堕落先生マギま!!   作:ユリヤ

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最近更新が早く出来て嬉しいです
それではどうぞ


話の後半でサービスシーン?的なシーンがあります


飴と鞭

 ネギが古菲に中国拳法を教えて貰う事になった。ある日の早朝の4時、さっそく中国拳法を教えて貰う事になったネギ。

 まだ中国拳法など使った事が無いのでまずは型から入る事になった。

 

「ウム、ネギ坊主は呑み込みが早いアルね。これなら早くも技の修業に入れるアル」

 

「ほんとですかくー老師!」

 

 古菲に呑み込みが早いと褒められ喜ぶネギ。老師と云うのは教えて貰うのだったら老師と呼ばれた方がカッコイイからと古菲の要望である。

 もう一度一から型の練習をしようとするネギ。すると

 

「お~いネギく~ん」

 

 どっからかネギを呼ぶ声が聞こえてきたので辺りを見渡すと、手を振りながらこちらに近づいて来るまき絵の姿が

 

「まき絵さんお早うございます」

 

「お早うネギ君、古菲も!今ネギ君がやってるのって古菲に教えて貰ってる中国拳法ってやつ?」

 

「はいでも始めたばかりなのでまだまだです」

 

「でも結構キマッてたし、それにかっこよかったよネギ君」

 

「そッそうですか?」

 

 まき絵にカッコイイと言われ素直に照れるネギ。

 

「ねえねえもう一回さっきの見せてよ」

 

 ネギとまき絵がそんな遣り取りを見せていると

 

「ふん…中国拳法か」

 

 新たに声が聞こえた。と今度はエヴァンジェリンと茶々丸にチャチャゼロがやって来た

 

「ずいぶん熱心じゃあないか坊や」

 

 エヴァンジェリンがフンとネギの拳法を見ながら鼻で笑っていた。

 

「カンフーバカの古菲に教えて貰っているのはいい選択をしたかもしれないが…まぁ結局は子供の域で止まっている古菲に教えて貰ってその程度なら程が知れてるな」

 

 明らかに小馬鹿にしたエヴァンジェリンの態度に何故かまき絵がムッとする。

 

「その程度にマギに勝てるかどうか…まッ精々頑張れよ」

 

 そう言ってエヴァンジェリンは立ち去ろうとした。しかしネギの事が好きなまき絵がネギを馬鹿にされて黙っているわけが無かった。

 

「ちょっとエヴァちゃん!ネギ君の事色々と言ってるけどネギ君は強くなってマギさんを倒しちゃうかもよ!」

 

「無理な話だな。第一マギは私の元で修業をしてるからな。ガキのごっこ遊びで強くなっていると錯覚してしまうなんてお笑い草だ。それに私はお前のようなガキの考えが嫌いだ佐々木まき絵」

 

「何よエヴァちゃんの方が子供っぽいじゃん!私より胸小さいし、そんなエヴァちゃんに付いていってるマギさんも実はたいしたことないんじゃない!?」

 

 ビキリとエヴァンジェリンが気にしてる事を言われ若干キレそうになる。しかし思いとどまりフンと鼻を鳴らし

 

「だったら今試すか。茶々丸に一発でも攻撃を入れられることが出来たなら今日から坊やを弟子にしてやろう」

 

「いいよやってやろうじゃない!」

 

「ちょまき絵さん!」

 

 ネギが止めようとする前に話がトントン拍子で進んでいく

 

「いいのですかマスター?」

 

「あぁ構わん。軽く揉んでやれ」

 

 エヴァンジェリンの命令にハイマスターと頷く茶々丸。そしてネギの方を向いて

 

「行きますネギ先生」

 

 一気に接近し、ネギに腕を振り下ろした。ネギは振り下ろした腕を難なく受け止めるが、すぐさま連撃の蹴りを防げずに蹴飛ばされる。

 蹴飛ばされたネギは壁にぶつかり、目を回していた

 

「ねッネギ君!?」

 

