ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜 作:匿名
艦隊の艦艇(駆逐艦とか)増やした方が良い気がしてきたけどどうしようかな
高機動車の後部ドアを開け、久世が武器を収納しているトランクを開き中から短機関銃や散弾銃と弾倉を、西本が防弾チョッキや各種プロテクターと無線機を取り出し配っていく。
市之瀬は専用のトランクに入ってたM24対人狙撃銃と弾倉を取り出し槓桿を操作し薬室内を確認する。
「市之瀬」
「なんっすか久世少尉?」
「お前の腕を信じてる。射線に気をつけろ。弾を後ろに流すな。外すなよ」
久世は市之瀬の肩を叩いた
(全く、無茶言ってくれるぜ。ウチの小隊長はよ)
市之瀬は久世からの無茶ぶりに呆れながらも自分の腕を信じ期待してる事にニヤついてた。
「久世少尉!総員、市街地戦装備に換装しました!」
「よし、各自、所定の位置に着け」
「「了解!」」
東はM870MCS散弾銃と予備のピーンバッグ弾を数発、捕縛用の縄を装備し護衛対象であるリュミとレティアの下に駆け寄る。
傭兵達が久世らを突破し店に雪崩れ込む最悪の事態を想定し射程は短いが多数の弾丸を発射可能で室内戦闘に向いているM870MCS散弾銃を装備しているからだ。
M870MCSはM870の最新型でポンプアクション式の散弾銃だ。
安定した性能と信頼性の高さ、堅牢な構造で耐久性が高いことから国防軍のみならず武装警察や海上保安隊、民間の狩猟用などで幅広く使われている。
また、装填している弾薬は暴徒鎮圧用のピーンバッグ弾で非致死性兵器の1つだ。脅威対象の殺傷を目的としない弾だが、当たりところによっては死亡する場合もある。
「リュミちゃんと店員さんは私の後ろに隠れて」
東からそう言われリュミは後ろに隠れる。
レティアも言われるがままに後ろに隠れた。
市之瀬はM24対人狙撃銃と予備弾倉を装備し狙撃ポイントになりそうな高所を探して走る
。
東と同様に店の中に入り、後ろに隠れているレティアに冷静な表情で言葉を投げかけた。
「店員さん、3階の窓か屋上あるかい?」
「え、えぇ、3階はあるけど...」
市之瀬はそれだけを聞き、3階に繋ぐ階段に見つけ走り出した。
「ちょ、ちょっと!何する気よ!?」
「あっ、ちょっと待って!危ないよ!私の後ろにいて!」
東の静止を無視しレティアは市之瀬の後を追う。
「市之瀬ちゃん、店員さんが貴方のを後を追ったよ。後はよろしく」
東は無線機で市之瀬に対して伝言を伝える。
市之瀬は3階へ一気に駆け上がっていた。
久世と西本が20人の傭兵集団に突っ込むからだ。それを援護しなければならない。
市之瀬は広場に面している部屋のドアを開けると、中から静かな低い声が響いた。
「誰だ。ここを俺の店と知っての狼藉か?」
窓際に松葉杖を付き、空いた手に戦斧を手にした包帯だらけの逞しい男が立っていた。
市之瀬は一瞬息を呑み立ちすくんだ。
だが、市之瀬にはそれをしている暇は無い。
市之瀬は拝み手になって頼み込んだ。
「ごめん、おっちゃん!俺、守らないといけない人がいんだ。そこの窓、ちょっと貸して!」
男も広場の騒ぎを見守っていたようで、手にしている戦斧はあの捕らわれの少女を助けに行くつもりだったのかもしれない。
男は市之瀬と広場へ駆けていく久世達の姿を何度か交互に見やい、同じ服装をしていることに気づいた。同時に自分を手当てした連中と同じであることもだ。
「あの2人、戦いを挑むつもりか?たった2人でか?」
「いいや、俺含めて3人っすよ」
その時、そっと部屋に入ってきたレティアが市之瀬を羽交い締めにしようとした。
「お、おい!安全装置解除してんのに!危ねぇぞ!東ー!護衛はどうした!?」
『私、無線で店員さんが市之瀬ちゃんを追いかけてたの言ったよ?』
「気づかなかった...ってやめろ!」
「お父さん!早くこのバカを叩き出して──」
「良いだろう」
「「え?」」
激しく揉み合ってた2人は動きを止め、レティアは呆然とし、市之瀬は目を丸くした。
「良いんですか?」
「ああ、守らなければいけない人がいるんだろ?」
───「俺も同じだ」
「か、頭ぁ!こんな女ひん剥いて慰みものしようぜ!」
