堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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徹夜での投稿
正直眠いです
それではどうぞ

PS UAが6万を越えました。ありがとうございます!!


決着エヴァンジェリン!!②

 マギとネギはエヴァンジェリンが約束していた大浴場に時間通りの30分後に到着した。すでに相手は大浴場の中に居るだろう。2人は警戒しながら大浴場の中に入って行った。

 大浴場の中は停電のせいで真っ暗と言っていいほど辺りを見るのが困難だった。ネギとマギは何処にエヴァンジェリンが居るか探していた。

 

「エヴァンジェリンさん!何処に居るんですか!?」

 

「関係のないまき絵をさっさと解放しろ。これ以上は流石に俺も許される範囲を超えるぞ」

 

 とエヴァンジェリンが何処に居るのか分からず叫んでいると、暗闇の中からクックックックとエヴァンジェリンの笑い声が聞こえてきた。笑い声が聞こえた方は上だった。

 マギとネギが上を見上げてみると其処には幻術で大人の姿になったエヴァンジェリンと、メイド服を着た茶々丸。それに先程全裸だったまき絵に加えて、アキラと裕奈に亜子までがメイド服を着ていて大浴場の屋根にて座っていた。如何やらアキラ達も半吸血鬼化したまき絵に襲われて、半吸血鬼化したようだった。

 

「クックック。貴様たちだけで来たとは何ともまあ無謀な事だな。褒めてやろう」

 

 とエヴァンジェリンは未だに余裕の笑みを浮かべてネギとマギを見下していたが

 

「あッ貴方は……どなたですか!?」

 

 とネギの言った事にエヴァンジェリンはステーンとすっ転んでしまった。マギはネギのアホな発言にやれやれだぜ…と呟くと

 

「おいネギ、アイツは幻術を使ったエヴァンジェリンだろうが。アイツの夢を見た時に同じ姿を見ただろう?」

 

 とマギがそう言うとネギも思い出したのかああそうかと納得した。

 

「其処に居る男の言う通りだ。久しぶりに戻った私の魔力だ。色々と使って見たかったものでな」

 

 とエヴァンジェリンは幻術を解いて、学校でよく見る姿へと戻った。又緊張した空気が張り巡らされた。

 

「満月の前で悪いが、今夜決着をつけて坊やの血を存分に吸わせてもらって、貴様をこの手で潰させてもらおう」

 

 エヴァンジェリンは今夜こそネギの血を全て吸いつくして、マギを今此処で潰すつもりのようだ。

 

「分かりました。でもそうはさせません。今日は僕とお兄ちゃんが勝って、もう悪い事は止めてもらいます!」

 

「そういう事だ。この前は油断と生徒っていう事であんま本気になれなかったが、今日はガチで行かせてもらうぜ。キツ~イお灸を覚悟しておくんだな」

 

 ネギとマギも杖と拳を構えて臨戦態勢を取った。そんなネギとマギを見てもエヴァンジェリンは、不敵な笑みを崩すことは無かった。

 

「それは如何かな?…行け」

 

 エヴァンジェリンが指を鳴らしながら命令するとまき絵達が屋上から降りてきて、無表情のままジリジリとネギとマギに近づいてきた。無表情のままでクスクスと笑っているのがかえって不気味だった。

 

「卑怯ですよエヴァンジェリンさん!クラスメートを操るなんて!!」

 

 操られているとは言えまき絵達は今回の事には何の関係もない。そんな者達を攻撃することは出来ない。ネギは苦しい表情で叫んだ。

 しかしエヴァンジェリンはハッ!卑怯で結構!!と鼻で笑いながら

 

「言っただろう?私は悪い魔法使いだと…手段は選ばないのさ」

 

 エヴァンジェリンがそう言っている間にまき絵たちはすぐそこまで近づいていた。

 

「やれ我が下僕達よ」

 

 エヴァンジェリンの命令にまき絵達は

 

『りょーかいごしゅじんさまーーーッ!!』

 

 とネギとマギに一斉に襲い掛かってきた。ネギは如何することも出来ずたじろいでいるとネギの前にマギが立ち

 

「手段は選ばねえ…ね。その考えは俺も大好きだよ。マギウス・ナギナグ・ネギスクウ 来たれ爆炎 敵を焼き尽くせ 燃えさかる流星!」

 

 マギが魔法を詠唱を終えると、3発の火炎の弾がまき絵達に降り注いだ。

 

 

 ドドドドドドーーーンッ!!

 

 

 まき絵達の周りのお湯に火球が直撃し、数千度の火球がお湯に直撃したことによりお湯が一瞬で蒸発し蒸気の煙幕が出来上がった。

 

「!蒸気の煙幕か。成程考えたな」

 

「おお兄ちゃん!?何やってるの!?まき絵さん達をこここ殺!」

 

 エヴァンジェリンは素直にマギの攻撃を賞賛し、ネギはマギがまき絵達を殺してしまったと思い顔を真っ青にしながら大慌てだが

 

「バーロー俺がとち狂ってまき絵達を殺すわけないだろ?よく見て見ろよ」

 

 とマギが指をさしてみるとまき絵達は蒸気の煙幕により、周りが見えない!など叫んでいた。

 