「ネギ坊主!」

 

 蹴飛ばされたネギにまき絵と古菲が駆けつける。

 

「ネギ!」

 

「ネギ先生!」

 

 と其処に最近刹那に剣術を教えて貰っているアスナと刹那が現れて、ネギの元へ駆け付けた。

 目を回しているネギを見て全然駄目だな…と冷めたでネギを見ていた。

 

「茶々丸に一発も入れられないのならマギに勝つなんて無理な話だな。言って置くがマギは茶々丸よりも何倍も強い。精々土曜日の午前0時まで頑張る事だな」

 

 ハッハッハッ!と高笑いをしながら去って行くエヴァンジェリン達。アスナ達は急いでネギをかいほうする。

 

(…あれ?若しかしなくても私のせい?)

 

 自分のせいでネギが怪我をすることになって、滝のような汗を流しているまき絵であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…てな事があってな。私のコンプレックスを言われたからと言っても流石に大人げないと思ったのだ私も」

 

「ガチガチガチそッそうかガチガチガチ朝っぱらからガチガチ大変だったなガチガチガチ!」

 

「坊やの方も少しづつだが強くなっている。私達ももっと気合を入れ直さないとな」

 

「そうだなガチガチ宜しくガチガチ頼むガチガチぜ」

 

 

 

 

 

 

 

「って何で俺は雪山にいるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

 マギの叫びも雪山の猛吹雪によって掻き消された。

 今マギが居るのはエヴァンジェリンの別荘の氷の世界のエリアでその中の雪山である。

 

「最近になって漸く集中力が高くなってきたからな。だったら今度は如何なる場所でも集中力を切らすことなく魔力を練る事が出来るかという修業だ」

 

「何言ってるんだよ!集中力を維持する前にこんなんじゃ凍え死ぬわ!」

 

 大声で喚くマギに落ちつけと制すエヴァンジェリン。

 

「そんな大声で喚いていないでとりあえず咸卦法でも使ってみたらどうだ?」

 

 エヴァンジェリンに言われマギはとりあえず咸卦法を使ってみた。すると寒さを感じなくなった。

 

「おお寒くなくなった!」

 

「ほう上手く言った様だな…だがそんな調子じゃ後30分と言わずに凍死だな」

 

 エヴァンジェリンの言った事に吃驚仰天のマギ。まぁ聞けと話を進める。

 

「そこがお前の弱点でもある。お前は強力な魔力を一気に放出しすぎてるんだ。ほんの少しの魔力でその状態を維持する事が出来れば1時間いや何日でも保つ事が出来る」

 

「出来るって俺最近になって漸く魔力を1時間以上練る事が出来るようになったのに難しくねぇか!?」

 

「それは慣れるより慣れろ…だボウリングの時に集中力のコツは掴めたんじゃないのか?」

 

 滅茶苦茶だぜ…とマギはとりあえずエヴァンジェリンに言われた通りに、魔力と気を集中して少しの魔力でも維持できるようにした。

 

「外の時間ではそろそろ学校が始まるからな、とりあえず1日で勘弁してやる。しかし帰ってきたら今日の続きだ」

 

 鬼だ…とマギはそう呟いていたが、何とか集中力を絶えず後は気合で1日保つことが出来たのだ。

 

 

 

 

 

 学校の職員室、マギは今日の資料を纏めていた。

 

「はッハクション!」

 

 マギは職員室で盛大なクシャミをした。

 クシャミがクシャミでほとんどの先生がマギが如何したのかと見ていた。

 

「あらマギ先生風邪ですか?」

 

 しずな先生が心配そうにマギに声をかけていた。

 

「じずな先生別に大丈夫ッスよ。ただ寝てる時に布団をはいじまってそれで冷えちまっただけです」

 

 まぁ本当は、極寒の雪山で1日居たんだけどねと呟くマギ。

 

「あらそう…お体には気を付けてね」

 

