堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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マギVSネギ② 伊弉冉

「「アデアット」」

 

 マギは血塗れの吸血鬼伯爵で鎧を纏い、ネギは何か手帳のようなものを出現させた。

 

「まずは小手調べで…………1000体出すか」

 

 マギは自分の分身を1000体召喚した。うめき声を上げながらネギと小太郎へ突撃していく。

 

「コタロー君!」

「おう!!」

 

 ネギのかけ声に応えるように小太郎は魔力を溜める。その間にネギは詠唱を始める。

 

「おらぁ!」

 

 小太郎が分身達に殴りかかると、分身達は500体ほど吹き飛んで消滅した。

 

「もういっっちょ!!」

 

 と今度は回し蹴りの衝撃で残りの500体も吹き飛んでしまった。

 

「やっぱあいつらに数の暴力は意味ないよな。なら今度は10体だ」

 

 と今度は魔力を絞った分身10体を呼び出した。各々分身に武器を持たせ、ネギと小太郎に攻める。

 

「さっきの雑魚共と違って少しは骨があるやないか!」

 

 腕を獣化させた小太郎が分身達の武器を捌いていく。分身達の何体がネギに攻撃するが、ネギは剣を召喚し横に振るい分身は霧散した。

 その剣はアスナのアーティファクトのハマノツルギであった。

 

「ネギの持ってる剣、アスナのアーティファクトか? なんでネギがアスナの剣を持ってるんだ? まぁ…………攻めていけばわかるか」

 

 そう言ってる間にまた5体の分身を召喚し、マギも同時に突っ込む、分身に小太郎の相手をさせている間にマギとネギがぶつかる。マギのグレートソードとネギのハマノツルギが火花が散る。

 

「その剣の感じ、レプリカとかじゃねえな。おそらく月光の剣でやったら破壊されてたかもしれないな。だがなこの剣でもこんな事ができるんだぜ」

 

 マギはグレートソードに魔力を送り、グレートソードに黒い魔力が纏い

 

「おらぁ!」

 

 ネギをはじき飛ばし、間合いを空けてからグレートソードから黒い魔力の光刃を放ち、ネギはハマノツルギで光刃を消してしまう。

 

「やっぱ本物みたいだな。どういうからくりだそのアーティファクト」

「ふふ、アベアット」

 

 ネギはハマノツルギを消すと今度は刹那のカードを取り出す。そして手帳のカードケースに刹那のカードを入れる。

 

「アデアット!」

 

 と今度は刹那のアーティファクトの小刀を召喚する。そしてマギに向かって射出する。小刀がマギの首回りを取り囲んだ。

 

「なるほどな、自分の従者のアーティファクトの力を借りる事ができるってやつか。かなり強力なアーティファクトみたいだな。だが…………その力は俺とはちょっと相性が悪かったな」

 

 そう言ってマギが小刀の一本を掴むと小刀が赤黒く変色していく。そして周りの小刀も次々と変色していく。

 

「あ」

 

 ネギは冷や汗を流す。ラカンと試合でラカンのアーティファクトの力を奪った事をわかっていたが、初めてのアーティファクトのお披露目で油断してしまった。

 

「ほら、ぶっささるぞ!!」

 

 念じると飛ぶと理解したのか、マギは分身達と戦っている小太郎とネギに分けて飛ばした。

 

「このあほ!」

「ごめんコタロー君!」

 

 分身と戦いながら小刀をよける小太郎がネギをあほと罵る。さすがに今の攻撃は悪手だったとネギも判断してすぐに謝罪する。

 

「アベアット!!」

 

 所有権を奪われても消すことは可能のようで、すぐにネギは小刀を消した。

 

「どうしたネギ。これで終わりってわけじゃないだろ」

「そうだよお兄ちゃん。今のが切り札その1ってところ。それでこれが…………その2だ!」

 

 ネギは手に魔力を集約し始める。それはマギが使っている闇の魔法と同じ

 

「解放・固定! 千の雷!! 掌握!!」

「ほう、これが」

「術式兵装 雷天大壮」

 

 雷を纏い白き雷の姿になったネギ。白き雷が迸っている。

 

(ネギの闇の魔法の力、どんなも────)

 

 小太郎は自分の分身に任せて自分はネギの出方を見ようとした瞬間、ネギは一瞬でマギの顔面に一発入れた。

 

「な!?」

 

 驚きながらも反撃しようとしたマギ、しかしその間にネギは後ろへと回っていた。攻撃しようとするとさらに加速するネギ。

 

「こっの」

 

