「…………という訳なのよ」
『はぁ~~~~』
ハルナが事情を知らない一般人組にマギとネギの父であるナギとフェイト達の因縁、そして今後の事を話した。
「世界征服をもくろむ悪の秘密組織との戦いかぁ。お父さんの時代からの因縁なの? まぁ世界を救った英雄の息子さんならそういうこともあるかぁ…………うんいいじゃん! 悪の組織! 燃えてきた」
「おうゆーな、ノリがいいね! 話が早い!」
「ふぇ~話についてけにゃい」
「でも、私たちネギ君やマギさんの事を何も知らなかったもんね」
「こらアキラ盛り下がる事を言わない!」
「マギ兄ちゃんのお父さんってそんなスゴい人だったんだ」
「マギお兄ちゃんはそんなワルイ奴と戦ってるんだね。でもあの傭兵さんはそんなに悪い人に見えなかったよ」
裕奈とまき絵、アキラはネギ達がそんな相手と戦っていたことに思うところがあり、風香と史伽は自分と行動を共にしてくれたアーチャーの事を思い出していた。
「けどまぁ『僕はお父さんの息子である前に皆さんの先生です』って事でネギ君も私達を日本に帰すまでにあいつらと正面きって相手をしないということらしいの。けどだからといって何も起こらないという確証はないの。それで集まった君達にやってもらいたい事があるの」
ハルナの言った事にいまいち分かってない者は首を傾げるが、他の何名かは次に何を言うのか分かり、古菲は顔を赤らめる。
「もち仮契約よ」
「へ? パク、って何ソレ」
「ふふふ決まってるじゃない。仮契約って言えばキスよキス。それもディ~~~プなやつね」
キスと言われ、ぽかんとするまき絵達。裕奈は興味津々で頷いているが
「30時間後までに各自ヤッておくこと。パクティオーしておけば何かと便利だし、防御力も上がって安全なのよん」
『えええええええええ!?』
いきなり事で大声を出すしかない一般人組であった。
「ふわぁ~~~キスかぁ」
各々どうするか考えることになりまき絵はグレートパル様号の一室で悶々と考え事をしていた。
古菲は1人になりたいと外へ出てしまった。
「あ、まき絵」
「まき絵さん」
「あ、亜子にいいんちょ」
「なんか悩んでいるみたいやね」
「うん、私どうすればいいか分からなくて」
まき絵は話した。自分の思いを自分はネギの事を好きだが、自分はネギの事を全然知らない事ばかりだと。しかも父のナギのことで苦労しており、この世界に来た後も皆がバラバラに散らばり苦労していた。
その反面、自分は裕奈と一緒に運良く人の良い優しい人達に拾われ、楽しく店で働いたりと苦労という苦労をしてなかった。
「亜子は奴隷になって、いいんちょは道中大変だったって事なのに…………私馬鹿だしいまいち事の大変さを理解していないからなーそんな浮ついた感じでネギ君と仮契約なんかして良いのかな…………」
「まき絵…………」
「まき絵さん…………」
まき絵も色々と思うところがあるのだろう。亜子とあやかは黙って聞いていた。
「亜子はマギさんともう仮契約したんだよね? どんな感だったの?」
「ウチは…………」
亜子は半ば巻き込まれる形で魔法のことを知り、学園祭にて最悪な未来を体験した。そして最悪な未来にさせないために、マギの力になりたいために仮契約をした。
「スゴいね亜子は。私はそんな」
「亜子さん、貴女のネギ先生へ対する想いも本物だというのは分かっております。ならば大事な想いも大切にすることも大事ですわ」
「いいんちょ。でもいいんちょはネギ君と仮契約するでしょ?」
「私は…………」
あやかは一度口を閉じて
「私は…………仮契約はしないつもりですわ」
「え!?」
「いいんちょなんで?」
まさかの仮契約をしないとのことにまき絵は驚き、亜子は何故と聞くと
「私はいわば事故の形でこの世界に来てしまった。自己防衛能力もないまま…………魔法の知識もない私が仮契約をしてもネギ先生のお力になるところか迷惑をかけてしまうだけですわ」
「でもいいんちょはこれまでネギ君の事を支えてたじゃん。だったらネギ君の事を」
「そうですわね。だからこそ私は私のやり方でネギ先生を支えていきますわ。だからこそまき絵さんはまき絵さん自身の力でネギ先生を支えていきなさい」
「いいんちょ…………」
あやかの言葉でまき絵も心を決めたようだった。
「ねぇ亜子、仮契約ってどんな感じだったの?」
「えっとそれはな…………」