「まき絵達を行動不能にするには今がチャンスじゃねえか?」

 

 とマギの指示でネギは懐から数本の魔法薬の入った瓶を取り出すと煙幕に向かって投げた。

 

「風花・武装解除!!」

 

 ネギが呪文を唱えると瓶の中に入っていた魔法薬が飛び散り、煙幕を晴らしながら煙幕の中からメイド服が無くなっていた亜子とアキラが現れた。

 ネギはその隙を逃すわけもなく、さらにラス・テル・マ・スキル・マギステル!と詠唱を始める。

 

「大気よ水よ白霧となれ彼の者らに一時の安息を!眠りの霧(ネブラ・ヒュプノーテイカ)!!」

 

 詠唱を終えると亜子とアキラの周りを白い霧が覆った。白い霧に包まれたアキラと亜子は抵抗もせず、そのまま寝てしまった。

 これでアキラと亜子を無力化出来たが、難を逃れたまき絵と裕奈がまだ残っていた。とりあえずマギはアキラと亜子を安全な場所に寝かせて上げた。

 

「わりーな。後で吸血鬼化の解除はしてやるからさ」

 

 と2人を優しく寝かせると、マギはネギの元に戻った。傍観していたエヴァンジェリンだがニヤリと笑うと

 

「ふっなかなかやるじゃないか。では本番と行こうじゃないか。行くぞ茶々丸」

 

「はいマスター」

 

 エヴァンジェリンはマントを身に纏い、遂に動くようだ。

 

「失礼しますお二人とも」

 

 と今度は茶々丸がロケット噴射で突貫してきた。そしてネギとマギに向かって拳を繰り出してきて浴場のお湯が文字通り割れた。その間にも

 

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック!!氷の精霊17頭集り来りて敵を切り裂け!!」

 

 エヴァンジェリンが攻撃魔法の詠唱を唱えていた。ネギとマギはエヴァンジェリンの詠唱を止めようとするが、茶々丸の猛攻に加えまき絵と裕奈の妨害により近づけないでいた。

 さらに2対4と数の腕はネギとマギに不利な状況である。

 

「仕方ねえ!ネギ!作戦通りの戦略的撤退だ!!」

 

「うッうん!」

 

 茶々丸の猛攻を咸卦法を使用しながら防ぎ、ネギにそう指示した。ネギが頷くのを見てマギは大浴場の窓に向かって

 

「魔神拳!!」

 

 拳からの衝撃波を食らわした。衝撃波を食らった窓は木端微塵に吹き飛び、ネギとマギは破壊された窓から脱出した。それと同時に

 

「魔法の射手 連弾・氷の17矢!!」

 

 エヴァンジェリンから氷の矢が発射された。ネギは杖に跨り、マギは黒き翼を瞬時に展開して空に飛び学生寮から後にした。

 しかしネギとマギを氷の矢が追ってくる。ネギは持っていた魔法銃で何発かの氷の矢を撃ち落とし、ネギが撃ち落とせなかった氷の矢は

 

「マギウス・ナギナグ・ネギスクウ! 闇の精霊12柱 魔法の射手 連弾・闇の12矢!!」

 

 マギが発射した漆黒の矢が氷の矢を相殺した。

 

 

 ズガガガガガガッ!!

 

 

 相殺された音が夜の学校に響く。

 

「ほう…魔法銃とは珍しいな。それとあの男、闇の精霊も使役できるのか」

 

「全弾撃破確認。データによるとネギ先生は骨董魔法具(アンティーク)のコレクターらしく、マギ先生が使用する魔法は火と土に闇だそうです」

 

 と茶々丸のデータにエヴァンジェリンが成程な…と呟く

 

「魔法道具のフル装備とは安くはなかろうに。それとあの男はあの歳で3種の魔法が使用できるとは…まぁ素直に称賛してやろう」

 

 とエヴァンジェリンが2人を賞賛していた。そして2人を追いかけ始める。

 

「何とか作戦の場所までおびき寄せる事が出来れば」

 

 ネギは追いかけているエヴァンジェリンを見てそう言う。

 

「…ったく。一難去ってまた一難とはこのことをなんだろうな。やれやれだぜ」

 

 とマギがメンドイぜと言っているとネギの杖にリボンが巻きつけられた。リボンを使う人物は限られている。

 

「クスクス」

 

「ウフフフ」

 

 まき絵と裕奈が先回りしていたようだ。そのまままき絵はリボンをつたってネギの杖に飛び乗った。ネギが驚いている間に

 

「ネギ君あそぼー!!」

 

 まき絵の蹴りがネギの持っていた魔法銃を蹴り飛ばした。

 

「アハハウフフフそれそれー!!」

 

 まき絵はネギの杖に片足だけで立ち、もう片方の足でネギの魔法道具を次々と蹴り飛ばしてきた。半吸血鬼化したからなせる業なのだろう。ネギは何とか杖から落ちない様に躱すので精一杯だった。

 

「おいおい、ちょっとマズイんじゃねえかこれは」

 

 とマギが助太刀に行こうとすると、下の方からダムダムダムと言う音が聞こえてきた。見てみると裕奈が屋根の上で驚異的な速さでバスケットボールをドリブルしていた。

 

「エヘヘ!マギさんは私と遊ぼうよ!!」

 

