これからもよろしくお願いします
麻帆良武道大会が賑わいを見せてる中、大会の外、主に魔法先生や魔法生徒はと言うと……
「うはぁ。これ大丈夫かな」
魔法先生の1人、瀬流彦先生は超の提供で放映されている、武道大会のハイライトを見て苦笑いを浮かべている。
今流れているハイライトはネギとタカミチの試合。白熱した戦いが映像で流れている。
「高畑先生。結構本気出してるなぁ。偵察で行ったはずだったのに」
「いやいや、これは男として仕方ないよ。ネギ君こんなに強いとはねー。僕も戦ってみたくなっちゃたよ」
瀬流彦先生と一緒に映像を見ている明石先生。彼は裕奈の父であり、魔法先生でもある。
そして次に流れたのは、マギと楓の試合である。マギが浮遊術で空を飛びながら、分身している楓に居合拳を連発してる。
「まったくマギ先生は……どうしてこう派手にやっているんだ。これが魔法の漏洩に繋がったら……」
マギの試合を見て、ブツクサと呟いているガンドルフィーニ先生。
「でもこれ、大丈夫なんですかね」
「大会自体は学園長も容認しています。コレぐらいの画像映像の流出は問題ないかと」
明石先生の問いに問題ないと答える葛葉刀子先生。
(しかし掲示板に「魔法」の言葉が異様に多いように感じる。危険と言うほどではないが、主催者は超鈴音、用心に越したことはないな)
「一応学園長にも報告しよう。偵察を増やした方がいいかもね」
明石先生は偵察を増やす事を提案する。マギやネギが知らない間に魔法使い達は動きを見せ始めた。
「おう千雨」
「あっマギ先生」
次はマギと高音の試合だが、まだ試合まで時間があったのでてきとうにぶらついていたら、千雨と会った。
「どうだ?楽しんでるか?」
「まぁそれなりに。時折変な演出があって、やらせかよって思いますけど」
千雨はマギ達の魔法を、全て演出だと思っているようだ。千雨は現実主義な所があり、この麻帆良祭のやり過ぎとも言える演出があまり好きではない。
「まっそれなりか」
「えぇ。あぁあと、マギ先生に気になる事があったので聞きたいと思ってたんですけど……魔法って言葉に聞き覚えがありますか?」
千雨にばれないようにピクリと反応するマギ。
「魔法?魔法がどうかしたのか?」
知らないふりをして、千雨に聞いてみるマギ。
「いえ1週間前から学園の都市伝説系の掲示板で色々と騒がれているんですよ」
そう言って千雨がマギに『麻帆良学園都市伝説』と言ったサイトを見せてみた。
そこには色々な都市伝説が書かれていた。
・3-Aに出てくる女子の幽霊
・桜通りの吸血鬼騒動
・図書館島の地下に巨大なドラゴン
・ピンチになると現れる『魔法少女』や『魔法おじさん』
などなど
(うわぁお……殆どと言うか全部知ってるんだが)
女子の幽霊はさよで、吸血鬼はエヴァンジェリンだ。
ドラゴンにも会ったことがあるし、魔法生徒や魔法先生であることは確実だ。
「まぁ私はごく普通の常識人なので、こういった類の噂話は信じていません」
ところがと間を開けてから再度サイトを見せる千雨。
「この大会が余りに非常識な事が起こってるので、ネットを調べてみたら魔法の単語がぞろぞろと出てくるんですよ」
掲示板には魔法来たー!やら魔法だと言った一言が多く出てきた。
「この学園、よくよく考えてみると可笑しい事だらけなんですよ。ネギ先生と初めて学園に着た時、あの巨大な世界樹と呼ばれる樹を」
「まぁデカイよな。俺も最初に思った事はマジかって感じだったし」
さらに千雨は樹高が270mある事を教え、更に光るのに外部からは取材などは全く来ない。学園に居る者達も別に気にも留めない事に可笑しいと言う。
それはここの魔法使い達が認識阻害魔法で特に気にしないように仕向け、外部には漏れないように徹底しているのだ。
だが、中には千雨の様に阻害魔法が余り効かずに「この場所はどこかおかしい』と思う人間も出てくる。
「だから魔法と言うのもあながち間違いじゃないか……なんてそんな事思ったんですけど、そんな事無いですよね!アハハハ」
誤魔化す様に、頭を掻きながら笑う千雨。
「でもそうとも言い切れないんです。ここ最近、掲示板には魔法の単語が後を絶たなく出ています。まるで誰かが魔法を広めようとしてる。少なくとも私はそう見ます」
掲示板を見ながら千雨は言う。マギは腕を組みながら、千雨に問いかける。
「なぁ千雨、お前はどうしてそこまで魔法とかを言い方が失礼だが毛嫌いするんだ?普通だったら魔法とかを面白そうだと思って見ると思うんだが」
「別に私は毛嫌いはしてませんよ。ただ現実と妄想を混ぜるのが嫌なだけです。疲れるじゃないですか。私は何もない平穏な毎日を送りたいんです」
遠くを見ながら呟く千雨。3-Aの騒ぎに基本我関せずのスタイルの千雨。最近は偶に参加するようになったが、それでも少し離れて騒いでいる光景を見ている方が多い。
マギは思い切って尋ねる事にした。
「千雨、若しもだが魔法が本当にあったとして、お前の現実の世界に入り込もうとしたらどうする?」
「……徹底的に抵抗しますよ。魔法なんて有るはずない。下らない妄想が私の世界に入るなって」
「そうか。仮に親しい友人とかが魔法は面白いものだと言って誘ってきたら?」
「それでも拒否します。友人だからと言ってなんでも流されるのは、私は嫌ですから。でっでも、もしマギさんに誘われたら、考えちゃうかも……」
「ん?最後の方なんて言ったんだ?」
「なっなんでもないです!」
最期の方を呟いた千雨は大声を出して誤魔化した。
首を傾げるマギだが、まぁいいかと深く考えなかった。
「千雨の考えが良く分かった。だったら俺は、お前が平穏な毎日を過ごせるように手助けする」
「手助けですか?」
「あぁ。千雨の言う通り、友達だからって合わせていたら、疲れちまうからな。だからお前が無理しないように手助けするし、もし自分が望んでないものが自分に入ったら、直ぐにでも取り出して何時もの平穏な毎日を過ごせるようにするさ。先生だからな」
「そっそうですか……」
笑いかけるマギに、千雨は顔を赤くしながらそっぽを向いた。
「んじゃそろそろ時間だから、戻る事にするわ」
「あ、頑張ってください」
マギはネギ達が居る場所へと戻って行った。