大鎌使いの戦闘記録   作:不器用せー

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勢いで書いた。初投稿。感想と評価貰えると泣いて執筆頑張ります。


1戦目 相手:片手剣

闘技場。昼。と言えば背景は分かるだろう。

 

 

初手、読み合いは不要とばかりに大鎌使いは踏み込む。

 

目測25m程の距離。

 

直線で踏み込むには遠すぎる距離だと考えたのかゆらり、という擬音がつきそうな具合にジグザグと動いて接近する。

 

真正面から相対したなら混乱は必死だろう。

対する片手剣使いは剣を正眼に構え待ちの姿勢。

 

「ッシ!」

 

逆袈裟に大鎌が振るう。

 

「っ、ぜぁっ!」

 

バックステップで回避と同時に突っ込んで来た片手剣使いに対して振り切った勢いのまま回転し一撃。

 

「がぁッ」

 

喰らった。

片手剣使いは横目にHPバーを確認する。思ったよりも浅く減ったのは10分の1程度。

 

「つっても、これ以上喰らうのは回復禁止じゃキチィ……っ!」

 

「相手を見ない、お喋り…随分余裕あるね。」

 

下、切り返して上、勢いをズラして右、急静動から斜め下から。

 

「フッ…!」

 

「隙がねぇなッ」

 

素早い連撃に対して、片手剣の刀身のみならず柄まで使いながら攻撃をいなす。

 

大鎌の湾曲した刃は少しでも位置がズレれば防御の内側に入り込むので防御一つとっても神経がすり減るようであった。

 

それでも、

 

「よッいしょおっ!!」

 

一戦闘狂として、連撃を繰り出し続けられたら。

 

「うまっ!?」

 

この位はしなきゃ名折れというものだ。

 

相手の攻撃のジャストタイミングでの防御。いわゆるパリィである。

 

かち上げられた大鎌を手放さなかったのは褒められていいものだ。

 

が、小細工も無い攻めの代償はかち上げで大上段の構えとなった剣から放たれる唐竹割りである。

 

「せいっ!」

 

衝撃とともに数メートル距離が空く。残りHPは五割程。

 

大鎌使いと片手剣使いの、仕切り直しといったところである。

 

はあっはあっ

 

どちらからともなく漏れる息遣いはお互いの緊張を、興奮を、如実に表していた。

 

ぎりっ、と得物を握る音はどちらの…いや、両方であろう。

 

お互いが息遣いの間隙で飛び出した。

 

剣による再度の唐竹割りを大鎌の側面で逸らして刃と逆、柄で相手の横腹を叩く。

 

微々たるダメージだと割り切った男は踏み込み、横一文字に切りつける。半歩足をズラしてダメージを軽減しつつ大鎌を手前に引き寄せる。

 

背後から迫る首斬りを足払いを仕掛けると共に回避。

 

見越したようにジャンプで交わした大鎌使いは勢いのまま上段から大鎌を振り下ろす。

 

ガッ、と大鎌が斬った先は地面。ローリングで回避した片手剣使いはそのままバックステップ。

 

「逃がっすかァ!」

 

持ち手を普段のポジションからもっと長く持つ。

 

「な!?」

 

予想できないリーチによる強襲。

 

防ぎきれず受けるダメージ。

 

「ラァッ!」

 

袈裟、逆袈裟、横一文字、唐竹割り。好機とばかりに剣技を鎌技に嵌め込んだ技の応酬。

 

だがそれに片手剣使いは失望を抱いていた。

何故同じことを繰り返すのだと怒りと共に───同じことを繰り返そうとした。

 

「乗っかってくれてサンキュっウゥ!!」

 

パリィをしようとした瞬間、ギガッ、得物がぶつかる音

 

鎌の柄を剣に押し当て、密着。

 

「お返しィ!」

 

ドゥッ、と鈍い音がなる。大鎌使いの足が片手剣使いの腹にまともに入る。

 

「防具付けてても衝撃は入るよなぁ!?」

 

ゲーム的に表すなら、コンマ数秒のスタン。

 

「まっに、あぇえ!!!」

 

ギリギリでの硬直解除。腕力に任せて刀身で斬撃を受ける。

 

大鎌特有のシャラン、という楽器のような金属音に思わず聞き入れば。

 

スパッ

 

軽い音とともに頬に傷が付いた。

 

シャッ

 

気づけば手は浅く斬られ。

 

ズザッ

 

脇腹が衣服とともに薄く裂かれた。

 

 

 

 

目にも止まらぬ連撃に、HPバーは残り六割程度だ。

 