 と裕奈は跳び上がりながら、マギに向かってボールを投げてきた。やはり半吸血鬼化されてる為か人間では出せない程の剛速球だった。

 だが裕奈が投げた剛速球をマギは難なく躱す。その後も裕奈がボールを投げていくが、無駄でマギは投げてきたボールを全て躱しきったのだった。

 

「悪いが遊びにはこれ以上付き合ってられねぇんだわ」

 

 と言いながらマギは黒き翼で一気に加速。変則的な動きで裕奈を惑わせた。そして裕奈の背後に立つと

 

「当たらなきゃどうって事ねぇんだよ」

 

 と裕奈にそう言いながら当身を食らわす。当身を食らった裕奈は意識を失い、倒れてしまった。マギは裕奈を受け止めると、近くのベンチに寝かしてあげた。

 今度こそネギに助太刀しようとすると、ネギの方も終わっていた。まき絵が旗に包まる形で目を回していたのである。

 

「まき絵の奴如何したんだ?」

 

 とマギがそう訪ねると

 

「まき絵さん、僕の攻撃に夢中になってて、自分の後ろに旗があった事に気づかなくて、そのまま旗にぶつかってそのまま落ちて目をまわしちゃったんだよ」

 

 とネギの報告を聞いてマギは思った。バカはバカのままなんだなと

 

「ククク…ハハハハ!あの坊やとアイツ中々やるじゃないか!!」

 

 エヴァンジェリンは愉快そうに大笑いをしていた。

 

「マスター残り時間にご注意を。停電復旧まであと72分21秒です」

 

 茶々丸の警告にエヴァンジェリンは分かっているとそう返した。

 

「そろそろ決着をつけてやろう」

 

 エヴァンジェリンは黒いマントを蝙蝠の翼のように羽ばたかせて、ネギとマギに接近した。

 

「!!来たぞ!ネギ構えろ!!」

 

 マギの叫びにネギの体にも緊張が走る。

 

「氷爆!!」

 

 エヴァンジェリンの魔法により氷の爆発がネギとマギを襲う。ネギとマギは抵抗するが余りの威力に吹きとばされてしまう。

 

「すッ凄い!防いでも力量が違いすぎる!!」

 

「くそ!氷だったらこっちは炎だ! マギウス・ナギナグ・ネギスクウ 炎蛇よ!全てを焼きつくし食らいつけ!炎蛇(ファイヤースネーク)

 

 マギの詠唱により炎の蛇が大口を開けてエヴァンジェリンを食らいつこうとする。がしかし

 

 

 パキィィィンッ!!

 

 

 エヴァンジェリンが手を振ると一瞬のうちに炎の蛇が凍りついてしまった。マギは凍りついた炎蛇を見て驚く所か乾いた笑い声を上げた。

 

「やれやれだぜ。炎を凍らせるなんてどんだけ冷たい氷だよ」

 

 やはり力量では断然エヴァンジェリンの方が上だった。だが

 

(あと少し…あと少しで作戦の場所にたどり着く!何としても持ち堪えないと!!)

 

 ネギの言う作戦の場所にもう少しでたどり着く。だから今は逃げる事に専念することにした。

 

「如何した如何した!?逃げるだけで精一杯か!?もっとも呪文を唱える隙も無いだろうがな!リク・ラク・ラ・ラック・ライラック!」

 

 とエヴァンジェリンは逃げているネギとマギに追い打ちをかけようと更に呪文を詠唱する。ネギとマギの目の前に大きな橋が見えてきた。

 

「来たれ氷精大気に満ちよ!白夜の国の凍土と氷河を!」

 

 ネギとマギが橋に着地した瞬間にエヴァンジェリンは魔法を発動した。

 

「こおる大地!!」

 

 

 

 ガキキキキンッ!!

 

 

 

 ネギとマギに突如出現した巨大で鋭利な氷の大地が襲い掛かる。マギは咄嗟に跳び受け身を取ったが、ネギはタイミングを間違え受け身をしそこない背中を強打した。

 エヴァンジェリンと茶々丸も橋に着地し辺りを見渡し、成程なと呟く。

 

「この橋は学園都市の端っこだ。私は呪いによって外に出られん。ピンチになれば学園外へ逃げればいい…か。意外にせこい作戦じゃないか。え?先生方」

 

 とエヴァンジェリンは未だに余裕の笑みを崩さずに少しづつ近づいて来る。

 

「これでケリだ」

 

 そしてエヴァンジェリンが一歩前に出た時、ネギとマギが一瞬笑みを浮かべた。エヴァンジェリンが不思議そうに見た瞬間、エヴァンジェリン達の足元が光始め、そして

 

 

 ビシュビシュビシュッ!!ガシガシガシッ!!

