駆逐艦「ふぶき」艦内 会議室
吹雪「う、うん、皆より先に起きちゃった・・・外の空気、吸いたいな」
通路に誰もいない事を確認した吹雪は、一人、艦の外へと歩き始めた。
ふぶき艦橋、
村里「航海長、少し外の空気を吸ってくる、指揮を頼める?」
航海長「了解」
村里も気分転換に外の空気を吸いに出た。
左舷側ウィング
村里「はぁ、職務多忙だと、疲れた時に外の空気を吸うのは、格別だな」
そう村里が愚痴を言っていると
村里「うん?吹雪?、何で前甲板にいるのかしら・・・」
前甲板
吹雪「こんなに静かな海、久しぶりな気がする・・・」
吹雪にいた世界では、深海棲艦によって海が蹂躙され、このような平穏な海は、限られたところでしかない。
吹雪「いつか、ここの世界の様に平和な海が戻ってくるのかな・・・」
村里「何しているの、吹雪さん」
吹雪「え?、あ、村里さん!、ご、ごめんなさい!、勝手に外に出てしまって・・」
村里「謝らなくていいよ、今まで色々とあったし、外の空気を吸いたいと感じる事もあるしね」
吹雪「あ、はい・・・」
村里「隣、いい?」
吹雪「あ、ど、どうぞ」
村里「夜明け前なのに星が綺麗ね」
吹雪「そうですね」
村里「吹雪さん、貴方達の世界の海は、こういった場所とかあるの?」
吹雪「いえ、私達の世界では、ほとんどの海が深海棲艦に蹂躙されてしまって・・・」
村里「そう、実はね、この世界の海だけでなく陸でも空でも未だに戦争が起きているの」
吹雪「え・・・」
村里「学生時代に歴史の授業で習ったけど、ヨーロッパで二度に渡って大戦が起きて、その後の冷戦という大国同士の対立、今では、戦争以外にも地域紛争やテロが絶えない場所もあるわ・・・」
吹雪「そんな・・・大戦が終わっても戦争が続けているんですか」
村里「そう、残念な事だけど、結局、人ってのは、大きな悲劇があっても時間が過ぎるにつれて、忘れていき、気が付いた時には、新たな悲劇を生み出すという事を繰り返している」
吹雪「・・・・」
村里「そして、日ノ出も危うく戦争になりかけた事があったわ」
吹雪「え、それって、どのような時だったんですか?」
村里「今からもう80年以上前かしら、超大国であった北米との関係が悪化して、開戦やむなしという状況までいったけど、外交交渉は、続けられて、開戦期日ギリギリで外交交渉がうまくいったわ」
吹雪「じゃあ、この世界では、」
村里「そうね、太平洋での戦いがなかった世界とも言うべきかしら」
会話をしている間に水平線の向こうで日が上がっていた。
村里「そろそろ、艦内に戻りましょうか」
吹雪「そうですね」
続く