トリガーに転生したので取り敢えず世界を救おうと思う 作:プロトタイプ・ゼロ
今日もいつもどおりの学校が終わり、暇となった俺はファミレスに寄った。まぁ、簡単に言えば小腹が空いたからだな。
ただ、今は来なければよかったって後悔している。
なぜって? そりゃあ
「てめぇ、何ジロジロ見てやがる? えぇ、死にたいのか? 俺様と一歌の愛の邪魔しやがってよぉ?」
「いや、普通に嫌がってたけどな……」
不良に捕まったからだ。
「あの……私は大丈夫ですから」
そういう一歌は不安そうにしながら俺の後ろに隠れている。まぁ、怖いのも理解できる。俺だって怖いし。
「っ!! 調子に飲んじゃねーぞモブ野郎が!」
「いやモブって……なにその小説に出てくる転生者みたいな言い方」
俺は少しずつ一歌を後ろに下がらせる。流石にファミレスの中で喧嘩する訳にはいかないだろうし。いや元から喧嘩する気はなかったんだけどなぁ……。
「俺様の一歌に触れんじゃねー!」
不良は俺に殴りかかってくる。だけど、俺はその拳を避け無防備すぎる腹に拳を一発決める。
「ぐふっ!? てめぇ、モブのくせにオリ主たる俺様を殴るとは……罪深きことだぞ!!」
「いや知らんがな……」
今ので確定したな。こいつは俺と同じく転生者であることが。だからこそ一歌に執着しているだろう……理由までは流石に知らんけど。まぁ、仮に理由を聞いたとしても興味ないしを
「たった一発でも罪は罪! その命を持って償ってもらうぜ!」
そう言うと不良はどこからともなく黒いギンガスパークみたいなものと一体の人形を取り出した……あの人形ってウルトラマンティガじゃね?
「人形?」
「はっ! これはただの人形じゃねぇ! ウルトラマンになれるんだよ! ばーか!」
不良はニヤリと笑みを浮かべるとティガの足の裏に黒いギンガスパークを押し付けた。
《ダークライブ! ティガダーク!》
不良の身体が黒い光に包まれるとその場から消え、ファミレスの外に黒い巨人……ティガダークが現れた。
「えっ……黒い、ウルトラマン?」
後ろで一歌が驚いた声を上げる。そりゃあそうか……この世界にはまだ闇の巨人や闇落ちしたウルトラマンはいないんだったな。俺も偶然この世界に……いや、今はそんなこと考えてる暇じゃねぇな。
「みんな、早く逃げろ!」
俺はファミレスの中にいた人たちに逃げるように声かける。その声でファミレスにいた人たちは慌ててファミレスの外へ逃げていく。
「さぁ、君も早く逃げるんだ!」
「えっ……でも、君はどうするの?」
「俺のことはいい! だから、早く!」
「そんな……助けてくれた人をおいていけないよ!」
あーくそ! こんな時だからこそ逃げてほしいんだけどなぁ! どうする?
『ふはははは! 皆殺しだぁ!』
ティガダークが気持ち悪い笑い声を上げながら歩いてくる。
『踏み潰してやる!』
そして、ティガダークは容赦なくファミレスに足を振り落とした。
《Ultraman Trigger Multi Type! Boot up! Zeperion!》
「未来を築く、希望の光!! ウルトラマン……トリガーッ!!!」
《Ultraman Trigger Multi Type!》
〜〜星乃一歌〜〜
あの黒い巨人が私達のいるファミレスを踏み潰そうとしている。黒い巨人が何かを喋っているようだけど私には何も聞こえない。
黒い巨人がファミレスを踏み潰そうと足を上げた瞬間、先程まで私を守ってくれていた男の子がおもちゃみたいなものを取り出した。
「ごめん。今から君の目の前でやることに何も言わないで」
そう言うと男の子はそのおもちゃみたいなものを起動させる。
《Ultraman Trigger Multi Type! Boot up! Zeperion!》
男の子はおもちゃみたいなものを真上に上げると
「未来を築く、希望の光!! ウルトラマン……トリガーッ!!!」
声を張り上げながらボタンを押した。
《Ultraman Trigger Multi Type!》
〜〜〜〜
『ダッ!』
ファミレスを踏み潰したティガダークの背中を、光とともにウルトラマントリガーとなって現れた俺が蹴り飛ばす。
『ぐあぁぁ!? な、なんだてめぇは!? その姿は、…まさか、ウルトラマンティガか!?』
『(?? この姿はティガじゃないのに、なんでティガと思ったんだこの人は?)』
ティガダークの言葉に不思議そうに首を傾げたくなる気持ちを抑え、手の中にいる一歌を安全そうな場所に降ろす。
「……た、助けてくれてありがとう」
優しく地面に降ろされた一歌は周りをキョロキョロた見渡したあと、
『くそ! てめぇも転生者だったのか!! 死にやがれ!』
怒り狂ったティガダークが大振りな拳を振り上げる。俺は流れるようにティガダークの懐に入りスカイアッパーをお見舞してやる。それによって飛び上がったティガダークの腹を蹴り飛ばし、牽制用の技であるハンドスラッシュを放つ。