 グレートソードでは小回りが効かないと判断し、影にグレートソードを収納してから背中に担いでいた月光の剣を構えたが、ネギはさらに加速していきマギでも知覚できなほどの速さになっていった。

 

「うおすっげ!!」

「きゃああネギくーん!!」

 

 観客席にいた裕奈とまき絵はネギの善戦に黄色い声を出す。

 

「なるほどな。雷化、これが千の雷の」

「そう、雷天大壮の付加能力だよ」

 

 口を切った血を吐き出すマギ。

 

「術者が雷化? そんな事が可能なのか」

「一瞬だし、完全じゃねえからな。兄貴が打倒大兄貴のために死ぬ気で開発した新技術だ」

「カモおじちゃん、雷ってスゴイレス?」

 

 プールスはいまいちネギの雷化の凄さが分かっていなかった。

 

『拳銃の弾丸の初速でだいたい400m/s。狙撃銃で1000m/s、それに対して雷は150km/s文字通り桁が違います』

 

 マギウスがカモの代わりにプールスに説明してあげた。ほえーとプールスはいまいちネギの雷化をなんとなく理解したが

 

「つまりネギお兄ちゃんは今はすごい速いってことレス!」

「まぁプールスでの理解はそれ位でいいか」

 

 だが、とカモは

 

「大兄貴は兄貴と同じ闇の魔法を使えるがまだ兄貴の前で使ってねえ。これからどう動くか」

「だがマギさんはさっきぶっ倒れたじゃないか。このまま戦い続けても大丈夫なのか?」

「わからん。無事に勝負が終わることを願うだけだ」

 

 カモと千雨が話している間に戦いは展開を迎える。ネギの雷速でマギを殴り飛ばしマギは空へと打ち上がる。

 

(速いな。全然対応が出来ない)

 

 さらに上に跳び、そのまま飛ばされたマギをそのまま殴って落とした。

 

(手応えはある。このまま一気に決めないと!)

 

「いくよ!! 術式解放!! 完全雷化!!」

 

 雷化してマギに突撃し、マギは魔力を防御に回す。

 

「千磐破雷!!!」

 

 強力な雷の一撃に闘技場の地面が破壊された。

 

「よっしゃあ! あれは効いたやろ!」

 

 小太郎も確かな手応えを感じていた。だが

 

「くっそお結構効いたな。体が痺れたぞ」

 

 マギは立ち上がった。ダメージは入っているが、まだ致命的ではなかったようだ。しかしネギの攻撃は続く。

 

「まだだよ」

 

 ネギはマギの背後へと周り、背中に手を当てる。

 

「まじか」

「ゼロ距離 雷の暴風!!」

 

 ゼロ距離の雷の暴風でマギはそのまま飛ばされ、地面へと叩きつけられた。

 

「だっダウン!! ネギ選手ダウンです!! ラカン選手を倒したネギ選手をナギ選手が沈めました! まさにナギ選手は生まれ変わなのか!? それではカウントをとります!!」

 

 カウントを始め、観客席は歓声を上げる。

 

「うっそネギ君勝っちゃうんじゃない!?」

「ネギくーん!! かっこいい!!」

 

 祐奈とまき絵もネギの奮闘に興奮している。

 

「勝ったぁ! ネギ君!!」

「これで勝負ありかしら」

「ネギ先生!!」

 

 このかとアスナとあやかはネギが勝利したと確信して歓声を上げるが

 

「マギさん…………!」

「マギお兄ちゃん頑張れ!!」

「立ってマギ兄ちゃん!!」

 

 のどかと風香と史伽はマギを応援し、マギがまた立ち上がるのを信じていた。しかしカウントが無情にも刻まれていく

 

「これで決まりじゃないか!? あんな強力な魔法を2度も当たったんだ、そうとうなダメージだろ」

「そうじゃな。これで決まりならまぁ文句はないじゃろう。じゃが、あの英雄の息子がこんな位でくたばる玉か?」

 

 VIP席で見ていたテオドラとリカードはこれからどうなるか見ていたが、ゆっくりとマギが立ち上がった。

 

「いってぇ…………さすがに今のダメージはやばいな…………」

 

 雷で黒焦げになったマギはフラフラとなっている。

 

「やったなネギ。これはマギ兄ちゃんもこたえたんじゃないか? パワースピードそしてテクニックでマギ兄ちゃんを圧倒しよった」

「うん、でもお兄ちゃんはまだ闇の魔法を使ってない。油断はできないよ。だからこそこれで決める」

 

 ネギはもう一度雷天大壮になり、小太郎も獣化しマギへと突っ込んでいった。

 

「よし突っ込んできたな」

 

 マギが不敵に笑ったと思いきや、2体の分身を召喚し、ネギと小太郎に向かって突撃させた。

 

(なんやこの期に及んで分身2体、なんか誘ってんのか? だが)

(今は押し通る!!)

