堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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何とか今年中に投稿出来ました。
今年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。


各々の思うところはある

 虚無の箱庭の中の修行。しかしそれは果たして修行と否人の戦いと呼んでいいものだろうかと異議を唱えたい程の過激なものだった。

 咆哮を上げながらも我流でありながらも洗練された剣技を古戦場に刺さっていた錆びた剣で繰り出し続けるマギに対して雪姫も錆びた剣で防いでいたが、先に雪姫の方の剣が砕けてしまう。マギがそのまま剣を振り下ろそうとするが、雪姫は折れた剣の柄を持ちながら断罪の剣を出してそのままマギに突き刺した。

 血反吐を吐くマギ。マギの血反吐が雪姫の顔にかかるが、雪姫はそのまま断罪の剣を横に振るう。

 マギの上半身はそのまま地面へと落ちる……ことなく逆立ちになり、跳躍する。空中で構えまた雪姫と斬り合う。残った下半身は断面から血が溢れるが血が腕の形となり何本も増殖する。血の腕は近くに刺さっている剣を抜くと下半身も雪姫に斬りかかる。

 永遠と呼べる時間の中でマギは斬られた体を魔力で操る術を会得していた。

 下半身の腕の何本かを地面へと潜らせ下からの奇襲で雪姫の四肢を捕らえる。一瞬動けなくなったすきにマギが持つ剣が雪姫の体を貫いた。貫かれた瞬間に雪姫から鮮血が撒き散る。

 離れた体を再度合体させるマギだが、雪姫の無詠唱の闇の吹雪で細切れに吹き飛ばされ、再生し無詠唱闇の業火を放つのであった。

 胸を貫かれても戦い、胸や胴を切り裂かれても戦い、四肢が吹き飛ばされても戦い、首をはねられ頭蓋を砕かれようとも再生し、戦い、戦い、戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い戦い……戦い続けた。

 無限に続く戦いの地獄。その中で少々の休憩を挟んだ。

 

「驚いたぞマギ。よもやこの私を3回も殺す事が出来るようになろうとは」

「そっか。その何倍も殺され続けてるからあんまり実感わかないけどな。100回殺されてから数えるの止めちゃったし……」

 

 遠くを見つめるマギ。白夜なため、見つめる先の光が朝日なのか夕日なのか分からないな……と疲れた笑みを浮かべる。

 

「戦い続けて、ラカンに勝つビジョンは浮かんだかマギ」

「……分からん。この修行のお陰で戦う時のスイッチの切り替え方は分かったと思う。けど、ラカンさんと戦い勝てるかは分からないな。闘技場じゃあ俺はネギ・スプリングフィールドだからな」

 

 闘技場のルールの中に不死身の者の出場を固く禁ずるというものがある。不死身であれば死ぬことがないためにゾンビ戦法が相手側に圧倒的に不利になる。というのもあるが不死身の存在が忌むべき者として見られているのだ。

 

「ラカンさん相手に縛りがある戦いはただでさえ勝率を下げてしまう。俺は出来ることなら不死身なことを周りバレない形でラカンさんと互角の勝負をしなきゃならない。ならば一手でも多く勝つための手段を増やしたい」

 

 どんな手を使っても勝利を掴みたい。だが制約はある。どうにかしたいのが本音だ。そんなマギを見て雪姫が

 

「マギ。もし私が1つの手段をお前に提供すると言ったらどうする?」

「え? そりゃあ喜んでいただきたいけど。何をするんだ?」

「……こうするんだ」

 

 雪姫はいきなりマギに自身の唇を合わせてきた。いきなりのキスに戸惑っていると、マギの舌がしょっぱさを感じ

 

(これ、血だ。俺……雪姫のエヴァの血を飲んでるのか?)