 

 

 何かが飛び出してきてエヴァンジェリンと茶々丸に巻き付き、動きを封じてしまった。

 

「なッ!?これは捕縛結界だと!?私を此処まで誘き出したのはこのためだったのか!」

 

 エヴァンジェリンはネギとマギが此処まで逃げたのは結界の外まで逃げるためではなく、この結界まで誘き出すためだった。

 

「やった!もう動けませんよエヴァンジェリンさん!もう観念して悪い事は止めてくださいね!」

 

「ついでに当分の間、じっとしていてくれないか?これ以上戦うのはメンドイし疲れる」

 

 ネギとマギは勝利を確信した。一方のエヴァンジェリンも今回は素直に感心する事ばっかである。しかし

 

「ククク…アハハハ!!」

 

 自分が不利な状況なのに構わず高笑いをしたエヴァンジェリン。それに対して警戒するネギとマギ。

 

「貴様たちの作戦は見事だ。この私を捕らえるとは…しかしだ、残念だったな。私一人だけなら上手く言っていただろうな…茶々丸」

 

「はいマスター」

 

 とエヴァンジェリンに呼ばれ同じく身動きが取れない茶々丸は耳を展開し始めた。

 

「結界解除プログラム始動。申し訳ありませんネギ先生マギ先生」

 

 と茶々丸が結界を解除しようとしていた。

 

「15年の苦汁を飲まされ続けた私がこの類の罠に何の対処もしていなかったと思うか?」

 

 とそんな事を言っている間に茶々丸が捕縛結界の解除を完了してしまった。また動ける様になってしまったエヴァンジェリンと茶々丸。

 動ける様になってしまったエヴァンジェリンと茶々丸に対して、ネギとマギは後ろに跳び距離を取った。

 

「ククク万事休すだな。もう打つ手はないのか先生方?」

 

 とまた余裕そうな態度をとるエヴァンジェリン。だがネギとマギは自分達が不利な状況なのに笑みを崩さなかった。

 

「まだですよエヴァンジェリンさん。此処までは僕達の作戦通りに動いています」

 

「茶々丸はロボットだからな。結界を無効化する事ぐらい出来ると考えていたからな」

 

 とネギとマギは此処まで考えていたようだった。

 

「ほう。だったらまだ手はあるんだな?」

 

「勿論です。来てくださいアスナさん!!!」

 

 ネギの声に応えるかのようにエヴァンジェリンと茶々丸の真後ろから足音が聞こえてきた。エヴァンジェリンは振り返ってみると

 

「ネギ!マギさん!!」

 

 アスナとアスナの肩にカモが乗っておりエヴァンジェリン向かって走ってきた。

 

「坊やのパートナーの神楽坂明日菜か。茶々丸」

 

「了解ですマスター」

 

 エヴァンジェリンは茶々丸にアスナの相手をさせるつもりだった。

 

「カモ!!」

 

「合点ですぜ姐さん!俺っちの力見せてやるぜ!!」

 

 アスナの合図にカモは何処から出したのか、ジッパーライターとマグネシウムを取り出した。

 そしてアスナの肩から飛び降りて、カモは茶々丸の目の前でマグネシウムに火をつけた。

 

「必殺!オコジョフラッシュ!!」

 

 と技名を叫んでいるが結局はマグネシウムに引火して発光しているだけなのだが、眩い光は茶々丸の視覚センサーを狂わせた。その間にも

 

「ごめん茶々丸さん!」

 

 アスナが茶々丸を抜いてエヴァンジェリンに迫っていく。

 

「成程な狙いはこの私か。だが、たかが人間がこの私に触れることなど出来んぞ」

 

 とエヴァンジェリンは魔法障壁を身に纏った。これで普通の人間はエヴァンジェリンに触れる事は出来なくなった。しかし

 

 

 ドゴッ!!

 

 

「おりゃ!!」

 

 アスナが放った飛び蹴りはエヴァンジェリンの顔面にクリーンヒットしたのだ。エヴァンジェリンは顔に来た衝撃よりも攻撃を食らった事に驚いた。

 

(なッ何故だ!普通の人間が私の魔法障壁をいとも容易く…!!)

 

「アブブブ~~!!!」

 

 エヴァンジェリンは悲鳴を上げながら、橋を滑っていった。顔を押さえながら直ぐに立ちあがった。

 

「バカな!神楽坂明日菜!貴様一体」

 

 何者だ!?と言おうとしたらアスナの姿が無かった。それにネギとマギの姿も無かった。エヴァンジェリンは直ぐに思った。又しても逃げられたと。

 

「クソ!何処に行った!?」

 

 エヴァンジェリンは辺りを必死に見渡した。鼻血を出しながら

 

「マスター鼻血が出ています」

 

 茶々丸に鼻血が出ていると言われてもエヴァンジェリンは辺りを探していた。

 

 

 

 

 

 近くの柱に隠れたマギ達。深呼吸をして息を整えていた。

 

「ふぅ、危なかった」

 

 アスナは息を整えながら先程の事を思い出して、危なかったと思っていた。

 

「しかしここまでは作戦通りに行ったが此処からは如何するよ?」

 

 マギの言う通りここまでは作戦通りに行ったのだがしかし

 

「停電復旧の残り時間までにエヴァちゃんを食い止めるってチョッと無理があるんじゃない?」

 

 とアスナの言う通り、最後の作戦は『停電復旧までの間、エヴァンジェリンを食い止める』という作戦だった。

 マギは腕時計を見た。現在の時刻午後11時38分という何とも微妙な時間だった。戦力増強のためには

 

「ネギ、アスナ…お前らもう一度仮契約をしてくれないか?」

 

 とマギの頼みにアスナは顔を赤くした。

 

