ルーントルーパーズ〜国防軍漂流戦記〜 作:匿名
性癖に従いましたてかルーントルーパーズって中性的な男キャラ結構登場してますよね。
原作者の趣味は絶対拙者と同じ趣…お、お前らは保全t…うわ何をするやめr
「あらぁ?もうおしまいなの?つまんないわね?」
久世と傭兵は声の持ち主の方向へ目を向けた。
満面な笑みを浮かべ、腰に片手を当てて立っているエルフ女がいた。
背が高くスラリと伸びた長い脚に久世の目は釘付けになっている。
「そこの兄さんが許したのは分かったけど、私は許してないのよねぇ」
「ば、バッキャロー!?てめぇには関係ねぇだぅがぁ!」
「調子コキやがって!このクソアマぁ!」
傭兵達の態度の変わりように久世は呆れ果てた。
話が丸く収まりそうなところで割って入ったエルフに対し恨めしそうな顔で見ていた。
それからは聞くに絶えないエルフ女に対する罵詈雑言を浴びせていた
笑みを浮かべながら傭兵達を眺めている彼女のこめかみに血管が微かにが浮き出ていた。
「この国には良い風が吹いてるわぁ...ねっ」
何かあやす様に両手を胸の前にかざす。
「風の精霊ちゃん、ちょおっとだけ、力を貸してね」
すると、彼女を中心につむじ風のようなものが起こり始めた。
(なんだ、あれは...)
久世は科学を超越する何かを目の当たりにした。
風の精霊とか言ってたが、実在しているとは思ってなかったからだ。
「精霊魔法だとおっ!?」
「風雷烈爆ぅ!!」
彼女を基軸に突風が巻き起こり広場の中心に竜巻が発生した。
「どひゃあぁあぁあぁあー!?」
「あぁ、商品がっ!」
「やめてくれー!!」
傭兵達は紙切れのように舞い、露店の天幕が吹き飛ばされ、商品が無惨に飛散する。
「のわぁああああ!?」
久世は逃げようとしたが、暴風に抗えず吹き飛ばされる。
彼の頬に、背中に羽が生えた小さな女の子が飛びついた。
この子が風の精霊なのかと凝視する。
『キャハハハハ』
風の精霊は久世のギョッとした表情を楽しそうに笑いながら解放する。
「ぐっ!」
彼は受け身の体勢を取り石畳に落下した。
落下の衝撃で気が遠くなる。
「あ、あたたたた」
体を起こし、短機関銃や拳銃、弾倉に異常がないか確認した。
スライド、セーフティを操作しても壊れている様子はなく、弾倉も破損した形跡はなかったのでとりあえず安心した。
「久世少尉!大丈夫ですか!?」
傭兵の1人を車輌の方に連れて行った西本が慌てて駆け寄ってきた。
「西本か、捕虜はどうした?」
「東二等兵に預けました」
「そ、そうか。僕は大丈夫だ」
「乙女の貞操を脅かした罪は万死に値するのよ。生きてるだけありがたく思いなさい」
仁王立ちになり伸びている大男に向けて説教をしていた。
「あと、これは私とあの女の子の分」
長い脚を振り回して大男に蹴りを4回喰らわせていた。
「さぁて、と」
ポンポンと手を払った彼女は久世を見つけ優雅に歩いてくる。
「大丈夫かしら?お兄さん」
久世を見下ろし、ややハスキーな声で尋ねてきた。
先程の無茶苦茶な所行を忘れるぐらい美しい。
「あ、ええ、まあ」
「あら、勇気があるからどんな人かと思ったら、良いオトコじゃない」
「え?あ、ありがとうございます...」
「ふふ...どーいたしまして」
笑みを浮かべた顔もまた美しかった。
どうやら彼女自身の性格や身に纏う神秘さは全く無関係らしい。
「いやん!そんなに見つめないでよぉ」
「し、失礼」
久世慌てて目を逸らすと、彼女が悪戯な笑みで「冗談よ」と顔を覗き込んだ。
「やっぱり、エルフが珍しい?」
「“エルフ”って何ですか?さっき、この傭兵達も言ってましたが...」
「へ?エルフを知らないの?あなた、どこの国の人?」
この世界の人間は例え農民だろうと貴族だろうとエルフの存在を知らない者などいない。
久世の世界でのエルフと言えば、ヨーロッパの神話、アニメ、ゲーム、漫画、ライトノベルなどの媒体で登場する架空の民族だ。久世のようなオタク知識に疎い人間も入れば、海軍の加藤中佐のようなオタク知識に強い人間もいる。