焦って、恐れて、不安で。とにかくどうにかしようと手を前に突き出す。何も考えない、考えられないままでビジョンの見えないまま足掻こうと手を伸ばす。

 

その手だけは、片手剣の防御から外れることになるのに。

 

「ガッ、ァ…!しまっ」

 

部位欠損の衝撃により霞が晴れた思考が自分の失態を恥じるのと同時。

 

大鎌使いはニヤリと三日月の如く口を裂いた。

 

片手剣、という言葉の通りそれは片手でも振るえる武器だ。それでも両手で持った方が威力は上がるし、片腕が無いのはバランス感覚の狂いが生じる。

片手剣使いの優勢は、今この時に無くなったのである。

しかし、

 

「なんで、動かねェ?」

 

そりゃ、このまま倒すのは面白くないし?そんな言葉を大鎌使いは言う。

 

未だ口は笑ったままで、大鎌を背後に背負うように持って優雅に佇んでいた。

 

フゥッー、額の青筋を努めて無視しつつ、心身を整える。剣と片足を前に、半身を後ろに。

 

仕切り直し、2回目である。

 

そろそろいいかな、と。

 

2回目の仕切り直しで初撃を取ったのは大鎌使い。

 

大鎌を持ち直し、横一文字…

 

「真っ直ぐな攻めなら喰らわね……!?」

 

否、横一文字にしては刃が遠い。その刃が狙っていたのは後ろの空間。

 

「これ、真っ直ぐな攻めに入るぅ…?」

 

音がなりそうな程早く手前に柄を引く。背後から迫る比喩なしの死神の鎌に、片手剣使いは前に逃げる選択をした。

 

そこに待ち構える純粋な拳。

 

防ぐ格好だった手前カウンターは考えず、横に身を投げ出す。

 

そこを追撃する大鎌使い。頭上から下ろされる大鎌を刃を若干斜めに立てることでいなす。

 

剣を逆手に持ち替えて全身をバネに切り上げ。

 

タン、と軽く地面を蹴ってバックステップ。

 

大鎌のリーチを活かして前方にステップしつつ斬り掛かる。

 

それを体制を持ち直して刃に刃を打ち鳴らせる。

 

避けて攻撃防いで攻撃避けて避けて避けてカウンターを入れてそれを打ち合わせて───

 

刃、柄、拳、脚。

 

その乱舞の如き様相の美しきこと。

 

 

 

 

───は、ははは…!

 

地面を削り上げて顎を狙う切っ先。頬を掠める砂埃。

 

突き出された剣を横に回転して斜め上から大鎌が振り下ろされる。

 

大鎌を足で踏んで前に。密着して片手では剣は触れない、なら。

 

鈍い音が響く、頭蓋のぶつかり合い、両者下がるゲージ。

 

───ははははは!!

 

湧き上がり続ける哄笑。

 

剣を突き出す、斬りあげる、勢いで体を捻れさせて下からもう一度斬りあげる。

 

バックステップで避ける。踏み込まれたのを半身になって避ける。斬りあげの軌道を大鎌の刃に添わせてズラす。

 

先程までの粗野な暴力のぶつけ合いとは異なる、技量と優雅さによる戦闘。

 

アレを乱舞とするなら、コチラはクラシカルな舞踊だろうか。

 

 

暫く熱烈なダンスをたのしんだ後。

両者、HPバーを見やる。小休止。大鎌使いは三割、片手剣使いは一割程。次の攻防が最後だろう。目が、合う。再開。

 

「あは、ははは!!」

 

 

「カ、ハハ八!!」

 

 

横薙ぎから回転して斬りあげ避けられたことを確認反動のまま数歩距離を取って大鎌の刃で首を狙う。

 

体を倒すように突っ込むことで刃を回避。

 

下から斬りあげて───片手に力を込めて上から振り下ろす体を捻り足で蹴る勢いを殺さず地を蹴って加速から横薙ぎ二連。

 

刃を絡める沿わせて逸らす回避するカウンターを入れる。

 

ダンッ!!

 

震脚して、決めにかかる片手剣使いを、大鎌使いは酷く冷静に見つめていた。

 

(っ!ちくしょう、ノッて…乗っちまった!けど…止めれねぇ!)

 

(ここに、こんな感じで、置いといて上げれば───)

 

「う、ぉおお!」

 

 

 

 

 

 

「ありがとう、ございました。」

 

 

シャラン

 

横合いから伸びた刃は、綺麗な音を奏でた。




「あ、対ありでしたー!楽しかったです!」
「お前、対戦のときとキャラ違くね。」
「えっ?」
「えっ」
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