「ちょ!仮契約ってまたキスするんでしょう!?」

 

 とアスナはためらっていた。

 

「ちゃんと仮契約すればこの前みたいな中途半端なものじゃなくて、強力な力を手に入れる事が出来るっすよ!だから姐さんご決断を!」

 

「でも…」

 

 カモの説得にまだアスナは渋っていたが、ネギがお願いしますアスナさん!と頭を下げた。

 

「僕は今度こそエヴァンジェリンさんに勝ちたい!だから!!」

 

 ネギの真っ直ぐな目を見てアスナはも折れた様で

 

「分かったわよ…やってやろうじゃない!」

 

 と承諾してくれた。さっそくという事でカモは仮契約の魔方陣を書きはじめた。魔方陣を書き終えると、魔方陣の中にネギとアスナを立たせた。

 

 そしてぎこちない動きでアスナはネギの唇に軽くキスをしたのであった。

 

「あッあれ?確かアスナさんってキスが初めてじゃ?」

 

「ああうん子供とやったということでノーカウントよノーカン」

 

 と互いにぎこちなさが残りながらも何とか仮契約を完了した2人。

 

「おい。仮契約が終わったなら行くぞ。今度こそケリつけてやる」

 

 マギの言葉にぎこちなかった2人も漸く落ち着きを取り戻し、今度こそエヴァンジェリンとの決着をつけるために動き出す。

 

 

 

 

「くそ本当に何処に行った!?」

 

 エヴァンジェリンは空を飛びながらマギ達を探していたが、急に強力な魔力反応があった。

 

「そこか!」

 

 エヴァンジェリンが振り向いた先にはネギにマギとアスナにカモとそろっていた。

 

「ふふ漸く出て来たか。なんだお姉ちゃんが助けに来てくれてホッとしたのか坊や?」

 

 とネギに対して挑発的な言葉を言うエヴァンジェリンに対して、ネギは思わずムッとしてしまった。

 

「気にしないでくだせえ兄貴!ただの挑発っすよ!」

 

「いい気にならないでよ!そっちは2人でこっちは3人に1匹でこっちの方が有利なんだからね!!」

 

「そういう事だ。卑怯だと思わねえでくれよ。こっちはお前の強さを認識してるんだ。今更同じ人数で正々堂々なんてしてたらこっちがやられちまうからよ」

 

 とマギがエヴァンジェリンを指差しながらそう言った。指をさされたエヴァンジェリンは別に反論などせず

 

「それでいい。ただの殺し合いだったら卑怯もへったくれもないからな。だが私も本気で行かせてもらうぞ」

 

 とエヴァンジェリンから余裕の態度は消えていた。

 

「茶々丸神楽坂明日菜(やつ)を甘く見るなよ。意外と難敵かもしれない」

 

「はいマスター」

 

 エヴァンジェリンは先程の攻撃でアスナを警戒し始めた。アスナは先程普通の人間だったらエヴァンジェリンに触れる事が出来ない魔法障壁を意図も容易く破ってしまったのだ。

 

「じじいが態々孫娘と住ませるくらいだからただのガキではないと思っていたが…面白くなってきたな」

 

 エヴァンジェリンは先程蹴られた顔を押さえながら呟く。

 

「行くぞ。私が生徒だという事は忘れ、本気で掛かって来い。ネギ・スプリングフィールド、マギ・スプリングフィールド」

 

「…はい!」

 

「本気でいかせてもらうぜ」

 

 停電復旧までの残り時間まであとわずか。今度こそ正真正銘の決着がつく。

 

「行きます!契約執行240秒間!ネギの従者『神楽坂明日菜』!!」

 

 ネギに魔力供給されて肉体が強化されたアスナはエヴァンジェリンと茶々丸に接近する。その間にもネギは攻撃魔法の詠唱を始める。

 

 しかしエヴァンジェリンもただ攻撃を待つだけではない。

 

「行け茶々丸! リク・ラク・ラ・ラック・ライラック!!」

 

 エヴァンジェリンも従者の茶々丸を前へと出させる。そしてアスナと茶々丸が互いにぶつかり合い、そして両者がでこピンの構えをとり

 

 

 

 ボシュッ!! ビシィッ!!

 

 

 

 互いのでこピンが炸裂したが、茶々丸の方は腕が射出したロケットでこピンだった。結構痛かったのかアスナはおでこを押さえて蹲った。

 ネギは一瞬アスナを助けようとしたが、アスナと目があった。アスナの目は自分は大丈夫だからアンタは自分の相手と戦いなさい!と訴えているようだった。

 

(アスナさん…いやアスナさんなら大丈夫。それに茶々丸さんだってむやみに人を傷つける人じゃないはず。だから僕はエヴァンジェリンさんとの戦いに集中するんだ!!)