 お大事にとしずな先生の言葉にはーいと答えるマギ。マギは資料を何時の倍の速さで片づけると自分の教室に向かった。倍の速さで片づける事が出来るのは修業のおかげだなと思うマギ。

 

「お兄ちゃん!」

 

 とネギがマギの方に駆け付けた。おうネギとマギはネギに手を振った。

 

「何かネギとは久しぶりに会った気がするよ」

 

「何言ってるのお兄ちゃん昨日会ったばかりじゃない」

 

 まぁネギはそうだが、マギはエヴァンジェリンの別荘で何日も過ごしているから久しぶりに会う感が半端ないのだ。

 

「そう言えばお兄ちゃん、僕土曜日にエヴァンジェリンさんの弟子入りの試験でお兄ちゃんと試合をするんだけどよろしくね!」

 

「あぁそうだったな。まッ軽く揉んでやるよ」

 

 とそんな話をしていると教室にやって来た。

 

「そんじゃ俺は授業だし」

 

「そうだねお兄ちゃん頑張ってね!」

 

 それだけ言うとネギは職員室に戻って行った。さて…ととドアに手を置くマギ

 

「よーしテメェら席に着けー楽しくて眠くなる歴史の始まりだー」

 

 

 

 

 

 放課後ネギはさっそく古菲に中国拳法の技を教えて貰う事となった。試しに古菲と組手をやるが結局は古菲に一本を取られてしまう。

 

「ふむまだまだアルネネギ坊主、これじゃあマギさんに勝つのは難しいアル」

 

「もッもう一度お願いしますくー老師!」

 

 ネギは再度古菲と組手を行う。

 

「ふぇ~ネギも前より様になってきてるようね。アタシも負けてられないわ!刹那さんお願い」

 

「はいそれでは参りましょう明日菜さん」

 

「頑張ってなーアスナもせっちゃんも」

 

 アスナもネギに負けない様に刹那に剣術の稽古を付けてもらっていた。と言っても今まで剣術のけ文字も知らないアスナがそう簡単に刹那に勝てるわけも無く一本を取られてしまう。

 そんなネギとアスナが修業をしていると、まき絵が大量の弁当を持ってきてやって来た。

 早朝で自分のせいでネギに迷惑をかけてしまったと思い、お詫びとしてお弁当を差し入れしてくれたようだ。

 主に肉を中心としたスタミナ弁当の様だ。少しでもネギにスタミナを付けてほしいのと強くなってほしいと張り切って作り過ぎたようだ。

 しかし作り過ぎたせいかネギに弁当を食べさせすぎてしまい…

 

「何か強くなるどころか余計弱くなってしまったアル…」

 

 食べ過ぎてしまい、小太りになってしまい動きが鈍くなってしまった。

 

「わぁぁネギ君ゴメン!直ぐに元に戻すね!」

 

 と食べ過ぎた責任を取ってまき絵がすぐさまネギを元通りにする。まき絵が知ってるダイエットでネギは痩せた。痩せたのだが…

 

「こ…今度はミイラみたいになってしまったアル…!」

 

 ミイラみたいに干からびてしまい、さらに弱くなってしまった。

 

「ごめんねネギ君!私さっきから迷惑しかかけてないよ…」

 

「そんな事無いですよまき絵さん、僕のためにありがとうございます」

 

 まき絵が謝っているのをネギは別に気にしていないとそう返した。

 

「でも土曜日の午前0時まで時間ないし…あれ午前0時って事は日曜でもあるから…」

 

 まき絵が何か思い出したのか慌てだした。如何したのかとネギ達が尋ねると

 

「私も日曜日に大会の選抜テストがあったの…」

 

 結構大切な事の様だ。アスナが大丈夫なの?と尋ねると

 

「それがあんまり自信無くて…私聞いちゃったんだ。顧問の二宮先生が私の演技が子供っぽくて大会は駄目かもしれないって…それ聞いちゃったら何か自信無くしちゃって…」

 

