トリガーに転生したので取り敢えず世界を救おうと思う   作:プロトタイプ・ゼロ

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第三話「アントラー出現!」

 

『ダッ!』

 

 トリガーとなった俺は取り敢えずアントラーの背中目掛けて蹴りを放つ。完全に不意打ちになっているが、怪獣相手に正々堂々戦ってたら俺の命がいつくあっても足りなくなる。

 

 実際、ウルトラマンシリーズに出てくる怪獣や宇宙人は姑息な手を使ってくるなんてザラである。よって正義のヒーローが不意打ちしてもいいのだ!!

 

 まぁ、ウルトラマンギンガが放送されていた時、タロウがバルキー星人を人質にしてティガダークを説得しようとしていたことがあったけど……あれは正義のヒーローとしてはどうなんだろうか?

 

 まぁ、そんなことはさておき……。

 

 このアントラーの背中くっそ硬えぇ……。不意打ちで背中蹴ったのにビクともしなかったし、足痛い。なんでこんな硬いの?

 

『ダァ!』

 

 空中でバク転して綺麗に着地できたのはいいもの、失敗したらかっこ悪くなるぞ。流石に今の俺はウルトラマンなんだからそんな登場してかっこ悪くなるのだけは嫌だ。

 

 少し涙目になりそうになるのを我慢して右手を前に出した構えを取る。油断はしない。最初の攻撃が決まらなかった時点でこいつは序盤で戦うには強すぎる。

 

 故に、絶対に油断だけ(・・・・)は絶対にしてはならない。

 

『キュンアアアアァァァァァァ!!』

 

 俺の存在に気づいたアントラーは、地面に角をめり込ませて振り上げる。勢いよくぶっかけられた土の塊。すぐに横に転がって避ける。

 

『ダッ!』

 

 起き上がると同時にハンドスラッシュを数発放つ。角を振り上げた直後で動けなかったアントラーはハンドスラッシュをもろにくらい後ろに倒れる。

 

 俺はアントラーの上に馬乗りになって殴りつける。でもやはり硬い。トリガーダークとして生きていたときはそこらへんにいる怪獣程度なら一発で倒れさせることはできたはずなのに、トリガーとなった今の俺が弱いのか、それとも単純にこのアントラーが強い個体なだけなのか……。

 

『キュンアアアアァァァァァァ!!』

 

『ダッ!?』

 

 突然アントラーが起き上がり地面に潜り込む。その影響で俺は背中から落ちてしまい強打した。とても痛かったです。

 

 地面に隠れたアントラーを探そうと集中するが、それ意向アントラーの気配は感じなかった。完全に逃げてしまったらしい。

 

「おおおおおおおぉぉ!! ウルトラマンが怪獣を撃退したぞーーーー!!」

 

 つい最近聞いた声が聞こえてきた。というか、こんなにも元気でうるせぇ声を出せる人間を俺は一人しか知らない。

 

「はーーっはっはっはっは〜! やはり凄いなウルトラマンは!!」

 

『……』

 

 やはりお前か天馬司。

 

「オレ達を助けてくれたこと、感謝するぞーー! ありがとう!! ウルトラマンーーーー!!」

 

 取り敢えず司の方に顔を向けながら頷く。そしてうるせぇ。

 

 俺の体は光に包まれその場から消える。

 

 トリガーに変身した場所……つまり、屋上に戻ってきた俺は大きく伸びをする。

 

「流石に疲れた気がする……」

 

 もう帰ろう。奏ちゃんが待ってると思うし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜???〜〜

 

 

 

「目覚めていたのね……トリガー」

 

 そこはどこかの屋上。白いローブのような服を着た少女が、光となって消えていったトリガーを見て呟いた。

 

 手には長く白い槍が握られており、見た目的にもか弱い少女が持つには疑問が残る。

 

 フードの奥からちらりと流れる長い銀髪が風に揺れ、隠れていた青い瞳が現れる。

 

『おや、久しぶりじゃないか……ユザレ』

 

 少女は声の主に顔を向ける。

 

 そこにいるのは黄色を主とした魅惑のボディを持った女だった。

 

 妖艶戦士カルミラ。超古代の時代、トリガーと共に活動していた闇の巨人の一人だ。

 

「私に何か用ですか?」

 

『ははっ……随分と冷たい印象になったじゃないか。アタシのトリガーの真似かい?』

 

「用がないのならさっさと消えてください。私は貴女と話す気はありません」

 

『つれないねぇ』

 

 冷たい眼差しをカルミラに向けるユザレ。その声には怒りも憎しみも悲しみも感じない。

 

『いいのかい? アンタの最愛のガキンチョに正体バラしちゃうかもよ? ねぇ? 宵……』

 

「それ以上言えば即首を刎ねますよ?」

 

 一瞬の出来事。カルミラが気づいた頃には首元に長い刃が迫っていた。

 

 まるで死神を思わせる黒い鎌。

 

 青い瞳に殺意がこもっている。

 

『はぁ……わかったよ』

 

 カルミラが後ろに後退りながら闇に消えていく。カルミラがいた場所をしばらく睨んでいたユザレは、視線をトリガーがいた場所に向ける。

 

「トリガー……貴方は私を知っているのですか? 私を……ユザレを知っているのですか?」

 

 その瞳は相変わらず冷たかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜空乃彼方〜〜

 

 

 アントラーが出現したせいで学校の中には誰もいなくなっていた。

 

「まだ暗くなってないから良かったけど、完全に夜だったらちょっと怖かったかも……」

 

 俺は別にお化けが苦手とかではない。あくまで俺はな。この体の本来の持ち主である奏汰は苦手らしいが、奏汰として生きているうちに苦手じゃなくなった。主に奏ちゃんのせいで。

 

 奏ちゃんお化けとか苦手なくせに音楽のためだーって言ってホラー映画を鑑賞するのはいいけど……夜怖くて寝れないからって抱きついて寝るのだけはやめてほしかった。

 

 だって奏ちゃん超絶美少女だからさ、目の前に美少女の寝顔があるのって結構くるのがあるんだよ。まぁ、俺はウルトラマンだから欲情はしないけどさ。してたまるか!!

