仕事&新たに打っていた小説その他諸々……
今更ですが、更にクオリティが下がってしまいました。
「ぶっ潰す……!」
「おいおい、それって闇の魔法かよ。エヴァの奴、俺の息子になんて魔法を教えたんだよ」
怒りで息が荒く、猛獣のように四つん這いになっている、紅蓮夜叉状態のマギ。
そんなマギを見て、冷や汗を流しているナギ。余りの緊迫状態に、観客の皆は黙っていた。
「がぁっ!!」
魔力を爆発させ、ナギに一気に近づくマギ。ナギは拳を構える。
マギは拳を振り下ろそうとした瞬間、マギの姿がぶれる。
「は?」
ナギは間抜けな声が漏れるが、次の瞬間ナギの背後にマギが現れた。
『おおっと!マギ選手消えたと思ったら、クウネル選手の背後に回っていた!』
ナギが背後に回った瞬間、またマギの体がぶれ、今度はナギの頭上に。
さらに右に左にと爆発的な瞬動術で分身ではなく、高速な動きでマギが何人でも増える。
まるで残像拳だと観客のあちこちから聞こえてくる。
残像を纏った攻撃がナギを襲う。ナギはマギのラッシュを防ぐ。
「つつ。結構痛ぇじゃねぇか。強く育ったみたいでパパは嬉しいぜ!」
「黙れ!今更父親面するんじゃねぇ!!」
ナギの反撃を受け止め、殴り返すマギ。しかしそれを躱すナギ。
後方へ下がったナギを追撃し、また激しい攻防戦が繰り広げられる。
拳と拳、蹴りと蹴りがぶつかり合い、衝撃波が響く。
『まるでドラゴンボールの様なバトルの光景だぁ!と言うか私ここに居て危なくはないのでしょうか!?』
和美は衝撃波に襲われながらも実況を続ける。
「なぁマギ!全然見ない間に随分デカくなったなぁ!今まで何があったのかパパに話してくれないか!?」
「だから黙れって言ってるだろうが!!テメェと語る口何か持ち合わせていねぇ!!」
マギの怒りに反応しているのか、夜叉紅蓮の赤髪が少しづつ伸びてきている。
それを見てエヴァンジェリンは冷や汗を流す。
(ヤバいな。怒れとは言ったが少しづつ怒りに呑まれかけている。クウネルの奴、後先考えずにナギになった報いだが、暴走しそうになったら私が止めるしかないな)
「テメェが居なかった間に俺とネギが何があったか知ってるのか!?ネギの奴は戻って来るか分からねぇテメェを待ってくだらねぇイタズラを挙句には湖にわざと溺れたりしてなぁ!幼かったネギの想いなんか知らなかったよなぁ!テメェはその時そこに居なかったからなぁ!」
無詠唱で魔法の矢を放つ。その数は100を超える。マギの攻撃をナギは黙って受けていた。
「アイツは少しでもテメェに追いつこうと年不相応な無茶をし続けた。アイツはアンタと同じで天才肌だからな。だけどな、そんなアイツに大人げなく嫉妬する輩がいた。俺はネギを護ろうとして、アイツの害になりそうなことを全部俺が受け止めていた。けどな、受け続けて段々と俺も心に余裕がなくなってきた。苦しくて、辛くて、ネカネ姉やおじさんに相談しようと思った。けど2人に心配をかけては駄目だって子供の頃そう思った」
「いけない事だと言うのは承知してた。けど段々と俺はネギが憎くなってきた。元はと言えばクソ親父が俺達の目の前からいなくなって、ネギが無理して努力してそれを護ってが嫌になってきた……何で俺がこんな事しなきゃいけないんだって思うようになってきた!気がつけば俺はネギに対して無関心を装うようになってきた!」
段々と魔力が膨れ上がって来るマギ。それにつられ、夜叉紅蓮の赤髪が段々と伸び始め、体の色もだんだんと黒に染まってきた。
「あいつが死にそうになった時は心臓が止まりそうになった!なのにアンタは戻ってくることは無かった!ネギの奴は分からねぇが、俺は英雄であるアンタなんかどうでもよかった!」
「他の父親みたいに、子供の成長をちゃんと見ていて!一緒に飯食って!今日何があったのかって他愛のない話をして!」
黒き翼を無詠唱で出すマギ。だがそれは黒鳥の翼ではなく、悪魔の様な羽であった。
断罪の剣でナギを斬りつけようとする。ナギは黙ってマギの攻撃を防ぐだけだった。
「何処かへ出かけて、色々な思い出を作りたいと思った!俺は……俺はどこにでもいるような普通の家族の思い出を作りたかった!!なんでっなんでテメェの息子だからってこんな思いをしなければいけないんだよ!!」
マギはナギを上空へと蹴り上げた。
一瞬で100m程飛んで行ったナギを観客席の観客そして3-Aの生徒達はあんぐりと見ていた。
マギは自分の口に魔力の塊を集める。それにつれて、マギの顔に黒いうろこ状のものが浮かび上がる。
(不味い……!)
