ネギは封印の瓶を使えばヘルマンを封印できると思っていたのに、ヘルマンを封印できなかったことに内心焦っていた。
「ではネギ君参ろうか。何心配は要らないよ、ここら一帯に結界を張らせていただいた。全力で大暴れをしても周囲に気づかれる事は無いよ」
そう言いながらヘルマンは一瞬でネギの背後に回った。
「悪魔パンチ!!」
技のセンスはあれだが、戦車の砲台から放たれたかのような轟音がヘルマンのパンチから聞こえた。ネギにスライム娘達と戦っていた小太郎はヘルマンのパンチを紙一重で躱した。
躱されたパンチの拳圧だけでステージの観客席が吹き飛んでしまった。
「このパンチの力…!これがおっさんの本気かいな!」
小太郎はヘルマンが寮の時に戦った時は本気を出していないと言うのが分かってムカッとは来たが同時に嬉しくも思っていた、相手が強ければ強いほど燃えると言うのが小太郎のバトルスタイルである。
とは言っても今度は大砲並みの一撃がラッシュで来たのだ。喜んでいる暇なんてない。気を抜いたら一発でアウトだ。隙が無いラッシュに苦戦するネギと小太郎。
「瓶が使えんならしゃーない、ごり押しでいくでネギ!」
「うん!」
瓶が使えないと分かると今度は力技のごり押しで行くことにした。
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル 闇夜切り裂く一条の光 我が手に宿りて敵を喰らえ 白き雷!!」
「とっておきを喰らえや!犬上流・空牙!」
ネギの白き雷と鉤爪の形を成した小太郎の気弾をヘルマンに放ったが、またもやヘルマンに直撃する前に消えてしまった。
ネギの魔法と小太郎の技が消えてしまったのと同時にアスナもまたもや苦しそうな悲鳴を上げだした。
先程から自分達の魔法が全くと言って効かないのを何故だと不思議がっているとヘルマンが
「行き成りではあるが、ネギ君はマジックキャンセルと言うのはご存じかね?魔法無効化能力と言う奴だよ」
と行き成り説明し始めた。なぜ行き成り魔法無効化能力の話をし始めたのか、それは…
「この魔法無効化能力…それは希少かつ危険な能力なのだよ。何故なら魔法の力をなんでも無力化してしまうのだからね。そんな力を何故か神楽坂明日菜嬢が持って居ると言うのは私自身も驚きを隠せなかったよ。まぁその能力を今私が利用させてもらっているのだけどね」
今迄ネギ達の魔法が無効化されているのは、アスナの魔法無効化能力をヘルマンが利用してる言うのなら合点はいく。
「カモ君…」
「兄貴、姐さんの力はアーティファクトの力だけじゃ無かったと言うわけですね」
思えばアスナの力はまだ分かっていない所が多い。それどころかネギ自身アスナの全てを知っているわけはないのだ。
しかし今はそんな事は如何でもいい。要するに今のネギが魔法の矢や白き雷に雷の暴風なんて魔法を使ってもヘルマンには無効化されるどころかアスナを苦しませる一方である。これではやたらめたらに魔法を使う事が出来ないという事だ。
「し…心配しないでネギ。あッアタシは全然平気だから…さっさとこのエロジジィを倒しちゃって…!」
心配しない様に振舞おうとするアスナだが、やはり苦しそうだ。とカモはアスナの首に巻かれるペンダントを見た。
(!兄貴、姐さんの首に巻かれてるペンダント。若しかしなくてもあのペンダントがあのおっさんが姐さんの力を使うマジックアイテムですよ。俺があのペンダントを奪ってきますから、兄貴はおっさんの気を引いといてください!)
