつき、何事もなかったかの様に元に戻ってしまう。
自分の唯一有効だと思っていた攻撃が、実際暴走マギにとってはただの切り傷と同じだと理解したアスナは絶望しながら、段々と顔が土気色に変わっていく。
「いやぁぁぁぁアスナァァァァ!!」
「やめて下さいマギ先生!!」
このかの悲鳴や刹那の懇願にも耳も貸さず更に力を込める暴走マギ。
「おっお兄ちゃ、ん。や……やめ、て……」
意識が朦朧としながらも暴走マギを止めようとするネギに対して、いたぶるのに飽きたのか放り投げ捨てる。
止めに首の骨をへし折ろうとしたその時
「マギさん……もうやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
のどかが叫ぶ。こののどかの叫びに運命の女神がネギ達に味方をする。
手に力を込めた暴走マギがピタリと動きを止めたかと思えば、そのまま力を緩めそのままアスナを手放し地面に落とされるアスナ。
「はー!はー!はー!はー!」
咳き込みながらも大きく荒く深呼吸するアスナ。なにがなんだか分からないが、自分が助かった事だけは理解できた。
「アスナぁ!」
「アスナさん!ネギ先生!」
刹那とこのかがネギとアスナの元へ駆けつける。このかのアーティファクトで傷を癒すネギとアスナ。
「マギさん、急にどうしちゃったの?」
「分かりません。ですが、先程までのおぞましい殺気が今は無くなっているのは分かります」
急に動かなくなった暴走マギを訝しげに見ていると、急に暴走マギが小刻みに震え始める。
「KAKAKAKAKA――KA、GAAAAAAAA!?」
そして頭を押さえ、頭を地面に叩きつけたり、地面を転げ回ったりと明らかに苦しんでいる様子だった。
しばらくのたうち回る暴走マギであったが、急に止まりゆっくりと起き上がる。その目は先程までの濁ったような目ではなく、澄んだ目をしており、ゆっくりと口を開く暴走マギ
「ね……ネ、ギ……」
ネギの方を見てたどたどしいが、しっかりとネギを呼んだ暴走マギ。
「お兄ちゃん?お兄ちゃん!元に戻ったんだね!」
元のマギの意識に戻ったと思い、喜んだネギやアスナ達が暴走マギへ駆け寄ろうとするが
「近付くな!!」
マギの怒気の混じった叫びにネギ達は駆け寄るのを止める。
「まだ現状をつかめてねぇが、どうやら俺がお前らにひでぇことをしちまったみてぇだな。くそっ自分の不甲斐なさに腹がたつぜ。うぐぅ!!」
自身に怒りを覚えながら、またもや頭を押さえる暴走マギ。
「お兄ちゃん!」
「……どうやら、もう時間切れみてぇだ。さっきから俺の中でお前らを殺せって喧しいんだ。だから早くカシオペアで元の時間へ戻れ」
「いやだよ!お兄ちゃんも一緒に!!」
「……分かってくれよ。お前だって、もう俺が戻らないってことは薄々分かってるんだろ?」
「でも、でも……」
泣くネギを見てやれやれだぜと何時もの口癖を呟くマギは、のどか達を見る。
「のどか、夕映、亜子、千雨……しっかりとした答えが言えなくてすまん。けど、これだけは言える……君たちは俺にとっては勿体ない位いい子達だ」
これが今、自分が言える最大限の答え。何故面と向かって好きだと言っていない千雨も含めたか、それは観覧車の時に寝ぼけながらも千雨の告白を聞いていたから。
答えを聞き、涙を流すのどか達。元の時間に戻ればまたマギと会うことが出来る。しかし、目の前のマギとは今生の別れとなる。
答えを言った瞬間また呻き出す。目も段々と濁りが戻ってきていた。
「もウ時間ガナイ。早クしロ、まタ暴れ始メたラもウ俺ジゃ止ル事ハ出来ナイ」
辛うじて人語を喋っている状態、また暴走し暴れるのも時間の問題、更に世界樹の魔力が段々と弱まっている。
けど目の前で苦しんでもがいているマギを放っておけなかった。だがもう自分達には時間がない。ネギ達が手をあぐねていた。
「では、後の事は私に任せておけ」
遺跡の上から声が聞こえ、見上げると所々服が破けながらも凛としながら微笑んでいるエヴァンジェリンがいた。
「師匠!!」
「まったくマギ、さっきまであんなに激しく愛し合っていたのに別の女に手を出していたのか?困った男だ」