流石にこれ以上は不味いと判断したエヴァンジェリンだが、一足遅かった。
「……何とか言えよクソ親父ィッ!!!!」
マギの口からまるで龍の咆哮のように魔力の塊が発射された。
魔力の塊はナギに直撃すると、轟音と爆発が会場を襲った。
悲鳴を上げる観客もいれば、パニックになり会場を出ようとする者もでてきた。
『皆さん!落ち着いてください!これはパフォーマンスであって危険な事はありません!かえってパニックなってしまった方が危ないです!どうか席を立たないでください!!(とか言ってみるけど、これ絶対ヤバい感じだよね……マギさんも何かどんどんと人外みたいな見た目になってるし……)」
和美は実況者として、何とか観客達を落ち着かせようと試みるが、マギがどんどんと異形の姿へと変わっていくのを見て、戦慄を覚えていた。
爆発と煙が晴れると、ナギは無傷だった。服に多少の焦げが見られるが、たったそれだけの被害しか見られない。
これだけの攻撃をしてもまだ自分はナギに届いていないと実感すると、マギは拳を強く握りしめる。
「クソ……クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソォォォォォォッ!!!」
普通の人が認識できるほどの濃くて強い魔力のオーラを出すマギ。それを見てもナギは黙ったままだ。
「何とか言えよクソ親父ィッ!!」
マギの右ストレートが、ナギの右頬に抉るように入った。
右ストレートが入っても、ナギは少々困ったような。よく子供に怒られ、申し訳なさそうな笑みを自分の息子へ浮かべていた。
「……何か、何とか言ってくれよ……”父さん”」
クソ親父ではなく、父さんとナギをそう呼んだマギ。
遂には大粒の涙を浮かびあげ、膝から崩れ落ちた。
崩れ落ちたのと同時に夜叉紅蓮が解除され、上半身裸の普通のマギへと戻った。
マギの涙を今まで見た事のない3-Aの生徒達は何というか居た堪れない気持ちへとなってしまった。
ナギは頭を数回掻いた後、少々唸った後
「あー……えと……そのなんだ……すまなかった。お前に辛い思いをさせちまっていたって事か。俺の息子だって事でな……テメェの息子の気持ちを理解できないなんて、父親失敗だな」
マギに謝ったナギは和美の方を向く。
「あ~そこの嬢ちゃん、この勝負だけどさ……俺の負けでいいわ。自分の息子の気持ちを踏みにじった俺に勝つ資格はないからよ」
『くっクウネル選手!自らギブアップ宣言!これにより、この試合勝者はマギ・スプリングフィールド選手です!』
歓声も無く拍手も無く、静かに試合は終わった。マギの溜めに溜めていた心の中の叫びを聞き、スプリングフィールド家の家事情を聞いたからだろう。
「あー立てるかマギ?それとまぁ何かわりぃなこんな父親でよ」
「手なんか貸してもらわなくても立てるっつーの。本物じゃなくてもクソ親父を1発殴れたんだ。今はよしとしてやるよ」
手を伸ばしてきたナギの手を払いのけて立ち上がる。そう言えば結構いい加減な父親だったなと今更思い出すマギ。
自分の今迄の想いもナギに届いたと思うが、こういう輩反省しても結局ケロッとしているものだ。
とナギはジロジロとマギを見ている。
「……なんだよ」
「いやぁ試合やってて気が付かなかったけど、結構お前背があるんだな。下手したら俺よりもでっかいかもな」
自分の背と息子の背を比べて嬉しそうに笑っている。
「気安く近づくな。俺はまだテメェの事を許してないんだから」
「はは。そっか……そう言えばマギが居るんだったら、ネギの奴もいるのか?せっかくだから一目見たいんだけどな」
「ネギならあそこに居るぜ。ほら」
親指でクイッと指差すマギ。ネギが出ていいのか悪いのか、戸惑っていた。
「おぉお前がネギかぁ。マギとは違って随分真面目そうな奴だなぁ。真面目な所は母さんにそっくりかもな」
「ほぉんじゃ俺はアンタ似ってわけかクソ親父?」
ナギを睨みつけるマギ。睨まれてもナギはかんらかんらと笑っている。さっきまでの殺し合いになりそうだった殺伐とした雰囲気はどこへ行ったのだろうか……すっかり置いてけぼりな観客達である。
「とっ父さん!!」
ナギに向かって駆け出すネギ。その目には涙を浮かべている。
ナギは両手を広げてネギを抱きしめよう―――――とはせずにでこピンでネギを吹っ飛ばした。
「父さん!?」
「ハハハ。何ビービー泣いてんだ?男だったらそんな簡単に泣くんじゃねえよ」
「その泣いた原因の半分以上がアンタなんだけどな」
「マジか」
「……やれやれだぜ」
ナギの言った事に呆れながらツッコミを入れるマギ。
笑い飛ばすナギはネギの頭に手を置き、くしゃくしゃと撫でまわした。
「不思議なもんだな。俺の意識上じゃまだ生まれてないのな。随分と大きくなったもんだな。んー……まぁこうして俺が出て来たっていう事は、もう俺は死んだっつーことになるんだよな。悪りぃな。お前らに何もしてやれなくて……マギの言う通り、俺は家族サービスを碌に出来なかった馬鹿な親父だよ」