「声からして、なかなか良い女のようだしよぉ」
「あら、声だけでそんな評価を頂けるなんて光栄ねぇ。お生憎様、あんたらみたいなのは好みじゃないの」
女の声には笑いが混じっており余裕を見せている。
彼女に助けられたファルアは傭兵達の気迫に押され泣き出しそうだった。
「でも、あたしの魅力を声だけだと思われるのもしゃくだし」
彼女は身にまとっていたローブを思いっきり脱ぎ去る。
「痛い思いをする前に、その腐った目に焼き付けときなさい!」
彼女が啖呵を切り傭兵と周辺を囲んでいた群衆から声が上がる。
女は白い肌が透き通るように輝いている。白い肌には刺激的だが民族的な意味合いがありそうな赤い紋章。
彼女の服はビキニ水着をアレンジした民族衣装を着込んでいた。
久世らも例外ではなかった。
「耳が...長い?」
「秋葉原で何度か見たことある...」
明らかに人間では無いことが分かる。彼女の耳は笹の葉のようだった。
「エルフだどぉ!?」
「森の番人が何でこんな戦争後の街におるんだ!?」
だが、傭兵達はすぐにその疑問を払拭する。
「エルフだぁ!幸先が良いぞ〜これ〜」
「森からのお恵みを頂くとしようぜ!」
「やばい!」
「西本!安全装置解除!」
久世らは93式短機関銃の安全装置を解除し傭兵達に銃口を向けたが、斜線上にエルフと少女がいた事で撃てれなかった。
「ただし腕の2、3本覚悟しろや」
久世らが躊躇している間に山刀を抜いた傭兵が彼女達に襲いかかった。
──『配置につきました!久世少尉!』
久世の耳に装着している骨伝導イヤホンから、狙撃ポイントに着いた市之瀬からの無線が飛び込む。
「山刀を持った男を制圧!」
久世は走りながら市之瀬に狙撃目標を指示した。
──辺りに響く破裂音。石畳に落ちる山刀の金属音。
「ぎゃあああああぁぁぁ!?お、おか、お母ぁちゃああああぁん!?」
右手の甲を6.8mmライフル弾で撃ち抜かれた傭兵が、経験したこともない痛みに鼻水と涙を垂らしながら悲鳴をあげた。
エルフと少女は突然目の前で起きた出来事に驚き傭兵集団から離れた。
(ナイスショットだ、市之瀬!これで思う存分撃てる!)
久世らは傭兵達の目と鼻の先にまで接近した。
「そこまでだ!」
その場の視線が一斉に彼らに集中した。
「な、何じゃ…?あの外人は?旅人か?」
「エルフの連れかしら?」
「ね、ねえ、あれって?」
「うん、公園にたむろしてる、外国人傭兵だよ」
「え、異教徒じゃなかったか?」
久世らは今、あらゆる人々から好奇の視線を浴びている。
「なんだぁ、てめぇ?変な格好しやがって。ナメてんのか?」
「まさか俺たちに向かって言ってんじゃねえだろうなぁ?」
傭兵達の殺気がピリピリと感じた。
「彼女達を解放するなら、これ以上の危害は加えない!この場から立ち去って欲しい」
久世は高圧的な言葉を使わないように傭兵達に銃口を向けながら警告した。
「ほう…つまりあれか、あいつが手ぇ怪我したのはお前のせいってわけか?」
棍棒を抱えた大男が、顔を真っ赤にしながら手を押さえている仲間をちらりと見る。
「手当が必要なら協力する。危害を加えた事には謝罪しよう」
久世の言葉に大男は仲間と顔を見合わせた。
「はぁっはっはっは!!」
「女のために2人でノコノコ向かってくるのは大した度胸だ、兄ちゃん。その根性は買ってやる」
「だがなぁ」
大男は弄ぶようにしていた棍棒を両手に握り直し怒りの形相になる。
「ケンカ売る相手を間違うのは大馬鹿のするこった。野郎どもぉ!」
大男の声に傭兵達が一斉に殺し屋の顔に変わり各々の得物を取り出した。
山刀、クロスボウ、ハルバードなど、雑多な武器が久世らに向けられた。
「市之瀬!クロスボウを持った傭兵を制圧!」
久世は厄介な飛び道具のクロスボウを持った傭兵の制圧を市之瀬に指示した。
再び破裂音が響きクロスボウを持った傭兵の手の甲が撃ち抜かれ悲鳴を上げた。
「怯むなぁ!やっちまえぇ!」
「うるぁああああああああ!!」
それでも傭兵達は恐れず雄叫びを上げながら突撃してきた。
「男は殺せぇ!女は殺すなあぁぁ!」
「ばばぁだが気持ち良ければ関係ねぇ!」
「撃てえぇぇぇぇ!!」
久世と西本は短機関銃の銃口をやや下向きに構えトリガーを引き絞った。
ダラララララララッ!!