それだけ言うとカモはアスナの元へ駆けて行った。カモだけに任せるにも不安があるが、今はカモに任せるしかない。
「さて私には放出系統の技や術が使えないという事が分かったはずだ。なら諦めて男らしく…拳で語り合おうじゃないか」
ヘルマンが素早いフットワークで接近して、間合いから悪魔パンチを放ってきた。
ネギは焦り始めていた。ネギは以前の戦闘タイプは魔法使い寄りであった為に、格闘戦術に対しては最近古菲に習った中国拳法があるが、ヘルマンに対して有効かと言えば難しいだろう。
それにネギは子供に対してヘルマンは大人だ。パワーもスピードもリーチもヘルマンの方が上だ。それもあるせいかネギは焦っていたのであった。
「(早くこのかさん達やアスナさんを助けないと…)うぐッ!?」
「戦いの最中に考え事なんて、ナンセンスだよネギ君」
「ネギ!」
ネギの隙をついてヘルマンがネギの顔面を強打した。脳を揺さぶられたのかフラフラと膝をついてしまうネギ。
「ネギ…このぉおっさん!ネギだけじゃく、俺がいる事も忘れんじゃないで!!」
ネギが暫くの間動けないと判断した小太郎は両手に気を集中させてヘルマンにラッシュをかけた。が、小太郎のラッシュは全てヘルマンに防がれてしまった。
「小太郎君、君の力は素晴らしい。だが私自身興味を持っているのはネギ君ただ1人…所詮君は前座でしかないのだよ!」
ドスッ!とへルマンのパンチが小太郎のボディーにもろにヒットした。
余りの威力に小太郎は口から胃液などの吐瀉物を吐き出しながらのたうちまわった。
ネギと小太郎が一方的にやられているのを見て、のどかや夕映は思わず目をそらしてしまった。
アスナもこのままネギと小太郎がやられていくのをただ見てるしか出来ないと思うと悔しく思っていると足下から姐さん!と呼ぶ小声が聞こえ、下を見下ろすとカモの姿があった。
「カモ!」
アスナはカモが自分を助けに来たことに大声を上げそうになったが、カモに静かにとジャスチャーされた。
「大きい声を出さないでくだせえ、今俺っちが姐さんの首に巻かれているネックレスを外します!そうすれば姐さんも自由になるでさ」
カモがアスナの首もとまで登りネックレスを外そうとするが、ネックレスの紐がチェーンと成っておりオコジョのカモではなかなか外す事は出来なかった。
最終手段として歯で噛みきろうとしたが、カモの体に触手が巻き付いた。
「余計な真似はしないでくださいねー」
カモがネックレスを外そうとしているのをみたあめ子が、自身の腕を触手のようにして捕まえたのだ。
「うお!?クソ離しやがれ!」
「カモ!」
カモはあめ子の拘束から逃れようとしたが、抵抗虚しくカモもこのか達が入っている水牢の中へ入れられてしまい、唯一動けたカモも囚われの身となってしまった。
「しっかしよぉ、あのネギって奴はもうダメかもな。小太郎ってガキも」
「ちょっともったいないですけどねぇ」
とすらむぃとあめ子がそんなことを言っていた。
「どういう事ですか!?」
夕映はすらむぃとあめ子が言った意味を聞くと、すらむぃとあめ子の変わりにぷりんが
「…調査の結果がどうであれ、ネギ・スプリングフィールドは暫く戦えないようにしておけと言う命令が出てる…だけどへルマン様が使用する石化の魔法は強力…」
「まぁ下手したら片足か片腕は、永久石化かもしれねぇな」
クククとすらむぃが笑みを浮かべながらそう言っていた。
このか達は6年前のネギとマギが住んでいる村が悪魔に襲撃されて、村の人達が石になってしまったのと、足が石になってしまい砕けてしまったネカネを思い出していた。
「てかマギさん、マギさんはどうしたんさね!?」
和美は思わず口調が荒くなりながらも、此処にはいないマギの事を言った。
マギが助太刀してくれればわけないのだが…
「あいにくだがマギ・スプリングフィールドは私らの仲間の1人が相手してるようでね、お前らを助けてる暇はないそうだぜ」
先程自分達の仲間の女から、マギと交戦中という念話があった。それと迷子になっていた末っ子のスライム娘も発見したそうだ。
その念話を聞いたすらむぃは苦虫を噛み潰した顔になった。