未知の存在をとして尋ねる久世に彼女は驚きを隠せなかった。
「その、自分らは異世界から来たので、こちらの世界の事は全く分からないんです...」
「異世界っ!?」
──レティアが息を切らして久世とエルフのもとに走ってきた。
「ファルアちゃん!」
「レティア姉さん!」
無事だったことに喜んでいたレティアはファルアを強く抱きしめる。
エルフ女は抱きしめあってる2人を見て訳知り顔で何度も頷いた。
「うんうん、良かった良かった!」
「お知り合いですか?」
「うんにゃ、全然」
「あ、ありがとうございます!エルフさん!」
ファルアはエルフ女に向かって感謝の言葉を伝えていた。
傭兵に絡まれた時、最初に手を差し伸べてくれたのは彼女は、ファルアの目からは女神のように見えている。
「そうね、無事は何物にも代えがたいわ」
そんな無垢な少女の笑みを見てエルフ女は目をギラりと光らせた。
「そこで、ちょっとお願いがあってねぇ...」
「な、なんですか?」
「お助け料として、南海連合共通通貨で5枚ほど頂きたいんだけど」
5枚で見習い騎士の俸給の約1週間分、大日本帝国の価値観で言うなら5万ドレンに相当する。
「言ったでしょ!?アタシも昨日から何にも食ってないって!良いじゃない!命よ、命!命を救ってもらって銀貨5枚!まぁなんてお安いんでしょう!」
必死の形相でファルアに金銭を求めていた。
久世は自分の中で彼女の株価が暴落していくのを感じた。
「あ、ああああの、そ、そちらのお方は、おいくら欲しいんでしょうか」
「いいえ、自分はいりません。任務みたいなものですから」
「私もです。多分、手当に含まれてますし
ファルアは首を傾げたが、とりあえず目の前の青年と女性が対価を求めてないことが分かった。
「ほ、本当に良いの?」
レディアが信じられないと言った表情で久世を見る。
「ええ、まあ。レティアさん達に肉じゃがを作ってたのは災害派遣の一環ですし」
「に、にくじゃが?」
「レティアさんが言ってた料理の事ですよ」
「ちょっとちょっと!?なに遠慮してんのよ異世界から来たお兄さん!まるで私が金にがめついみたいじゃない!?」
まるでと言うか実際そうじゃないかと本音が出そうになったがグッと堪えた。
「まあ、貴方が請求する分は自由だと思いますけど、自分は国防公務員ですし...」
「だぁーもうっ!異世界の人間ってまじ分かんない!」
「い、異世界って何よ!あんた外国人傭兵か邪教徒じゃあ...」
「自分は傭兵じゃありませんよ。国の軍に所属している軍人です」
レティアは店内で感じた違和感と合致して愕然とする。
「何よぅ!?どこのか国の軍隊って言うわけ?」
エルフ女が恨めしそうに
──「大日本帝国と言う国が保持する国防軍です。こちらの世界では“ルーントルーパーズ”と呼ばれているそうですが」
「ルーントルーパーズ...!?」
見ず知らずの少女のために圧倒的な数の敵に挑み、壊滅させ報酬を求めず、己の自慢もしない。
まるで御伽話ののような勇者だった。
「さぁてと、状況終了だ。撤収するか」
「東二等兵に車輌出すように言っときましょう」
久世らは踵を返し車輌の方に戻っていく。
「ま、待ってよ!」
「え?」
久世らは呼び止めたレティアを見つめる。また何か言われるのではと思い身構えていた。
「あ、あり…がとう…」
顔を真っ赤に目を合わせられるずに感謝の言葉を口にした。
「ありがとうございます!異世界の勇者様!」
エルフ女を振り解いたファルアが久世に向かって頭を下げた。
「い、いえ、自分達は当然の事をしたまでですよ」
礼を言われた青年は戸惑いの表情を浮かべていた。
レティアが感じた違和感、この青年は感謝されることに慣れてない様子だ。
ファルアの叫びに広場の人々にざわめきが強くなる。
「勇者だって?」
「あの変な服を着た奴が?」
「でも、あの子を命懸けで守ったわよ?」
「金もいらないんなて、古臭い英雄物語の勇者みたいじゃないか」
ここは急いで撤収した方が良いと思っていた矢先だ。
「内地軍が来たぞー!」
(まずい!)
