現代に蘇りし超戦艦「大和」   作:クローサー

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久し振りの更新。ブランクもあって結構あっさりとなった。
それとちょこっとだけサイレント修正。まぁ見直さなくても問題ないです。


絶対的な暴力

それは、一方的な蹂躙劇となる。

 

『なにが、何が起きたぁ!!!?』

『何かが突っ込んで来たぞ!!全機散開しろ!!』

 

水平線を越え、音速の3倍以上の速度で飛来した16発の対空ミサイル群。

それらは正確にインプットされた各々の目標に向けて一直線に飛行し、近接信管が作動。僅か十数メートルという超至近距離で爆発し、設計段階から意図的に調整された幾千の破片が円錐状に散開。

編隊飛行による密集した航空機群に対する初撃には抜群の攻撃力を発揮したそれらは、目標の16機を爆散させるだけでなく、その近くにいた編隊機の一部にも、破片が命中。運良く過貫通だけで済んだ機体もいれば、運悪くコックピットやエンジン、燃料タンクにヒットし、墜落していく機体もあった。

 

そして当然、彼等への攻撃はこれだけで済むはずが無い。

 

『また来る!!』

『クソッタレがぁぁぁぁ!!!?』

 

16発の対空ミサイルが再び飛来し、爆発。

飛来、爆発の繰り返し。その度に味方が消えて行く。その度に仲間の断末魔が無線機から出力される。

極限まで効率化された攻撃は、瞬く間に連戦連勝を繰り返したグラ・バルカス帝国の航空隊を撃滅して行く。しかし、後にグレード・アトラスターとの砲撃戦を控えている為、ミサイルのみで全機を撃墜はしない。

 

ミサイルの波状攻撃は、第八波(128発)の全弾命中を以って終了する。

しかし、大和の対空攻撃能力はミサイルだけではない。生き残ったグラ・バルカス艦載機隊はその事を考える事なく、仲間を一方的に殺された怨念を吐きながら全速で進んでいく。

 

そして、彼らは遂に水平線の先にある一隻の戦艦を目視する。

 

『アレだ──!!?』

 

それと同時に、射程40kmの射程を持つ10式18cm連装砲の対空砲火が始まった。世界連合艦隊から先行し、面舵60度によって2基4門の全火力を発揮。10式総合戦闘装置(イージスシステム)と近接信管によって百発百中に近い命中精度を獲得したそれは、1基の交互射撃で分間20発の速射能力と合わさって次々と艦載機を破壊していく。

とはいえ誘導砲弾では無い上2基4門という火力の少なさでは、やはり更なる接近は避けられない。

 

だからこそ、更なる対空迎撃が発動する。

 

凡そ9km以内の距離に入り込んだ生き残りの艦載機達に、90式76mm単装砲の対空砲火が加わる。

大和に搭載された90式76mm単装砲は、対艦砲も兼ねている18cm連装砲とは違って「対空砲」としての役割を重視する為に専用で設計されている。

 

分間70発の速射能力。76mm砲故の取り回しの速さ。砲身の延長化による射程距離の拡張。

 

そして艦載機達は1機でも多く生き残って大和に打撃を与えようと可能な限り散開し、やや半包囲のような形で大和に接近していた。

つまりそれは、18cm連装砲と76mm砲の全火力を存分に発揮できるという事であり。

 

『ああああああっ!!!!』

 

常勝の栄光を誇っていたグラ・バルカス航空隊の終焉であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、航空隊が全滅するとはな…」

 

場所は変わって、グラ・バルカス帝国海軍東方艦隊旗艦 グレード・アトラスター艦橋。

そこで空母達から発艦し、航空攻撃を行おうとしていた航空隊が全滅したとの報告を受け取ったラクスタルは思わず呟いていた。彼等の周辺では、参謀達が長い間戦術を議論している。

 

「敵に損害を与えられたか確認出来たか?」

「…いえ、接近中に2種類の苛烈な迎撃を受け、1発の攻撃を行う事すらままならなかったようです」

「2種類?」

「はい。一つは超高速のロケットらしき兵器による迎撃、もう一つは「ヤマト」に搭載されていた副砲による対空砲火です」

あの時(入港時)にはロケットを搭載しているようには見えなかったが…いや、今はそれを議論している時ではないか。重要なのは、ヤマト相手に航空攻撃は通用しなかったという事だ」