けたたましい発射音が広場に響いた。
石畳に向けて放たれた8mm弾が跳弾し、突撃してきた傭兵達の足の甲や指先、脛を撃ち抜かれた。
「うぎゃあぁああああ!?」
「あ、足が、足がぁ!?」
「あんまりだぁぁぁ!!」
「な、なにがおこったんだ!こん畜生ぉ!?」
40発装填してあった短機関銃の弾倉は空となり、マガジンポーチから予備の弾倉を取り出し弾倉交換の作業に取り掛かる。
「な、何してやがる!ぶち殺せぇええええ!」
大男は、怯んで足を止めた無傷の手下に突撃するように檄を飛ばす。
「野郎よくも!」
「テメェらなんか怖かねぇ!」
「野郎、ブッ殺してやるぁぁぁぁ!」
正体不明の攻撃よりもお頭の方が恐ろしいのか、自分を鼓舞しながら久世達に突撃してくる
「西本、交換は終わったか?」
「いつでも撃てます!」
「撃てぇ!」
再度、石畳に向けて8mm弾が放たれ、跳弾した8mm弾が残りの傭兵に襲い掛かる。
咄嗟に物陰に隠れた傭兵がおり、縮こまりながら攻撃が収まるのを待っていた。
弾を全て打ち尽くし弾倉は空となり、久世と西本は弾倉を交換しながら隠れている傭兵達に近づく。
当の傭兵達は戦意を喪失し歯をガタガタさせながら怯えていた。
「おい」
「ひっ!?」
ドスが効いた女の声で物陰に隠れていた2人の傭兵は短い悲鳴をあげる。
「私のことばばぁって言ったよな?」
「い、いえ、そんなことは」
「おらぁ!もっとはっきり喋ろ!我ぇ!」
本職の人が使いそうな言葉で傭兵達を脅しながら西本が銃口を向ける。
「ひいぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「そのカス遺伝子が入ってる袋潰したろうか!」
その場にいた傭兵を含む男達は西本の言葉を聞き顔面蒼白となっていた。
「ゆ、ゆ、許してください!なんでもしますからあぁぁぁぁ」
久世は西本が傭兵2人を脅しているところを遠目に見ながら大男達が隠れている物陰に近づく。
「ぐ...ぐぐぐぐぐぐっ!」
大男は額に太い血管を何本も浮き上がらせていた。
たった2人に手下を壊滅させられたこと、女1人にビビりながら許しを乞う情けない姿に屈辱を感じていた。
「ひっ!?か、頭ァ、う、う、後ろ!?」
手下の震えた声で怯えなが大男に後ろを振り向くように促す。
「う、後ろ...!?」
振り向いた直後、黒い何かが自分に向けられている事に絶句する。
それは自分達に挑みかかり壊滅させられた兄ちゃん──久世が93式短機関銃の銃口を向けていた。
「今なら、まだ逃げれますよ?それとも...」
傭兵達は次に出てくる言葉に恐れていた。
「貴方達の頭を消し飛ばしてやりましょうか?」
久世の言葉に我慢出来なくなったのか、傭兵達は一斉に許しを乞う。
「ゆ、許してください!」
「命だけはあぁぁぁぁ持っていかないでぇ!」
「か、頭ぁ!こんな街、一刻も早く出ましょう!」
手下達の必死の許しを見て、大男は自分たちと同じ意見だと安堵しながら手下を捲し立てる。
「う、うるせぇ!黙ってやがれ!」
「へ、へへ...兄ちゃん、やるじゃねぇか」
「そりゃあどうも」
久世は素っ気なく鼻であしらった。
「あの姉ちゃんもなかなかだ。強い女は嫌いじゃねぇぜ」
「彼女、お母さんと言って貰えないと怒りが静まりませんよ」
「お、お母さん?」
「そう、お母さん」
「大変なんだな。お前...」
「ははは...」
面倒事を起こした大男から同情された久世は困惑しながら乾いた笑い声を出した。
「み、見逃してくれるんだな?」
「仲間を連れて行くならね」
久世は仲間を見捨てて逃げないように釘を指した。
「わ、分かった。恩に着る」
大男の答えに少し安堵しながら険しい表情を崩さなかった。
とりあえず、これ以上無益な争いをしなくて済みそうだ。
「久世少尉!こいつ、情報協力者として持って帰りましょう!大丈夫です、こいつも了承してますから!」
久世は西本の方を向き、1人の髪が伸びきった傭兵が手を上げながら立っていた。
恐らく、西本が言う了承は「
「それは本当か?」
「本当です!ね?」
傭兵は壊れた人形のように首を縦に振っていた。
背中に銃口を突きつけてるようだ。
「貴方の手下、1人我々にくれませんかね?彼も了承してる事ですし」
久世は苦笑しながら、大男に尋ねる。
「あ、あぁ、1人ぐらい連れていっても構わねぇ」
「よし、西本。そいつ連れて食堂の方に戻ってくれ。捕縛用の罠で動けないようにしろ」
「了解!」
後は、傭兵達がここから立ち去るのを見守るだけだ。
「あらぁ?もうおしまいなの?つまんないわね?」
そうは問屋が卸さなかった。
各話の改行や改良はのんびりにやっても良いですか?