自分達の仲間である女は心底自分達の妹を毛嫌いしていた。
出生があれと言うことで毛嫌いしているというのは、分からなくもない。だが今は出生がどうであれ今は仲間でもあるのだ。
話はネギと小太郎対へルマンの場面に戻るが、ネギと小太郎がボロボロに対してへルマンは殆ど無傷であった。
そんなへルマンの表情は落胆や失望の表情が現れていた。
「もう終わりかねネギ君?もう少し出来ると思っていたが…些か残念だよ」
フゥと溜め息を吐いたへルマンが、ボロボロになっているネギを見下ろしてそう呟いた。
「何を…まだいける小太郎君!?」
「おお全然大丈夫や!」
ボロボロになりながらも尚もヘルマンに挑むネギと小太郎だが、あっさりとやられてしまい小太郎も殴り飛ばされて壁に強打してしまった。
「いや違うな…私が思うにネギ君、君はまだ『本気』で戦っていないね」
とネギが本気で戦っていないと断言するヘルマン。
「なッ何を言ってるんですか!?僕は本気で戦っています!」
ヘルマンに断言させられ、ネギは自分は本気で戦っているとそう言いかえしたが
「そうかね?君と拳を交わしたが、君は戦いに向いてい無いようだ。君の父親とまるで正反対だ」
まったくの期待はずれだよ。へルマンはネギに歩み寄りながらそう言った。
「問おうネギ君、君は何のために戦っているのかね?」
「な…なんのためって…」
へルマンに何のために戦っているのかと問われて、ネギは返答に戸惑った。
大切な人を護るためと答えようとした。だがしかし
「…大切な人を護るという考えならこう言わせてもらうよ…実にくだらない」
へルマンはネギがそう答える事を読んでおり、ネギの戦う目的をくだらないと否定しながら、へルマンは倒れている小太郎を指差した。
「小太郎君をみたまえ、実に楽しそうに戦っている。戦う理由は本来自分自身を強くする事が目的とされているものだよ」
そしてへルマンはネギに自分の何のために戦うのかという考えを話始めた。
「怒り憎しみ、復讐心それら負の感情は特にいい。どんな者でも全力で戦える…あるいは健全な強くなる喜びでもいい。そうでなくては戦いは面白くない」
「ぼッ僕は戦いを面白いとは思いません…!戦いなんて辛くて痛いだけです」
ネギはへルマンの力説を否定した。ネギ自身強くなる目的はアスナ達を護るため。出来れば話し合いで解決できるならそれがいいとも考えている。
へルマンはフム…と呟くと
「ネギ君、やはり君は優しい。だがその優しさが君の本当の力を封じ込めているのなら…実につまらん。誰かを護ろうとする義務感を糧にしても決して強くはなれないぞ」
いやそれとも…ヘルマンが次に言った事にネギは固まってしまう。
「君が戦うのは
「……え?なッ何故貴方がそれを知ってるんですか?」
雪の夜それは間違いなくあの村の悲劇だろう。あの悲劇を知ってるのは自分やマギそして此処に居るアスナ達だけだ。
へルマンが言ったことでネギは呼吸が荒くなり、心臓が締め付けられそうになった。冷や汗も止まらなくなりこれ以上へルマンの話を聞いてはいけない気がした。
「何故私がその事を知っているのか、そんな顔をしているね…ならこれならどうかね?」
へルマンはかぶっている帽子を脱ぐと、一度帽子で自分の顔を隠しネギに見せないようにした。
次にネギに自身の顔を見せたときはへルマンは人間の顔ではなかった。ネギはへルマンの顔を見て顔から血の気が引いて顔面が蒼白になってしまった。
アスナやこのか達も人間の顔ではないへルマンの顔を見て驚きを隠せなかった。何故なら……
「いやぁやっぱりネギ君は驚くのも無理はないかね。今時の若者達に、
へルマンの顔がネギの村を襲い、スタンによって瓶に封印されたあの悪魔であった。
驚いたかね?とへルマンは悪魔の顔から人間の顔に戻すと
「あの村を襲った時、私はごくわずかに召喚された上位悪魔の1人でね。いやはや、村を壊滅させたあと一歩の所をあの老人の魔法使いにしてやられたよ。どうだいネギ君…自分の為に戦おうと思ったかね?」
へルマンが帽子をかぶり直したその時
ゴオオオオオオォォォォォ!!