経験者である亜子に仮契約がどんな感じだったのか聞き始めるまき絵。亜子も仮契約がどうであったか話し始めた。
(さて、まき絵さんの手前ああ言いましたが、今後の行動はしっかり判断してネギ先生のお邪魔にならないようにしませんと)
と改めて決意をしたあやかであった。
「仮契約かぁ…………」
アキラは仮契約の事を考えていた。
「なんだよ皆! キスぐらいでアタフタしちゃって! 私なんてキスなんてやりまくり何だから!」
「えー毎日!?」
「裕奈って彼氏いたっけ?」
そう言った風香と史伽に証拠と見せた写真は裕奈が父の頬へキスをしてる写真だった。
「裕奈のパパじゃん!」
「それにディープキスっていったじゃん!」
風香と史伽がツッコミを入れる。裕奈、話を聞いてなかったようだ。
「まぁパパとならまぁ…………」
「いやだめでしょ!」
満更でもない反応にツッコミを入れられるのであった。
「でもパクティオーカードかぁ。仮契約したらどんなカードになるんだろう」
「やっぱかっこいいアイテムがいいよね。アスナは剣っていうし、どんなだろう」
風香と史伽はパクティオーしてどのようなアイテムが出てくるか思いをはせていた。
「でも本当にいいのかな。ハルナの言っていた悪い組織と戦おうとはしなけいけど、接触しないとは限らないんだよね。それなのに戦う力もない私達が仮契約して良いのかな?」
「何言ってるのアキラ。ハルナも言ってたけど防御力も上がるんでしょ? それに武器は多い方がいいって」
どこか楽観的な裕奈達にモヤモヤしているアキラであった。
「はぁキスですかぁ。憧れますねキス」
茶々丸とさよは遠くを見ながらキスのことを考えていた。
「でも幽霊だから仮契約とはいかないですよねぇ」
「ですがマスターの話では魂があれば契約は可能との事ですよ」
「えっとと言うことは」
「その通りよさよちゃん!!」
と通りすがりのハルナが現れた。
「さよちゃんは幽霊つまり魂の塊なんだから仮契約なんて余裕で可能よ!」
「そうなんですか。でもこの私の体じゃ」
今のさよは魂を小さな人形に入れている状態。心配ご無用とハルナが
「そうだと思って、さよちゃんの為にニューボディを用意したわよ!」
ハルナがアーティファクトの能力でさよのニューボディ、等身大依代ロボ『さよちゃん壱号』を出した。
「わーちゃんとあんよもあります!」
「素晴らしいですさよさん、とてもかわいらしい」
操縦は人形のさよがしているようだが、ハルナは色々な装備も付けたようで空も飛べたりロケットパンチや目からビームも出るという過剰戦力となっていた。
「良いわよさよちゃん! その力があればネギ君だろうがイチコロよ!」
「圧倒的過ぎます!!」
「その力、仮契約に必要なのでしょうか…………」
茶々丸は静かにツッコミを入れるのであった。
「しかし仮契約ですか…………」
茶々丸は仮契約のことを考える。
「魂があれば可能。私にも魂はあるのでしょうか…………」
自分は機械の体、そんな自分が仮契約、マギと繋がることが可能かとそう考えていると
「茶々丸」
「マスター、千雨さんにマギウスさんにプールスさんも」
雪姫と千雨とプールスが茶々丸に声をかけてきた。
「なんかさよさんがマギウスみたいなことになってんな」
空を飛んでいるさよを見て乾いた笑みを浮かべる千雨。
「それでお前は何を悩んでいるんだ茶々丸」
「マスター、私はマギさんと仮契約をすることが出来るのでしょうか? 私はロボットです。そんな私が可能なのでしょうか…………」
茶々丸は考える。自分はロボット、そんな自分が可能なのかと延々と自問自答をする。
そんな茶々丸のとなりにプールスがちょこんと座りながら首を傾げ
「茶々丸お姉ちゃんはマギお兄ちゃんと仲良くなりたくないんレス?」
「え?」
プールスの質問に茶々丸は固まってしまう。そんなことは無い。自分は出来ればマギと繋がりたいと思っていると
「茶々丸さん、アンタはあたし等の大切な仲間だ。そんなアンタが今更魂があるとかないとか小さいことを考えるのは止めとけって」
『茶々丸様、私もロボットですが貴女は素晴らしい女性です』
千雨とマギウスも茶々丸をフォローする。
「茶々丸、お前は頭が良いが色々と考えすぎるところがある。私がお前に贈る言葉はこれだ。自分の心を信じろ」
「自分の心…………」
茶々丸はいつもの無表情であったが、どこか決意をしたような表情を浮かべていた。
各々の気持ち。それはどう動くか…………