 

 雪姫が口を離す。いきなりの接吻と血を飲んだことにマギも呆然としている。

 

「エヴァ……いきなり何を?」

「ふふ。いきなりでびっくりしただろう。しかし準備は整った」

「準備?」

 

 何の準備だか分からないでいたら地面が輝き始めた。よく見るとそれは魔法陣であった。しかもこれは

 

「これはパクティオーの魔法陣?」

「そうだ。しかしこれは坊やが神楽坂達にやった仮契約なんかではない。仮契約よりも強力な本契約(・・・)の魔法陣だ」

 

 雪姫が説明してる間に魔法陣の白い光から血を連想させる赤黒い光へと変わっていく。

 

「お前に私の血を飲ませたのはより強い繋がりを持たせるため。血と血で魂の繋がりを作る。私が主でお前が従者だ」

 

 等と話している間にマギのパクティオーカードが完成した。自分のカードの絵を見るマギ。

 

「……まさか俺が自分のカードを持つことになろうとはな」

 

 ぽつりとそう呟いていると

 

「……すまない」

「なんでエヴァが謝るんだ? このカードが手段ってことだろ?」

「そうだが……さっきはあんな態度を取ったが騙すように私はお前の唇を奪った。随分な悪女だな私は」

「何言ってるんだよ。そんなこと言ったら過去の俺はのどか達とキスをしたんだろ? そんな事を言えば俺の方が罪づくりだろ。それにエヴァが騙すように俺にキスをしたとか言っても、俺は別にエヴァの事を嫌いにはならないよ」

 

 マギが正直に自分の気持ちを伝えると雪姫もといエヴァンジェリンはマギの肩にもたれかかった。

 

「ありがとうマギ」

「俺の方こそどういたしまして。けど良かったのか? 本契約をしたのが俺で」

「何を言ってる。私が本契約をするのはお前以外にいるわけがないだろう」

「……そりゃあ。名誉な事だな」

 

 そう暫くゆっくりとしていたマギとエヴァンジェリンは修行を再開したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 一方ネギと小太郎も修行を行っていたがネギはいまいち修行に集中出来ないでいた。

 

「どうしたんやネギ。そんなぼーとしとったら強くはなれんで」

「うん。ごめん。お兄ちゃんの事が気になって」

「仕方ないのう。少し休憩するか」

 

 ネギが修行に身が入っていないようなので、テオドラが小休止を設けてくれた。浜辺で座り込んで遠い目をするネギ。

 

「なんやネギまだマギ兄ちゃんの事を考えとったんか?」

「うん。考えもするよあんな戦い方をお兄ちゃんがするなんて……コタロー君はお兄ちゃんを見て何も思わなかったの?」

「何も思わん。マギ兄ちゃんがあんな戦い方をするようになったからと言って一々気にしてたらしょうがないわ……とホンマは言いたい所やが、あれは異常すぎたわ。相手を潰すに躊躇っちゅうものがなかった。あれは戦士とか生易しいものとちゃう。相手を殺すことに躊躇わない戦いやった」

 

 小太郎もマギの戦いを思い出したのか汗を滲ませていると

 

「マギは自身の人間性を賭けたのだろう。ラカンと戦い勝つために、のう」

「テオドラ様……」

 

 テオドラが話に割って入り、ネギの隣に座る。

 

「妾もマギの戦いを見たがあれは異常を通り越しておった。まったくエヴァンジェリンの奴。マギの奴を歩く厄災にでもさせる積りか。あれは下手をすれば兵を総動員させて止めなくてはいけないほどの脅威となる。しかし、エヴァンジェリンはそれをしてでもマギをラカンへ勝たせるつもりじゃ。さっきも言ったが人間性を勝利に賭けるためにベッドしおった。さて、お主はどうするネギ」

「どうするって……」

「お主の兄は勝利を掴むために大切な物を賭けた。ならばお主は何を賭ける」

 

 テオドラの問いかけにネギは暫し思案するが

 