突如ネギの周りで膨大な魔力が渦を巻いていた。
ネギの膨大な魔力を見てカモはマズイ!と慌て出す。カモの慌てかたが尋常ではなかったのでどうしたのかとこのか達が聞いてみると
「ありゃ魔力の
「オーバードライブ!?」
「あぁ兄貴の魔力は尋常じゃないんでさ!それが何かのきっかけで一気に開放されたら凄いパワーを発揮できる…がまだ兄貴は修行不足でそんな魔力を制御するのは不可能に近いんでさ!まさかあのおっさん、兄貴を暴走させるために兄貴を挑発したんじゃ…!」
暴走は文字通り理性が飛んでしまうのだ。そんな状態で戦っても最悪ヘルマンにやられてお終いだ。カモやこのかが兄貴!やネギ君!と大声で呼びかけてもネギは何も反応を見せなかった。
「駄目やネギ!怒りに呑まれるんなんて…そんな強さと何も関係ないで!!」
小太郎はネギに近づこうとしたが、ネギの魔力の渦に吹きとばされてしまい近づけないでいた。
「さぁネギ君!怒りによって解放された君の力を見せてくれ!!」
「うう…ああああああああッ!!」
ヘルマンが両手を広げながら言うと、ネギは更に魔力の渦を大きくしステージの石ブロックを吹き飛ばして行った。
「ネギ!ネギィ!!」
アスナの声も届かないのか魔力の渦でネギは尚を叫んでいた。
「あああああああああッ!!」
ネギは怒りで我を忘れ魔力がこれ以上かと爆発寸前となり、ネギは拳を振り上げた。来るか…とヘルマンが構えていつでも動ける様にした。
アスナ達がネギの名を叫び続けているが、ネギは振り上げた拳を…
バキィッ!!
…ネギ自身の頬にめり込ませて
『…はッ?』
「なに…!?」
アスナや小太郎にカモやこのか達、そして敵でもあるヘルマンはネギが行き成り自分の頬に拳をめり込むなんて奇行に思わず唖然としてしまった。
自分自身に良い一発を決めたネギはそのままフラフラとふらつきながら倒れそうになるが、ダン!と足に力を入れ踏ん張った。
「…ふうッ!」
顔を上げたネギは、先程の怒りで我を忘れていた状態ではなく意識がハッキリとしていた。
「まさか…辛うじて残っていた理性で怒りを抑え込んだのかネギ君…」
「危なかった…危うく怒りに飲み込まれる所だった」
ネギがふぅと息を吐きながらそう呟いた。
「ネギお前大丈夫なんか!?」
小太郎がネギの元へ駆け付けネギに大丈夫なのかと言ってみると
「小太郎君、うんもう大丈夫だよ」
ネギ自身もう大丈夫だとそう答えた。
「でもネギ、お前なんで元に戻れたんや?さっきのお前キレてヤバそうになってたし」
小太郎もネギが自分自身を殴るなんて奇行に走った事に驚いていたがネギは
「前にお兄ちゃんが言ってたんだ。『いいかネギ、どんな事があっても怒りに呑まれるな。どんな時でも頭は冷たくクールに心は熱くヒートに』って…さっきは頭の中が真っ白になって怒りに我を忘れかけちゃったけど、お兄ちゃんの言ってた事を思い出して何とか目を覚ましたんだよ」
だからもう我を忘れる事は無いとネギは断言した。
怒りに呑まれネギ本来の力を見る事が出来ると思ったヘルマンは
「いやはや残念だ。理性で本来の力を封じ込めるなんて…つまらないなネギ君!!」
ヘルマンは魔力を充満させながら拳を構えた。
「何とでも言ってください。ですがこれだけは言って置きます…大切な人を護る力はくだらなくありません!行くよ小太郎君!!」
「おお!やってやろうやないか!!」
ネギは再度戦いの歌を発動し、小太郎は拳に気を集中しヘルマンとラッシュの殴り合いを行った。ヘルマンは思った…理性で力を封じ込めたネギに自分が負けるわけがないと。だが…
(!私が押されている!?ネギ君、先程よりも力が増している、何故だ!?)