 いつも元気が取り柄なまきえがショックを受けるほどだからそうとうなのだろう。アスナやこのかなどが励ます。

 

「そうだまきちゃんの演技を今此処で見せてよ。どうせならリボンが良いな」

 

 アスナの提案にまき絵はでも…と渋った。

 

「あの僕もまき絵さんの新体操見た事無いので、見てみたいです」

 

 ネギも見てみたいと言ったのでまき絵はやってみる事にした。

 

 まき絵が今出来る演技を軽く見せてみた。演技を終えたまき絵は如何かなと自信なさそうにネギ達を見てみた。ネギ達の反応はというと

 

「凄いじゃないまきちゃん!」

 

「全然いいじゃないですか!」

 

「でも先生は子供っぽいって…」

 

 ネギやアスナが凄いと褒めているが、まき絵は未だに自信が戻らないようだが、そんな事ありません!とネギが強く言った。

 

「僕新体操の事全く分かりませんけど、まき絵さんらしいまっすくで綺麗な演技でしたよ!」

 

「そッそうかな…?」

 

「そうです!とても綺麗でした!」

 

 大好きなネギにそう言われたおかげか少しだけ元気が出て来たまき絵。

 

「でも明後日なんだよね試験…」

 

 試験を思い出して再度しょんぼりするまき絵。それはそうですけど…ネギはこれ以上落ち込まない様に励ましている。

 

「此処まできたならやるしかないですよ。あと2日一緒にがんばりましょうまき絵さん」

 

 ネギの励ましの言葉で漸く元気を取り戻したまき絵。

 

「お~いネギ坊主そろそろ修業を再開するアル!」

 

「はいくー老師。それじゃあまき絵さん僕は此れで」

 

 それだけ言ってネギは古菲と又修業を再開した。

 

(ネギ君、最初は可愛いだけだと思ってたけど、ちょっとカッコイイかも…)

 

 ネギの認識を改めたまき絵であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さてネギやまき絵が2日後に向けて特訓をしてる中、マギはというと朝エヴァンジェリンが言っていた通り、帰ってきたらさっそく雪山での修業を再開していた。

 

「…」

 

 雪山にて凍りついてしまった池の上でマギは目を瞑って精神を統一していた。そして目をカッと見開かせると

 

「ふッはッとぁ!どっせい!!」

 

 一気に拳を振り抜いたり蹴り上げたりと格闘戦の型をやった。元々マギの近接戦は喧嘩殺法であった。

 しかしエヴァンジェリンの所で修業を行い、エヴァンジェリンの元で空手から柔道に合気道やらムエタイやテコンドーカポエイラなどを教えて貰った。

 ふぅぅ~と息を吐くと、パチパチパチとエヴァンジェリンが拍手をしながらやって来た。

 

「雪山の修業にて2日目…随分と魔力をコントロールできるようになったじゃないか」

 

「此処まで来たらもう死ぬ気でやらないとマジで死ぬからな」

 

 マギはこの2日(外の時間では2時間)、一応咸卦法をコントロール出来る様になった。マギの言葉通り一瞬でも気を抜いたらすぐに凍死してしまうからだ。

 

「この2日間良く持ち堪えたな。だったら修業のレベルを上げるか」

 

 そう言ってエヴァンジェリンが指を動かし始めた。まるで人形を動かすように

 

「何をやったんだ?」

 

「何、じきに分かるさ」

 

 エヴァンジェリンが言った数秒後、マギ達の周りの雪が動き始めた。そしてモゴモゴと盛り上がり

 

「グルォォォッ!」

 

 雪が3~4m程のシロクマとなった。それも一体ではなく何十体と云う数だ。

 

「今度はこの雪のクマを倒しながら雪山で過ごしてもらうぞ」

 

「結構いるな…でも魔力をしっかりとコントロールできるようになった俺にとっては…」

 

 マギは一瞬だけ魔力を上げてシロクマに接近し

 

「おら!」

 

 正拳突きでバラバラにしてしまった。雪の塊なので簡単にバラバラになってしまった。

 