 

 ネギと小太郎は分身を普通に倒すが、その倒した後が変だった。分身がまるで水風船のように割れると血のような赤い液体がネギと小太郎にぶっかかる。それを気にせず攻撃しようとする。

 ニヤリと笑ってマギが

 

「『動くな』」

 

 そう言った瞬間、ネギと小太郎はピタリと動きを止めてしまった。いきなり止まったネギと小太郎を見て観客達は何事かとざわついていると

 

「『跪け』」

 

 今度はそう言うと今度はネギと小太郎はゆっくりと跪づいた。

 

「なっなんやこれは!?」

「体が、勝手に…………!!」

 

 いきなり体の自由が奪われたことに戸惑っていたが、マギが笑いながら

 

「俺のアーティファクトの第3の能力、俺の魔力で作った分身の血を浴びた対象者を操ることが出来る」

「「!?」」

 

 ネギと小太郎は目を見開いた。対象を操る、つまり体の自由を奪う能力は今のこの戦いにおいて最も厄介なものでしかない。

 

「だからこそ、こんな事も出来る!」

 

 グレートソードで魔力の衝撃波を出してネギと小太郎に当てる。体が動けないせいでもろに当たるネギと小太郎はくぐもった悲鳴を上げながら吹っ飛ばされた。

 

「くっ! こなくそう!!」

 

 小太郎は再度マギに攻撃しようとしたが

 

「『吹き飛べ』」

 

 と言った瞬間に勝手に後ろに吹き飛んでいく小太郎。

 

「ぐあ! またか!」

「なら!」

 

 ネギは雷化してマギに近づこうとするが

 

「『躓け』」

 

 躓いたネギを足に魔力を纏ったマギがネギを蹴り飛ばした。吹き飛ばされた小太郎、蹴り飛ばされたネギ。体が思うように動かない事に歯がみしている。

 

「それじゃあ『戯れてろ』」

 

 そう命じた瞬間、小太郎がネギをいきなり殴った。そして殴られたネギが小太郎を蹴った。

 

「このっ今度は…………!」

「勝手にコタロー君を…………!」

 

 まるで子供の喧嘩のようにネギと小太郎が殴ったり蹴ったりを繰り返した。

 

「ネギ選手! ナギ選手とコジロー選手を操って嫌がらせを続けています! これには何か訳があるのでしょうか!?」

 

 インタビュアーがマギの戦い方を嫌がらせと解説した。決勝戦の戦い方ではない陰湿な戦法にブーイングが響き渡る。

 

「何よあれ! あんなの卑怯じゃない!!」

 

 アスナはマギの戦い方に文句を言う。確かにネギと小太郎を操るやり方はアスナのような性格では卑怯に見えるだろう。

 

「アスナさん黙っていなさい」

「でもあやか!」

「これはネギ先生とマギ先生の真剣勝負なんです。勝負というのは勝つか負けるか。それに卑怯などないんです」

 

 あやかの言葉にアスナは文句を飲み込んだ。その間にマギは詠唱を始める。

 

「マギウス・リ・スタト・ザ・ビスト 視よ、永きに渡り欺かれし現世の騙し絵を。天に星なく、地に理なし。我が呼ぶ声は、生者の耳には届かぬ奈落の底、秩序という名の檻を腐らせる、原初の毒なり。──顕れよ、常夜の帳。光なき揺り籠。其は形なきもの、色なきもの、名もなき終わりの始まり。満ちては欠ける月は死に、巡る季節の歯車は今、ここに噛み外される。生者が紡いだ歴史の糸を、死者の指先が手繰り戻す。境界は融け、彼岸は此岸を飲み込み、悠久の祈りはすべて、虚無の底へと叩き落とされる。──常世よ、汝の役目は終わった。千年の繁栄も、万年の祈りも、我が掌の砂となって崩れ落ちよ。聞け、世界が軋む断末魔の音を。視よ、天から降り注ぐ黒き涙を。始まりの前にあった闇よ。すべての命を還す母なる無よ。我が身を器とし、我が魂を楔として、この偽りの楽園に、真なる『夜』を連れてこい。──理を解き、時を止め、すべてを無垢なる無へと還さん。 灰は灰に、塵は塵に、常世の灯火は永遠に消え去れ。永劫回帰の終焉──―常世の終わり」

 

 長い詠唱を終えるとマギの両腕そして口元に黒い魔力が集まっていく。

 