自嘲気味に笑うナギ。
「こんな事言えた義理じゃねぇがな、これからも元気に育てよ。じゃあな」
「待ってください!父さんとはまだ話したい事が沢山あるんです!それに、父さんは生きてるんです!」
「6年前の雪の日に俺とネギはアンタに助けてもらったんだよ。だからアンタは死んでねぇ」
「何?」
「ナギ!」
まだ話したりない所だったが、エヴァンジェリンが割って入ってきた。
「エヴァ」
「師匠」
「へ?師匠?へぇ~ほぉ~」
「うるさい黙れ。時間の問題だ」
ナギの反応にエヴァンジェリンは若干イラッとし始める。
「呪いの事とか色々と言いたい事があるが、今はいい。幻影に言ってもしょうがないからな」
「呪い?……あぁ呪いってあの呪いな!あれすごく気になったんだけど、俺ちゃんと呪い解いたのか?」
「ふん!お前がいくら待っても来なかったからな、マギに解いてもらったわ」
「マジ?あれ結構適当にやった呪いなんだけど、よく解けたな」
「アンタのいい加減な呪いのせいで、俺は死にそうになったけどな」
「いやぁ呪いを解くとは、流石は俺の息子だな」
「だから気安く近づくなって言ってんだろうが」
ナギはマギの肩を叩きながら褒めるが、マギは舌打ちをしながらナギから離れようとする。
「それともう一つ、ナギお前に伝えることがある。私はもうお前なんか好きでもなんでもない。待ってても何時まで経っても戻ってこないお前なんか願い下げだ。今はもう……他に気になる奴がいるからな」
そう言ってエヴァンジェリンはチラチラとマギを見ていた。ナギはほほぉとニヤリとマギに笑いかけた。
「……なんだよ」
「いやぁ、お前も大変なお姫様に気に入られちまったな。まぁそう言う所も俺に似てるって感じか?」
「うっせー」
とナギの足元から光始めた。どうやら時間切れの様だ。
エヴァンジェリンは一筋の涙を流す。幻影と言っても初恋の男に漸くあったのにまた直ぐに別れなければいけない。
マギは黙ってエヴァンジェリンの頭を撫でた。
「ネギ。お前が今までどう生きて、お前に何があったのか……俺のその後に何があったのか、幻に過ぎない今の俺にはわからない」
けどなとニヤリと笑うナギ
「この若くして英雄となった、偉大かつ超クールな天才&最強無敵のお父様に憧れる気持ちは分かるが、俺の跡を追うのはそこそこにして止めておけよ」
「ぷっ」
「何がお父様だよ。育児放棄をしたクソ親父だろうが」
「まっこういうことになる。家族との大切な時間を潰すような駄目な親父になるなって事さ。いいか!ネギ、お前はお前自身になりな……マギの方はもう分かってるみたいだけどな」
「テメェみたいなクソ親父になるつもりは毛頭ねぇよ。テメェの生き方はテメェで決めるさ」
マギの答えに満足したのか、じゃあなとナギはマギ達に行った後に光に包まれた。
光が晴れると、ナギからクウネルに戻っていた。
「如何でした?満足できましたか?」
「あぁクソッタレな遺言だったよ」
にこやかに笑っているクウネルに対してそう返すマギ。
「……父さん」
ネギは我慢していた涙がまた溢れ出して、ボロボロとこぼれ出す。
マギは黙ってネギを抱きしめると、優しくネギの背中を撫でた。
「ねぇ可笑しくない?さっきまでおとうさんと話してたのにまた泣いてるよネギ君。何かもう会えない感じだし、もしかしてあのクウネルって人、ネギ先生のお父さんじゃあないのかな?」
観客や3-Aの生徒達はそう話していた。
がそんな話は直ぐに消える。
「ぐっ……がぁぁぁぁぁッ!!!」
ネギを抱きしめていたマギが呻き声を出しながらのた打ち回った。
「お兄ちゃん!?」
「ちょ!マギ先生大丈夫なの!?」
ネギや和美は驚いてマギに大丈夫かと問いかける。
「無理もない。怒りで闇の魔法を発動させたんだ。今マギの体にはかなりの負荷がかかってる。正直私は決勝戦は坊やの不戦勝にした方がいいと思っている」
「……大丈夫だエヴァ。ちょっと休めばすぐに回復するさ。折角のネギとの試合を不戦勝でネギに勝たせるのは俺も納得できないからな。そう言う事で和美、ちょっくら休憩をはさんでもいいか?」
「えっえぇいいですよ……『会場の皆さん!先程白熱とした試合を見せてくれたマギ選手ですが、どうやら無理をしてしまった様で、このままではネギ選手との試合も出来ずに、ネギ選手が不戦勝で優勝と言う形になってしまいます。これには観客の皆さんやマギ選手も納得が出来ないと思われますので、急遽1時間の休憩を挿ませて頂きます!』……一応休憩を入れましたけど、余りに酷かったらネギ先生の不戦勝にしますからね。これでイイですか?」
「あぁ悪いな」
こうしてマギとネギの決勝戦は1時間後に決行となったのであった。