「……分かりません。僕は何を賭ければいいんでしょうか」

「何やネギ! そこでパッと何を賭けるか答えるんが男やろが!」

「なっそれだったらコタロー君は何を賭けるっていうのさ!」

「うえっ? それは……なんやろな」

「もう! 自分が直ぐに答えられないなら偉そうにしないでよ!」

「うっさいわ! 文句が言う暇あるんやったらお前もパッと言ってみろや!」

 

 口喧嘩から取っ組み合いの喧嘩になり、テオドラは2人の喧嘩を笑いながら眺めていた。

 

「よくよく考えてみたらお主らはまだ10の少年じゃったな。といってもマギもまだ20も満たない少年じゃったはずらしいじゃったらしいがのう……まぁよい。ならば主らは堅実に強くなってゆけばよい。だからこそ、ネギ……もう少しちこう寄れ」

「はい? ……あの、近くに寄りましたが何をするんですか?」

「それは……こうするためじゃ!」

 

 テオドラに言われたとおりに近くによるとテオドラはネギにキスをした。いきなりテオドラにキスをされて目を白黒にしていると、カモが魔法陣を書いてる事に気付く。いつの間にと色々と言いたかったが、これは何時もの仮契約の魔法陣だと直ぐに分かった。

 口を離すとテオドラにカードが握られる。

 

「妾からの勝利のおまじないじゃ。これで少しは憂いは断ち切れたかのう?」

「えっと、その……はい」

 

 してやったりといたずらが成功したとちろりと舌を出すテオドラを見て惚けるネギであった。

 

「てかネギええんか? 相手はおえらいさんのお姫さんやろ。そんな簡単にチューしても大丈夫なんか?」

「え……あぁ! ど、どうしよう! 僕捕まっちゃう!?」

「妾からしたんじゃから問題はないじゃろ! 主はどーんと構えとれ!!」

「そっそんなテオドラ様──!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──―はぁ」

 

 ネギがテオドラと仮契約をしている最中、千雨も物思いにふけっていた。理由としては自分がマギの元に居られなかったという事と……

 

「あたしはいざという時に何も出来ないな……」

 

 思い出すのはフェイトの仲間である一人調と遭遇して戦った時である。というが戦ったのはマギウスではあるが。魔法世界に入ってからあらゆる修羅場に立ち会ってきた積りだったが、それでも死にかけたのはあの時が初めてだった。のどかやハルナのアーティファクトや助太刀に入ってくれた小太郎がいなければ自分は死んでいただろう。

 

「千雨さん」

「のどかさんか。どうした? あたしと一緒で物思いにふけりたい感じか?」

「うん……そうですね。私も足を引っ張るばかりで」

「何言ってんだ。戦力じゃ一番下のあたしがいるんだぞ。のどかさんは全然足手まといじゃないって」

 

 等と話していると、暇をしていたリカードとセラスがやって来た。

 

「おうおうどうした小娘共! 何か悩んでるならオッサンに話してみろ!」

「相変わらず暑苦しいオッサンだな。いやさ、あたしはあんまり戦いとかは慣れてないからさ。どっちかというと後ろで指示飛ばす方だ。雪姫さんにしごかれて簡単な護身術みたいな体術は使えるが、恐らくあたしよりも弱い相手にしか多分使えない。この先の戦いであたしよりも弱い奴なんて出て来ないだろうからさ」

「何だそんな事で悩んでたのか。だったら俺が嬢ちゃんの手ほどきを俺がやってやろうか?」

「いや、あたしのどんくさい運動能力はそんな一朝一夕で改善出来るほどじゃない。だったらリカードさんがマギウスに体術を付けてくれないか」

 

 マギウスがリカードに歩み寄る。

 

「おう、ロボットに修行を付けろっていうのか。しっかし、ロボットが俺の戦い方で強くなるのか?」

『はい。リカード様の戦闘スタイルを見せて頂ければ、私の方で分析、解析をします』

「ほー随分とハイテクって奴だなぁ。おし! ならば俺の戦い方を存分に見せてやる! そこのスライムの嬢ちゃん! お前さんも暇してるんだろ!? 俺が見てやるから一緒にやるかぁ!?」