ネギの力が先程戦ったよりも増しており、ヘルマンが徐々に押されていった。
「何故だネギ君、君の何故これほどの力が!?」
ヘルマンはネギと小太郎の猛攻を防ぎながら何故と尋ねた。ネギはエヘヘと笑いながら
「貴方とは本気で戦わないといけないと思ったら…色々と吹っ切れました!!」
そしてヘルマンに双撞掌を喰らわせ、ヘルマンを吹っ飛ばした。
「ゴフッ!これが迷いを捨てたネギ君の力か…素晴らしい、素晴らしいぞネギ君!私はそんな君と戦って見たかったのだ!!」
ヘルマンは自分の方が不利だと分かっていながらも迷いを捨てたネギを見て嬉しく思っていた。
ヘルマンの旗色が悪いと感じ取ったすらむぃあめ子ぷりんは、ヘルマンの加勢に向かおうとするが、このか達が捕らわれている水牢が眩い光で包まれていた。
「なッなんだ!?」
すらむぃは何事かと水牢を見てみると水牢が徐々に崩れ出していた。
「あのガキ共何かやりやがったな!今すぐ止めろ!」
「駄目です間に合いません!」
すらむぃとあめ子が止めようとしたが間に合わず、このか達が水牢から脱出したのだ。実はこのかはネギから借りた初心者用の杖を持っており、すらむぃ達にばれない様に火を灯す魔法を唱え続けていたのだ。
そして何度か詠唱をこのか達が唱え続けていると杖の先から火種が出てきて、このかの魔力で火からたちまち巨大な炎へと変わり水牢を破壊したのだ。
すぐさまこのかは魔法の杖で刹那の水牢を古菲は千鶴の水牢を崩拳でそれぞれ破壊した。のどかと夕映が放置されていた封印の瓶の回収。
そして和美がアスナの元へ駆け付け
「お待たせアスナ!」
「朝倉!!」
アスナの首に巻かれたペンダントのチェーンを思い切り引きちぎった。これでもうヘルマンが魔法無力化能力の力を利用する事は出来なくなったのだ。
「くそッ!これ以上余計な真似はさせねぇぜ!!」
すらむぃ達がアスナ達を取り押さえようとするが、のどかと夕映が立ちはだかる。手には封印の瓶を持っていた。
「いくですよのどか!」
「うん!」
「「封印の瓶!」」
のどかと夕映が封印の瓶の呪文を唱えると、瓶の蓋が開きすらむぃあめ子ぷりんを吸い込み始めた。
「いやぁぁぁん!吸い込まれるぅ!!」
「ちくしょう!また瓶の中かよぉ!」
「…私達は悪役、こうなるのが運命」
封印の瓶が発動したら自分達は逃げれない。すらむぃは吸い込まれながらも自分達を探しているであろう泣き虫の妹を思い浮かべていた。
無念…すらむぃ達はそう無念の念を思いながら瓶に封印されてしまった。
これで圧倒的にヘルマンが不利になってしまった。
「へへッ…漸くこれで本気が出せるってもんやで!」
小太郎はアスナのペンダントの力によって本気が出せなかったが、これで本気が出せるとボッ!と体に気のオーラを纏った。
ヤル気十分な小太郎にネギが
「小太郎君頼みがあるんだ、とっておきの技があるんだけど前衛を頼めるかな?」
「あぁ?此処まで来たら俺一人でもブッ飛ばせるかもしれへんのに…」
「あの人が僕とお兄ちゃんのそして村の仇の一人であるのなら、僕はあの人を今は一人で倒さなきゃいけないんだ」
「…分かったで、締めはお前に譲る。絶対におっさんを倒せよな!!」
小太郎は分身を使ってヘルマンを翻弄する。
「どきたまえ小太郎君!私の狙いはネギ君なのだよ!!」
ヘルマンは分身ごと小太郎を蹴散らした…かに思えたがヘルマンの足元に、爪に気を集中していた小太郎が
「残念やなおっさん、俺が本体や!!」
気によって強化された爪を振り上げ、ヘルマンの体を大きく斬りつけた。
「ぐお…ッ!?ゴフ…!」
ネギと小太郎に対して圧倒的な力を見せつけていたヘルマンが、呻き声をあげながら膝を着いた。
「ネギ!」
後はお前に任せたで!小太郎の目がネギにそう言っているようだった。ネギは頷くと
「魔法の射手 雷の一矢 攉打頂肘!!」
雷の魔法の矢を織り交ぜた攉打頂肘をお見舞いする。だがこれは連撃の一つでしかない。
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル 来たれ虚空の雷 薙ぎ払え」
ネギがエヴァンジェリンの別荘にてボロボロになりながらも習得した…
「ぬ!ぐぅぅ…!!」
ヘルマンは人の姿から悪魔の姿に戻ろうとしたが時既に遅し
「雷の斧!!」
エヴァンジェリンに教えて貰った雷の斧が、ヘルマンの体を真っ二つに斬り裂いてしまった……
次回はマギがほぼオンリです