「どうよ?」

 

 マギはエヴァンジェリンにドヤ顔でそう言った。マギの成長具合にほうと感心するエヴァンジェリン。

 

「大したものだな。魔力を一瞬だけ絞り出す方法も出来るようになったか。だけども油断していると危ないぞ」

 

 如何いう意味だ?マギはエヴァンジェリンが言っている意味がよく分からなかったが、粉砕したシロクマの雪が又集まってきており、すぐさま同じようなシロクマに戻ってしまった。

 

「グォォォォォッ!」

 

 元に戻ったシロクマは雪の爪をマギに振り下ろした。

 

「うお!ちょあぶね!!」

 

 マギは寸前の所で爪を回避して退散する。シロクマは雄たけびを上げながらマギを追い始めた。

 他のシロクマもマギの姿に気づき同じく雄たけびを上げながらマギを追い始めた。マギは何十匹のシロクマに追われるというある意味シュールな展開へとなってしまった。

 

「おいエヴァなんだこりゃ!倒しても直ぐに元に戻っちまうし、これじゃ全部倒すなんて無理じゃないか!」

 

「何を言ってるんだマギ?私は『倒しながら』と言ったんだ。それに倒したらそのまま雪に戻るとも言ってないじゃないか」

 

 なんだそりゃ!?殆ど詐欺の手口じゃあないか!とツッコミを入れながらマギはシロクマに追われていた。

 

「クソ!雪の塊が調子に乗るんじゃねぇよ!」

 

 マギはまたもや魔力を一瞬だけ上げて、雪の地面に手を置いてそのまま回し蹴りをした。カポエイラである。

 回し蹴りで何体かのシロクマを吹き飛ばす事が出来たが、次の瞬間には直ぐに元のシロクマに戻ってしまう。

 

「これじゃあきりがねえぞ!」

 

 マギは殴っても蹴っても元に戻ってしまう。

 

「ほらほら集中力をきってしまえば咸卦法が切れてしまうぞ」

 

「げしまった!」

 

 マギはシロクマ相手に集中力が切れてしまい、遂には咸卦法が消えてしまった。

 そのタイミングを見計らったのか、何十体のシロクマがマギに向かって飛び跳ねた。

 

「お…おいそれは不味いって…!」

 

 マギが逃げようとするが、シロクマたちが一斉に伸し掛かってマギが悲鳴を上げる暇も無く、シロクマたちに押しつぶされてしまった。

 魔力が切れたのか、元の雪に戻ってしまい、伸し掛かったクマたちは大きな雪の山へと変わってしまった。そんな雪山にマギは生き埋めになっている。

 

「まぁ今日は此れぐらいか…フン!」

 

 エヴァンジェリンは雪山に手を置くと魔力だけで雪山を吹き飛ばしてしまった。

 雪山に押しつぶされていたマギは軽く伸びてしまっていた。

 

「おいマギ今日は此処までだ。茶々丸が居るところまで戻ってキャンプとしよう」

 

「あぁ悪いな…」

 

 エヴァンジェリンに肩を貸してもらって茶々丸が居るらしき場所に戻った。

 

 

 

 

 

 茶々丸が居るらしき場所は雪山の洞窟であるが、洞窟の入り口は光で煌々と輝いていた。

 

「戻ったぞ茶々丸、チャチャゼロ」

 

「お帰りなさいませマスター」

 

「遅カッタナゴ主人」

 

 茶々丸はお辞儀、チャチャゼロはケケと笑いながら何時ものように出迎えた。

 

「今日の修業は此処までだ。マギは昨日より魔力をコントロールできるようになっていたぞ」

 

「そうですか、おめでとう御座いますマギ先生」

 

「よしてくれ俺なんかはまだまだだぜ」

 

 茶々丸にそんな事を言われて、少し照れくさくなるマギ。

 

「ケケ、俺トシテハモット強クナッテ殺シガイガアッテ欲シイゼ」

 