「右腕 解放固定 常世の終わり 左腕 解放固定 常世の終わり 両腕掌握 口 解放固定 常世の終わり 捕食」

 

 両腕掌握と捕食して魔力を体に送り込むマギ。体が変化する。体は真っ黒に変色し、髪の毛赤から黒へと変わっていく。代わりに目が真っ赤に代わり、黒い簡素な外套を纏う。

 

「術式兵装 禍津伊邪那美命」

 

 新たな闇の魔法を披露するマギ。禍々しさを感じる姿にブーイングを出していた観客も口を閉ざす。

 

「何、あのマギさんの姿」

「とても禍々しい力を感じます」

「なんや怖い感じやな」

 

 アスナとあやかと木乃香はマギの姿に息をのんだがのどかは

 

「マギさん…………素敵」

 

 小声で聞こえなかったがマギの姿に恍惚な笑みを浮かべている。

 

「新しいマギ兄ちゃんの姿」

「多分、ラカンさんと戦った時の闇の魔法よりも…………強い」

 

 いつの間にか体の自由が戻った2人。マギが闇の魔法で姿を変えた事により、アーティファクトの力が消えたのだろう

 

「あれがマギ兄ちゃんの本気の姿や。だったら俺らも決めないとな!」

「うん!!」

 

 ネギは再度雷天大壮になり、小太郎も獣人形態となり高速でマギへと仕掛けた。

 

「黄泉津大神」

 

 マギの影が増大し大きな闇の腕の形になりネギと小太郎の攻撃を防いだ。

 

「くっなんやこの腕!?」

「ゼロ距離 雷の暴風!!」

 

 小太郎は攻撃を防がれたことに歯がみしている中、ネギはまたもゼロ距離で雷の暴風を当てたが、マギはネギへと手のひらを当てた。すると放たれた雷の暴風はマギの手のひらへ吸い込まれていった。

 

「深淵」

 

 そして全て雷の暴風がマギの手のひらへと吸収されてしまった。自分の魔法が防がれたのではなく全て吸収されてしまったことに目を見開いているとマギは手のひらをネギと小太郎に向けた。

 

「返すよ。ゼロ距離 闇の業火」

 

 ネギはこれまで見たことない闇の業火にダメージを食らった。受け身をとって、高速でマギへと近づくが…………

 

「ネギ、悪いけどお前の動きは分かる。いくら雷で高速に動いていても、ここからこう攻撃しますって丁寧に教えてくれたら意味はない」

 

 闇の巨大な腕でネギを殴り飛ばし、拳を構えるマギ闇が拳に集まる。

 

覇闇神天衝(はあんしんてんしょう)

 

 ボディを殴り飛ばされてきりもみ回転しながら地面に叩きつきられるネギ。

 

「圧倒的! ネギ選手姿が変わりナギ選手に力の差を見せつけました!」

 

 カウントを始めるインタビュアー。

 

(あぁやっぱり強いなお兄ちゃん…………)

 

 ネギはマギとの差を改めて実感していた。カウントが進む中、もうこのままダウンしてもいいかと思った。しかしネギの脳裏には自分を殴り飛ばしたトサカ、自分を支えてくれたあやかやアスナ達。

 それを思いだし、ネギは両腕に力を込めて立ち上がろうとする。だがダメージが強すぎるのか口から大量の血を吐く。

 

「無理するなネギ。さっきの攻撃で今のお前の体はボロボロだ。もういいだろ、このままお前が負けて俺が勝つで。これで亜子達は無事に解放できて万々歳。それに後のことは任せろよ。俺がお前の分まで皆を護ってやるから」

「っ! …………ふざけないで! 僕はお兄ちゃんがこれ以上無理しないように! そして! 皆を護るために強くなったんだ!!」

 

 ダメージが入った体にムチを入れて、ガクガク足で何とか立ち上がるネギ。ネギが立ち上がるのを歓声を上げる観客。

 

「そうか…………やるじゃあねぇかネギ」

 

 マギは不敵な笑みを浮かべ、ネギも無理して笑っている。小太郎がネギに近づく

 

「よぉボロボロやないか。このか姉ちゃんのアーティファクトで回復せんでええんか?」

「ううん、男と男の真剣勝負なんだから。それよりもコタロー君の方こそ大丈夫なの? 全身大火傷じゃないか」

「はん、狗族の回復力なめんなや。獣化すれば大丈夫や」

「コタロー君、お兄ちゃんは僕達を侮っている。僕達の力がここまでで限界だと見誤ったんだ。僥倖だ、この勝負僕らが勝つ」

「は!! 言うようになったなネギ!!」

 