呆れた様子を見せながら浮遊術で下に下りるエヴァンジェリン。どうやら先程まで暴走マギと戦い、この遺跡に逃げて来たようだ。
「よォエヴァ、どウやラお前にモ迷惑ヲかケタみたイだナ」
「死ねない体になって苦しいだろう?すまなかったな……こうなったのも私の責任だ。今すぐ楽にしてやろう」
「ハは、ご足労ヲかケるナ。ぐっが……がぁぁぁぁ!GAAAAAAAAAAAA!!」
暴走マギへ戻ってしまい、突き出した腕がエヴァンジェリンの体を貫いた。鮮血が飛び散り悲鳴があがるが、エヴァンジェリンは吸血鬼であり不死でもある。体を貫かれても死ぬことはない。
口から血を吐き出した後に笑みを浮かべるエヴァンジェリンは、暴走マギの腕を掴み、今度こそ逃げられないようにする。
「のどかにその他の小娘共、この勝負私の勝ちだ。このマギは私が独り占めしてやる。どうだ悔しかろう?それが嫌ならさっさと元の時間に戻るんだな」
「エヴァンジェリンさん!茶々丸さんから貴女に伝えなければいけないことが!」
「何も言わなくていいぞのどか。あいつの事だ、言いたいことなんて何時もと同じようなものだろうからな。さぁ早く行け。ぐずぐずしてると巻き込まれるぞ」
そう言ってエヴァンジェリンは詠唱を始める。始めた瞬間に少しずつ遺跡が氷始めた。これは京都のリョウメンスクナを凍りつかせたあの魔法級だとネギは瞬時に理解する。このまま此処にいれば自分達も危ない。
「皆さん急ぎましょう!!」
ネギの指示に皆黙って頷いて従う。自分達に出来ることはもう何もない。なら、自分達がしなければならない事を成すべきだ。
傷をおった楓等は古菲等に肩を貸してもらい、何とかネギの元へたどり着き手を繋ぎ魔力の回りに円を描く。
魔力がカシオペアに集まり、カシオペアの秒針が動く。いつでもタイムトラベルが可能となった。
もう一度エヴァンジェリンと暴走マギの方を振り替える。暴走マギの足元が少しずつ凍りつき、暴走マギも手や口から魔力の波動を放出し氷を破壊するが、抵抗むなしく破壊されても直ぐに次の氷が破壊された箇所を覆う。全身が凍りつくのは時間の問題だろう。
「ネギ!!」
「ッ!!カシオペア、起動します!」
アスナの声に意識を戻したネギはカシオペアを起動させる。光がネギ達を包み込み、次の瞬間にはネギ達が姿を消す。時間跳躍が成功した。しかし無事に1週間前に着ける保証はない。今は着くことを祈る他ない。
ネギ達を見届けたエヴァンジェリンは微笑みを浮かべながら、細い腕で暴走マギを抱き締める。
「これで漸く二人きりだな。もう、お前を1人にしない。永遠に共に居てやろう」
「……ありが、と……う」
たどたどしながらも、エヴァンジェリンにお礼を言う暴走マギ。エヴァンジェリンは暴走マギの唇に優しく口づけをする。
―――こおるせかい―――
詠唱が終わり遺跡には、巨大な氷山が出来上がっていた。
その氷山の中心で、エヴァンジェリンとマギがまるで抱き合っているように凍りつき眠っていた。
エヴァンジェリンの最大限の魔力で作られたこの氷山、この先数百年溶けることはないだろう。
「終わった、か」
弾切れになったライフルを置いた真名が地面に座り込んだ。
真名や茶々丸に葉加瀬の周りには動かなくなったナニかや高音達が倒れ込んでいた。
マギの魔力によって不死身の如く暴れていたナニか達だが、マギが氷山の中で眠りについた事によって、糸の切れた人形の様に動くことはなくなった。知性の残っていた高音達も同じくだ。
「10年分は働いたかもな。当分傭兵家業はお休みでもいいだろう」
ふっと笑みを浮かべる真名。
「マスター、マギ先生。どうか安らかにお眠り下さい」
片腕がもげ、顔の皮膚から機械の骨格が少し見える茶々丸は死んだわけではないが、今生の別れになるであろう2人との別れを惜しんだ。
「ネギ先生、皆さん……無事に戻って下さい」
葉加瀬は大破して使い物にならなくなったロボットを放棄し、ネギ達が無事に1週間前に戻れるように祈った。
かくして長いようで短い間に人々に悪夢として刻まれたこの1週間、その悪夢に終止符を打ったのがエヴァンジェリン。
魔法使いの間で悪の魔法使いと謡われた彼女が世界を救ったのであった。