「それに加えて、ヤマトは我が艦に匹敵する攻撃力を持った超弩級戦艦です。ここに至っては、我が艦隊の全力を以って対応すべきと考えます」

「…ああ。各艦に伝達。空母及び──」

「レーダーに反応!!高空より何かが急速接近中!!」

 

ラクスタルは艦隊に指示を出そうとしていた時。レーダー員が反応を捉え、叫んだ。、

 

「全艦対空戦闘用意!!レーダー員、何かとは何だ!?」

「マッハ4以上!!間も無く艦隊に着弾しますッ!!」

「はっ──!!!?」

 

次の瞬間、彼等は信じがたい光景を目にする事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラ・バルカス帝国海軍東方艦隊に飛来したのは、大和のVLSから発射された16発の12式対戦艦誘導弾。

グレード・アトラスターを除く戦艦及び空母に2発、巡洋艦及び駆逐艦に1発ずつ振り分けられて誘導されていたそれらは、高度約17000mの高空からマッハ2.6の超音速で接近し、艦隊に接近。

そこから全速力で降下し、更に加速した勢いのまま各目標に命中した。

 

ここで少し話は変わるが、対艦ミサイルの名称に違和感を感じた者は居るだろうか?

 

12式()()()誘導弾。

この名称は、誤字にあらず。大日本帝国が2012年に開発した、唯一かつ正真正銘の対戦艦ミサイルだ。

 

通常の対艦ミサイルとは異なり、射程低下と引き換えに先端部に徹甲化が施されたことによって装甲に対する貫通力が付与され、更に三大国が採用している通常の対艦ミサイルの挙動(ポップアップシステム)は採用せず、超高空を超音速で飛行。敵艦隊の迎撃に対しては飽和攻撃で強行突破し、そのまま全速力で降下。マッハ3以上の超音速と徹甲によって戦艦の装甲を貫徹し、船体内部で爆発する事によって1撃で戦艦を破壊する。

 

地球世界では大和のVLSに眠り続け、転移世界では当初戦艦級の敵が現れる見込みがなく、一部では廃棄すら検討されかけていた兵器。

しかし今それを使うに値する敵が現れ、そしてその威力を十二分に発揮する。

 

 

──ドゴゴゴゴゴォン!!!!!!

 

 

約1秒未満の誤差で各目標に命中した12式対戦艦誘導弾。戦艦の装甲すら貫徹する威力にもなれば巡洋艦以下は過貫通を引き起こし、弾頭が海中へと突入していた。

 

命中から僅かに遅れたタイミングで、750kgのTNT爆薬が起爆。戦艦及び空母に命中したミサイルは船体内部で致命的なダメージを与え、あらゆる設備と人員を破壊し尽くす。巡洋艦以下はバブルパルスと呼ばれる現象によって、船体が真っ二つに叩き割らられる。

 

誰がどう見ても、全てが致命傷の一撃。その証拠に、12式対戦艦誘導弾が命中した全隻が急速にその身を海中に沈め始め、乗組員が避難する間も無く轟沈を開始。

 

グラ・バルカス帝国海軍東方艦隊は、壊滅した。ただ一隻、()()()()()()()()()()()()()()()()()()グレード・アトラスターを除いて。

 

生き残った彼女(グレード・アトラスター)は、なりふり構わず面舵を切って180度の転進を行おうとしていた。最早戦略がどうとか、戦術がどうとかいう次元の話ではない。最早敗北は決定的であり、この恐ろしい事実の情報を本国に持ち帰る。それを理由に恐怖を誤魔化し、全速力で撤退を開始した(逃げていた)

 

 

「機関全速、砲撃戦及び砲撃迎撃用意」

 

 

尤も、逃げ切れるか否かは別問題であるが。

 

彼等(大日本帝国)に容赦は無い。愚かにも戦争を挑んできた者達に其れ相応の代償を支払う為に、そして我等(大和)こそが世界最強の戦艦である事を世界に証明する為に。

 

さぁ、邪魔者(艦隊)は排除した。彼等も待ち望んでいたであろう戦い(砲撃戦)を始めよう。




さぁ、砲撃戦やろうかグレード・アトラスター。1対1で絶対に彼女(大和)は逃さないけどな。
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