 目の光はまだ消えてないネギと小太郎。

 

「ネギ君!!」

「ネギ!!」

「勝負はまだついていませんわ!」

「おおおおおお!!」

「ネギくーん!!」

 

 アスナ達はネギの勝利を信じ

 

「マギさん…………!」

「がんばれマギ兄ちゃん!!」

「がんばれー!」

「マギさん、頑張って…………!!」

 

 のどかと風香と史伽そして亜子はマギの勝利を信じているのであった。

 

「マギお兄ちゃんネギお兄ちゃんがんばってレス!!」

「これりゃこの勝負どう転ぶか分からねえぜ!」

「だけど、大丈夫なのかマギさんのあの闇の魔法はかなりやばそうだけど」

 

 プールスはどっちも応援し、カモも興奮していたが、千雨は冷静にマギの心配をしていた。

 

「コタロー君43秒頼めるかい? 相手はお兄ちゃんだから厳しいかもしれないけど」

「ハッ! まぁ何とかやってみるわ。だけどな、持たせるかわりにマギ兄ちゃんをギャフンと言わせてやれよ」

「うん任せて。捨て駒役スマナイ!!」

「へ! 裏稼業でな、こんな脇役昔から慣れっこやで!!」

 

 魔力を纏いマギに突っ込んでいく小太郎。

 

「何か仕掛けてきたか…………黄泉津大神」

 

 マギは闇を何千本の槍へと変え小太郎へと放つ。だが闇の槍は小太郎に当たる前に霧散していった。

 

「我流犬上流獣化奥義 狗音影装!!」

 

 完全に狗化した小太郎がアスナのハマノツルギを咥えていた。

 

「誰だアレー!? もっふもふだ!!」

 

 夏美は小太郎の狗化に驚きのツッコミを入れるのであった。

 

「アスナのアーティファクト、なるほどネギ以外でも使おうと思えば使えるのか」

「ああ! こっちも全力や!!」

 

 小太郎は四つ足で駆けハマノツルギをマギへと突き出す。マギはハマノツルギを掴み、闇の拳で小太郎を殴り飛ばす。あまりの威力にハマノツルギを口から離してしまう小太郎。

 だが小太郎は口から影の弾丸を放った。

 

「爆ぜえ!!」

 

 影の弾丸は爆発した。

 

「深淵」

 

 だが、マギは爆発した影の弾丸を吸い込んでしまう。

 

「すごいな。溜めなしでこの威力か」

「当然、全開や!!」

 

 マギに反撃の隙を与えないために全力でタックルする。

 

(出し惜しみはせん! 後のことはええ!!)

 

 影で作られた触手のようなものでマギの首へ巻き付け地面にたたきつける。

 

(この43秒や! 何としても持ちこたえる!!)

 

 そして再度影の弾丸を吐き出す。マギは影からグレートソードを取り出すと影の弾丸を切り裂いた。

 

(くそ簡単に斬られおった!!)

 

 マギは自分の首に巻かれた触手のようなものをたぐり寄せて小太郎の体に拳を当てる。ミシミシと嫌な音が小太郎の耳に響く

 

(なんつー威力や! ネギのやつこんな一撃を食らっておったのか…………!!)

「どうやらまだ動けるようだな」

 

 マギはグレートソードを構える。小太郎は吠えながら影で作られた刃でマギへと斬りかかる。マギのグレートソードと小太郎の影がぶつかり合う。

 

(まだや後13秒! …………11秒! …………9秒!!)

 

 だがマギが闇を刃へと変えて小太郎に向かって射出する。防げず小太郎の体が裂ける。

 

「コタロー君!!」

 

 夏美が悲鳴を上げるが、小太郎の耳には入っておらず、今は持ちこたえることしか眼中にない。しかしマギの闇の槍が何本かが小太郎の体に突き刺さる。

 

(5秒…………あとはてめぇでなんとかしやがれや)

「ネギ!!」

「左腕 解放固定 千の雷!! 右腕 解放固定 千の雷!! 双腕掌握!!」

 

 ネギは両腕に千の雷を固定して掌握した。あまりの魔力に服が弾け、上半身が裸に。神が雷のごとく伸びて紫電を体が纏う。

 

「へ、時間通りやな。後は任せたで」

 

 限界が来たのか獣化が解けてしまう小太郎。

 

「バトンタッチや!」

 

 最後の力でネギにバトンタッチをする小太郎はそのままダウンした。

 

「お待たせお兄ちゃん」

「どうやらそれがお前のとっておきみたいだな」

 

 睨み合うマギとネギであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………暇だな」

 

 ぽつりと呟く雪姫であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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