 

「ハハハ!如何した!やはりお姉ちゃんが心配か!? 魔法の射手 氷の17矢!!」

 

 その間にも先にエヴァンジェリンが詠唱を完了し、先程と同じ氷の矢がネギに襲い掛かる。

 

「くッ! 魔法の射手 連弾・雷の17矢!!」

 

 ネギも同じく魔法の矢を放つ。氷の矢と雷の矢が相殺されて小規模な爆発が次々と起こった。

 

「ハハ!雷も使えるとはな!だが詠唱に時間がかかり過ぎだぞ!!」

 

 エヴァンジェリンは更に詠唱を続けようとしたが

 

「いや十分だぜ」

 

 と背後からマギの声が聞こえ、エヴァンジェリンは振り向いてみるといつの間にかマギが背後に立っていたのだ。

 

「お前がネギに気を取られている間に、咸卦法でお前の背後に回ったのさ。悪いが卑怯だと思わないでくれよ。幻竜拳!!」

 

 マギは腕に纏った咸卦法の気を拳に収束した正拳突きをエヴァンジェリンに放った。

 

「…舐められたものだな。私も伊達に数百年無駄に生きたわけじゃないぞ」

 

 しかしマギが放った正拳突きはエヴァンジェリンの手により受け止められてしまった。そしてマギの正拳を放った力を利用してマギを地面に叩きつけた。

 

「ガフッ!?」

 

 地面に叩きつけられたマギは肺の空気を一気に外に出されてしまった。エヴァンジェリンは追い打ちとして、鋭利な爪でマギの体を引っ掻こうしたが、すぐさま体を起こしてエヴァンジェリンの追撃を躱した。

 

「今のは純粋な体術だな?成程な。伊達に歳喰ってるわけじゃねえってわけだな」

 

「貴様も気配を消しての背後は見事だったな。それにさっきの正拳突きも中々だったな」

 

「まぁなさっきのもタカミチとの修業の成果だけどな! 魔法の射手 連弾・炎の11矢!!」

 

「魔法の射手 連弾・闇の11矢!!」

 

 マギの不意打ちでの炎の矢も又エヴァンジェリンの闇の矢により相殺されてしまった。

 

「お兄ちゃん!」

 

 ネギがマギの元に近づこうとすると

 

 

 

 ズテンッ!!

 

 

 

 ネギが行き成り転んでしまった。

 

「おいネギ如何したんだ!?こんな時にふざけてるんじゃねえぞ!」

 

 マギはネギに怒鳴り散らしたが、転んだネギ自身は

 

「おッお兄ちゃん、違う…体が言う事を聞かないんだよ!!」

 

 ネギは転んだままの体制で身動きが出来ない様子だった。まさかと思いネギの近くに寄ってみると見えない程の細い糸がネギの体に巻き付いていたのだ。

 こんな事を出来るのはこの場でただ一人エヴァンジェリンだけである。

 

「私の呼び名の一つ人形使い(ドールマスター)のスキル。魔力が戻ればこういった芸当も出来るのさ」

 

 そしてとエヴァンジェリンは動けないネギを狙って詠唱を始める。

 

「動けない相手を生かすも殺すも私の自由という訳さ。闇の精霊29柱 魔法の射手 連弾・闇の29矢!!」

 

 と今度は先程より多い29の闇の矢がネギとマギに迫ってきた。ネギは未だに身動きが取れないでいた。万事休すか!?戦いを見守っていたカモはそう思ったが

 

「マギウス・ナギナグ・ネギスクウ 岩の壁よ!そびえ立つその壁で我を守れ!そびえ立つ岩の壁!!」

 

 とマギが詠唱を発動するとマギとネギの前に巨大な岩の壁が現れ、エヴァンジェリンが放った闇の矢を全て防いでくれた。

 その間にマギはネギに巻き付いた糸を咸卦方の力で強引に引きちぎり、ネギを助け起こすと

 

「ネギ、もう埒が明かねえ。こうなったら今の俺達で使える最強クラスの魔法でケリを付けるぞ」

 

「うッうん!!」

 

 そして岩の壁が破壊されたのと同時にエヴァンジェリンもまるでタイミングが分かったのかネギとマギと同時に詠唱を開始した。だが

 

「ラス・テル・マ・スキル・マギスキル 来たれ雷精風の精!!」

 

「マギウス・ナギナグ・ネギスクウ 来たれ炎の精闇の精!!」

 

「リク・ラク・ラ・ラック・ライナック 来たれ氷精闇の精!!」

 

 3人がこれから放とうとする魔法は同じ系統の魔法だった。このままでは打ち合う事になってしまう。

 だが此処まで来て今更引き返すつもりは3人には毛頭も無かった。

 

「雷を纏いて吹きすさべ南洋の嵐」

 

「闇よ渦巻け燃え尽くせ地獄の炎」

 

「闇を従え吹雪け常夜の氷雪」

 

 そして3人の魔法が今同時に

 

「来るがいい坊や!マギ・スプリングフィールド!!」

 

 放たれる。

 

「雷の暴風!!!」

 

「闇の業火!!!」

 

「闇の吹雪!!!」

 

 雷を纏った暴風と闇を纏った黒き業火そして闇を従えた吹雪がぶつかり合った。

 

 

 

 ドンッ!! ズバァァァァァァァァッ!!!