「はっはいレス!」

 

 リカードに誘われ、プールスも一緒に修行をすることになった。プールスもマギに負担をかけないように自分も強くなりたいと思っていたところである。

 

「のどかさん。貴女は私が見てあげるわ。貴女からもセンスを感じますし、少しでもレベルアップをしていきましょうか」

「はい! よろしくお願いいたします!」

 

 少しでも手助けになりたい……その思いで、マギウスとプールスそしてのどかも更なるレベルアップを目指すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 マギとネギ達が修行をしている同刻、オスティアの酒場でラカンとカゲタロウはカウンターで酒を飲みかわす。明日は自身とマギの試合である。遂にナギの息子と戦えると思うと武者震いが止まらない。興奮を抑えるために酒を呷る。しかしアルコールの度数が足りないのか、振るえは止まらず笑みは深まるばかりである。

 

「ラカン殿、随分と酒のペースが早いが大丈夫か」

「おおカゲちゃん。明日はマギとの試合だからな……震えが止まらねえのよ。こんなに興奮したのはあいつと喧嘩した以来だな」

 

 ラカンはナギとの戦いを思い出す。あの時の戦いは正に血沸き肉躍るものであった。

 

「して明日の試合はどういう流れになると」

「そうだな。まず最初に言える事と言えば……カゲちゃん、アンタはマギに負ける。それも結構あっさりとな」

「そうか……英雄の息子と一太刀交わしたい思いだったが、それも叶わずか」

 

 自分が負けると言われてもカゲタロウは随分あっさりと受け入れた。カゲタロウもマギの試合を見て圧倒的な力に自分がマギに勝つイメージが全く浮かばなかった。

 

「そして俺だが、まぁ勝率は五分五分か6:4位だろうな。マギの力は未知数だが、油断は出来ねぇな。まぁ楽に勝てる相手じゃあねえな」

 

 だからこそ燃えるってもんだと拳を握る。そして再度酒を一気に呷った。498対499、ナギとの勝敗は自分の負け越しであったが

 

「ここでマギに勝って勝敗はイーブンにしてみるか」

「いや、息子に勝って勝敗をイーブンにするのはいかがなものか?」

「いいんだよ。あそこまで強くなりゃそんなに変わんねえだろ!」

 

 マギとの決戦を楽しみにしながら飲み続けるラカンであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして……遂にその日は来た。

 

『さぁ、皆さんその日は来ました!! 千の刃、ジャック・ラカン。そして英雄の息子ネギ・スプリングフィールドの準決勝が間もなく始まります! 会場の皆様も今か今かと待ち望んでおります!!』

 

 控室で入場を待つマギと雪姫。マギは目を瞑り瞑想をしている。

 

「マギ、気分はどうだ」

「あぁ……大丈夫だ」

 

 瞑想を終えたマギが立ち上がると

 

「マギさん!」

 

 控室に亜子が飛び込んで来た。

 

「おぉ亜子。どうした?」

「うん、マギさん緊張してると思って応援に来たんや」

 

 そんな亜子の手にはマイクが握られていた。

 

「亜子、そのマイクは?」

「うん、マギさんに歌をプレゼントしたくてええかな?」

「雪姫」

「まぁ時間はあるだろうから、時間は守れよ和泉」

「うんありがとな雪姫さん。それじゃいくで」

 

 亜子は久方ぶりに歌魔法を歌い始める。その歌は力強いモノではなく、聞いていると心がやすらいでいく感じであった。亜子が歌い終わるとマギの頭がすっきりした。

 

「亜子、今の歌は?」

「癒しの歌っていう歌。どうやった? 少しは落ち着いたかな?」

「あぁありがとな」

 

 歌ってくれた亜子に礼を言いながら微笑み

 

「……勝ちに行くぞ」

 

 決意を固め、選手入場口に向かうマギと雪姫であった。

 

 

 

 

 

 

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