「チャチャゼロはチャチャゼロで相変わらずだな…」

 

 チャチャゼロの相変わらずさに乾いた笑みを浮かべながら少し引くマギ。

 

「お食事の準備は出来ております。と言っても持ってきた乾パンと、池で獲ってきた魚を焼いただけですが」

 

 茶々丸の申し訳なさそうな顔を見てとんでもないとマギは首を横に振る。

 

「俺なんかのためにそんな飯を用意してくれるだけでも有りがたいぜ。ありがとな茶々丸」

 

 マギはお礼を言って茶々丸の頭を優しく撫でまわした。

 行き成り頭を撫でられて少し戸惑った茶々丸だが、マギの手の優しい感触に思わず微笑んでしまう茶々丸。

 そんなマギと自分の従者の茶々丸の何だかいい雰囲気が気に入らずムスッとしながらマギの尻を蹴飛ばした。

 

「イテ!行き成り何で蹴るんだよ!?」

 

「喧しい。そんな無駄な事に時間を潰すんじゃない。私は先に行って飯を食べてるからな」

 

 エヴァンジェリンは不貞腐れながら洞窟の先へと行ってしまった。

 

「エヴァの奴なんであんな不機嫌なんだ?」

 

 マギはエヴァンジェリンの態度に首を傾げる。

 

「ケケ単ナルヤキモチダゼ」

 

「ヤキモチ?誰にだ?」

 

 マギは如何してエヴァンジェリンがヤキモチを焼いているのか分からない様子だった。

 チャチャゼロは何処か呆れた様子で(人形だから無表情)マギの方を見ながら

 

「オ前時々女心ヲヲ理解シテナイッテ言ワレ無イノカ?」

 

「時偶に言われたりする事がある。一応女心は理解してるつもりなんだけどな」

 

「ダッタライイガ、一応言ッテオクガ俺ノ御主人ハキレタラオッカネーゾ」

 

 ソレダケダケケと言い終えるとチャチャゼロも洞窟の奥の方へ行ってしまった。

 

「了解肝に銘じておくよ」

 

 そう呟いたマギもまた洞窟の奥へと向かった。

 洞窟の奥では薪がパチパチと暖かそうに燃えていた。

 おもわず薪に手を伸ばすマギ。火の温かさが冷えていた手を温めてくれる。

 

「焼き魚をどうぞ」

 

 茶々丸がマギに焼き魚を渡してくれた。マギとエヴァンジェリンが帰って来る事前に焼き始めたのかまだまだ魚が温かい。

 今迄飲まず食わずで修業をしていたためか、焼き魚の香ばしさが鼻をくすぐる。魚の身にかぶりつくと魚の旨味が口いっぱいに広がった。

 

「美味いな…修業のおかげか焼き魚だっていうのに美味いぜ」

 

 とあっという間に魚を食べ終えてしてしまった。乾パンも質素だがビスケットのように食べられた。

 あらかた食べてお腹も膨れたマギ。

 

「洞窟の更に奥にお風呂を用意しました。疲れた体を癒して下さい」

 

「温泉もあるのか?」

 

 マギの質問にいえと首を横に振る茶々丸。すると茶々丸の腕が開き、光剣状の物が飛び出してきた。

 

「最近ハカセによって新たにアタッチメントされたこのビームサーベルで雪を溶かしお湯にしたのです」

 

「もうなんでもありだなお前…」

 

 茶々丸のビームサーベルを見て、日本で有名な某機動戦士のビームのサーベルを思い出したマギ。茶々丸もそうだが、そんな物を開発するハカセも流石と舌を巻いてしまった。

 折角風呂を用意してくれたのだ。お言葉に甘えて風呂に入らせてもらうとしよう。

 茶々丸に言われた通りに洞窟を更に奥に進むとお風呂があった。湯気も出ておりとても温かそうだ。湯加減は如何かと指をお湯の中に入れると、いい湯加減だった。

 

「んじゃさっそく…」

 