 

 

 

 強力な力がぶつかり合い、拮抗していると思われたが

 

「うううううッ!!」

 

「くックソ野郎!!」

 

「ぐッぐう!ハハ如何した貴様たちの力はこの程度か!?」

 

 若干であるがネギとマギが押され始めてきた。それほどまでにエヴァンジェリンの魔力の方が強大という事なのか。

 ネギとマギは足を踏ん張りこれ以上押されないようにした。此処で負けてしまったら意味が無い。負けてたまるか。

 ネギとマギは最後の力を振り絞った。だがその時、ネギの髪の毛がネギの鼻をムズムズと刺激しそして

 

「はッハクション!!」

 

 ネギのくしゃみと同時に魔力が増大し、エヴァンジェリンの魔法を一瞬のうちに打ち勝った。

 

「なッなんだと!?」

 

 此れにはエヴァンジェリン自身も驚き回避するのが遅れてしまいそして

 

 

 

 ドオォォンッ!!

 

 

 

 大きな爆発がネギとマギそしてエヴァンジェリンを包み込んだ。

 

「ネギ!マギさん!?」

 

「マスター!」

 

 アスナと茶々丸も戦いを止め、3人の名を叫んだ。そして爆発が晴れると

 

「やりおったな…貴様等。ふッフフ期待通りだったよ。流石はアイツの息子たちだ」

 

 衣服が吹き飛び全裸になりながらも空を飛んでいたエヴァンジェリンが其処には居た。

 

「あわわ!脱げッごめんなさい!!」

 

「不味いな。今の俺達完璧変態じゃねえか…」

 

 ネギは顔を赤くしながらエヴァンジェリンに謝り、マギは冷や汗を流していた。

 

「だが私はまだ負けを認めたつもりはないぞ。戦いを続けようじゃないか」

 

 未だにエヴァンジェリンの魔力は枯れていない様子だった。まだ戦おうとするエヴァンジェリン。しかしその時

 

「!いけないマスター!戻って!!」

 

 と茶々丸が急に珍しく慌てた口調で空を飛んでいるエヴァンジェリンに戻ってと叫んだ。

 茶々丸が慌てるなんてよっぽの事だろう。と

 

 

 バシャンッ!!

 

 

 橋の電気が急に点きはじめた。

 

「なッ何!?」

 

 行き成り電気が点いてエヴァンジェリンは驚きを隠せなかった。もう停電復旧の時刻になったのかと思い、マギは時計を見た。時刻は午後11時53分と数秒とまだ時間はある。このパターンはもしかして

 

「予定より7分27秒も停電の復旧が早い!!マスター!!」

 

 茶々丸が叫んでいる間にも次々と電気が点きはじめた。

 

「ええい!いい加減な仕事をしおって!」

 

 エヴァンジェリンそう叫びながら罵っていると自分の体にチリッとした痛みを感じて

 

 

 

 バシンッ!!

 

 

 

「キャン!」

 

 電撃のような物がエヴァンジェリンの体を包んだ。そしてそのままエヴァンジェリンは真っ逆さまに落ちてしまった。

 

「どッ如何したのエヴァちゃんは!?」

 

 アスナは何がどうなっているのか今一分かっていなかった。

 

「停電の復旧によりマスターへの封印が復活したのです!魔力が封じられたらマスターはただの子供に戻ってしまうのです!!泳げないマスターがこのままでは湖へ!!」

 

 其れだけを教えると茶々丸はジェット噴射してエヴァンジェリンを助けようとした。

 

「エヴァンジェリンさん!!」

 

 ネギもエヴァンジェリンを助けようと駆け出したが、途中で倒れてしまった。

 

「おいネギ!如何した!?」

 

 マギがネギが倒れてしまい如何したのか叫ぶとカモがネギに近づき

 

「!兄貴はスタミナ切れ(魔力切れ)でさぁ!今の兄貴は動くことは困難ですぜ!」

 

 と教えてくれた

 

「こんな時にかよ!何ともタイミングが悪いなおい!!」

 

 そう言い終え、マギが橋を飛び下りた。

 

「エヴァンジェリン!!」

 

 マギの叫びにエヴァンジェリンは薄らと目を開けた。

 

(馬鹿か貴様は先程で魔力をほとんど使い果たしたくせに、こんな私を助けようとして一緒に溺れ死ぬぞ間抜けが)

 

 と此処に来てまでエヴァンジェリンはマギを罵った。そう言えば…とエヴァンジェリンは何かを思い出した。

 

(前にも居たな…こんな馬鹿が)

 

 とエヴァンジェリンに走馬灯が駆け巡った。

 

 

 

『危なかったなーガキンチョ』

 

 崖から落ちそうになったエヴァンジェリンを助けたナギ。

 

『お前は何者だ?何故私なんか助けた?』

 

『さあな。そんな事よりもこれ食えってうめぇぞ』

 

 その後何も言わずに夕食を御馳走してくれた。

 

『おいナギ。お前私のモノにならないか?』

 

『オイオイ…もう一か月になるぜ?俺について来たって何も良い事ねぇぞ。どっか行けって』

 

『嫌だ。お前がうんと言うまでたとえ逃げても地の果てまで追ってやるぞ』

 

 一か月もナギを追いかけて、此処からエヴァンジェリンのナギの追っかけが始まったのだろう。そして

 

『登校地獄!!』

 

『いやぁぁぁぁッ!!』

 

 ナギに登校地獄の呪いをかけられた後日麻帆良にて

 

『あっはっはっはッ!!似合う素晴らしく似合ってるぜ!エヴァンジェリン!!』

 