 

「ただいまー。ちゃんとご飯食べた?」

 

 奏の家に帰ってきた最初の言葉はこれだ。奏ちゃんは音楽のためなら平気でご飯を食べないし風呂に入らないから困る。

 

「っ!! 奏汰!!」

 

「ぐふぅ!?」

 

 二階からバタンって音がしたかと思えば、なにかが俺の腹に突撃してきた。まぁ、誰かなんてわかっているけどさ。

 

「か、奏ちゃん……いきなり腹に頭突きは、ちょっとつらい」

 

「あっ……えっ、と……ごめん、奏汰」

 

「い、いや……大丈夫だよ」

 

 ごめん。実はメチャクチャ痛いです。

 

「良かった……奏汰、生きてる……」

 

 俺は奏ちゃんの頭を撫でる。少しビクッてしてるけど何も言わずに俺に撫でられてる。よく見ると少し嬉しそう。

 

「俺は奏を残して死なないよ。絶対にね……死なせないって約束してるし

 

「……うん。そう、だよね。奏汰は、私を置いて……逝かないよね」

 

 不安だったのか奏ちゃんの瞳は涙でうるうるしている。そんな奏ちゃんもめっちゃ可愛い!!

 

 だってそれが、奏汰との約束だからな……。

 

「取り敢えずご飯食べよっか? ちょっと作る暇なさそうだから弁当買ってきたけど……」

 

「えっと……もう、カップラーメン……食べちゃった」

 

 申し訳無さそうに奏ちゃんが顔を反らしながら言ってきた。やばいキレそう。

 

「……は?

 

 あ、やばい。ちょっとドスの利いた声になっちゃった。けどまぁ、別にいいか。

 

 俺は奏ちゃんの顎を捕まえて俺の方に顔を向けさせる。怯えているのかビクビクしている。でも今は関係ない。

 

俺、言ったよね? カップラーメンは身体に悪いから極力食べちゃだめだって……言ったよねぇ?

 

い、言い……ました

 

なんで、食べたのかなぁ?

 

「か、奏汰が……帰ってくるの……遅かったからお腹、空いちゃって」

 

 なるほどなるほど……。確かに奏ちゃんのご飯は俺が作ってるからお腹空いちゃうのはわかるけどねぇ。

 

 俺は奏ちゃんの顎から手を離して抱きつく。

 

「せめて連絡入れようよ……」

 

「……ごめん」

 

「どうせ、いつものようにみんなと会話しながら音楽作ってたんでしょ? 別に君達の邪魔するつもりはないからいいけど……ちゃんとご飯は食べてよ。君が倒れないようにご飯作ってるのに」

 

 そう。奏ちゃんは一度だけ音楽作りに夢中になるあまり家の中で倒れたことがある。その時俺はたまたま出掛けていたため奏ちゃんがそんなことに陥っていることに気づかなかった。それをたまたま通りかかった望月さんが気づいてくれたおかげで、俺は病院まで走ったからね。

 

「もう……俺が知らないときに奏ちゃんが倒れるのは嫌なんだよ」

 

「……ごめん」

 

「いや、いいさ。俺が帰ってくるのが遅かったことにも原因がある」

 

 俺は取り敢えずリビングに弁当の入った袋を置く。

 

「食べちゃったものは仕方ない。弁当はまた明日食べればいいよ」

 

 そう言って俺は自分の分の弁当を出す。

 

「うん。ありがとう。そういえば、今日怪獣が出てたんだね」

 

「そうだよ……って知ってるの?」

 

「うん……Amiaが教えてくれたからね」

 

 Amiaっていうの奏ちゃんが音楽づくりをするために使ってるツール……ナイトコードのメンバーの一人だ。と言っても詳しいことは知らないけどね。

 

「そっか……避難しなかったの!?」

 

「あっ……えっ、と……もうちょっとで曲が作れそうだった、から?」

 

「いや、疑問形にしないでよ……」

 

 なんでだよぉ……逃げろよ。なんで逃げずに音楽作ってんだよ。

 

「もうちょっとさぁ、危機感持とうよ……命亡くなったら音楽作れないよ?」

 

「そうだけど……私は救わなくちゃいけないから」

 

 やはりダメか……。奏ちゃんの心に深く縛り付ける鎖を解くことはできないか。

 

「まぁ、わかったよ。極力危険な自体に陥ることがないのなら」

 

「ありがとう奏汰」

 

 お礼を言って奏ちゃんはまた部屋に戻っていく。

 

 今日だけでだいぶ疲れた気がする……もう寝よう。




おまけ!!

Amia「うわぁ!!」

えななん「ちょっとAmiaうるさい!!」

K「Amia、どうかしたの?」

Amia「凄いよ!! 今、ウルトラマンと怪獣が戦ってるんだって!!」

K「あぁ、それでさっきから地面が揺れてたんだ……」

えななん「逆になんで気づかなかったのよ」

K「気にすることじゃなかったから……?」

Amia・えななん「いや、気にするところだよ(でしょ)!?」

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