派手に銃をぶっ放したのだ。これ以上の騒ぎもない。治安部隊の内地軍に気づかれるのは無理もない。
「ズラかるぞ!」
「はい!」
周囲が敵に囲まれている立場の国防軍が都市のど真ん中で戦闘行動をしたのだ。
内地軍に拘束されれば、あらぬ嫌疑をかけられかねない。
幸いな事に、こっちには車と言う文明の利器がある。巻けれるはずだ。
久世らの背後に物凄い速度で高機動車がバックし甲高いブレーキ音を立てながら停車した。
後ろの扉が開き中から市之瀬とリュミが顔を出した。
「クゼ様!」
「久世少尉!西本伍長!早くこっちに!」
どうやら東が運転をしているようだ。
「ありがたい!乗り込め!」
「えいっ!」
久世と西本は一気に乗り込み扉が閉められた。
「発進しますよ!」
2人が乗り込んだ事を確認した東はアクセルを踏み急発進する。
扉の窓から外の様子を確認すると巨大な陸鳥に乗った内地軍の一団が抜刀しながらこちらを追跡しようとしてきた。
クロスボウを持った騎士が高機動車を攻撃しようと矢を撃ってきたが高機動車の速度には敵わず矢はそのままn石畳に落下する。
次第に彼らの姿が小さくなり見えなくなる。
「何とか撒いたか…」
「矢を撃ってくるなんて、アイツら相当過激っすよ」
市之瀬は内地軍の過激さに恐怖していた。
「にしても、よく行動できたわね」
「市之瀬ちゃんのおかげですよ。狙撃銃のスコープ越しに内地の連中がこっちにやってくるのを見つけて私に知らせてくれたんです」
久世はこの時、市之瀬らを連れて来て正解だと感じた。
「そうだったのか…市之瀬、西本、ありがとな。君達のおかげて助かったよ」
「私より、市之瀬ちゃんに感謝してくださいよ」
「いえ、久世少尉達が無事で良かったっすよ」
「ところで、久世少尉。捕虜は1人だけじゃ無く2人になったんですね」
東の言葉に久世の頭上にハテナが浮かんだ。
「…捕虜はそのに座っている傭兵の1人だが?」
「え?じゃあそのエルフは傭兵じゃないんですか?」
「「「「えっ?」」」」
──「それにしても速いわねぇ!アタシこんな乗り物初めてだわぁ」
車内にハスキーな声が響いた。
声がした方向を向けると側面の席に座っている艶かしく長い脚を組んでいるエルフ女が座っていた。
「どうしてアンタが乗ってるんですか!?」
「んもう、あんなに熱く私に愛を求めてくれたのに、水臭いじゃない」
「アンタに愛を求めた記憶なんてないですよ!?」
「あ、あはは…クゼ様、変わったお知り合いが増えましたね…」
リュミが、あられも無いエルフ女の肢体に頬を赤らめながらフォローをしていた。
「ああ、そうだわ、まだ名前を言ってなかったわね」
──「私の名前はフェルゥア。“ルー”って呼んでちょうだい」
魅入られたように久世は彼女を見つめた。
性格破綻者だと言うのにそこにいるのは美しい女性だ。
車内には久世、市之瀬、西本、東、リュミ、捕虜にした傭兵の6人に加えエルフ女のルーが同乗していた。