 麻帆良の制服を着たエヴァンジェリンを見てナギは大爆笑をしてしまった。当の本人のエヴァンジェリンは体をプルプルと震わせていた。

 

『ほんとじゃのう600万ドルの賞金首とは思えないわい』

 

 一緒に居た学園長も同意するかのように頷いた。

 

『…貴様等殺す!』

 

 顔を赤くしたエヴァンジェリンが爪を構えて2人を睨みつけた。ナギはまぁまぁとエヴァンジェリンを宥めた。

 

『まぁまぁ学校生活も楽しいもんだぜ?お前そういった経験が無いんだろう?』

 

『そうじゃのう。小学生はちと可哀そうじゃし、中等部に編入してみるかのう』

 

 とエヴァンジェリンの中学校生活が始まったのであった。

 まぁ心配すんなとナギがエヴァンジェリンの頭にポンと手を置いて

 

『お前が卒業する頃にはまた帰ってやるからさ。光に生きてみろよ。そしたらその時にお前にかけた呪いも解いてやるからよ』

 

『本当だな?』

 

 とエヴァンジェリンが言うと、ナギはあたぼーよ!と親指で自分を指差しながらニッと笑いながら

 

『俺はサウザントマスター、ナギ・スプリングフィールドだぜ?』

 

 と約束した。

 しかし…ナギがそう約束してもそれ以降ナギが麻帆良に訪れる事は無く、15年ものの歳月が経ってしまったのであった。

 

(嘘吐きめ…!!)

 

 エヴァンジェリンは目に涙を溜めながら湖に落ちるのを待っていると

 

 

 

 ガシッ!!

 

 

 

 自分の腕を誰かが掴んでいた。エヴァンジェリンは茶々丸が間に合ったのかと思い、少しづづだが目を見開いたが、其処に居たのは茶々丸ではなく。走馬灯に現れた男の姿に似ていた。

 

「ナギ…?」

 

 思わずその名を呼んでしまったら、その自分を助けてくれた男からムウと不機嫌そうな声が聞こえ。エヴァンジェリンは完全に目を開くと其処に居たのはナギではなくその息子の

 

「クソ親父じゃなくて悪かったな」

 

 と不機嫌そうなマギの顔が見えた。マギは黒き翼を展開しており時折翼を羽ばたかせていた。

 

「よかった…マスター…マギ先生」

 

 一足遅かった茶々丸はエヴァンジェリンが無事に助かったのを見てホッとしていた。

 マギは翼を羽ばたかせて上昇した。麻帆良の夜景が美しく輝いていた。

 

「なぜ…何故私を助けた?私は貴様たちに酷い事をしてきたし、それにお前の事を毛嫌いしていたのにどうしてだ?」

 

 エヴァンジェリンは自分がマギに助けられるのが有りえないと思っていた。

 対するマギはというと、やれやれだぜ。何を今更と呆れていると

 

「お前は俺の大切な生徒じゃねえか。どんなに問題児でも俺はそいつを見捨てないし、命に代えても守ってやる」

 

 マギはニッと笑いながらエヴァンジェリンを見た。見られたエヴァンジェリン本人は顔を赤くしてしまったのであった。

 

「バカが…」

 

 そんなマギに対してエヴァンジェリンは聞こえない程の呟きを呟いたのだった。

 こうしてネギとマギ対エヴァンジェリンの戦いは辛うじてネギとマギの勝利に終わった。

 

「まぁこれで俺とネギの勝ちだからな。もう悪い事は止めてくれよ?止める俺達もめんどいからな」

 

 とマギがそう言うとエヴァンジェリンは

 

「分かったよ。確かに今日のは1つ借りだしな」

 

 と渋々頷いた。そんなエヴァンジェリンの姿を見てマギは笑いながらエヴァンジェリンの頭に手を置き

 

「心配すんなよエヴァンジェリン。お前の呪いは俺が必ず解いてやるからよ」

 

 マギが言った事にエヴァンジェリンはナッと顔を赤らめらながら

 

「ふざけるな!それまで何年待たなきゃいけないと思ってるんだ!!それよりもお前の血を吸えば直ぐに解けるんだよ!!」

 

「あーそうだーまき絵達を戻さなきゃなー行くぞネギー」

 

「うおい!なんだその棒読みは!無視すんな!良いかマギ!私はあきらめたわけじゃないぞ!満月の夜は背中に注意しておけよ!!」

 

 とネギの首根っこを引っ張りながら退散するマギをギャーギャー叫びながらエヴァンジェリンが追いかけていたのだ。

 そんなマギとエヴァンジェリンの姿を見てアスナと茶々丸。そしてネギは微笑ましそうに見ていたのであった。

 しかしネギ達は気づいていなかった。エヴァンジェリンはネギではなくマギの血を吸おうとした事に

 マギの事を今迄は名で呼んでいなかったのにマギと呼んでいた事にネギ達は気づいていなかったのであった。

 

 




はい今回の話で原作3巻の話は全て終わりました。
次からは第4巻!……と行きたい所なんですが
次からは数話だけオリジナルの話を投稿したいと思います
そして次からの話が初めての原作ブレイクになると思います
と言っても原作沿いには変わりはありませんが

次回も応援よろしくお願いします!!
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