 服を脱いでマギはお風呂の中に入った。じんわりとお湯が優しくマギの体を包み込んでいった。

 

「はあぁぁぁ~いい気分だ。雪山洞窟風呂って言うのも風情があっていいじゃねえか」

 

 極楽極楽とマギがお湯の中で足を延ばしていると、ひたひたと誰かがやってくる足音が聞こえた。

 

「おいマギ湯加減は如何だ?」

 

 エヴァンジェリンがやってきてマギに湯加減が如何かと尋ねてきた。

 

「あぁエヴァか。湯加減は丁度良くて結構気持ちいいぞ」

 

 と答えるとそうかと返してきた。だが次のエヴァンジェリンが言った事は、マギが大慌てするほどの爆発発言だ。

 

「だったら私も入るか。丁度体が冷えて来たしな」

 

「ぶふぅ!!おまエヴァ何言って!」

 

 マギが止める前に湯気越しだが、エヴァンジェリンが服を脱いでいることが分かる。

 慌ててマギは視線を明後日の方向へ向けた。

 エヴァンジェリンもお風呂の中に入ったのかジャブジャブとお風呂の中で歩いている音が聞こえた。

 そしてマギの隣でふぅ~とエヴァンジェリンの気持ちよさそうな溜息が聞こえた。

 

「マギの言った通り丁度いい湯加減で気持ちいいな」

 

 極楽だとエヴァンジェリンも上機嫌となった。

 

「エヴァ、お前さ恥じらいって言葉は無いのか?」

 

 一応異性のマギと堂々と混浴してるのだ。恥じらう気持ちは無いのかとエヴァンジェリンに尋ねた。

 対するエヴァはムッとしながらも

 

「私にとってマギは特別だ。特別な者と風呂に入って何が悪い」

 

 今のエヴァンジェリンに何を言っても無駄だと判断したマギはやれやれだぜ…と諦めた。

 

 するとマギの体、特に腕や背中に冷たい感触が当たる。

 

「ふむ…お前の裸を見て思ったが、結構鍛えているのだな。背中もガッチリしているし」

 

 見るとエヴァンジェリンがマギの腕や背中をペタペタと触っていたのだ。

 

「ちょ何やってるんだよ!」

 

 顔を赤くしたマギは思わずエヴァンジェリンから離れた。

 

「何って弟子の成長を確かめるのも師としての役目だろうが」

 

「にしては触り方が何かエロかったぞ!」

 

 いやーすまないとエヴァンジェリンは笑みを浮かべながら謝ったが、次の瞬間には真剣な顔になって

 

「マギ、私から見てもお前は前よりも強くなったと思う」

 

「ありがとなエヴァ。そう言ってくれると嬉しいぜ…でも俺はもっと強くなりたい」

 

 マギはギュッと拳を握りしめた。

 

「なぁマギ如何してお前は自分の体を危険に晒しても強くなろうとするんだ?」

 

「…俺は麻帆良に来た時は誰にも負けない程強いと思っていた。けどそんなのただの思い過ごしだった。俺より強い奴なんてごまんといる…それをこの前の修学旅行で知ったんだよ」

 

 マギは修学旅行でアーチャーに惨敗したのを思い出す。

 

「中途半端な強さじゃだめだ。俺はもっと強くなりたい…目の前の大切な者やエヴァ…お前を守れるほどの強さを俺は欲しい。だからエヴァ俺をもっと強くしてほしい」

 

「あぁ…お前が私を守るほど強くなるんだったら、もっとキツイ修業にしないとな…根を上げるなよ?」

 

「上等、誰が根を上げるかってんだ」

 

 マギとエヴァンジェリンが風呂の中で笑いあうのだった。

 

 

 

 ネギとマギ修業の方法は違えど、強くなる目的は一緒だった。誰かを守れるほど強くなろうとする事。

 そんなネギとマギにとっての運命の試験の日まで残り2日をきったのであった。

 

 




金髪のロリキャラはいいものだ…
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