『舐めるな!』
流石に相手もウルトラマンの力を使うだけはあり、俺のハンドスラッシュを同じハンドスラッシュで相殺する。まぁ、ティガダークに変身している不良はあまり頭が良くないのか着地のことを考えずに放ったためお尻から地面に落ちていた。
『うおお!! 痛え!』
ちょっと馬鹿にしか見えなくなってきた。姿がティガダークだから余計にイラッてくるけど。
『ダッ!』
俺は油断なく構えをとりティガダークから少し離れる。すると痛みから立ち上がったティガダークが俺のことを恨みがましく睨みつけ、俺に向かって走ってくる。
『オラァ!』
ティガダークが連続で拳を当てようとしてくるが、俺はその攻撃を受け流し手のひらをティガダークの胸に当てて押し返す。そのままティガダークに近づき両手で同じようにティガダークの胸に手のひらを当てると衝撃波を放って吹き飛ばす。
起き上がったティガダークは両腕を胸の前で交差させ前に突き出すようにして光弾を放つ。技名はたしかティガスライサー。俺も同じように胸の前で腕を交差させ、勢いよく振ることでトリガースライサーを放ちまたもや技を相殺させる。
『あぁ〜〜〜〜っ!! てめぇ、苛つくんだよ!! さっさと死にやがれ!』
怒りで周りが見えていないティガダークは、両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーを溜めた後、ワイドショットと同じL字になるように構えて赤黒いゼペリオン光線を放った。
それに対して俺も両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーを溜めた後、ワイドショットと同じL字に構えて青白いゼペリオン光線を放ち相殺させようとする。
だが、何故かティガダークのゼペリオン光線よりも俺のゼペリオン光線の方が威力が高く、相殺どころか逆に俺のゼペリオン光線がティガダークのゼペリオン光線を押し返し、
『い、嫌だ! まだ死にたくない! うわああぁぁぁぁぁ!!』
醜い叫び声を上げながら爆発した。
(どういうことだ? なぜ、俺のゼペリオン光線の方が威力が高かったんだ?)
同じゼペリオン光線のはずなのに威力が違うことに疑問を抱いていると、突然俺の背中に光弾が被弾した。
『ダッ!?』
俺は大きく吹き飛ばされビルに激突する。その際いくつかのビルが巻き添えになって破壊された。
胸のカラータイマーが赤く点滅しだし、起き上がった俺の目の前には、禍々しい黒い巨人が立っていた。
『くくく、貴様がウルトラマントリガーか。お初にお目にかかるな? オレはファウスト。闇の戦士と言えば理解できるかな?』
闇の戦士、その言葉を聞いて俺の中の警戒心がマックスになる。闇は俺にとって無視することができないから。
『くくく、そう警戒するな……と言っても無駄か。別に今日は戦いに来たんじゃねぇ。ただのご挨拶さ』
そのご挨拶でさっきで攻撃されたけどな俺。
『お前もさっきのティガダークもどきと戦って体力が消耗してるだろう? だから、今日のところは存分と休むがいい。くくく、あーはっはっは!』
闇の戦士――ファウストは言いたいことだけ言ってその場から消える。
結局のところ何も分からなかったが、連戦しなくて済むようで少し安心した。流石にもう疲れた。やっぱり技の連続使用はあんまりしないほうが良さそうだな。
俺は光となって人間の姿に戻る。目の前に広がる瓦礫と化したファミレスを見てしばらくは使えなさそうだなぁと呑気に考えていると
「見つけたっ!」
後ろから誰かに抱きつかれた。
「ぐふっ!?」
背中から抱きつかれたことでファウストの意外に威力のある技によってダメージを負っていた背中に衝撃が走る。それも
「良かったぁ……無事だったんだね」
抱きついてきたのは俺が不良もといティガダークから助けた美少女――星乃一歌だった。
「あー悪いんだけど、早く背中からどいてもらっていい? 柔らかいものが当たってるから」
「えっ……? あっ、ご、ごめんなさい///」
頬を赤く染めて一歌が俺の背中から離れる。それにしても一歌って意外と胸が大きいのなぁ。俺の中身がトリガーの光じゃなかったから普通に反応してたところだったわ。
「さて、少し場所を変えようか。流石にここだと……な?」
「そ、そうですね……わかりました」
さて、ここから近い場所は確か……。
「俺の家が近いな……ナンパみたいで悪いけど家来る? 安全面は保証するけど」
「えっ……///」
おい、また頬を赤く染めるんじゃない。
さてさて、この先どうなることやら。
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