ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜   作:匿名

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閣議の風景はそれっぽくしました。これが正しいかどうかは分からないけど


番外編:グラヴィティ

インド洋に既存の水上艦船とは異なる艦船が浮かんでいた。大きさにして400m以上、艦首に栓がされた巨大な砲口だった物が2門、全体的に直線が多様されたデザインにドーム型の艦橋、前後部に51cm3連装収束圧縮型衝撃波砲塔が1基づつ配置されている。

船体各所に“G03 GRAVITY3 I.A.S.A.GOS–003–2011”が表記されている。

それは大日本帝国の帝国航空宇宙局が所有する重力観測船グラヴィティ3だ。

太陽系防衛戦争時に量産され余剰分となった無人戦艦を元に改造したもので、艦内にはレーザー干渉式重力波装置などの各種重力波観測装置や簡易的な研究室と解析室が設けられている。宇宙空間でも観測する場合があるので自衛用に51cm3連装砲2基、各種対空兵装が搭載している。3が着いてるので姉妹船は3隻だ。

なぜ、インド洋に帝国航空宇宙局のグラヴィティ3が居るのか。

2週間前にインド洋で消息を絶った国防軍平和維持軍派遣艦隊の行方を調査しているからだ。帝国政府は仮想敵国の攻撃、自然災害、果てはオカルトなど様々な分野から艦隊が消息を絶った原因を追求し調査している。

グラヴィティ3もその一環で派遣されている。

そんなグラヴィティ3の航海艦橋では2人の職員が話していた。

「隊長、各種観測の結果が出ました」

「ん?ご苦労さん」

「これで結果が出れば救助艦隊を派遣できれば良いのですが」

「それは上が決めることさ。先ずは、常世野にデータを渡して詳細な結果を待つしかない」

隊長と呼ばれた男は台に置かれている飲みかけのコーヒーに口をつける。

徐に胸ポケットから懐中時計を出し時間を確認する

「船長、終了時刻5分前です。こちらは全ての作業が終わってるので大丈夫です」

「分かった」

船長と呼ばれた男は船内放送をかける。

「本船はこれより、終了時刻1500に当海域を離脱する。総員配置につけ」

「メインエンジン始動」

「各部門、点呼確認。欠員なし」

「メインエンジン出力上昇中」

「派遣艦隊失踪調査会に重力観測調査任務終了の連絡を。インド宇宙航行局にインド洋離脱を連絡せよ」

「メインエンジン回転数良好。いつでも行けます」

「グラヴィティ3、発進!」

グラヴィティ3は甲高い音を鳴り響かせ巨大な水飛沫を立て、海から浮かび上がる。

艦首を空に向け速度を徐々に上げ、常世野重力観測所が置かれている月面管区に向けて進路を取る。

 

 

〜2週間前〜

帝都東京。正式名称“東京特別行政府”

葦原行政管区武蔵州の中心に位置し大日本帝国の政治・文化・経済の中心地である。

その繁栄ぶりは凄まじく、東京湾には帝国第一軌道エレベーターが宇宙にまで伸び、高さ600m以上の超高層ビルや超高層マンションが乱立し、多くの大企業の本社や中心省庁が置かれている。

中央省庁が多く集中し、中枢機能として働いている千代田区永田町の内閣総理府では閣議が開かれていた。

内閣総理大臣や各国務大臣が出席していた。だが誰も彼もが苦い顔をしていた。

「国防大臣、報告お願いします」

最初に口を開いたのは内閣総理大臣。この国の実質的なトップである。

「1週間前にインド洋で消息を絶った国防軍平和維持軍第一次派遣艦隊の捜索のため、派遣された帝国・インド合同の捜索部隊による海と空からの捜索ですが、艦の欠片の一片も遺体の一体も重油の一滴でさえ見つかってません。現在も捜索を続けています」

「国家情報大臣、インド海軍から提供された動画はどうでしたか?」

「あの動画は間違いなく本物でした。加工された形跡が見当たりませんでした」

「...ところで国防大臣、アフリカ派兵と帝国の国防力に影響はないのですか?」

環境大臣が国防大臣に派兵と国防の影響に懸念していた。

「派兵に関してですが、3週間後に派兵予定だった第ニ次派遣艦隊に1週間後に派兵する様に調整しました。関係各所には理解を得ています。帝国の国防力に関してですが、影響はありません。全体的に見て微々たる程です」

国防大臣の報告を聞いたのか環境大臣は安堵した表情になる。

「しかし、決して安くはないのですぞ。派兵のために数兆円規模の臨時予算を組んだ。それだけじゃない。喪失した兵器だけでも20兆円は吹っ飛んだんだ」

財務大臣は問題を追求していた。

「財務大臣の言う通り、金銭的な面では痛手を被りましたね...」

「枢密院は、この事について感知出来なかったのですか?」

「感知出来ませんでした…稀に見るイレギュラーとのことです」

「そんなことより、艦隊が消失した原因について明らかにするべきです」

「確かにそうだな」

落ち着きを取り戻すした各大臣は艦隊消失の原因について言及していく。

「仮想敵国の攻撃ではないのか?」

「仮想敵国の攻撃を考えましたが...」

「中央情報庁は、そう言った情報は掴んでないし聞いたことも無いと回答してます」

世界有数の情報機関である帝国中央情報庁ですら情報を掴んでない事になる。

「仮に攻撃だとしても仮想敵国であるアトランティスからは距離があります。中国は先の太陽系防衛戦争で国内は未だボロボロ状態で復興に力を入れてるので攻撃する余裕はありません」

「自然災害と言う線は?」

「インド国家気象庁に、当時の気象データを提供してもらいました。艦隊の航路上に自然災害に直結する気象は観測してません」

その後、様々な原因が挙げられるが、どれも確証がないとし平行線が続いている。

「艦隊が消失する前に伊吹の士官室に少女が、と言う通信がありましたよね?それが原因なのでは?」

「原因と言うと?」

「これは私の仮説ですが、その少女が艦隊をどこか別の空間に移動させた装置だとしたら?」

「なるほど、恒星間航行が実用しているからあり得るな」

「調べる価値はありますね。結果によってはどの国の物かがわかるはず」

「救助部隊を派遣出来るかもしれんません」

解決への糸口が見つかったようだ。

「では、帝国航空宇宙局の重力観測船をインド洋に派遣しましょう」

「調査会の設置と救助部隊の編成も立てておきましょう」

「決まりですね」

こうして閣議では重力観測船のインド洋への派遣、派遣艦隊失踪調査会の設置、救助部隊の編成表の作成が決定した。

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